【孤独のグルメ11】最終回 第12話 葛飾区高砂「御食事処ときわ」“原点回帰”の食堂めしを解説

連続ドラマ
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『孤独のグルメ Season11』最終回となる第12話は、東京都葛飾区高砂の「御食事処ときわ」が舞台でした。

今回、井之頭五郎が選んだのは、かつ煮定食。

派手なごちそうや珍しい料理ではなく、町の食堂で出てくる熱々のかつ煮。そこに味噌汁、煮物、漬物が並び、最後は冷たい稲庭うどんで締めるという、まさに“食堂めし”の王道のような回でした。

最終回だからといって、大きな事件が起きるわけではありません。

五郎はいつものように仕事を終え、いつものように腹を空かせ、いつものように店を探し、目の前の料理をただひたすら味わっていく。

だからこそ今回の最終回は、『孤独のグルメ』という作品の原点に戻るような一話だったのではないでしょうか。

この記事では、『孤独のグルメ11』最終回・第12話に登場した「御食事処ときわ」の料理と、五郎の食べ方、そしてシーズン11の締めくくりとしての“原点回帰”について解説していきます。

『孤独のグルメ シーズン11』の各話で描かれる“五郎の食べ方”や味変、追加注文の流れについては、こちらの記事でもまとめています。

『孤独のグルメ11』全話まとめ|登場店・五郎の食べ方・味変を一覧で見る

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3行まとめ(結末がすぐ分かる)

  • 『孤独のグルメ11』最終回は、東京都葛飾区高砂の「御食事処ときわ」が舞台
  • 五郎は、かつ煮定食を堪能したあと、稲庭うどん、なすの煮浸し、しらすおろしを追加注文
  • 派手な最終回ではなく、町の食堂で普通に食べる“原点回帰”の締めくくりだった
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お店はどこ?「御食事処ときわ」(葛飾区高砂)

今回登場したのは、東京都葛飾区高砂の「御食事処ときわ」です。

いかにも町の食堂らしい雰囲気の店内では、昼間からお酒を楽しむ常連客たちの姿もありました。

定食だけでなく、一品料理やおつまみ系の料理も充実しており、食事処でありながら、地元の人たちにとっては飲みの場でもあるようです。

五郎が惹かれたのは、店先に掲げられていた呼び文句でした。

「よりよいものを よりおいしく よりお安くを目指します」

この言葉が、今回の最終回全体を象徴していたようにも見えます。

高級感や特別感ではなく、日常の中でちゃんとおいしいものを出す。

そして、それを気取らず、楽しく食べられる。

『孤独のグルメ』が長く描いてきた世界は、まさにこういう店にあります。

■ 店舗情報

  • 店名:御食事処ときわ
  • 住所:〒125-0054 東京都葛飾区高砂3-8-2
  • 電話:03-3657-6407
  • 営業時間:
    月・木・金・土・日
    11:30〜15:00(LO 14:30)
    17:00〜22:00(LO 21:30)
  • 定休日:火曜日・水曜日
  • Googleマップ
  • アクセス:京成線・北総線 京成高砂駅から徒歩約2分

※営業時間・定休日は変更となる場合があります。来店前に最新情報をご確認ください。

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五郎が食べた料理まとめ(最終回)

  • かつ煮定食
    ご飯
    味噌汁
    煮物
    漬物

追加注文

  • 稲庭うどん(冷)
  • なすの煮浸し
  • しらすおろし

他の回で登場したお店や料理もまとめています
孤独のグルメ11 店まとめ|他の話を見る

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最終回あらすじ(ネタバレあり)

葛飾区高砂を訪れた井之頭五郎は、スナック紫陽花でアルバイトの麻衣への就職祝いに贈るボールペンを届ける仕事を終える。

その後、橋の上でふいに空腹を覚えた五郎は、食事処を探し始める。店先に掲げられた「よりよいものを よりおいしく よりお安くを目指します」という言葉に惹かれ、町の食堂「御食事処ときわ」へ入店する。

豊富なメニューに悩みながらも、五郎はかつ煮定食を注文。熱々のかつ煮は、豚肉、衣、卵、つゆが一体となった優しいおいしさで、ご飯との相性も抜群だった。味噌汁や煮物、漬物にも食堂らしい安心感を覚えながら、最後は残ったかつ煮をご飯にのせ、七味を振った“シメのミニカツ丼”として堪能する。

