【世にも奇妙な物語’23秋の特別編】全4話のキャストとネタバレ感想

世にも奇妙な物語 スペシャルドラマ
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第3話「走馬灯のセトリは考えておいて」

キャストとスタッフ

  • 小清水イノリ…西野七瀬
    ライフキャスター
  • 小清水明宏…利重剛
    イノリの父
  • 柚崎碧…朝加真由美
    依頼人
  • 黄昏キエラ…七海うらら
    バーチャルアイドル
  • 杏…大平くるみ
    碧の友人
  • 柚崎碧(23)…松永有紗
  • 田中良夫…小林博
    依頼人
  • 田中幸子…澤井孝子
    良夫の母
  • アシスタント(声)…中島智彦
  • 原作:柴田勝家「走馬灯のセトリは考えておいて」(ハヤカワ文庫)
  • 脚本:嶋田うれ葉
  • 演出:岩田和行

あらすじ

その人の人生をライフログと呼ばれるものに残して、AIに搭載したライフキャストという精密機器がある世界。小清水イノリ(西野七瀬)はそれを作る腕利きのライフキャスターだった。

ライフキャストは魂のない人形だと思っていたイノリは、今月いっぱいでこの仕事を辞めようと考えていた。しかし、新たな依頼が舞い込む。依頼人は柚崎碧(朝加真由美)という人物だった。余命はあと3週間という碧の依頼は、黄昏キエラ(七海うらら)というバーチャルアイドルのライフキャストを作って欲しいというが……。

ネタバレ

柚崎碧(朝加真由美)自身だった黄昏キエラ(七海うらら)は50年前にネットで大人気のバーチャルアイドルだった。世界中に1000万人以上のファンがいたと語る。自分が死んだらキエラとして蘇り、ネット上でお葬式代わりのラストライブがしたいというのが碧の依頼だった。

自分の人生ではなくキエラを残して欲しい、という依頼に小清水イノリ(西野七瀬)は驚いた。どうしてなのかと聞いても「どうしてもよ」としか碧は答えなかった。

自宅に戻りどうやって作るか模索するイノリだが、権利関係の問題で情報が深堀りできなかった。悩んでいると父親の明宏(利重剛)がやってきて、画面のキエラを見て驚く。明宏はキエラの大ファンだったと言う。キエラにもう一度会いたいという人は、いっぱいいると思うという父のアドバイスを聞いたイノリは、再び碧の家へ行った。

話を聞かせて欲しいと言うと、碧は「いいわよ」と答えた。空中に画面を出して操作をすると、海の写真を選びの中にバーチャルリアティとして2人は入る。キエラは海が大好きだが、泳ぐのは大嫌いという設定だと語る碧自身は泳ぐのは好きだった。なぜキエラになったのかとイノリがたずねると、「一種の弔いかな」と碧は答えた。次は丘へ行き、ここはキエラにとって思い出の場所だと語る。

再び現実世界に戻ると碧は、ラストライブの曲を決めておいたと言い、セトリはあなたに任せるとイノリに託した。セトリが何か分からないイノリに碧は、セットリスト、曲順のことだと教えた。

自宅に戻ったイノリが作業していると、父が差し入れにやってくる。キエラの中身は2人いたという噂があったと父は語る。キエラは最初、もっとクールでミステリアスだったが、ある時から突然キャラが変わったのだという。父は最初のキエラは別人だったのではないかと思っていた。

イノリはそのことを話しに碧の所へ行く。キエラになったのは弔いだったというのは、噂と何か関係があるのではとたずねると、「キエラの中身は2人いた。そのとおりよ」と碧は認めた

最初のキエラは親友の杏(大平くるみ)だった。碧(松永有紗)は杏のマネージャーをしていた。コンソールデータにアクセスして後は見てくれと言われ、イノリが思い出をたどっていく。杏はキエラをもっとフレンドリーなキャラにしたかったが、2人で話し合った結果クールなキャラでいこうと決めていた。

今のキエラは自分らしさが全然ないと嫌がる杏が、帰ろうとするとその場で倒れてしまう。杏は亡くなってしまい、碧は遺体の前で涙を流していた

その後、碧は杏から引き継いでキエラになった。自分がキエラを演じる事で、杏の本当にやりたかったことの全てをみんなに伝えたかったと碧は語る。「キエラのライフキャストに、あの子の全てがこめられれいればそれでいい。私があの子にしてあげられるのは、もう、それだけだから」と碧は思いを告げる。

碧の思いを受け取ったイノリは、分かりましたと納得し、コンソールのデータを使っても、碧自身のデータは入れないと約束した。そして会って欲しい人がいると言って、森の中へ一緒に移動すると父親が待っていた。『茜光』という曲が一番好きだと興奮して語る父に、碧はラストライブのセトリに入れると約束した

