【俺のこと、なんか言ってた?】第7話ネタバレ解説|頂点から再び転落!高瀬川に何が起きた?

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Netflixドラマ『俺のこと、なんか言ってた?』第7話「振り出しに戻る大物俳優」のネタバレ解説と考察をまとめました。

田中卓として俳優人生をやり直し、ついに『リア王』の主演に抜擢された高瀬川。どん底から再び頂点へと返り咲いたかと思いきや、制作発表での発言が思わぬ事態を招き、またしても転落してしまいます。さらに、1度目と2度目の転落の違いや、マズローの欲求階層説から見た高瀬川の変化についても考察します。

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第7話「振り出しに戻る大物俳優」あらすじ

田中卓として俳優人生をやり直すことを決意した高瀬川玄(役所広司)。かつての付き人・大森の付き人となり、エキストラや脇役を経験しながら、地道に実績を積み重ねていく。

そんな中、世界的演出家チャールズ・ロットンが手がける舞台『リア王』のオーディションに挑戦。見事主演の座を勝ち取り、再び俳優として頂点に立つことになるが……。

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第7話ネタバレ解説

※ここからは第7話の結末まで触れています。

田中卓として再出発!大森の付き人からやり直す

物語は、田中卓と名乗る高瀬川がオーディションを受ける場面から始まります。時間は1年前にさかのぼります。

事務所を訪れた高瀬川は、俳優人生の2巡目として、振り出しからやり直したいと申し出ます。親の七光りや女性スキャンダルなど、これまで自分にまとわりついていたものを捨て、かつて自分の付き人だった大森の付き人として再出発することになりました。

高瀬川は、これを自分なりの償いだと考えていました。大森に車のシートを蹴るよう促しますが、立場が逆転しても、大森にはなかなかできません。

エキストラや脇役など、さまざまな仕事を経験するうちに、主役にしか興味がなかった一巡目の俳優人生が、いかに退屈だったかを実感するようになります。

一方、サウナ「白樺」でのアルバイトも続けていました。チヂミが勝手にエントリーしたアウフグースの全国大会では、60歳以上の部で見事優勝。「ブロウウインズ!」と叫びながらタオルを振り回す高瀬川は、俳優以外の世界でも才能を発揮していました。

【視聴メモ|多忙な付き人】
大森の付き人をしながら、俳優としての仕事も増えていく高瀬川。いつの間にか大森より忙しくなり、本人から運転を代わろうかと申し出られるほどになっていた。

岡本との再会!「99%の人が知らない男」の物語

サウナで働いていた高瀬川は、行方がわからなくなっていた劇作家の岡本と再会します。

岡本は結婚して喜屋武という名字になり、妻と「テツ&まなみのめんそーれ」というユニットを組んで、アウフグースの大会に参加していました。

岡本には逃げ癖があり、自分では回避性パーソナリティ障害だと説明します。脚本を書こうとしても、自分でハードルを上げてしまい、初日が近づくと逃げたくなるというのです。

そんな岡本に、話を聞いていたチヂミが声をかけます。「逃げるという選択肢があるのは、いいことだ」逃げられずに命を落とす人もいるのだから、逃げたくなったら逃げればいい。チヂミはそう伝えました。

Tips|回避性パーソナリティ障害とは?

他人からの批判や拒絶に対する強い恐れなどから、人間関係や社会的な活動を避ける傾向が持続し、生活に支障をきたすパーソナリティ障害の一つ。

その後、高瀬川はシェイクスピアの36分類について語り始めます。あらゆる物語は36のパターンに分類でき、それらはすべてシェイクスピアによって書かれてしまったという説です。

しかし、高瀬川はシェイクスピアの作品をすべて読んだうえで、「ある日突然、国民の99%から忘れ去られた男」の物語は存在しなかったと語ります。

そして、以前交わした約束を岡本に思い出させます。高瀬川は俳優として再出発するという約束を果たしました。今度は岡本が、その物語を書く番です。

Tips|物語は36パターンしかない?

