WOWOWで放送されたドラマ版【太陽は動かない】の最終回のネタバレと感想をまとめました。
ドラマ内で物語は完結し、映画版に話が持ち越すことはありません。
登場人物はその後どうなったのか?全話視聴した上でのドラマの総評も載せてます。
【太陽は動かない】最終回のあらすじ
都市博メモリアルタワー爆破を依頼された桜井(安藤政信)を追い、鷹野(藤原竜也)はそれを阻止しに現れる。そこに香港からの刺客チーヨウ(松本実)もやってきて鷹野たちを消そうとする。
逃げる鷹野たちを追い詰めるチーヨウ、銃撃が止んだところで姿を探すと、鷹野の背後に彼はいた。桜井は咄嗟に鷹野をかばい腹を撃たれてしまう。
怪我を負った桜井を連れながら逃げる鷹野、危機一髪のところで田岡(竹内涼真)がやってきて助けに入る。
一方、風間(佐藤浩市)は桐野(柿澤勇人)の所へ向かい、彼の理想について話を聞く。まるで自分が新時代のリーダーのような彼の言動に、風間は失望し桐野もAN通信など必要ないといって追い返す。
桐野がデータを確認してみるが、そこに見当たらずなくなっていた。風間が遠隔操作でデータを吸い上げ消去してしまったのだ。永島(吉田鋼太郎)と桐野は中尊寺(石橋蓮司)を追放する手段を失ってしまった。
チーヨウとの戦いに3人がかりで勝った鷹野たちは、負傷した桜井を行かせ爆弾の解除に挑む。
桜井の最高傑作という爆弾を、鷹野と田岡は無事解除することができるのか?そして権力を最後に握るのは誰なのか?
【太陽は動かない】最終回のネタバレ
桜井の仕掛けた爆弾を解除するために奮闘する鷹野たちと、利権を握るために画策する政治家たちの決着がつきます。
1:刺客襲来
桜井を見つけた鷹野は以前、自分の前に現れたら覚悟して欲しいといったことを引き合いに出します。
任務を遂行しに来た鷹野に、どちらのカップ麺がいいか、赤と緑の容器に入った味を選ばせます。
鷹野はいつも緑を選び、桜井は赤を選んでましたが、今日は“緑の気分”でした。
そんな話をしている場合じゃないという鷹野、そこへ香港からの刺客チーヨウがやってきました。
桜井はチーヨウのことを知っていて、人間じゃないといいます。
指令を実行するために機械のように動くチーヨウ、チェーンに逆さにぶら下がり両手に銃を持って襲ってくるという、ありえない攻撃をしてきます。カッコいいです。
鷹野たちは物陰に隠れて様子を伺います。すると、銃撃が止んだのでチーヨウの姿を探します。
彼は鷹野の背後にある足場の上に立ち狙いを定めていました。
桜井が咄嗟にかばい、腹に銃弾を受けてしまいます。
怪我をした桜井を連れて何とか逃げる鷹野、危機一髪のところでチーヨウの背後から田岡がやってきました。
反撃に転じる鷹野はセメント袋で頭を殴り、桜井が切れた電気コードを持って感電させます。
それでもなかなか倒れないチーヨウ、口の中にコードの先を入れると、セメントが溜まっている場に落っこちて沈んでいきました。
桜井が鷹野をかばって怪我をしてしまう
2:桜井が戻ってきた理由
そもそも桜井がなぜ日本に戻ってきたのか?鷹野はその理由を推察します。
- 再開発で撤去されるコインロッカーが目当て
- 日本に戻るため裏の仕事を受けて、裏の組織に守ってもらうしかなかった
- そうでなければAN通信が放っておかない
- なくなってしまう生まれた場所が見たくて戻ってきた
危険を冒してそんなもののために?と田岡がいいますが、それでも一番最初の場所に桜井は戻りたかったに違いないと鷹野はいいます。
「ロマンチックかよ、お前」と桜井は照れ隠しのように鷹野に告げ、自分の最高傑作という既に仕掛けた爆弾を見せます。ありえないぐらいの大きさです。
桜井は生まれた場所がなくなる前にもう一度見たかった
3:桐野の理想
風間は桐野の事務所にやってきて話をします。
桐野に期待をしていた風間でしたが、やっていることは中尊寺と変わらないことに失望します。
しかし、桐野には桐野なりの理想があり、それを語り始めました。
- 中尊寺のようにアメリカに尻尾を振る気は一切ない
- 返還地には中国の参加が決定した
- 中国だけではなく、韓国・ロシアも巻き込んだ国際利権の拠点を拡大する予定
- アメリカのような強国一つに支配させない
- そこを政治的緩衝地帯にしたい
- 日本が各国に利権を差配するディーラーになる
- 再び取るに足る国に日本をする
理想を聞いた風間は苦言を呈します。
- 自分で基地返還の道筋が立ったと思ってるのか?