イノリは父が実はライフキャストだと明かす。この森の中に父の墓があった。生前の父はライフキャスターで、自分で自分のライフキャストをプログラミングしていた。だが父はあんな人ではなかったとイノリは語る。優しさの中にも厳しさがあったのに、今の父は何を言っても決して叱らない、とイノリは不満だった。

碧はなぜ父が亡くなったのかをイノリに聞く。10年前、イノリの進路について大喧嘩になり、イノリは家を飛び出してしまう。父はイノリを捜している途中で事故にあって亡くなった。父が死んだのは自分のせいだと言うイノリだが、偽物の父と一緒にいるのは嫌だった。

なぜこの仕事を選んだのかと碧に聞かれ、「この手で確かめたかった。ライフキャストが人を幸せにするのかどうか」と言うイノリだが「所詮作り物。そこに魂はない。なのに信じようとする。愚かな生き物ですよ、人間なんて」と吐き捨てた。

それでも作りたいのかとイノリに聞かれた碧は「ええ、たとえ偽物だろうと、キエラはあの子が存在した証だもの。それに、私はあると思う、魂。あなたのお父様にも。私はそう信じてるわ」と迷いが無かった。

自宅に戻ったイノリは父の廃棄処分同意書を見ていた。そこにはもうイノリのサインがされていた。後は父のサインさえあれば、いつでも廃棄できる状態だった。

その後碧が亡くなり、遺体を碧は見つめながら、思いを継ぐことを決心する。それからのイノリは日々、キエラのライフキャストを作り続けた。そしてついに完成し、キエラのラストライブが開催された。

父を含め、教会でみんなでラストライブを見る。世界中にその様子が配信された。キエラを懐かしむ年配の人や、キエラを知らない若い世代の人たちも見ていた。イノリは自宅で配信を見守っていた。

やがてライブは最後の曲を迎える。父の好きな『茜光』が最後の曲だった。キエラが手を重ねる仕草を見て、イノリは碧の癖を思い出す。キエラには碧の魂が確かに宿っていた

曲を終えたキエラは「みんなありがとー!あの世で待ってるからねー!」と挨拶して終えた。イノリも無事終わったこともあって出来に満足した。父が自宅に帰ってくるなり、興奮した様子で「いい仕事したな」とイノリを褒めた。父のお陰だと素直に答えた。珍しく素直な様子に父は驚くが、体を休めるよう労った。

ライブを終えたキエラがやってきて礼を言う。イノリは本当はこの仕事を辞めて、父を廃棄処分するつもりだった。碧に出会うまではと明かす。「ライフキャストには魂がある。もちろん、父にも。あなたが証明してくました」と礼を言い「ライフキャストの未来に、心から希望を感じています」と語った。それを聞いたキエラは「お父様といつまでも仲良くね」と最後に言って消えた。

森の中にある父の墓に手で触れながら「お父さん私ね。本当のお父さんに会いたいってずっと思ってた。でもお父さんは、いつも私のそばにいてくれたんだね」とイノリは思いを明かす。そして「ライフキャスターを続けようと思う。これからも私のそばでずっと見ててね、お父さん」と誓った

ライフキャストの父と笑いながら、イノリは歩き出した。

感想とまとめ

感動系の話です。故人をアンドロイドとして甦らせる職業のイノリですが、甦った人には魂がない単なる器だと思っていました。しかし、碧の依頼を受けたことで思いを改めます。なぜなら、碧のデータを使用していないのに、碧の癖がキエラに現れたからです。

それを見たイノリは、ライフキャストには魂が宿るのだと確信しました。なので最後に父を本当の父のように、慈しむ気持ちになれたのです。

高度なAIを搭載していない、ぬいぐるみどころか、単なる石にすら愛着を抱き愛でる人もいます。そこに魂が宿らなくても愛せるのですから、愛着が湧くかどうかは個人の気持ちの次第なのでしょう。

ましてや動いて話すアンドロイドなら、なおさら愛着を抱く人も多いと思います。イノリは反発して他人を蔑んでいましたが、本当は父を愛したかったのだと思います。そしてそのきっかけを作ってくれたのが、碧の依頼だったということです。

実際にこんな世の中がきたらいいなと思う反面、今そばにいる人と真剣に向き合っておこうと考えさせられる話でした。

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第4話「トランジスタ技術の圧縮」

キャストとスタッフ

  • 梶原倫夫…溝端淳平
    関山の弟子
  • 坂田成実…阿部亮平
    絶対王者
  • 実況…福澤朗
  • 謎の外国人…パンツェッタ・ジローラモ
  • 関山舞衣子…田村藍
    利一の孫
  • 関山利一…志賀圭二郎
    圧縮の神と呼ばれた男
  • 審判…松本実
  • 原作:「トランジスタ技術の圧縮」(創元SF文庫『超動く家にて』より)
  • 圧縮協力:「トランジスタ技術」(CQ出版 刊)編集部
  • 脚本:相馬光
  • 演出:岩田和行