しかし満足したはずの五郎は、「まだいける」と追加注文へ向かう。

続いて頼んだのは、冷たい稲庭うどんとなすの煮浸し、しらすおろし。熱々のかつ煮から一転、つるつるとした細麺と大根おろしの爽やかさを味わい、初夏にぴったりの締めとして楽しんでいく。派手さはなくとも、町の食堂で普通においしいものを食べる喜びを噛みしめながら、五郎はシーズン11最後の食事を満喫したのだった。

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かつ煮定食を解説|“肉なのに優しい”食堂めし

今回、五郎が「御食事処ときわ」で選んだのは、かつ煮定食でした。

メニューの多い食堂で何を頼むか迷った末に、五郎がたどり着いたのがこの一品。とんかつを卵とつゆで煮込んだ、食堂定番のご飯のおかずです。

見た目からして熱々。

豚肉、衣、卵、つゆ、玉ねぎが一つの皿の中で湯気を立てている。五郎がひと口食べて、

これだぁ……かつ煮大正解

と確信したように、今回の注文は最終回の主役にふさわしい直球の食堂めしでした。

かつ煮は肉料理でありながら、どこか優しい。

揚げ物の力強さがあり、豚肉の満足感もあるのに、卵とつゆで包まれることで角が取れている。ガツンと来るのではなく、じんわり染みてくる。

五郎が「かつ煮って肉なのに優しいんだよ」と感じたのも、まさにこの料理の本質を言い当てていたと思います。

豚肉・衣・卵・つゆが一体になる料理

かつ煮の魅力は、個々の要素が別々に立っているのではなく、すべてが一体になっているところにあります。

豚肉の旨味。

衣に染みたつゆ。

半熟気味にまとまった卵。

玉ねぎの甘み。

それらが熱々の状態でひとつになっているからこそ、ただのとんかつとも、ただの卵とじとも違うおいしさになります。

五郎も、

この豚、衣、卵、つゆ。それが熱々。全部が一丸となってうますぎる

と、かつ煮の一体感に反応していました。

とんかつなら衣のサクサク感が主役になりますが、かつ煮ではその衣にあえてつゆを吸わせます。

本来なら失われるはずのサクサク感が、今度は“染みたうまさ”に変わる。衣がつゆを抱え込み、豚肉と卵をつなぐ役割を果たしているわけです。

さらに卵が全体をやわらかくまとめ、玉ねぎの甘みがそこに重なる。

この一皿は、強い素材をやさしく閉じ込めた料理でした。

ご飯にのせたくなるのが、かつ煮定食の魅力

かつ煮定食の面白さは、最初からカツ丼ではないところにあります。

カツ丼なら、出てきた瞬間からご飯とかつ煮が一体になっています。しかし、かつ煮定食は違います。

皿の上のかつ煮。

茶碗の白飯。

この二つが分かれているからこそ、食べ方に余白が生まれます。

まずはかつ煮だけで味わう。

次に白飯を追いかける。

そして、どうしても我慢できなくなったら、ご飯の上にのせる。

五郎も途中でスプーンに持ち替え、カツと玉ねぎをご飯にのせていました。

ここが、かつ煮定食の楽しいところです。

定食として食べているはずなのに、自分のタイミングでミニカツ丼に変化させられる。料理をただ受け取るのではなく、食べながら自分で完成形を作っていく感覚があります。

つゆを吸った衣、甘い玉ねぎ、卵をまとった豚肉。

これをご飯にのせたくならないはずがありません。

五郎にとっても、かつ煮は単なるおかずではなく、ご飯を巻き込んで完成する料理だったのでしょう。

味噌汁・煮物・漬物が定食を完成させていた

今回のかつ煮定食でよかったのは、主役のかつ煮だけではありません。

味噌汁、煮物、漬物がきちんと揃っていたことで、食堂の定食として完成していました。

味噌汁は、豆腐とわかめ。

五郎も、

豆腐とわかめの味噌汁。やっぱり基本だよ

と受け止めていました。

かつ煮の甘辛いつゆと油を味わったあとに、基本の味噌汁が入る。この安心感は、定食ならではです。

煮物には、エリンギと車麩。

エリンギのコリコリした食感と、車麩に染みた煮汁のジュワッとした感じが、かつ煮とは違う方向から食事に奥行きを出していました。

あー、エリンギだ。煮エリンギとはめずらしい。車麩。煮汁ジュワジュワ。

という五郎の反応からも、脇役の小鉢までしっかり楽しんでいることが分かります。

そして漬物。

きゅうりと大根の漬物を食べた五郎は、

漬物がきちんとおいしい。きちんと食堂の漬物。ありがたき幸せ。

と感じていました。

この「きちんと」が大事です。

特別な漬物ではないかもしれない。けれど、かつ煮定食の横にあるべき漬物として、きちんとおいしい。

濃い味のかつ煮を受け止め、味噌汁で落ち着き、煮物で変化をつけ、漬物で口を整える。

主役だけが強い定食ではなく、脇役まで含めて一つの食事になっている。

だからこそ、今回のかつ煮定食は“肉なのに優しい”だけでなく、“食堂そのものの優しさ”を感じさせる一膳だったのだと思います。

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五郎の食べ方を解説|定食から“ミニカツ丼”へ変化する楽しさ