- 所詮力の衰えた古い政治家の代わりにすぎない
- 自分の力を過信しないほうがいい
- アメリカにとって都合のいい政治家が桐野だっただけの話
- 力を無くした途端に別の人間に取って代わられる
桐野は自分に力があると勘違いしてるようだし、新しいことをやるような意気込みを語るが、結局今までの政治家とやっていることは何も変わらないということです。
嫌味を言われてむかついた桐野は、AN通信なんて必要ないといって追い返します。
風間も本当に必要がないようだと、見切りをつけて出て行きました。
桐野の誤算
自己陶酔に浸る間もなく桐野は青ざめる事態が発生します。
それは、パソコンの中にあった西東京市妨害工作の証拠のデータが一切消えていたのです。
慌てて永島に連絡する桐野、永島は誰か来なかったかを問います。
そう、風間がやってきたのです。それを知った永島はキレまくってスマホを鏡に投げつけ、「クソ坊ちゃんが!」と叫びます。
風間は話をしに来たふりをして、桐野のパソコンに入っているデータを遠隔操作でダウンロードし削除したのです。
これで桐野と永島2人の切り札は消えてしまいました。
風間がリモートでデータを盗み出し消去してしまう
4:死闘の果て
一方、鷹野たちは死んだと思ったチーヨウが蘇り、それを見た桜井は「お前らもこうなっちまうぞ」と任務に忠実な鷹野たちを揶揄します。
ガスバーナーを両手に持って迫ってくるチーヨウ、鷹野が追い詰められて焼かれそうに。
そこでふと上を見ると鉄骨が乗った足場が見つかり、田岡に合図をして倒させます。
振ってくる鉄骨がチーヨウの体を貫き、もはや生きているのが不思議な状態です。
笑い出しながらふらふらとタワーの窓に近づくチーヨウ、そこから身を投げて落ちていきます。
ようやく爆弾解除に取りかかろうとする鷹野たち、残り時間は既に15分を切ってました。
爆発をしたら発がん性物質のあるクロムが撒かれ、土壌汚染もされてしまう爆弾。
桜井は鷹野に西東京市妨害計画に関する、資料が入っているメモリーカードを渡します。
鷹野はそれを受け取り桜井の命がそう長くないのも知ってか、彼を追わずに行かせることにしました。
そんな2人の別れ際のやり取りが泣かせます。
「俺は最初からこの世に存在しなかったことにしてくれ」と願う桜井に「無理ですよ。俺の中であなたは生きています」とぎこちない笑顔でいう鷹野。
たまには笑えよ、と桜井は言いながらふらふらと生まれた場所、コインロッカーを目指します。
爆発まで10分を切るとプロジェクターが作動し、壁に残りの時間がカウントダウンされました。
そこで鷹野が直接配線を切ることに決めます。
チーヨウを撃退し爆弾解除に挑む
5:二つに一つ
田岡が解析して導き、鷹野がその指示に従いいっぽんずつ配線を切断していきます。
壁に映るカウントダウンと共に、桜井の楽しそうな笑顔とサイケデリックな映像が、まるであざ笑っているかのようです。
そして最後の一本を切断するとき、同じものが2つありました。
どちらも結び切りでどちらが正しいのかわかりません。配線図には1つしかないのに、実際には2つ基盤に繋がっています。
片方は表から信管に繋がり、もう片方は裏側から繋がっています。見た目では全くわからない配線は、桜井のしかけた最後のトラップだったのです。
そこで鷹野はこういいます。「本当だと思うか?桜井が戻ってきたのはコインロッカーが見たくてという話」と。
本当なら表の配線、違うなら裏の配線だと鷹野は言います。
田岡は本当に決まっている、ロマンチックに賭けます。と、主張しますが鷹野はまだ迷っていました。
残り10秒のカウントダウンが始まる中、鷹野が下した決断は裏側の緑の配線でした。
その結果、爆弾は止まり爆発しません。彼らは見事解除に成功したのです。
なぜ裏側の配線を切ったのか?田岡の問いに鷹野は「どうせイチかバチかなら、土壇場で笑えるほうにしただけだ」と言います。
そして「今日は緑の気分なんだよ」と、冒頭で桜井が言っていたセリフを思い出して告げます。
桜井のことをよく知っていたからこそ、解除できた爆弾でした。
爆弾解除に成功する
6:桜井の死
失血で意識が朦朧とする中、桜井は自分が捨てられた場所、コインロッカーを目指します。
ふらふらと歩く桜井の腹からは血が流れ、多くの人々が行き交うにも関わらず誰も気にとめません。
桜井はタバコをくわえ、コインロッカーにもたれかかります。
まるで母親に寄り添うように、ロッカーに身を寄せる桜井。