「36の劇的状況」は、フランスの作家ジョルジュ・ポルティが提唱した物語の分類。「哀願」「救済」「復讐」など、物語を動かす基本的な状況を36種類に整理している。

『リア王』オーディション!田中卓が再び主役に

世界的演出家チャールズ・ロットン、通称チャーリーが手がける舞台『リア王』のオーディションに挑む高瀬川。

チャーリーは、以前にも高瀬川を『リア王』の主演に選んだ人物でした。しかし、今回の高瀬川については覚えていません。高瀬川から事情を聞いたチャーリーは、彼が本当のことを言っているなら「LP」だと告げます。

Tips|LP(ロストパーソン)とは?

劇中で登場する「Lost Person」の略称。ワクチンの副反応を調査する中で、特定の人物に関する記憶だけが接種者の脳から消失していることが判明。そうした人々をLPと呼ぶようになった。※ドラマ内の設定

オーディションで志望動機を尋ねられた高瀬川は、2度目の俳優人生で経験したことを語ります。すべてを失い、最後に愛と自分の愚かさを知るリア王を演じるのに、自分ほどふさわしい俳優はいないと訴えます。ただし、審査員のメモには「話が長い」と書かれていました。

そして、いよいよ演技審査です。高瀬川はグローブ座の舞台を思い出し、「ブロウ ウインズ!」と叫びます。しかし、途中でセリフを飛ばしてしまい、妙なテンションになって上着を脱ぐと、それをタオルのように振り回しながら演技を続けてしまいました。

オーディション後、高瀬川は悔いが残っていると岡本に話します。その一方で、エゴサーチはもうやめたとも語りました。ところが、失敗したと思っていたオーディションの結果は、見事合格。高瀬川は田中卓として、再び世界的な舞台の主演に抜擢されたのでした。

ポイント|2度目の選出

かつて世界的演出家に認められながら、世間から忘れられた高瀬川が、同じ演出家にもう一度選ばれた。

川島への感謝!「田中卓を生み出した名監督」

主演決定後、高瀬川は元妻のヨウコと打ち合わせをします。そこへ娘のエマも現れ、一緒に食事をすることになりました。その後、高瀬川はどうしても会って礼を伝えたい人がいると、車を借りて茨城県土浦市へ向かいます。訪ねたのは川島でした。

川島は、弟の誠が継いだ仕出し弁当と惣菜の店「キッチン川島」で、厨房の仕事を手伝っていました。撮影現場に戻りたいとは思わないのかと尋ねられても、川島はその気はないと答えます。今になって振り返ると、かつての撮影現場は異様な場所だったと感じているようです。

高瀬川は『リア王』のチラシを渡し、今回の主演は川島のおかげだと感謝を伝えます。そして、田中卓という俳優を世に生み出したのは川島監督であり、自分が役者を続ける限り、川島は名監督であり続けると告げました。川島の代表作は田中卓なのだと。これからも川島が誇りに思える芝居を続けると約束し、高瀬川はその場を後にしました。

『リア王』制作発表で大暴走!感謝の言葉が業界批判へ

それから2か月後。

『リア王』の稽古は過酷を極めていました。オリジナル版に加えて日本人キャストによる日本語版の上演も決まり、高瀬川は両方で主演を務めることになります。日本語版の道化役には、かつて高瀬川の付き人だった大森が選ばれました。

そして、世界に向けてライブ配信されるワールドプレミア制作発表の日が訪れます。田中卓として壇上に立った高瀬川は、3年前にどん底にいたことを振り返ります。公園で寝泊まりし、サウナで無銭飲食をしていたこと。それでも俳優になる夢を捨てきれず、エキストラから再出発したこと。

そして、撮影所のベテランスタッフや壬生、川島、家族、事務所の人々、ファンに感謝を伝え、深々と頭を下げました。ところが、挨拶はここで終わりませんでした。

高瀬川は、エンターテインメント業界の底辺から現場を見てきた自分だからこそ、伝えたいことがあると話し始めます。「メシは大事です」撮影現場のロケ弁や、移動しながら食事を取らなければならない労働環境などについて、熱弁を振るい始めたのです。

最初は感謝の挨拶だったはずが、次第に映画業界への問題提起へと変わっていきました。配信のコメント欄には批判が増え、視聴者も次々と離れていきます。事務所スタッフも炎上を懸念しますが、高瀬川の話は止まりません。やがて会場から人々が退席し始め、チャーリーまで席を立ってしまいました。