今回のかつ煮定食で面白かったのは、五郎が最初から最後まで同じ食べ方をしていないことでした。

かつ煮定食は、皿に盛られたかつ煮と、茶碗のご飯が別々に出てくる料理です。

つまり、最初は“定食”として食べることができる。

しかし途中から、ご飯にのせれば“カツ丼”のようにも楽しめる。

この自由度こそ、かつ煮定食の魅力です。

五郎も最初はかつ煮そのものを味わいながら、途中でご飯との組み合わせへ移り、最後には七味を振って“シメのミニカツ丼”へと変化させていました。

ひとつの定食の中で、食べ方が少しずつ育っていく。

今回の五郎は、まさにその楽しさを見せてくれました。

まずはかつ煮として味わう

最初の五郎は、まず皿の上のかつ煮そのものを味わっていました。

熱々のかつ煮をひと口食べて、

これだぁ……かつ煮大正解

と確信する五郎。

この時点では、まだご飯にのせる前です。

まずは、豚肉、衣、卵、つゆが一体になった“かつ煮”として受け止めている。

ここが大事です。

かつ煮定食は、カツ丼とは違います。

最初からご飯の上にのっているわけではないため、つゆの染みた衣や、卵のまとわり方、玉ねぎの甘みを、まず皿の上で確認できる。

五郎も、

この豚、衣、卵、つゆ。それが熱々。全部が一丸となってうますぎる

と、かつ煮そのものの完成度に反応していました。

熱々で、甘辛くて、肉の満足感がある。

それでいて、卵とつゆに包まれているから、どこかやさしい。

この段階ではまだ“ご飯のおかず”というより、まず一皿の料理としてかつ煮を味わっている印象でした。

途中からご飯にのせて食べる

しかし、かつ煮はご飯を呼ぶ料理です。

つゆを吸った衣。

卵をまとった豚肉。

甘みの出た玉ねぎ。

これを食べていれば、当然、ご飯にのせたくなります。

五郎も途中でスプーンに持ち替え、カツと玉ねぎをご飯の上へ。

ここから、かつ煮定食は少しずつ“ミニカツ丼”へ近づいていきます。

五郎は、

かつ煮って肉なのに優しいんだよ。この甘みとかさ

と感じていました。

この「甘み」が、ご飯と合わないはずがありません。

肉の力強さだけで押してくるのではなく、つゆと玉ねぎの甘み、卵のやわらかさがあるから、白飯にのせたときにちょうどいい。

しかも、最初からカツ丼として出てくるのではなく、自分のタイミングでご飯にのせるのが楽しいところです。

一口だけのせてもいい。

玉ねぎ多めにしてもいい。

つゆをどれくらいご飯に染み込ませるかも、自分で決められる。

五郎は、出された料理をただ食べているだけではありません。

目の前の定食を、自分の腹具合と相談しながら組み立て直している。

かつ煮定食は、そういう“五郎らしい食べ方”がよく出る料理でした。

最後は七味を振って“シメのミニカツ丼”にする

そして最後は、残ったかつ煮をご飯にのせ、七味を振って仕上げます。

ここで、かつ煮定食は完全に“シメのミニカツ丼”へ変化しました。

最初は皿の上のかつ煮。

途中から、ご飯にのせる楽しさ。

そして最後は、七味で味を引き締めたミニカツ丼。

この三段階の流れが、今回の食事の気持ちよさでした。

七味を振ることで、甘辛いつゆと卵のまろやかさに、少しだけ辛みと香りが加わります。

重くなりすぎず、最後のひと口まで箸が進む。

五郎が、

シメのミニカツ丼最高

と感じたのも納得です。

かつ煮定食は、最初から最後まで決まった食べ方をする料理ではありません。

皿で食べ、ご飯と食べ、最後に自分だけの小さなカツ丼にする。

その自由さがあるからこそ、五郎の食べ方が映えます。

今回の最終回が“原点回帰”に見えたのも、こういうところに理由があると思います。

特別な技や派手な演出ではなく、目の前の定食を、自分の好きなように食べる。

かつ煮定食からミニカツ丼へ。

その小さな変化の中に、『孤独のグルメ』らしい一人飯の楽しさが詰まっていました。

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稲庭うどん・なすの煮浸し・しらすおろし|熱々のあとに来る“冷やしの締め”

かつ煮定食を食べ終えた五郎は、いつものように「ごちそうさまでした」と終わるかと思いきや、まだ箸を置きませんでした。

いや、まだいける。麺でしめるか。

そう考えた五郎が追加で選んだのが、稲庭うどん、なすの煮浸し、しらすおろしです。

この選び方が、実に最終回らしい流れでした。

かつ煮定食は、熱々で、甘辛く、豚肉と卵とつゆの満足感が強い料理です。そこからさらに重いものへ行くのではなく、冷たい稲庭うどんへ向かう。

つまり、食事の後半で一気に温度が変わります。

熱々のかつ煮から、つるつるの冷やしうどんへ。

濃い味の定食から、大根おろしとしらすの爽やかさへ。

最終回の締めとして派手さはありませんが、食後の流れとしてはかなりきれいでした。お腹は満たされているのに、もう少し食べたい。その“もう少し”を、冷たい麺で受け止める。五郎の胃袋が、夏支度を始めたような締め方でした。

