『大追跡 Season2』第8話では、女性が相次いで殺害され、犯人が残したスマートフォンから複数の女性を盗撮した映像が見つかります。
その中には、SSBC強行犯係の光本さやかの姿もありました。
年齢も職業も住んでいる場所もバラバラな5人の女性。なぜ彼女たちは狙われたのか。捜査を進める中で、光本自身の記憶から意外な共通点が浮かび上がってきます。
この記事では、第8話の事件の流れを整理しながら、光本が狙われた理由や5人の女性をつなぐ共通点、犯人の動機についてネタバレありで解説します。
3行まとめ
- 江本史織と鈴木瞳が相次いで殺害され、犯人のスマホから光本を含む5人の女性の盗撮映像が見つかる
- 光本の記憶を手がかりに、5人にはある共通点があったことが判明する
- 光本がおとりとなって犯人を誘い出し、連続殺人の動機と5人が狙われた理由が明らかになる
『大追跡 Season2』の各話のあらすじや犯人、デジタル捜査、ゲスト出演者については、全話まとめ記事で随時更新しています。
→【大追跡 Season2】全話あらすじ・ネタバレまとめ|犯人・動機・デジタル捜査一覧
第8話「記憶の中の殺人者」のあらすじ
アパレル会社の広報を務める江本史織が、自宅マンションで絞殺される事件が発生。周辺の防犯カメラには仮面をつけた不審な人物が映っており、さらに現場付近で見つかったスマートフォンからは、複数の女性を盗撮した動画が発見された。
その中には被害者の江本史織だけでなく、SSBC強行犯係の光本さやかの姿もあった。
5人には年齢や職業、住所など目立った共通点がなく、光本もほかの女性たちに見覚えがなかった。
調べると、5人は同じ時期に同じ美容室を利用し、最初だけ美容師の神室貴弥が担当していた。しかし全員が2回目以降は別の美容師を指名していたことが判明する。
神室が犯人だとみたSSBCは、光本をおとりにして逮捕作戦を実行。光本の自宅へ侵入した神室を待ち構えていた青柳たちが取り押さえ、一連の事件は解決した。
神室は、5人の髪型を自分にとっての「最高の作品」だと考えており、それを否定されたことが許せなかったと供述。江本史織と鈴木瞳を殺害し、ほかの女性たちも狙っていたことを認めた。
第8話の事件を整理
江本史織と鈴木瞳はどうやって殺害されたのか
最初の被害者となった江本史織は、自宅マンションで首を絞められて死亡していました。
マンションにはエントランスやエレベーター、廊下の防犯カメラが設置されていましたが、犯人はそこを通らず、ベランダ側から侵入したとみられます。
その後、ウォーキング中だった鈴木瞳も橋の下で遺体となって発見されました。瞳の首にも索条痕があり、史織と同じく紐のようなものを使って絞殺されたことから、警察は同一犯による連続殺人と判断します。
実際に犯人・神室貴弥は逮捕後、2人を殺害したことを全面的に認めています。
犯人のスマホに残されていた5人の女性
江本史織の事件現場付近では、データ通信用SIMが入ったスマートフォンが発見されます。
中に残されていたのは、女性たちを隠し撮りした動画でした。
映っていたのは、江本史織、鈴木瞳、上田由美、山本優子、そしてSSBC強行犯係の光本さやかの5人です。
年齢や職業、住所などはバラバラで、光本自身もほかの女性たちに見覚えがありませんでした。
その後、上田由美も帰宅途中に襲われますが、偶然通りかかった男性に助けられ、一命を取り留めます。
ここから警察は、スマートフォンに映っていた5人全員が犯人の標的になっていると考えました。
光本さやかはなぜ狙われたのか
光本は当初、ほかの4人との接点を思い出すことができませんでした。
そこで名波は「認知面接」という手法を使い、光本に当時の状況を無理に思い出させるのではなく、服装や匂い、周囲の様子などを少しずつ振り返らせます。
その場では答えにたどり着きませんでしたが、後になって光本が1人で名波とのやり取りを思い返しているうちに、「美容室だった」と気づきます。
確認すると、5人はほぼ同じ時期に同じ美容室を利用していました。
つまり光本が狙われたのは、SSBCの捜査員だったからではありません。
ほかの4人と同じように、かつて神室貴弥に髪を切ってもらった客だったことが理由でした。
5人をつないだ美容師・神室貴弥
美容室の店長・三田村健司に話を聞くと、5人は全員、最初に神室貴弥という美容師に担当されていたことが分かります。
しかし、2回目以降は全員が別の美容師を指名していました。
光本も、髪を揃える程度でいいと頼んだにもかかわらず、神室が勝手に切り進めたことを覚えていました。店長によれば、神室は客の希望より自分の感覚を優先することがあり、トラブルになることも多かったといいます。
神室はその後店を辞め、別の美容室でも問題を起こし、行方が分からなくなっていました。