ポイント|炎上スピーチ

マ高瀬川は、撮影現場で働く人たちへの感謝から話を始めた。しかし、業界の問題を語り続けたことで、会見の空気が一変した。

再び振り出しへ!岡本が持ってきた脚本

高瀬川が制作発表で熱弁を振るっていた理由には、マズローの欲求階層説が関係していました。人間の欲求には、自己実現のさらに上に「自己超越」という第6段階があるという考え方です。

自己実現を果たした人間の欲求は、今度は自分の外側へと向かう。社会をよくしたい、自分の経験を広め、より多くの人を幸せにしたいと考えるようになるのです。高瀬川は、まさにその状態にありました。

しかし、その思いは制作発表での暴走につながってしまいます。そして、事態はさらに悪化します。高瀬川玄を覚えている1%の人々が、田中卓の正体に気づき始めたのです。田中卓は高瀬川玄ではないかという声が上がり、過去の不倫スキャンダルに関する記事も拡散されていきます。

やがてネットニュースには、田中卓が『リア王』の主演を降板するという記事が掲載されました。マスコミはマチ子のもとやサウナ「白樺」にも押しかけます。こうして、高瀬川は再びすべてを失い、かつて寝泊まりしていた公園の遊具の下へと戻ってきました。

そこへ岡本が現れます。岡本は、以前交わした約束どおり脚本を書いたと告げ、高瀬川に台本を差し出しました。そのタイトルは、『誰も知らない大物俳優』。高瀬川が岡本に書いてほしいと頼んでいた、国民の99%から忘れ去られた男の物語でした。

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第7話考察|高瀬川は本当に変わったのか?

ようやく『リア王』の主演に返り咲いた高瀬川。しかし、制作発表での発言が炎上し、再びすべてを失ってしまいました。

せっかくやり直したのに、結局また同じことを繰り返してしまったのか?確かに、空気を読まずに自分の言いたいことを話し続ける姿は、以前の高瀬川と変わらないようにも見えます。

しかし、1度目と2度目の転落では、高瀬川が求めていたものが大きく違っていました。

2度の転落を比較すると見えてくるもの

比較項目1度目の転落2度目の転落
俳優としての立場誰もが知る大物俳優田中卓として『リア王』主演に抜擢
関心の対象自分自身の評価や立場スタッフや業界全体
求めていたもの名声や他人からの承認自分の経験を社会に役立てること
承認欲求エゴサーチがやめられない身近な5?6人に認められれば十分
マズローの欲求承認欲求自己超越欲求
転落のきっかけ国民の99%から記憶を失われる制作発表での業界批判と過去の騒動の再燃
転落後公園で寝泊まりし、居場所を失う再び公園へ戻るが、岡本が脚本を届ける

※欲求の分類は、劇中の描写をもとにした解釈です。

こうして比較すると、高瀬川が以前とは違う人間になっていることがわかります。

かつては自分がどう評価されているのかを気にして、エゴサーチをやめられなかった高瀬川。それが今では、顔も知らない大勢の人に認められる必要はないと考えるようになりました。

また、主役にしか興味がなかった高瀬川が、エキストラや付き人を経験したことで、現場を支える人たちの苦労や大切さを知りました。川島を訪ねて感謝を伝えた場面も、その変化を象徴していたと思います。

そして、制作発表で高瀬川が訴えたかったのも、自分の待遇ではなく、撮影現場で働く人たちの環境についてでした。高瀬川は変わらなかったから失敗したのではなく、変わったからこそ、再び失敗してしまったのかもしれません。

ただし、成長したからといって、傲慢さまでなくなったわけではありません。自分の考えを伝えたいという気持ちが強すぎて、周囲が何を求めているのかが見えなくなる。そんな高瀬川らしさは、最後まで残っていました。

そして、もう一つ大きく違うのが、転落したあとの状況です。1度目は誰からも忘れられ、孤独になった高瀬川。しかし今回は、約束を果たした岡本が脚本を持ってきてくれました。

再び公園に戻ったとはいえ、高瀬川がこの数年間で築いてきた人間関係まで失われたわけではないのです。振り出しに戻ったようで、決して元通りではない。そこに、今回の再転落の面白さがあるように思います。

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コラム|成長しすぎた高瀬川とマズローの第6段階

なぜ高瀬川は、せっかく手に入れた『リア王』の主演を、自らの発言によって失うことになったのか?その理由について、高瀬川自身が語っていたのが、心理学者アブラハム・マズローの「欲求階層説」です。

マズローの欲求には第6段階がある?