かつ煮のあとに冷たい麺を選ぶ流れ

かつ煮定食のあとに冷たい稲庭うどんを選ぶ流れは、かなり自然でした。

かつ煮は、甘辛いつゆと卵、豚肉、衣が一体になった料理です。うまいけれど、味の方向はしっかり濃い。しかも熱々なので、食べ終えた時点でかなりの満足感があります。

そこで五郎が選んだのが、冷たい稲庭うどんでした。

そうそう、細麺のつるつる。稲庭だ。

このセリフどおり、稲庭うどんの魅力は細くて、なめらかで、のどごしがいいところにあります。

かつ煮が“噛んで満たされる料理”だとすれば、稲庭うどんは“すすって整える料理”です。

熱々のかつ煮で満たされたあと、冷たい細麺が入ることで、食事の流れがすっと軽くなる。

五郎も、

激アツからの冷やし、いい流れじゃないか

と、この温度差を楽しんでいました。

この「激アツからの冷やし」という感覚が、今回の追加注文の肝です。

単にまだ食べられるから麺を頼んだのではなく、熱いものを食べた後に、冷たいもので締める。食事の中に、ちゃんと起承転結がある。

かつ煮定食で満腹の山を作り、稲庭うどんで涼しく下っていく。

最終回の食事として、とても気持ちのいい着地でした。

なすの煮浸しが食事を軽くしていた

稲庭うどんと一緒に頼んだなすの煮浸しも、いい役割をしていました。

なすの煮浸しは、かつ煮のように力で押す料理ではありません。だしを含んだなすを、冷たく、さっぱりと味わう一品です。

五郎もひと口食べて、

うん、さっぱりする。

と受け止めていました。

この「さっぱりする」が、かつ煮定食の後にはとても大きいです。

豚肉、衣、卵、つゆで満たされた後に、なすの煮浸しが入ることで、食事全体が少し軽くなる。油や甘辛さで重くなった口の中を、なすの水分とだしが静かにほどいてくれます。

さらに五郎は、

冷やしうどんとも合う。なすナイスチョイス。

とも感じていました。

なすの煮浸しは、単独で食べてもよいですが、今回のように冷たい稲庭うどんと並ぶことで、より涼しげな一品になります。

つるつるしたうどん。

だしを含んだなす。

この二つが並ぶことで、後半の食事は一気に“夏の食堂めし”になっていました。

かつ煮でしっかり食べ、なすで軽くする。

この緩急があるから、五郎の追加注文は重たくならず、むしろ気持ちよく見えたのだと思います。

しらすおろしで初夏らしい爽やかさへ

そして、もう一つ大事だったのが、しらすおろしです。

五郎はしらすおろしをそのまま食べるだけでなく、つけつゆに入れていました。

うーん、そうだ。おろしマシマシで。

この判断が、かなり五郎らしいです。

大根おろしは、濃い味の料理のあとに口の中を整えてくれる存在です。そこにしらすの旨味が加わることで、たださっぱりするだけではなく、ちゃんと味の厚みも出る。

五郎も、

おぉ、いい。おろしが麺に絡んですごくいい!しらすも働いている。

と、その組み合わせに反応していました。

しらすおろしをつゆに入れることで、稲庭うどんの細い麺に大根おろしが絡み、しらすの塩気と旨味も一緒に入ってくる。

これは、かつ煮定食の後にふさわしい“冷やしの締め”でした。

濃厚なかつ煮から始まり、ミニカツ丼でいったん食事を完成させる。

そこから稲庭うどん、なすの煮浸し、しらすおろしで、口の中を初夏の方向へ切り替えていく。

五郎が、

初夏にピッタリ、爽やかうどん。

と感じたように、この締めは季節感まで含めてよくできていました。

最終回なのに、食事は終わりに向かうだけではありません。

本格的な夏が来る。明日もまた腹が減る。だから、しっかり食べて、爽やかに締める。

稲庭うどんとなすの煮浸し、しらすおろしは、シーズン11の終わりでありながら、次の季節へ向かう一皿でもありました。

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久住さんが本編に登場|最終回らしい小さなサプライズ

今回の最終回では、原作者の久住昌之さんが本編にも登場しました。

かつ煮定食を食べ終えた五郎が、さらに稲庭うどん、なすの煮浸し、しらすおろしを注文したところで、隣の席に座っていたのが久住さんでした。

五郎も思わず、

あれ、この人どこかで?

というような反応を見せます。

『孤独のグルメ』ではおなじみの久住さんですが、本編の五郎と同じ空間にいると、どこか不思議な感じがあります。

ただし、ここで大げさな演出になるわけではありません。

久住さんは、あくまで「御食事処ときわ」にいる一人の客として、自然にそこに座っている。五郎も深く突っ込むわけではなく、少しだけ気にする程度です。

このさりげなさが、最終回らしい小さなサプライズになっていました。

さらに面白かったのは、久住さんが食べていた料理です。

久住さんは、ゆで豚となすのおろしポン酢を食べていました。一方の五郎は、なすの煮浸しとしらすおろしを注文しています。

五郎はそれを見て、

なすもおろしもかぶってる

と反応していました。

完全に同じ料理ではないのに、食材の方向性が少し重なっている。

この“ゆるいかぶり”が、いかにも『孤独のグルメ』らしい遊び心です。

最終回だからといって、物語を大きく動かすわけではない。

けれど、長く見てきた人には分かる小さな特別感がある。

久住さんの本編登場は、作品の空気を壊さず、食堂の片隅にそっと置かれたおまけの一品のようなサプライズでした。

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ふらっと久住|たまご焼きとくろむつの塩焼き

今回の「ふらっと久住」では、本編にも登場した久住昌之さんが、改めて「御食事処ときわ」を訪れていました。

まず印象的だったのは、本編出演についての振り返りです。

いつもの「ふらっと久住」だけでなく、今回は五郎の隣の席に座る形で本編にも登場。最終回らしい小さなサプライズを終えたあと、いつものように店の料理を味わう流れになっていました。

