撮影が再開された【特捜9シーズン3】の5話は、ソーシャルディスタンスを意識した、ちょっと実験的な作りとなっていました。
あの手この手で距離を保つ【特捜9】、どんな試みがされたのか?
【特捜9シーズン3】5話のあらすじ
早瀬川(原沙知絵)のところに運ばれた自殺をしたという遺体に不自然な点があることから、新藤(山田裕貴)が遺体を確認しに行く。塗られた口紅がはみ出して塗られていることから、後から何者かが塗った可能性があった。
新藤から連絡を受けた浅輪(井ノ原快彦)は、遺体がかつて所轄で一緒だった門脇(橋本さとし)と不倫関係にあった沙織(竹内恵美)だと知る。そこで浅輪は門脇に話を聞きに行く事にし、青柳(吹越満)と矢沢(田口浩正)には被害者近辺の関係者をあたってもらう。
青柳たちがかつて沙織がいた所轄で話を聞くと、信頼していた上司の存在がいることがわかった。それは、班長の国木田(中村梅雀)だった。
自殺か他殺か?浅輪たちが謎に挑む。
【特捜9シーズン3】5話のネタバレ
新・警視庁捜査一課9係 season2(第5シリーズ・2010年)の第6話「殺人ルージュ」に登場した、門脇という人物が再登場する話です。
そのときの放送を見ていなくても、ちゃんとわかる作りになっています。
1:奇妙な遺体
早瀬川先生から連絡を受けた遺体はいったい誰なのか?そして不審点は?
- 被害者:竹内沙織(37歳)
- 職業:都内の会計事務所勤務
- 無断欠勤を不審に思った会社の同僚が訪ねたところ、首を吊っているのを発見
警察は自殺と見ていますが、早瀬川先生は違和感を覚えます。
- 遺体の口紅の塗り方が変
- 前歯に微量の血痕が付着していた
- 調べたら血痕は第三者のものだった
と、いうことから他殺の可能性もあると考えます。そこで浅輪たち特捜班が捜査を開始しました。
遺体の口紅がはみ出てるので、他殺の可能性もある。
2:門脇について
浅輪が思い出したこの門脇という人物はどういう人物なのか?
- 浅輪の所轄時代の先輩
- 竹内沙織との不倫で警察を退職
- 警察を辞めた後、テレビのコメンテーターとなって活躍
- 10年前の女性連続殺人事件の捜査で再会
- そのときの事件は無事解決した
- その後、門脇とは連絡していない
- 容疑はかかっていたけど犯人ではなかった
浅輪が話を聞きに行くと、沙織とは警察を辞めた後、すぐ別れてその後会っていないそうです。
2週間前に届いたファンレターが奇妙な内容で、もしかしたら沙織が送ってきたのかもといいます。
- 門脇と浅輪は先輩後輩の関係
- 門脇と沙織は不倫関係だった
- ファンレターは沙織のものなのか?
3:沙織に好意を寄せる人物がいた
新藤が沙織の勤務先に話を聞きに行き、そこで手がかりを掴みます。
それは、沙織に好意を寄せていた人物がいたということです。
- 和田孝雄
- 沙織が担当している印刷会社の経理担当
彼が沙織を殺したのか?青柳たちが沙織の部屋に来た和田を捕まえて取り調べをします。
和田は沙織に交際を申し込んだが断られたといい、和田は犯人は門脇だといいます。
その証拠に遺体が発見された当日、沙織の部屋を訪ねる門脇の姿を盗撮した動画を見せました。
門脇には沙織を殺す動機があるのか?調べた結果、ありました。
和田という人物が沙織に好意を寄せていた。
4:門脇のウソ
浅輪と新藤が門脇のところへ行きます。そこで、以前言っていたファンレターを見せてもらいました。
早く会って過去の懐かしい話などしたいです。今月の10日、絶対に来て下さいね。待ってます。
と、ハガキの裏に書いてあります。しかし、匿名なので誰からのものかはわかりません。
とりあえず証拠としてハガキを預かります。
あの日、沙織の部屋に行ったのか?と聞くと門脇は、家も知らないし行っていないといいます。
そこで和田が撮った動画を見せると、門脇は言葉に詰まります。
門脇は参院選に出馬する予定があったので、過去をきれいにしようと思ったのでは?