そして捜査の結果、仮面をつけて犯行現場周辺を歩いていた人物と神室が結びつきます。
5人に共通していたのは、ただ同じ美容室へ通っていたことではありません。
神室に髪を切ってもらい、その後、神室を指名しなくなった女性たちだったのです。
神室貴弥はなぜ5人を殺そうとしたのか
神室にとって5人は「最高の作品」だった
逮捕された神室貴弥は、光本たち5人について、自分がこれまで髪を切った中でも「最高の出来」だったと考えていました。
神室にとって彼女たちは単なる客ではなく、自分の才能を形にした「最高の作品」だったのです。
ただし、なぜ数多くの客の中から、この5人だけを特別に「最高の作品」と考えていたのかまでは劇中で明かされていません。
重要なのは、神室が客自身の希望よりも、自分が作り上げた髪型に強い価値を置いていたということです。
髪型を否定されたことを自分自身の否定と受け取った
ところが5人は、神室に髪を切ってもらったあと、2回目から別の美容師を指名していました。
客からすれば、「思っていた髪型と違った」「自分には合わなかった」というだけの話です。
しかし神室は、それを単なる好みの違いとして受け止めることができませんでした。
自分にとっては最高の作品だったのに、それを本人たちが気に入らなかった。その事実を、自分の才能そのものを否定されたように受け取ってしまったのです。
そして神室の怒りは、やがて「自分の作品を理解できない女性たちが悪い」という歪んだ方向へ向かいます。
取調べでも神室は、5人を「バカで愚かな女たち」と罵り、死んで当然だとまで言い放っていました。
客のために髪を切る美容師でありながら、いつしか客よりも「自分の作品」のほうが大切になってしまったことが、一連の事件につながったといえます。
「自己愛憤怒」とは何だったのか
作中では、神室の心理について「自己愛憤怒」、いわゆる「ナルシシスティック・レイジ」の一種ではないかと説明されていました。
自分自身や、自分が作り上げた理想的な世界を強く傷つけられたと感じたときに、激しい怒りや攻撃的な反応を示すというものです。
神室の場合、自分は優れた美容師であり、5人の髪型は最高傑作だという強い自己評価がありました。
だからこそ、その髪型を気に入らず別の美容師を選んだ5人の行動を、「好みが合わなかった」で終わらせることができなかったのでしょう。
自分が否定されたという怒りを一方的に膨らませ、最終的には相手の命まで奪おうとした。
神室の犯行は、髪型を気に入らなかったという些細な出来事そのものよりも、他人の評価を受け入れられず、自分を否定した相手を排除しようとしたことに本当の恐ろしさがありました。
名波が行った「認知面接」とは?
八重樫の「思い出せ」とは正反対の聞き取り
犯人のスマートフォンに映っていた5人の女性に共通点が見つからない中、八重樫は光本に「どこかで会っていないのか」「思い出せ」と迫ります。
しかし、記憶は強く求められたからといって、都合よく出てくるものではありません。
そこで名波が行ったのが「認知面接」でした。
名波は光本に、いつ会ったのかを無理に答えさせるのではなく、そのとき座っていたか、どんな服を着ていたか、周囲にどんな匂いがあったかなど、断片的な記憶を少しずつたどらせていきます。
光本は「そんなに昔ではない」「誰かと話して笑っていた」「座っていた気がする」「甘くてツンとするような匂いがした」といったことを思い出しますが、その場では場所の特定まではできませんでした。
名波も無理に続けようとはせず、そこで聞き取りを終えています。
八重樫の「とにかく思い出せ」という聞き方とは正反対で、答えそのものではなく、記憶につながる周辺情報を少しずつ引き出していったのが印象的でした。
光本はあとから自分で「美容室」を思い出した
重要なのは、光本が認知面接の最中に美容室を思い出したわけではないことです。
その後、自宅で一人になった光本は、名波から聞かれたことを改めて頭の中で振り返ります。
そして髪を乾かしている最中、断片的だった記憶がつながり、ようやく「あの場所は美容室だった」と気づきました。
つまり認知面接によって名波が直接答えを引き出したのではなく、名波の質問が記憶をたどる道筋を作り、時間を置いて光本自身が答えにたどり着いたという形です。
防犯カメラや歩容認証といったデジタル捜査が中心の『大追跡』ですが、第8話では人間の記憶が、5人の女性をつなぐ共通点を見つける大きな手がかりとなりました。
木沢の光本への好意がかなりはっきりした第8話
自らボディーガードを志願
犯人のスマートフォンに光本の盗撮映像が残されていたことで、SSBCでは光本を1人にしないほうがいいという話になります。
そこで真っ先に「僕が付く。僕が光本のボディーガードに」と名乗り出たのが木沢でした。