久住さんが最初に食べたのは、たまご焼きです。

すごいおいしい。卵をちょっと甘いのもいい

という反応からも分かるように、少し甘めのやさしい味わいだったようです。

たまご焼きは、食堂や居酒屋の個性が出やすい料理です。

出汁を効かせるのか、甘めにするのか、焼き加減をどうするのか。シンプルだからこそ、店の雰囲気がそのまま出る一品でもあります。

今回のたまご焼きは、「御食事処ときわ」の空気にとても合っていました。

昼間から常連客たちが飲んでいる店で、少し甘いたまご焼きをつまむ。そこには、特別な料理ではないのに妙に安心する、町の食堂ならではの魅力があります。

そしてもう一品が、くろむつの塩焼きです。

むつがいい香り。口に入れた瞬間美味しいタイプ

と久住さんが反応していたように、こちらは焼き魚としての満足感がかなり高そうな一皿でした。

本編の五郎はかつ煮定食を選びましたが、ふらっと久住では魚の塩焼きが登場します。

これによって、「御食事処ときわ」が単にかつ煮のお店ではなく、肉も魚も一品料理も楽しめる食堂であることが見えてきます。

定食をしっかり食べることもできる。

たまご焼きや焼き魚で昼から一杯やることもできる。

そんな懐の広さが、この店の魅力なのでしょう。

店主の話では、昼間から飲んでいるお客さんも多く、お酒の種類もどんどん増えていったとのこと。

つまり「御食事処ときわ」は、食事処でありながら、地元の人にとっては気軽な酒場でもある店です。

本編では、五郎がかつ煮定食と冷たい稲庭うどんで“食堂めし”を堪能しました。

一方の「ふらっと久住」では、たまご焼きとくろむつの塩焼きを通して、この店の日常使いの幅広さが見えてきます。

食べてもいいし、飲んでもいい。

一人で来てもいいし、常連として腰を落ち着けてもいい。

最終回に登場した「御食事処ときわ」は、そんな町の食堂の理想形のような場所でした。

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コラム|第12話は“普通に食べること”へ戻る最終回だった