あらすじ

『トランジスタ技術』それはエレクトロニクス専門誌の金字塔。しかし日本の狭い住宅環境では、厚みのあるこの本の収納は困難を極めていた。そこで愛好家たちは考えた。記事のページのみを残す“圧縮”という方法を。

『トランジスタ技術』の圧縮最終決戦が今幕を開ける。驚異の握力を誇る絶対王者の坂田成実(阿部亮平)と、アイロン派の新星・梶原倫夫(溝端淳平)の対決だ。トランジスタドリームをつかむのは、果たしてどちらか……?

ネタバレ

最終決戦は30冊1本勝負で行われた。どちらが先に30冊を圧縮できるかの対決となる。試合前、梶原は寺を訪ねていた。アイロン派の生みの親で『圧縮の神』と言われた関山利一(志賀圭二郎)に弟子入りするためだった。梶原が弟子にして欲しいと頼むが、関山は駄目だと言って断る

元々坂田は関山の弟子で、かつて直接対決して関山は敗れた。その試合を見て感銘を受けた梶原は、自分が一番弟子の坂田を破ると誓う。しかし関山は坂田などとっくに破門したと言う。

突然関山が咳き込み出すと、孫の舞衣子(田村藍)がやってきて、寝てなきゃだめだと心配した。アイロンで奴に勝てる者などいないという関山だが、梶原は自分は絶対勝って見せると宣言した。

決勝戦が始まり、梶原はスチームアイロンで、雑誌の背表紙を擦る。対する坂田はページがまとまった根元をぐいぐいと押し込み、そしてゆっくりと開いてページと背を剥がしていった。坂田は分解を終えると接着に入る。

一方梶原は関山の「『トランジスタ技術』には背骨がある」という言葉を思い出す。その音を聞き逃さないよう集中し、熱していくうちに背表紙とページが剥がれる音を聞いた。背表紙ののりが熱で溶け、本を綺麗に剥がす事ができた。ページを分けると再び背表紙をくっつけるが、坂田と違いのりを使用せずに溶けたのりそのままを使用した。

先を進む坂田は本が薄くなったことで、あまった表紙をカッターで切り落とす。製本を終えると外したページをダンボール箱に入れ「ありがとうございます!」と気合を入れて感謝した。これは全てのページへの感謝を表していた。圧縮した本を本棚に入れ「圧縮!」と気合を入れる。1ポイント目は坂田が先取した

梶原が圧縮を終える頃には、坂田は2ポイント目を取っていた。関山の遺影を持って、舞衣子も会場に来ていた。このままではまずい、梶原は焦る中、関山が亡くなった時を思い出す。

遺体の前でかつての勇姿を写した写真を見ていた梶原のもとに、坂田は仲間を連れてやってきた。「見に来てやったんだよ。老いぼれの死に顔をよ」と言って坂田は、顔にかかる布を外した。「馬鹿にしないでください!」と梶原が止めようとするが、坂田に軽くあしらわれた。

坂田は写真を破り捨て、「師匠のいないお前にもう勝ち目はない」と言って去った。悔しがる梶原だが、何も言い返すことができなかった。

「師匠の仇を何としても取らねば、でもどうする」と梶原は悩む。すると舞衣子がちょっとこっちに来てと呼び、仏壇から巻物が入った箱を取り出した。自分に何かあったら、最終奥義を渡して欲しいと祖父に頼まれていたといい、「あなたなら使いこなせるはず。梶原倫夫、覚悟はできてますか?」と問う。梶原は「はい」と覚悟を決めた。

「梶原!今こそあれを!」という舞衣子の声を合図に、劣勢の状況を打破するため、梶原は最終奥義を出すことに決める。2台目のアイロンを取り出すと、スイッチをミディアムからハイに変える。水を入れて2台のアイロンから蒸気を噴出すとやがて、蒸気が龍の姿に変わった。そして龍が消えた瞬間、5冊圧縮されていた。だが、梶原の体力はかなり消耗し、何度も出せる技ではなかった。

15対12まで迫ったところで審判のホイッスルが鳴る。坂田の圧縮した雑誌の背が剥がれ始めていたのだ。再度やり直しを命じられる坂田を見て梶原は「雑誌は生き物。1冊毎に個性があり、その状態は1つとして同じ物はない」と語り、「全ての雑誌を力任せで引き剥がすほうが、早そうに見えるけど、それは両刃の剣」と舞衣子も指摘した。