浅輪たちは沙織殺害の動機なのではないかと迫ります。
門脇のしたこと
あの日、沙織の家に行った門脇は、すでに首を吊っていた沙織を発見します。
口の中に入っていたものを取りだすと、それは門脇と沙織が一緒に写っていた写真でした。
自分に疑いがかかるといけないと思った門脇は、写真を処分したといいます。
口紅をなぜ塗ったのか?それについては認めません。
念のため門脇からDNAサンプルを採取することにします。
門脇は沙織の家に行っていた。
5:新たな発見
早瀬川先生は村瀬と小宮山に、遺体からわかったある事実を伝えます。
それは、沙織のリンパ節にがんがあったということです。
その進行具合からいって、余命宣告をされていた可能性が高いといいます。
さらに今まで掴んだ証拠を検証してみた結果もわかります。
- 沙織の前歯についていた微量な血液は、門脇のものではなかった
- ハガキの筆跡は沙織のものではなく、写し取ったものだった
口紅を塗っていたのは、10年前に起きた事件を再現しているのかもしれない。そんな推理も浮かび上がってきます。
門脇が犯人でないなら、誰が?
- 沙織はがんだった
- 門脇が犯人ではない
6:事件の真相
事件の真相を推察した特捜班は、それぞれ真相を話すため門脇と和田のところへ向かいます。
まずは青柳と矢沢が和田の所へ行きました。すると、国木田班長が来たので隠れます。
班長は和田の勘違いを正し、沙織が自殺した原因はこうだったと思うと話します。
一方、浅輪も門脇に沙織が自殺した原因について語ります。
それぞれに話した話をまとめるとこうなります。
- 沙織は自殺だった
- 余命短いため和田の思いに応えると、辛い別れを経験させてしまうので断った
がんに冒された沙織は、幸せを掴むことができなかったのです。
和田はそんな沙織の思いを、きっと門脇が忘れられないのだろうと勘違いしていました。
そのため、和田はこんなことをしていたのです。
- 門脇と沙織をもう一度会わせてあげようと考えた
- 門脇に沙織の筆跡を真似てファンレターを送る
- 遺体を発見したときに、写真を丸めて口の中に詰めた
- 口紅を塗った
大好きな沙織と一緒になれないなら、せめて沙織の好きな人に会わせてあげたい。
そう考えた和田でしたが、沙織の遺体を発見して悔しさが爆発します。
せめて、門脇に沙織の死を一生忘れられないものにしよう。と考えて、口の中に写真を入れたり、口紅を塗ったりしたのです。
写真を丸めたときに指を切り、それが前歯に付着していた血でした。
本当の沙織の思いを知った和田は、持っていたナイフを落とします。
門脇を殺害しようと考えていたのを、特捜班のお陰で事前に阻止することができたのでした。
7:ネタバレまとめ
竹内沙織殺害犯
自殺のため無し
動機
がんに冒された沙織は余命宣告を受けていた。
和田の思いに応えることが、彼を悲しませることになると考えた沙織は、自ら首を吊って自殺した。
【特捜9シーズン3】5話の補足
今回ドラマ内で面白かったシーンなどについて取りあげました。
ソーシャルディスタンスを作る工夫
撮影再開後、様々な手法で距離をなんとか保とうと工夫をこらします。
- リモートで報告のシーンの多用
- 電話で連絡をするシーンの多用
- 手洗いをしっかりやる青柳と矢沢
- 横並びで話をする青柳と矢沢
- 透明なボード越しに関係者と話す新藤
- 人がいるところには行かないようにする新藤
- 車の中と外で距離を開けて話す小宮山と村瀬
- 階段の上と下で距離を開けて話す矢沢と青柳
