【世にも奇妙な物語’23夏の特別編】全4話のキャストとネタバレ感想

世にも奇妙な物語 スペシャルドラマ
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2023年6月17日に放送された【世にも奇妙な物語’23夏の特別編】全4話のキャストとネタバレ感想をまとめています。

今回は「お姫様クラブ」「小林家ワンダーランド」「視線」「虹」の4話構成となります。

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第1話「お姫様クラブ」

キャストとスタッフ

  • 遠藤南美…鈴木保奈美
    良平の妻で真弓の母。スーパーのパート勤務
  • 遠藤良平…奥田直士
    南美の夫でサラリーマン。心臓に持病がある。
  • 遠藤真弓…新津ちとせ
    南美と良平の娘。12歳。
  • 比目野明星…松尾貴史
    「お姫様クラブ」支配人
  • 水谷総太…栗原類
    俳優。お姫様クラブの王子
  • 須田優子…咲木春乃
    南美のパート先の社員
  • 織田秀作…橋本直也
    南美のパート先の社員
  • 原作:『お姫様クラブ』曽祢まさこ
  • 脚本:荻 安理紗
  • 演出:小林義則

あらすじ

遠藤南美(鈴木保奈美)は夫の良平(奥田直士)と娘の真弓(新津ちとせ)の3人で平凡な暮らしをしていた。ある日、突然比目野明星(松尾貴史)という男が現れる。比目野は南美が昔入っていた「お姫様クラブ」の支配人だという。

お姫様だった過去を思い出して懐かしがる南美は、真弓にもクラブに入るよう勧めるが…。

ネタバレ

遠藤南美(鈴木保奈美)は、夫の良平(奥田直士)と娘の真弓(新津ちとせ)と3人で平凡に暮らしていた。遠藤家の家計は厳しい状況だった。ある日、突然比目野明星(松尾貴史)という男が現れる。南美は最初彼が誰かわからなかったが、子どもの頃に入っていた「お姫様クラブ」のことを思い出した。

南美は押入れからアルバムを取り出して懐かしむ。アルバムには南美が10歳の時にクラブで撮った写真があった。そして、アルバムにあったオルゴールから『花のワルツ』が流れ出し、南美は舞踏会でのダンスを思い出して踊り始めた。彼女は真弓の呼びかけにも気づかず、曲が止まると正気に戻った。

比目野がクラブへの招待状を見せると、最初は南美はそれが自分宛だと勘違いしていた。しかし、クラブは6歳から12歳までしか参加できず、南美はもう50歳を超えていた。南美はがっかりしたが、真弓をクラブに入れることを試みる。入会金が100万円だと知って驚くが、招待状があれば1度だけ10万円で利用できると聞いて乗り気になった。真弓は12歳で最後のチャンスだから行こうと南美は言った。

南美は夫の良平にクラブのことを話し、思い出になるからと説得して了承を得た。真弓がアルバムを見ていると、1983年の集合写真に今と姿が変わらない比目野の姿があった。驚いた南美はアルバムを閉じ、そのことを誰にも言えずにいた。

舞踏会当日、南美は真弓と一緒に城へ向かう。南美が昔の思い出に浸りながらはしゃいでいると、スタッフに保護者席へ行くよう促される。南美の家は父親が会社経営者で、母親が貴族の生活に憧れていたためにクラブに入会した。母親がお金を湯水のように使い、いつも舞踏会の主役にさせてくれた。しかし、南美が小学5年生の時に父の会社が倒産してしまう。南美は12歳の姫になることができなかったことが心残りだった。彼女は娘に姫になる感動を味わってほしいと思っていた。

南美がふらふらとダンスフロアを歩いていると、スタッフに席に戻るよう止められた。やがて真弓が着替えを済ませ、男性にエスコートされながら真弓姫として登場する。南美は真弓のぎこちない姿に心配した。王子役の俳優である水谷総太(栗原類)が現れ、真弓をダンスの相手に指名した

舞踏会が始まり、真弓は踊り始めるが、どうにもぎこちない様子だった。『花のワルツ』が流れると、南美は立ち上がりその場で踊り始める。真弓が転倒してしまい、無様な姿に南美は怒って駆け寄る。スタッフに止められ、南美はキレ気味に自分こそが王子様に相応しいと言い、真弓をどかそうとする。しかし、曲が止まると南美は正気に戻った。

家に帰った南美は真弓に声をかけるが、怒って部屋から出てこない。夕食を一緒に食べても残して真弓はすぐに部屋へ戻った。南美は現実逃避して自分が王子と踊ることを想像し、1人で踊り始める。さらにスーパーのパートに行っても上の空で踊り始め、社員の須田優子(咲木春乃)に呼び出されて注意されてしまう。

南美は謝罪を繰り返すが、店内放送で『花のワルツ』が流れると、立看板と一緒に踊り出してしまう。南美は挙句の果てに自分を南美姫と呼ぶように命じるが、曲が終わると再び正気に戻って謝罪した。そこに別の社員である織田秀作(橋本直也)が現れ南美をかばった。