『孤独のグルメ11』最終回は、派手な締めくくりではありませんでした。

五郎が特別な旅に出るわけでもなく、豪華なコース料理を食べるわけでもありません。

仕事を終え、腹が減り、町を歩き、気になった店に入る。そして、かつ煮定食を食べる。

ただそれだけです。

しかし、その「ただそれだけ」に戻ってきたことこそが、今回の最終回らしさだったのだと思います。

『孤独のグルメ』は、誰かと勝負する話ではありません。流行の店を探す話でも、特別な料理をありがたがる話でもありません。

腹が減った人間が、自分の勘で店を選び、自分の食べたいものを食べる。

その普通の行為を、どこまでも大事に描いてきた作品です。

第12話は、その原点へ静かに帰っていく回でした。

特別な最終回ではなく、いつもの食堂めしだった

最終回と聞くと、どうしても何か特別な料理や大きな展開を期待してしまいます。

けれど今回、五郎が選んだのは町の食堂のかつ煮定食でした。

かつ煮、味噌汁、煮物、漬物。

食べ終えたあとには、冷たい稲庭うどんとなすの煮浸し、しらすおろし。

どれも奇をてらった料理ではありません。

でも、熱々のかつ煮を頬張り、ご飯にのせ、最後に七味を振って“シメのミニカツ丼”にする。その食べ方の中には、『孤独のグルメ』らしい楽しさがしっかりありました。

特別な最終回ではない。

けれど、五郎にとってはその日の空腹を満たす大事な一食です。

この作品において、食事はいつもそうでした。

誰かに見せるためでも、記念に残すためでもなく、ただ自分が今食べたいものを食べる。

そこにある満足だけを、まっすぐ味わう。

だからこそ、最終回に町の食堂を持ってきたことが効いています。

最後に帰る場所は、豪華な店ではなく、日常の中にある食堂だった。

そこがとても『孤独のグルメ』らしい締め方でした。

「よりよいものを、よりおいしく、よりお安く」が作品の芯と重なる

五郎が「御食事処ときわ」に入るきっかけになったのは、店先にあった言葉でした。

よりよいものを、よりおいしく、よりお安く

この言葉は、食堂の姿勢であると同時に、『孤独のグルメ』という作品の芯にも重なって見えます。

『孤独のグルメ』に出てくる店は、必ずしも高級店ではありません。

むしろ、町の定食屋、食堂、洋食屋、中華料理店、焼き魚の店、鉄板焼きの店など、生活の延長にある店が多い。

そこでは、特別な説明よりも、目の前の料理がすべてを語ります。

よりよいものを出したい。

よりおいしく食べてもらいたい。

できれば、より気軽に来てもらいたい。

そういう店の気持ちが、五郎の一人飯を支えてきました。

今回の「御食事処ときわ」も同じです。

かつ煮定食は、驚くような料理ではないかもしれません。

けれど、熱々で、ご飯に合って、味噌汁も煮物も漬物もきちんとしている。

それだけで十分に強い。

五郎が店を出たあと、改めて店先の言葉を見て胸に刻んでいたのも、この食堂の姿勢を料理全体から受け取ったからでしょう。

そして最後に、五郎はそこへもう一つ言葉を足していました。

そして何より楽しくか。

この「楽しく」が、『孤独のグルメ』にとって何より大事な部分です。

食べることは、栄養を取るだけではありません。

腹を満たすだけでもない。

