【わげもん】最終回のネタバレと感想|壮太が最後に選んだ道は?

2022冬ドラマ
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NHKのドラマ【わげもん~長崎通訳異聞~】最終回「光さす海」のネタバレと感想をまとめています。

牢に入れられた壮太の元にやってきたのは、姿を消したはずの神頭だった。一緒に来ないかと誘う神頭に壮太は最後のけじめをつけさせて欲しいと願い……。

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最終回のあらすじ

濡れ衣を着せられて牢に囚われた伊嶋壮多(永瀬廉)の元にやってきたのは、姿を消したはずの神頭有右生(髙嶋政宏)だった。

一緒に来ないかと誘う神頭だが、壮太は忠弥(蟷螂襲)殺しの疑いを晴らすために周田親政(武田鉄矢)に会いに行く。そこで真犯人を暴きようやく自由の身となった。

再び神頭に長崎を出ないかと誘われる壮太、父の存在をなかったことにした長崎に未練もなく一緒に行く事に決める。

神頭は立ち去る事を引き換えに水と食料を奉行所に要求する。そこで交渉役として森山栄之助(小池徹平)が指名され、覚悟を決めた森山はそれを引き受けた。

決死の覚悟で説得をする森山だが、奉行所は船を焼き尽くそうと動き出し……。

←3話

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【わげもん】最終回の再放送と配信先

1話の再放送は2月2日(水)23時35分~24時24分に放送予定です。

見逃し配信先はNHK+で2月5日の21時49分まで無料配信されます。

それ以降の配信はNHKオンデマンドで配信されます。NHKオンデマンドは有料の動画配信サイトですが、U-NEXTで31日間お試し無料キャンペーンがあります。(2022年1月現在)

ただし、自動で継続になってしまうので、退会を希望する場合は無料期間終了前に退会手続きを忘れないようご注意ください。

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【わげもん】最終回のネタバレ

今回で全ての謎が解けて完結します。壮太は最後どうなるのか?

神頭の誘い

助けに来た神頭と一緒に壮太は牢を抜け出した。自分を置いていったはずの神頭が、なぜか一緒に長崎を出ないかと誘ってくる。

そこで壮太は父が生きていると言っていた神頭の真意を確かめる。神頭はこの町で認められない限り、誰も死んだ事にはならないから生きていただろう?と言う。

父は江戸に向かう途中に追っ手により殺害された。しかし、長崎では周吾は死んだことにはなっていない。だから“生きている”という意味だった。

ここを出て何をするのかと問う壮太。神頭は「海の上からこの国を揺らす」と言う。多くの異国船が様子をうかがっている。彼らが知りたがっていることを教えてやるのだと。

そこには、かつてカイを逃がす代わりに頭数を揃えるために用意された人物、吉次という男もいた。彼は神頭の仲間で日本の内情を外国船に教えるスパイだった。

この国を滅ぼすつもりなのかと壮太が問うと、自分たちがしなくてもいずれそうなると神頭は言った。長崎の連中がしてきたことを町の人間に認めさせる。そうでないと父親と同じように消されるぞと神頭は忠告した。

壮太はこのままでは行けないと言い、自分の濡れ衣を晴らそうと考えていた。神頭は壮太に抜荷の覚書を渡し、殺しの疑いを晴らせるか確かめて来いと送り出した。

真犯人は誰だ?

神頭から渡された覚書を手に、壮太は大田親子の2人を後見人にして滝口のところを訪ねた。

滝口と一緒に壮太は出島に向かいヤンセンらと話をすることになった。壮太が持っていた覚書には積荷にない抜荷が書かれていた

その場に居合わせたトリはヤンセンたちが忠弥が抜荷の手引きをしていたと、話していたのを聞いたと証言する。

そのことをヤンセンに確認すると、忠弥を殺害したことを認めた。忠弥は抜荷の手引きをするのをやめたいと言ったため、全てを知っている者を生かしておけないと殺害したのだった。

話を聞いた清十郎がキレて思わずヤンセンを殴ってしまうが不問となった。

通詞として立ち会っていた森山は壮太に、覚書をどこで手に入れたかを問う。神頭が持っていたに違いないと、そして牢抜けさせたのも神頭だろうと詰め寄る。

何も言わずに黙っている壮太に森山は、神頭の使い走りをさせるために真相を話したわけではないと怒る。壮太は自分で決めたことだと言って取り合わなかった。

黒幕の正体

周田は長崎の利を守るため抜荷を決断し、忠弥を通じてヤンセンを引きずり込んだ黒幕だった。

出島から運ばれた荷を神頭を始めとする、他の者たちにさばかせていた。その金で江戸から赴任する奉行たちを巧みにあしらい、長崎の全てを握っているとも言われる人物だった。