- 荷物を挟んで話す矢沢と青柳
- 門脇が近づこうとすると「そのまま」と制す国木田
- 角に立ったり、顔を向き合わせない立ち位置で撮影
- マスクをして沙織の家を訪ねる門脇
基本的に一つの部屋に大人数が集うことがありません。
電話やリモートでの報告や連絡をし、なるべく接触を回避します。
コンビで同じ場所にいるときは、なるべく上下や内外に分けて距離を保ちます。
新藤が関係者に聞き込みをするとき、透明なボードを挟んで相手が来ると自分が逆側に回ったりして必ずボードを挟む会話のシーンがあります。
さらに青柳と矢沢の間に高く積み上げた荷物を運ぶ、宅配業者が挟まったりします。
それを回避しようと2人が動くと、業者もなぜか動いて必ず荷物が間に挟まるというシーンでした。
できるだけ距離を取って聞き込みをしたり、様々な工夫がされていたのが面白かったです。
特捜班メンバーの血液型
冒頭で国木田が彼らのプロフィールを見ていたシーンで、それぞれの血液型が判明しました。
- 浅輪直樹:A型
- 村瀬健吾:A型
- 小宮山志保:O型
- 青柳靖:B型
- 矢沢英明:A型
- 新藤亮:B型
そして全員揃いも揃って、本籍地・出生地・住所地が全て東京です。
一人ぐらい別の県で生まれたり育ったりしてもいいのではないのか?と突っ込みたくなります。
【特捜9シーズン3】5話の気になったこと
- 門脇は自己顕示欲の強いいけ好かない奴という青柳
- HPにやたら行動を載せている門脇
- ファンレターを全部車に積んでいる門脇
- 持つべきものは仕事以外趣味のない相棒という小宮山
- 3食全部コンビニか外食な小宮山
- パンを焼いたこともないのに見栄を張る小宮山
- 君からもらったパンは、コンビニのジャムパンだけという村瀬
- 「志保が焼くパンがあれば他には何もいらない」村瀬
- 一回焼いたらパン焼き器が壊れた小宮山
- 小宮山の恋人のふりをするのがまんざらでもない村瀬
- 花を眺めて待ちぼうけする新藤
- 村瀬と小宮山を見て、「デート中だったんだ」とニヤニヤする早瀬川先生
- 村瀬は“ただの偏屈なおじさん”
- 小宮山は“面白ばあさん”
- 小宮山の焼いたパンはヤバい
- 埴輪みたいな顔と言われる村瀬
- 味音痴な小宮山と浅輪
【特捜9シーズン3】5話の感想とまとめ
昔の登場人物が出てくる回でした。記憶になくても話としてはちゃんと成立しているので、問題なく視聴することができます。
ただ、話としてどうなんだろう?と思う点がいくつかあります。
1つは沙織ががんだったことは、最初の検視でわからないものなのか?という点です。
2つ目は沙織が自殺することで、結局和田を悲しませているのでは?という点になります。
もしかしたら自殺or他殺の検視なので、病気があるかないかは調べないのかもしれません。
しかし、自殺の動機については、やはり首を傾げたくなります。
和田と交際すると余命がない自分では、悲しい別れを彼に感じさせてしまう。だから自殺しようとなるのか?
もっとも、遺書があるわけでもないので、動機も浅輪や国木田の解釈でしかありません。本人以外、死んだ理由はわかりません。
ただ、なんとなくモヤっとする話でした。
ソーシャルディスタンスを守るため、あの手この手を考えてドラマ撮影しているシーンが面白かったです。
次回はどんな手を使ってくるのか?楽しみの一つになりました。
次回は6月24日(水)21時から放送予定です。
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