南美は店の外で須田と織田が話しているのを偶然聞いてしまう。織田が南美に優しくしていたのは、残業やシフト調整の頼み事をしやすくするためだった。南美はこの事実を知り、家に戻って癒しを求めクラブのアルバムを見る。そしてオルゴールの音楽を流し、一人で踊り始めた。曲が終わると南美は我に返り、現実の厳しさに泣き出してしまう。そんな母を真弓は心配そうに見ていた。南美はその時、比目野の名刺を見ていた。

南美はカフェで比目野と待ち合わせし、大人向けのコースがあるかたずねる。あるにはあるが1人のためのスペシャルパーティーなので、料金は2000万円かかると言われ、南美は諦めざるをえなかった。

南美が自宅に戻ると、真弓から花束を受け取る。一緒に添えられた母への感謝を込めた手紙を読み、今の幸せを大切にしようと決意する。そしてアルバムをダンボールにしまい、封をして押入れに戻した。

翌日、夫が発作を起こして苦しんでいると、南美は慌てて薬を取りに行く。その時、テレビのCMで『花のワルツ』が流れ始め、夫の苦しみをよそに南美は画面に釘付けになる。その後、夫は亡くなり、葬儀で涙する真弓を南美は抱きしめた。

1人の姫のためのスペシャルパーティーが開催される。王子がひざまづき、仮面をつけた姫の手を取り、ダンスに誘う。『花のワルツ』が流れる中、姫は優雅に踊りを楽しんでいた。夫の保険金は2000万円で、葬儀の最中にも南美は泣いているふりをしてほくそ笑んでいた。

スタッフは呆れた様子で眺めていたが、比目野はお姫様への憧れは歳を取っても変わらないと言いながら見つめていた。ダンスが終わって姫が椅子に腰掛けると「私はだぁれ?」と王子に問いかける。王子は「南美姫様でございます」と答えた。南美は仮面を外し、満足げに笑った

感想とまとめ

シュールな話です。この後、ドラマ内ではなくタモリさんが出てくるシーンで、南美が殺人で逮捕されたという新聞記事が出てきます

お姫様への憧れが捨てられない南美は、『花のワルツ』を聞くとスイッチが入り、姫モードになってしまいます。ただ、現実は姫とはかけ離れた状況で、スーパーのパート勤めをして、苦しい家計を支えていました。

現実逃避をするように、王子とのダンスを夢見る南美。そんな母を気の毒に思ったのか、娘は感謝の手紙と花束を贈ります。目の前の幸せに気付いてこのままハッピーエンドかと思いきや、そこはこのドラマなのでタダでは終わりません。

夫の保険金が2000万円というのを見直そうと思っていた南美ですが、舞踏会に参加したいがために夫がこのまま死ぬことを望みます。そしてその金で1人だけのお姫様パーティーを開きました。父は死に、母は逮捕され残された真弓が何とも気の毒な終わり方です。

比目野という男が結局なんだったのかは分かりません。幼少期に姫体験をさせて曲で洗脳し、金を持った頃に今度はその娘をクラブに入会させる目的で来ているのか?はっきりしていることは、40年前も今も姿が変わらない人物だということです。

分不相応なことを望んで現実を受け入れずにいると、全て失うという皮肉が込められたような話でした。

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第2話「小林家ワンダーランド」

キャストとスタッフ

  • 小林達也…中川大志
    小林家の長男
  • 小林康浩…田口浩正
    達也の父
  • 小林洋子…三石琴乃
    達也の母
  • 高瀬美雪…篠崎 愛
    達也の勤め先の先輩
  • 小林彩音…松崎未夢
    達也の妹
  • 脚本:大久保ともみ
  • 演出:淵上正人

あらすじ

小林達也(中川大志)が残業中、父・康浩(田口浩正)から重要な話があるというメッセージを受け取る。翌朝、テレビで夏休みに行っておきたいテーマパークランキングで、小林家ワンダーランドが1位になっていた。

実家が突如テーマパークになることになって驚く達也だが、憧れの先輩に来てもらいたくて頑張ることにするが…。

ネタバレ

小林達也(中川大志)は会社で残業をしている最中に、父・康浩(田口浩正)から重要な話があるというメッセージを受け取る。

翌朝、彼は父にその重要な話とは何か尋ねるが、父はテレビを見ながら答えずにいる。達也は子どもの頃の家族写真を見て、昔は家族が一つだったのにと嘆いた。達也が今年の夏、家族でテーマパークに行く提案をすると、家族全員が驚いてしまう。

テレビでは「今年の夏休みに絶対行っておきたい テーマパークランキング」が放映され、その第一位が小林家ワンダーランドだと明かされる。達也は自宅がテレビに映し出されているのを見て驚愕するが、それこそが父の重要な話だったのだ。実は父は会社をクビになり、まだ借金が残っている状況だった。だからテーマパークを始めることにしたのだという。妹の彩音(松崎未夢)と母の洋子(三石琴乃)も既に了承していた。達也は馬鹿げた話に呆れて相手にしなかった。