本人は柔道初段、弓道二級だとアピールしますが、仁科からはあまり頼りにされていません。それでも木沢は光本を送り届け、部屋の中まで確認し、翌朝も迎えに来ると宣言します。
もちろん同僚が殺人犯に狙われている以上、心配すること自体は不自然ではありません。
ただ、木沢の場合は以前から光本を気にかける場面があり、今回の行動も単なる同僚としての警護だけではないように見えます。
「君がいなくなったら困る」と踏み込む木沢
さらに木沢は、光本を心配するあまり「君がいなくなったら困る」とかなり踏み込んだことまで口にします。
これには光本も思わず驚いていました。
木沢本人が告白したわけではありませんが、ここまで来ると光本に特別な感情を抱いていることは、かなり分かりやすく描かれているように思えます。
その後も木沢は光本を1人にすることを心配し、おとり捜査についても不安そうな様子を見せていました。
第8話は事件そのものがシリアスだったこともあり、普段はどこかコミカルに描かれている木沢の気持ちが、いつも以上にはっきり表に出た回でもありました。
光本との温度差はまだ大きい
一方、光本が木沢に同じような感情を抱いているかというと、今のところそうは見えません。
木沢があれこれ心配することに対して、光本は次第にうっとうしさを感じ、「もう木沢さんに守ってもらわなくていいです」とまで言っています。
最後には、何の役にも立てなかったと落ち込む木沢に対して、光本が感謝を伝えてずんだ餅を渡しました。
ただ、これは恋愛感情への返事というより、心配してくれた木沢を励ましてあげた場面と見るほうが自然でしょう。
木沢から光本への好意はかなり分かりやすくなってきましたが、光本から木沢へ向いているのは、今のところ同僚としての親しさや感謝まで。
木沢だけが少し先へ進み、光本はまだそこに付いていっていない。そんな2人の温度差も、第8話ではよりはっきり見えてきました。
コラム|いつもの「僕の叔父が~」がなかった理由?
『大追跡 Season2』では、八重樫が捜査を急いだり思い込みで突っ走ったりすると、名波が「僕の叔父が~」と例え話を始めるのがお約束になっています。
第7話でも、小山田の捜索に協力しようとしない八重樫に対し、名波がいつもの調子で話を始めていました。
ところが第8話では、その決めゼリフが一度もありません。
名波の出番が少なかったわけではなく、今回は「認知面接」を使って光本の記憶を引き出すという重要な役割を担っています。それでも、いつものように八重樫をやり込める場面はなく、全体的にコミカルなやり取りも控えめでした。
今回はSSBCの光本自身が連続殺人犯の標的となり、実際に自宅へ犯人が侵入してくるところまで追い詰められます。
第7話でも小山田が誘拐されましたが、第8話はそれ以上に、仲間が「次に殺されるかもしれない」という緊張感を前面に出した回でした。
そのため、いつもの決めゼリフや笑いをあえて抑えて、シリアスな空気を崩さないようにしたとも考えられます。
毎回のお約束がないと少し物足りなくもありますが、逆にいえば、それだけ今回は普段とは違う回だったということなのかもしれません。
まとめ|光本が事件の当事者になったシリアスな第8話
第8話は、江本史織と鈴木瞳を殺害した神室貴弥が、光本を含む5人の女性を狙っていたことが明らかになる回でした。
5人には年齢や職業などの共通点がなく、捜査はなかなか進みませんでしたが、名波の認知面接をきっかけに光本が記憶をたどり、「同じ美容室を利用していた」という接点にたどり着きます。
神室にとって5人は、自分が髪を切った中でも「最高の作品」でした。しかし、その髪型を気に入らず別の美容師を選んだことを、自分自身への否定として受け取ってしまいます。
客の好みを受け入れられず、自分の評価を傷つけた相手を排除しようとするという、かなり身勝手で歪んだ動機でした。
また今回は、光本自身が殺人犯の標的になったことで、普段よりもSSBCメンバー同士の関係が強く描かれています。
特に木沢は自ら光本のボディーガードを買って出し、「君がいなくなったら困る」とまで口にするなど、光本への好意がこれまで以上にはっきり表れていました。
一方の光本は、過保護な木沢にうんざりしながらも、最後には落ち込む木沢を励ますようにずんだ餅を渡します。木沢だけが少し先へ進んでいるような、二人の温度差も印象に残りました。
そして第8話では、名波のいつもの「僕の叔父が~」も登場せず、全体的にコミカルなやり取りは控えめでした。
第7話では小山田が誘拐され、第8話では光本が連続殺人犯に狙われることに。ここへ来てSSBCメンバー自身が事件の当事者になる展開が続いており、Season2後半はこれまでとは少し違った方向へ進んでいるように感じます。