マズローの欲求階層説は、人間の欲求を段階的に捉えた理論です。一般的には、次の5段階で知られています。

  1. 生理的欲求:食事や睡眠など、生きるための基本的な欲求
  2. 安全の欲求:安心して暮らせる環境を求める欲求
  3. 所属と愛の欲求:人とのつながりや愛情を求める欲求
  4. 承認欲求:他人から認められ、評価されたいという欲求
  5. 自己実現欲求:自分の能力や可能性を発揮したいという欲求

しかし、晩年のマズローは、自己実現のさらに先に「自己超越」という段階があると考えるようになりました。これは、自分自身の成功や満足を超えて、他者や社会、より大きな目的のために行動しようとする欲求です。

※欲求階層説は人間の動機を理解するための理論の1つであり、すべての人が必ず順番どおりに進むというものではありません。

承認欲求を乗り越えた高瀬川

かつての高瀬川は、他人からの評価を何よりも気にする人物でした。大物俳優として成功していながら、エゴサーチを繰り返し、世間からどう見られているのかを気にしていました。

しかし、すべてを失ってからの2度目の俳優人生で、高瀬川の価値観は変化していきます。エキストラや付き人を経験し、俳優としての仕事の楽しさを知る一方、周囲の人たちの大切さにも気づきました。

そして、オーディションのあとには、自分を認めてくれるのは身近な5~6人で十分だと語っています。かつては大勢の人から認められることを求めていた高瀬川が、ようやく他人の評価に振り回されなくなったのです。

自己実現の先にあった思わぬ落とし穴

そして高瀬川は、再び『リア王』の主演という大きな成功を手にしました。ここで顔をのぞかせたのが、マズローの第6段階「自己超越」です。

高瀬川は、制作発表で熱弁を振るってしまった理由について、自己実現を果たした人間の欲求は外側へ向かうと説明していました。つまり、もはや自分が成功することだけでは満足できなくなっていたのです。

現場の末端で働いた経験から、スタッフの待遇や労働環境にも目を向けるようになり、今度は業界全体をよくしたいと考えるようになったのでしょう。その気持ち自体は、決して悪いものではありません。

しかし、高瀬川は制作発表という場で、周囲の反応にも気づかず、自分の考えを延々と語り続けてしまいました。自分のことしか考えていなかった高瀬川が、他人のことまで考えるようになった結果、再び転落してしまったのです。

もちろん、自己超越の欲求を持つこと自体が、失敗につながるわけではありません。高瀬川の場合は、その思いを伝える場所や方法を間違えてしまったのでしょう。

それでも、なんとも皮肉な展開です。人間的に成長し、他人への感謝を覚え、ようやく承認欲求から解放されたと思ったら、今度はその先にある欲求によって失敗してしまう。高瀬川は成長が足りなかったのではなく、成長しすぎてしまったのかもしれません。

もっとも、どれだけ成長しても、自分が正しいと思ったことを語り始めると止まらなくなる性格は、以前と変わっていないようです。そう考えると、今回の転落も、実に高瀬川らしい結末だったのではないでしょうか。

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第7話まとめと感想

田中卓として俳優人生をやり直し、ついに『リア王』の主演を勝ち取った高瀬川。しかし、頂点に返り咲いたのもつかの間、制作発表での発言が炎上し、再びすべてを失ってしまいました。

今回は、ようやく成功したと思ったら、あっという間に転落するという急展開でした。ただ、1度目と2度目の転落では、高瀬川自身が大きく変わっています。

かつては自分の評価ばかり気にしていた高瀬川が、今では周囲への感謝を覚え、他人や社会のことまで考えるようになりました。それなのに、その成長が裏目に出てしまうとは、なんとも皮肉な話です。そして、再び公園に戻った高瀬川のもとに、岡本が約束の脚本を持って現れました。

振り出しに戻ったように見えても、高瀬川がこれまでに経験したことや、築いてきた人間関係まで失われたわけではありません。

残すところ、あと1話。岡本が書いた『誰も知らない大物俳優』は、どんな物語なのか。そして、高瀬川は今度こそ、自分なりの居場所を見つけられるのか。最終話でどのような結末を迎えるのか、楽しみです。

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