自分で選び、自分で組み立て、自分のペースで味わう。

そこに楽しさがあるから、五郎の食事は毎回小さな冒険になるのです。

明日もまた何を食べるか考える。それが『孤独のグルメ』らしい

第12話の最後、五郎は店を出たあと、こうつぶやいていました。

明日は浅草か、何を食おうかな……

この終わり方が、とてもいいです。

最終回なのに、五郎の食事は終わっていません。

今日のかつ煮定食を食べ終えても、明日になればまた腹が減る。仕事があり、町を歩き、どこかで店を探す。

そしてまた、何を食べるか考える。

つまり、『孤独のグルメ』の世界は、最終回で閉じるのではなく、明日の空腹へ続いていくのです。

ここに、今回の“原点回帰”があります。

特別なラストシーンで大きく締めるのではなく、「明日は何を食べようか」で終わる。

それは、食べることが日常だからです。

一食終われば、また次の一食がある。

満腹になっても、人生から空腹は消えない。

だからこそ、五郎は歩き続けるし、また店を探す。

第12話は、シーズン11の最終回でありながら、『孤独のグルメ』そのものはまだどこかで続いていると思わせる回でした。

普通に食べること。

食べたいものを選ぶこと。

そして、明日もまた何を食べるか考えること。

その小さな自由に戻って終わったからこそ、今回の最終回は静かに心地よかったのだと思います。

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まとめ|最終回は“食堂めしの原点”に帰る回だった

『孤独のグルメ11』最終回・第12話は、葛飾区高砂「御食事処ときわ」のかつ煮定食を中心にした回でした。

熱々のかつ煮をそのまま味わい、ご飯にのせ、最後は七味を振って“シメのミニカツ丼”にする。

そして、満足したはずなのに、さらに冷たい稲庭うどん、なすの煮浸し、しらすおろしで爽やかに締める。

今回の五郎の食事には、派手さよりも、食堂めしを自分のペースで楽しむ気持ちよさがありました。

かつ煮定食は、肉料理でありながら優しく、味噌汁や煮物、漬物まで含めて一つの食事になっていました。

そこにあったのは、特別な最終回のごちそうではなく、日常の中でちゃんとおいしいものを食べる安心感です。

店先に掲げられた「よりよいものを、よりおいしく、よりお安く」という言葉も、今回の食堂めしを象徴していました。

さらに五郎がそこへ「何より楽しく」と重ねたことで、『孤独のグルメ』が大切にしてきたものも見えてきます。

食べることは、ただ腹を満たすだけではありません。

自分で店を選び、料理を選び、食べ方を組み立て、満足する。

その自由と楽しさこそが、五郎の一人飯の魅力です。

最終回の最後に、五郎は「明日は浅草か、何を食おうかな……」とつぶやいていました。

今日の食事が終わっても、明日になればまた腹が減る。

その当たり前の続きの中に、『孤独のグルメ』らしさがあります。

最終回でありながら、物語を大きく閉じるのではなく、また次の一食へ歩いていく。

第12話は、そんな“食堂めしの原点”に帰る、静かで心地よい締めくくりでした。

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