疑いを晴らした壮太は長崎奉行の家老である周田に会う。父の死を隠し自分に罪を被せ、それを晴らせば今度は命まで奪おうとすると直接文句を言った。

周田はよそものに勝手をさせないため、交易の金や異国の内情を守る必要があったと開き直る。そして刀を抜き壮太に切りかかろうとした瞬間、神頭が助けにやってきた

手にした刀で脅す神頭を、やってきた滝口らに捕らえるように周田が命じる。しかし滝口は周田に大人しくするよう命じ、神頭は周田を渡すとその足で壮太と一緒に逃げた。

神頭の過去

船で神頭は壮太に昔話をする。船を出して海に出たある日、嵐にあって何日も流された。生きて帰りたいと必死に願い、たどりついた異国の浜からいくつも海を渡った

寒かったし暑かった、鉄砲に怯えていたし病にもなった。ようやく日本に連れて行ってくれるという、アメリカの商船に乗り込むことができた。

同じように異国に流れ着いた日本人も一緒に船にいた。5年ぶりに島影が見えた時には喜びに震えた。もうすぐ帰れる、港が自分たちを受け入れてくれる。そう思っていたが、島から向けられたのは大砲だった。

同じ国の人間が乗っているのだから撃つなと叫んでも、砲撃は止むことはなかった。あの時に全て砕かれたと、神頭は母国への失望を語った

森山の覚悟

沖に停泊した船にいる神頭たちはここから立ち去る代わりに、水と食料を奉行所に要求していた。抜荷に加担した神頭の条件はのめない。そこで交渉持ちかけると神頭は森山を指名した。

森山は神頭ではなく壮太が指名したに違いないと思い、条件を付け足して交渉役を引き受けた。その条件とは交渉がうまくいかず長崎に攻撃を仕掛けてきたら、容赦のない判断を下して欲しいというものだった。

交渉とは通詞にとっての立ち合いであり、もし決裂したのであれば通詞として失格であると。長崎がならず者に屈したと言われることになりかねないので、その時は遠慮なく砲撃をして欲しいという願いだった。

自らの命を賭けて交渉に臨む決意をした森山に、奉行は「全てぬしに任せる」と一任した。

壮太の真意

壮太のいる船にトリがやってきて、もう置いて行かれるのは嫌だから一緒に連れて行って欲しいと願う。壮太はダメだと断るがそれでもトリは行くと言ってきかなかった。

そこに交渉役の森山がやってくる。壮太は長崎を出るという話を伝えたかったと言い、それだけのためになぜこんな大ごとにしたのかと森山は問う。

すると壮太はこうでもしなければ、父のことも含めこの町はまたなかったことにするからだと答えた。長崎に対して恨みを抱いているのかと森山は思った。

壮太は自分の思いを語り始める。自分はなんでこの町に来たのだろうと。ここで神頭やトリ、未章や清十郎という仲間に会った。その時にふと思ったことがある。きっと父も同じものを見ていたのだろうと。

その時やっとこの町に来てよかったと思えた。自分は確かにここにいたし、父もまたここで生きていた。だから壮太はここから船出をしたかった。

森山は壮太の思いを聞いた上で改めて船を明け渡すよう命じる。神頭が自分の船だと反論すると、神頭がマカオで住んでいた船だろうと森山は告げた。神頭は漂流民となり、その後マカオで聖書を翻訳していたのだった。

長崎の内情を広め日本をかく乱させようと考える反逆者だと森山が言うと、壮太は神頭は船乗りだと反論した。

神頭は海の上で全てを失いそれでも生きようとした人だと。日本に攻撃も仕掛けないし、情報も流させないよう見張るからただ沖へ行かせて欲しいと願う

そんな港は日本中どこにもないと却下する森山に、壮太は国や奉行に言っているのではなく、森山個人に言っているんだと交渉を続けた。

交渉の行方

その頃、奉行所では神頭の船に近付く不審な小舟を調べたら、荷の中に火薬があったと報告が入る。しかし、奉行は森山に一任していると言って動かないでいた。だが、他の者たちは今動かないと町が危ないとたきつけ、森山ごと葬り去ろうと画策していた。

船での交渉は続いていた。森山はこの町で生まれ育ったから、壮太や神頭のような悲しみも痛みもないし分からないと言う。でも、もっと壮太と話がしたいと告げる。

通詞とは違うもの同士を一つ一つ繋いでいくのがなりわいで、自分や長崎が憎いと思っているのであればなおさら話したいと。

刀や鉄砲を手に向き合うのではなく、言葉で近付きたい。なぜなら通詞だからだと森山は説得を続ける。

それを聞いていた神頭は船を出すと言い、壮太も降りろと命じた。施しが欲しいわけではなく、奪いたいのだと。

そして、自分の壮絶な生い立ちを語り始める。仲間をなくし望みをなくし、涙をなくし心をなくした。物と交換されて船を乗り継ぎ、船底で生きるために必死に言葉を覚えた下等な言葉だと。