坂田の圧縮が無効となり、5対12に変わった。「アイロンは鈍く、遅い。だが…美しいんだ」と梶原が語ると、坂田は「この俺が、アイロンごときに負けるのか」と焦る。すると舞衣子が箱を持って近付き「これを使いなさい」と使い古されたアイロンを差し出した

なぜ敵にアイロンを渡すのか、梶原は理解できずに驚く。舞衣子は関山からの遺言を預かっていた。「いくら憎くてもお前は大事な弟子だ。もしお前がアイロンを求めた時は、これを授ける」とあった。坂田は「こんな物…」と言いながらアイロンを手に取った。

10年ぶりにアイロンを握った坂田だが、体が覚えていた。背表紙を熱する速度は、止まって見えるほどだった。坂田も追い上げついに同点になる。ついに最後の1冊となり坂田は「俺は…関山利一の一番弟子。坂田成実だ!」と叫び、ほぼ同時に圧縮を終えた。判定はVAR判定となり、本棚にスローモーションで入る映像を確認する。その結果、僅差で坂田の勝利だった。

しかし、ここでまたホイッスルが鳴る。審判が坂田が外したページを確認すると「Readere’s FORUM」のページが含まれていた。『トランジスタ技術』において、最も大切なのは読者の声。その読者をないがしろにする行為は、固く禁じられていた。これによるペナルティーはマイナス2冊となり、倫夫の優勝が決まった。

チャンピオンベルトを掲げて喜ぶ倫夫。坂田は「いい圧縮だった」と言って抱き締め、倫夫も「あなたの圧縮も美しかった」と互いに健闘を讃えた。「これで『トランジスタ技術』の圧縮の長い歴史に幕が下りたのね」と舞衣子も感慨深くなった。

感動の場に突然割って入ってきた謎の外国人(パンツェッタ・ジローラモ)、彼が手にしていたのは『LEON』だった。今度は『LEON』圧縮の新たな戦いが始まる

感想とまとめ

シュール系の話です。実際にある『トランジスタ技術』という雑誌を、いかに綺麗に早く圧縮するかを競う大会が開かれます。握力で本を分ける坂田と、アイロンで丁寧に分ける梶原、両雄の対決です。非常にバカバカしいことを至って真面目に対戦します。実況は煽り、観客は沸き、さらには奥義まで披露されました。

この感じが懐かしいと思ったのは、昔の少年漫画に連載されていた、どう考えても競う必要のないものを、なぜか勝負にする漫画たちを思い出したからです。料理漫画とかによくあったあの構図です。

結果的に梶原が優勝しますが、昨日の敵は今日の友といった感じで坂田とも和解します。そして新たな挑戦者としてやってきたのは、女性を両脇にはべらせたジローラモというのも笑えます。『LEON』の圧縮を今度はするような雰囲気で終わります。

厚い雑誌は確かに保管が大変で、圧縮したくなる気持ちも分かります。その反面、本来外したくなる広告とかにも、当時の雰囲気が分かって楽しいので捨て難いものです。データで残すのではなく“圧縮”というのが、拘りを感じる話でした。

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【世にも奇妙な物語’23秋の特別編】感想とまとめ

今回はシュール系2話、ホラー系1話、感動系1話の構成でした。どの話も見ていて面白い当たりの回です。

1話目の『永遠のふたり』は意外と短めの話で、サクサク話が進みます。一度時を止めたら最後、次からは破壊装置を壊さない限り、永遠に時が止まり続けそうなループものでした。

2話目の『地獄で冤罪』はホラー系で、実は自分の裁判だったと分かった瞬間にゾクっとします。見て見ぬふりをするのは大罪という教訓も込められた面白い話でした。

3話目の『走馬灯のセトリは考えておいて』は感動系の話で、依頼を通じてアンドロイドの父をようやく愛せるようになったという話です。そこまで感動させようとしてこないので、見ていて嫌な気分にはなりません。

4話目の『トランジスタ技術の圧縮』はシュール系の話です。大体最後の話は短いのですが、今回は1話目と同じぐらいの長さがあります。やはり実在のものを使った話は、以前の「ふっかつのじゅもん」もそうですが、それを知っている人なら共感しやすいです。

個人的に面白かったのは『地獄で冤罪』と『トランジスタ技術の圧縮』です。どちらも既視感のある話なのですが、実物を使っている分、4話目が一番面白かったです。

次回はまた夏なのか、それとも春なのか?秋のように面白い話を期待しています。

タモリさんのまとめ

正解を選び続けることができるという人は、この世には存在しないと言っても過言ではありません。

←前ページ|1話「永遠のふたり」2話「地獄で冤罪」

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