その後、達也は会社で残業中に憧れの先輩である高瀬美雪(篠崎愛)に声をかけられる。美雪は小林家ワンダーランドが達也の家なのかたずねる。達也がそうだと答えると、テーマパークが好きなので訪れてみたいと彼女は言う。達也は自宅に美雪が来ることを喜んで妄想し始める。そして休職届を提出し、会社を後にした。達也は一変してテーマパークに情熱を傾けるようになった。

開園の1週間前にはすでに行列ができ始めていた。まだアトラクションも決まっていない状況に、達也は焦りを感じる。そこで父が考えたアトラクションを一つずつ発表していく。最初に父が発表したのは「ヤスヒロトーク」というアトラクションで、主に来場者の話を聞くというものだった。次に母が発表したのは「小林家の女海賊」という海賊気分を味わうアトラクションだった。妹は「眠れる部屋の彩音」という、来場者の前で寝るというアトラクションを担当することになった。達也はアトラクションの担当ではなく、行列整理や雑務を担当することになった。

オープン初日、小林家ワンダーランドには9時間待ちの大行列ができていた。達也が行列整理をしている最中に美雪もやってきた。家から出てくる来場者の反応は非常に良かった。達也がアトラクションを見に行ってみると、客たちは大いに盛り上がっていた。美雪も大満足な様子だったので、そこで達也は美雪にデートに誘おうとしたが、彼女はそのまま帰ってしまった。

その後も連日大盛況が続いた。バラバラだった小林家が結果的にまとまったことに、達也は喜びを感じていた。

しかし、ある日を境に行列は急速になくなってしまった。それは近所の豪邸、西園寺家スタジオジャパンが開園したからだった。達也が覗いてみると、大行列の中に美雪がいた。互いに気まずさを感じ、達也はその場を去った。

さらに小林家ワンダーランドの評判はどんどん悪くなっていった。父は難しい質問に答えられず、ただのオッサンであることが露呈し始めた。母は連日の運営で疲れ果て、水道代を節約するためにシャワーの水圧を下げていた。妹はただ寝ているだけではないか、というツッコミがやっぱり入った。客は全体的にアトラクションに対する興味が薄れていた。

父はリニューアルを決断し、新たなアトラクションを発表する。父のアトラクションは「トーさんのマネーハント」というもので、来場者を背中に乗せて母さんのヘソクリを探す内容だった。母は「スモールフォレストマウンテン」というもので、カートで狭い室内を爆走するアトラクションを担当することになった。妹は「ジャンジャンバリバリアヤーネ」という自身のダンスショーを披露するアトラクションを担当することになった。

リニューアルオープンの初日、行列はやはり存在しなかった。美雪も訪れたが、彼女が楽しんでいる様子はあまり見受けられなかった。リニューアルの甲斐なく、夏休みが終わる頃にはとうとう誰も訪れなくなった

父がテーマパークをやめようと提案すると、家族は再び口論が始まる。しかし、達也はもう一度だけ頑張ろうと言い、自分もアトラクションを担当することを提案した。

翌朝、外には再び大行列が形成されていた。父は夜中に考えた新しいアトラクションの宣伝をしており、達也はそのアトラクションの主役になることを告げられ、リビングに置かれた椅子に座る。しかし、そこで達也は手足を拘束されてしまった

最初に入ってきたのは美雪だった。父は美雪にチェーンソーを渡し、達也は絶叫する外には「超新感覚最恐アトラクション LIVING DEAD リビングデッド」という看板が掲げられていた

血しぶきを浴びた顔を拭いながら、すっきりとした表情の美雪が家を出て行った。血まみれでぐったりとしている達也には、母が水をかけて起こした。

そして、次の客がチェーンソーを手に迫ってくる。美雪は「やっぱりテーマパークには絶叫系がないとね」と喜びながら、再び行列に戻っていった。行列はまた9時間待ちの大行列となっていた

感想とまとめ

シュール系で始まってホラーに終わります

自宅をテーマパークにするという、何ともシュールな話ですが、なぜか来場者に好評でした。なんでもやってみるもんだなと思わせます。

しかし、大豪邸がテーマパークを始めると、小林家ワンダーランドはあっという間に飽きられます。そこで新たなアトラクションを考えますが、まったく人は戻ってきません。

父の考えるアトラクションというのが、何とも馬鹿馬鹿しいのですが、最終的にとんでもない方向へ行きました。それは達也が絶叫するというアトラクションでした。新アトラクションのリビングデッドはリビングで死ぬという意味にもなっていそうです。

問題は達也が死なずにいられるのか?9時間待ちの行列ができているので、とても1人じゃ間に合いそうにありません。このアトラクションは限定数名しかできない気がしますが、誰かどこかから連れてくるのか、家族全員でやるのか謎です。

バラバラな家族がくっついたと思ったら、達也の体がバラバラになりそうだというオチもシュールです。

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