タワーを見上げ時間になっても爆破しないため、爆弾解除に成功したのを悟り「つまんねぇな、アイツは。本当つまんねぇ…」とつぶやきました。
やがて道路に倒れ込み、唇から火のついたタバコが転がり落ちます。
そしてタバコが燃え尽きるよりも前に、桜井は生まれた場所で命尽きました。
道を歩く人は誰一人彼の死に目を向けず、ただ通り過ぎ去るのみです。
桜井はロッカーの前で息絶える
7:中国とアメリカの動き
風間は中尊寺にデータを消去したことを報告し、その後どうなったかを聞きます。
- アメリカは桐野のことなどなかったかのよう変わらず接してくる
- 中国企業は桐野と天秤にかけて勝つほうにつくつもりだった
- これで堂々と中国を切ることができる
桐野のお陰で当初の予定通りに物事が運んだ。ということでした。
周は排除されたことでキレて桐野に連絡をします。
しかし、桐野は周のことを知らないふりをして、永島とも親しくないとシラを切るという荒業です。
周は桐野がアメリカにも睨まれていることを知って、アメリカにも知り合いはいると脅します。
ビビる桐野の元に鷹野がやってきて、桜井から渡されたデータを見せ、この情報料は高額だと告げました。
桐野は中尊寺に頭を下げ、データを持っている話をします。
そこで中尊寺は風間に連絡し、桐野をアメリカと中国から守ってやる代わりにデータをもらえと、手を組むよう進言します。
仲を取り持ってやってもいい、ただし新たな依頼として受けると値段を吹っかけます。
中尊寺と桐野の仲をAN通信が取り持ち、どちらからも金をもらう
8:新エージェント養成
青木ヶ原で女性の遺体が発見され、所持品から落合香と判明します。
そばに遺書もあり自殺だと警察は見立てていました。
NPOの同僚は自殺するはずがない、事件に巻き込まれたといいますが、警察は動くつもりはないようです。
落合は死んだと思ったら、風間のところで秘書をしていました。
桜井が残したデータはちゃんと保管してあり、中尊寺に復讐がしたければ使えと告げます。
田岡が彼女がいるのに驚きますが、エージェント同士の恋愛はよくないからと落合はいいます。
エージェント?と思う田岡、どうやら落合はいずれAN通信のエージェントとして働くつもりでした。
なぜなら、18年ぶりに風間に会ったとき「今までよく生きてきたね」といわれ、今までの人生が憎しみのためにあったわけじゃない、そう信じることができたからといいます。
落合は世間では死んだ事にされ、新しい名前を与えられ、エージェントの訓練をして新しい人生を始めたのです。
落合が風間の秘書になり、AN通信のエージェントを目指す
9:ドラマの結末
中尊寺の秘書である重盛から永島に連絡が入り、中尊寺が会いたがっているといいます。
牙を抜かれたどころかボロボロな永島は、その電話で覚悟を決めました。
呼ばれて行った先には周がいて、コンクリートミキサー車があり、ドラム缶が置いてありました。
中尊寺のそばには永島ではなく重盛がつき、海にはドラム缶が沈んでいきます。
横浜の基地は返還されカジノを中心とした統合型リゾートの建設が決定され、都市博も湾岸で開催されます。
中尊寺と桐野はテレビ番組でお互いを褒めあい、日本の未来のためにといって握手を交わしました。
田岡はそんな2人をテレビで見て、「ホントこの世はクソだな」とグチります。
鷹野は35歳になったらどうするのかを聞かれ、南の島でゆっくり過ごすと桜井と同じことを告げます。
そして、食事のマナーについて、桜井が教えてくれたように印象に残らないために学べといいました。
ちょうど撤去中のコインロッカーへ行き、鷹野は桜井がしていた焼け焦げた時計をロッカーの中に入れます。
「ロマンチックじゃないですか」と、ぎこちない笑顔を浮かべてつぶやきました。
10:【太陽は動かない】登場人物のその後
今回登場した人たちのその後と結末をまとめました。
- 鷹野一彦:引き続きAN通信のエージェント
- 田岡亮一:引き続きAN通信のエージェント
- 風間武:落合を引き入れる
- 桜井修:生まれたコインロッカーで死亡
- 中尊寺信孝:桐野と手を組む
- 永島徹:周らによってドラム缶に詰められ海に遺棄される
- 落合香:風間の秘書になりAN通信のエージェントを目指す
- 山下竜二:香港で潜入がバレた後は不明
- 桐野研次郎:中尊寺と手を組む
- 周宇睿:カジノ利権から排除され永島を始末する
- 重盛:中尊寺の第一秘書になる
- 暢子:永島の死後不明
- 佐々木肇:最初に出たきり不明
- 三浦:チーヨウに殺される
- チーヨウ:都市博メモリアルタワーから落ちて死亡?