売らないで欲しい殺さないでくれ、何度も殺さないでくれと願い続けた。言葉で近付くなんて綺麗事、自分の下等な言葉が通じるのか?とすごむ。

壮太は「生きるための言葉が下等なはずがない」と言い、生きようとした神頭が卑しいわけないし、全部生きるために必要な言葉じゃないかと告げた。

だが、その頃船外では奉行所の小舟が周囲を囲み、火矢を船に向けて放っていた

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最終回の結末

奉行所の舟に囲まれていることを知らされ甲板に出ると、次々に火矢が放たれ船体に引火し始めていた。森山に飛び込むよう告げる奉行所の者たち、一任してくれていたのではないのかと森山は驚く。

壮太は神頭に一度長崎に戻って出直そうと告げるが、お前は何も分かっていないと拒んだ。やがてマストが倒れてきて、神頭と壮太たちの間を分断した。「俺を憐れむな。罵れ」と神頭は告げた。

必死に炎の中を行こうとしてに神頭を連れ戻そうとする壮太だが、森山は危険を感じて引き止める。その際、懐から父の形見の本が落ちたことに壮太は気付かなかった。

その後、船から脱出した壮太はトリたちと一緒に柳屋に身を寄せていた。くんちの季節がやってきて町も賑わい、稽古を一緒に見に行こうとトリが誘う。しかし壮太は浜へ行くと言って断った。

大海原を眺めている壮太に森山が声をかける。所々焦げた父親の形見の本を差し出した。自分の身よりも先に舟に投げ入れたという本、字もそれほどにじんでいないだろうと言って渡した。

そして大田が忠弥から預かったものだといって、父の書きつけを渡す。そこには単語の覚書が記されていた。最後の一枚を見ると「My dear son 壮太」と記されていた。

「私の愛しき息子」という意味だと教え、新しい言葉は自分で記したらいいといって渡した。

受け取った壮太は去り際に「俺…通詞になります。長崎で」と言い、森山は「塾で待っとる」と答えた。

壮太の元へトリや未章、清十郎がやってくる。清十郎は涙を浮かべて喜び、それをトリたちにからかわれた。

塾へ行った壮太は森山から英語を習う。森山はかつての師である周吾の言葉「己のことばを捨てよ」と告げ、その言葉の真意を英語で語る。

通詞はいつでも古きものにとらわれることなく、新しきことばと出会えるものであれ。と。

その流れで壮太は森山に指名されて「Don’t be afraid」を和解するよう命じられる。壮太は「恐れるな。己の言葉を持て」と翻訳した。

浜に漂着した小舟の中に包帯で目を覆った男が横たわっていた。男が起き上がり包帯を外すとヤケドの痕が顔に残る神頭だった。浜から海を神頭は眺めていた。

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【わげもん】最終回のまとめと感想

壮太の疑いは晴れて黒幕が捕まり、最終的には通詞になる選択をしました。

長崎に父を探しに来たことで様々なトラブルに巻き込まれ、そこで出会った人たちに助けられ壮太は成長しました。

長崎という町に対して恨みを抱きもしましたが、最終的には良い仲間のお陰で壮太は許します。そして命を賭けて自分と話をしにきた森山の言葉が響いたのか、自分も通詞になる選択をしました。

一方、神頭は自分の境遇を呪い蔑み、長崎はもちろんのこと日本という国に対しても恨みを抱きます。外側から変えてやると意気込む神頭は、同じような仲間を集めてスパイ活動的なことをしていました。

最後に神頭が生きていたことが分かりますが、その目はまだ諦めていないようにも見えます。ペリーが来航する手引きでもするのか?歴史の裏側で暗躍したのかもしれないと思わせる終わり方です。

通詞は違うもの同士を一つ一つ繋げるという言葉が印象的で、人と人の関わりも翻訳までとはいかなくても違うもの同士を繋げることなのだろうと考えさせられます。

己のことばを捨てよという父に対し、己のことばを持てと壮太は締めくくり、新たな時代を予見させます。実際、この4年後にペリーが来航して鎖国は終わります。壮太たち通詞の重要性も増す時代が到来するわけです。

物語は壮太が主人公なのですが、森山の存在が結構大きく描かれています。下手すると壮太以上に登場する気がします。

森山は国と個人との間での葛藤を抱え、新たな人材を育成することでこの国を変えていこうとしました。神頭は国を恨み、スパイ活動をすることで外から国を変えようとします。そして壮太は長崎が父にした仕打ちを恨みますが、父の思いを継いで学ぶことで変えようとします。

それぞれアプローチは違いますが、彼らは変化を求めて行動します。恐れるな、自分のことばを持て。という言葉は、国や時代や他人に流されて立ち止まるのではなく、変化を求めて行動せよと言っているように感じました。

全てが描かれず所々想像で補う必要があるドラマなので、受け取る人によって感想も違うでしょう。それこそ、違うもの同士が一つ一つ繋がっていく可能性を残すドラマでした。

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