基本的には何も変わらずのまま終わります。
権力は相変わらず中尊寺にあり、中国は参入せずにアメリカのままです。
新たに落合が加入しますが、鷹野たちは変わらずAN通信で働きます。
ただ、死んだ人たちは結構壮絶な死に方をします。
何も変わらないのは表面だけで、水面下では人の命が散っていきました。
【太陽は動かない】最終回のその他気になったこと
- ターザンロープのようにチェーンを使って銃撃するチーヨウ
- 蘇るチーヨウ見て「不死身かよ」と突っ込む田岡
- 被された袋をバーナーで焼くチーヨウ
- 笑顔がやっぱりぎこちない鷹野
- 田岡の指示が怪しい
- 壁に映るのは桜井が女の子とイチャイチャしている映像
- 永島が割ったままの鏡を使う暢子
- 沈められる前に太陽を見上げて笑う永島
【太陽は動かない】最終回の感想とまとめ
結局永島のむいた牙は折られ、“変”ではなく“乱”で終わります。
中尊寺の力は衰えず、アメリカは相変わらず利権に絡みます。
何も変わらなく見えますが、その裏側では様々な人物が動いてました。
桜井は自由を欲していたのに、最後は生まれた場所に帰って死にます。
永島は野望を胸に抱いていたのに叶わず、海の底へと沈みます。
桜井が死ぬシーンは昔の映画やドラマのようで、見ていてちょっと懐かしさを感じました。
前回もそうですが、チーヨウに対する演出がとにかくカッコいいです。
今回は影だけでその存在を知らせたり、チェーンに逆さまにぶらさがって両手に銃を持って襲ってきたりと、ダサいようでいてカッコいい演出でした。
鷹野は最後、桜井への弔いか別れか腕時計を置いていきます。
その後、桜井に教わったことを田岡に教え、死してなお桜井という存在が彼の中に生きているのだと感じさせました。
【太陽は動かない】の総評
全話視聴して個人的に感じた、良かったところと悪かったところをあげました。
良かったところ
- お金がかかっている
- アクションシーンが面白い
- 脇の人たちが印象的
悪かったところ
- 中だるみする回がある
- 主役の2人の印象が薄い
良かったところの筆頭は、やはりお金がかかっているということです。
小道具や衣装、アクションシーン、CGなどにちゃんとお金をかけているので安っぽくありません。
またアクションシーンも派手で、格闘あり銃撃戦あり、爆破ありカーチェイスありと盛り沢山です。
脇の人といっても物語の中心にいる永島や中尊寺、桜井やチーヨウといった人たちがとても印象的でした。
悪かったところは中だるみする回があります。
それは3話と4話が主に登場人物の過去の話なため、ここでテンポがゆっくりになりたるみます。
せめてまとめて1話にしてくれるか、各回に少しずつ入れてくれたほうが良かったです。
そして脇の人たちが印象的な分、どうしても主役の2人の存在が薄く感じます。
田岡にいたってはポンコツ過ぎて、鷹野だけでいいんじゃないのか?と思えるぐらいです。
もっとも、AN通信のエージェントは人の記憶に残らないようにする必要があるので、ある意味狙っている部分もあるのか?
ドラマ全体的にハリウッドアクション映画や、香港ノワール映画のような雰囲気が漂っています。
さらにキザなやり取りや桜井の死に様などは、昔の映画やドラマのような懐かしさがありました。
なので、海外作品のような雰囲気を狙っているのが嫌いな人は、苦手かもしれません。
映画版の予告がエンドロール内で流れ、見たところ派手でお金がかかってそうです。
逆にいうともっと『ミッション・インポッシブル』みたいな超大作的なノリなので、ドラマ版にあったこういう雰囲気はないかもしれません。
個人的には香港ノワール作品や昔の映画のような懐かしさが楽しかったので、映画もそういうノリがあったらいいなと思います。
製作者側の好きなものが沢山詰まった、男臭くもロマンチックなドラマでした。
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