【遺留捜査7】7話のネタバレと感想|渡辺裕之がゲスト出演

2022夏ドラマ
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【遺留捜査シーズン7】7話のネタバレと感想をまとめています。

今年お亡くなりになられた渡辺裕之さんがゲストで出演された回です。また、剣道有段者でもある甲本雅裕さんと、剣道経験者の上川隆也さんとの対決シーンにも注目の回でした。

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【遺留捜査7】7話のあらすじ

不動産会社経営の細野茂雄(渡辺裕之)が何者かにより殺害された。現場に臨場した糸村聡(上川隆也)は、遺体の左手の爪だけ短いことが気になった。遺体が運び出される際、被害者のポケットから爪切りが落ちる。糸村はその遺留品が気になった。

神崎莉緒(栗山千明)は細野をどこかで見たことがある気がしていた。それは、京都の白河台の自立支援センター問題で話題になっていた人物だった。

細野はかつて娘をバイク事故で亡くしていた。その時、バイクを運転していた山本仁(荒井敦史)は逮捕され、少年院に収容された経緯があり、不良少年の更生施設に対して猛反対をしていた。

遺留品の爪切りと細野の過去、2つが繋がる謎に糸村が挑む。

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【遺留捜査7】7話のネタバレ

被害者家族と加害者の向き合い方を考えさせられる回です。

今回の遺留品

  • 被害者:細野茂雄 58歳
  • 職業:不動産会社経営
  • 死亡推定時刻:昨夜の21時から23時の間
  • 死因:撲殺
  • 遺留品:爪切り
  • 第一発見者:妻の
  • その他:被害者の財布や事務所の金庫は物色されていない

夫が帰宅しなかったため、今朝妻の香織(舟木幸)が会社に来たところ遺体を発見。後頭部を鈍器で殴られたような痕があり、死因は撲殺と思われる。凶器は発見されていない。

財布や金庫を物色した痕跡はなく、物取りの犯行ではないと警察は推測した。神崎莉緒(栗山千明)は遺体を見た際、見覚えのある顔だと思ったが思い出せずにいた。

現場に臨場した糸村聡(上川隆也)は遺体の左手の爪だけが短いことが気になった。鑑識が遺体を運び出す際、ポケットから爪切りが落ちる。それを拾い上げた糸村は、不思議そうに見つめた。

署に戻った神崎は被害者は白河台の自立支援センター問題で、話題になっていた人物だと気付く。住民説明会で揉めた映像がSNSに流出して、細野は大炎上していたのだ。

自立支援センターとは罪を犯した少年少女が通う更生施設のことだ。それを京都随一の高級住宅街である、白河台に建設する計画が持ち上がり、一部の住民が猛反発していた。

そこで建設問題が事件の背後にあるのではないかと佐倉路花(戸田恵子)は考え、支援センター建設の関係者をあたることにした。

聞き込み開始

糸村は遺留品の鑑定を村木繁(甲本雅裕)に頼み、建設会社に神崎と一緒に向かう。支援センター建設の責任者である黒沢辰夫(いわすとおる)の話では、確かに邪魔くさい人たちだったという。しかしだからといって、細野をどうこうしようとは思わないと答えた。

支援センター設計の担当建築士の杉崎涼介(一ノ瀬颯)に聞いたところ、細野とは住民説明会で顔を見た事がある程度だという。そこで糸村が爪切りを見せるが、見覚えはなかった。

一方、沖田悟(戸塚純貴)と雨宮宏(永井大)の2人は、支援センター反対派の副会長でもある矢島修造(広島光)に話を聞く。細野は短気な男ですぐカッとなるといい、元々ぶつかる事が多い人物だったという。細野の発言のせいで、反対派が世間で叩かれたことから、反対派の中で怒っている人物がいないか聞くと、「娘さんのこと考えたら、誰も責められないですよ」と意味深な答えだった。

遺留品の鑑定結果

糸村は村木に鑑定結果を教えてもらう。遺留品の爪切りは巻き爪用のものだった。市販のもので不審点は特にないと村木は教える。

ちなみに細野は巻き爪ではないのに、なぜ彼がこの爪切りを所持していたのか?そもそも爪切りを持って歩く行為自体が謎で、糸村は遺留品が気になって仕方がない。

爪切りの中には細野の爪もなく、爪切りをしている途中で殺害されたとも考えにくい。だとすればなぜ、左手だけを短く切ったのか?謎だらけだった。

細野の悲しい過去

矢島の発言が気になった雨宮たちは、細野のことを調べた。その結果、12年前に細野は当時8歳の娘の紗弥香(田中心彩)を、事故で亡くしていたことが分かった。

事故のあった日、娘を連れて両親は公園に出かけた。しかし、母親の香織に駆け寄った紗弥香が、乗り込んできたバイクにひかれて亡くなってしまう。

運転者は山本仁(荒井敦史)という少年で、進入禁止の公園にバイクを乗り入れただけでなく、無免許運転だった。その後、山本は少年院に収容された。

細野の過激な発言はその事故を受けてのことだった。反対派の集会でも繰り返し、山本への恨み言を口にしていたという。

山本は現在大阪でトラック運転手をしているというが、連絡が取れない状態だった。2人の間でいさかいが起きて殺人に発展した可能性も含め、佐倉は雨宮と沖田に山本の行方を追わせる。

爪切りの使用者

一方、糸村と神崎は細野の妻・香織の元へ話を聞きに向かう。立派な仏壇に娘の遺影が飾られ、娘の好きだったひまわりの花が供えられていた。

糸村は早速、爪切りに見覚えがないかたずねる。すると娘の紗弥香が使っていたものだと教えてくれた。紗弥香は生まれつき巻き爪で、細野がよくこの爪切りで切ってあげていたという。

神崎はそんなことよりと話を遮り、細野が今でも事故にわだかまりを持っていた事実を確認する。紗弥香はようやく授かった娘だったといい、山本が真摯に謝罪しなかったことで、細野は怒っていた。しかし、細野から特に山本についての話を最近聞いてはいなかった。

細野は剣道教室で指導をしていたことを妻にきくと、教室の前には必ず爪を切っていたという。糸村は話を聞き何か思うところがあった。

山本の行方

雨宮と沖田は山本のSNSから、利用している満喫を突き止める。話を聞きに行った矢先、山本が現れて追いかける。ようやく捕まえて話を聞くが、山本には完璧なアリバイがあった。取り調べに応じる態度も警察を馬鹿にしたような態度だったため、雨宮は思わずキレてしまう。

そこに佐倉が現れて防犯カメラ映像の写真を見せた。それは振り込め詐欺の出し子をしている瞬間を収めたものだった。「今度は少年法が守ってはくれないわよ。覚悟しなさい」と佐倉は言った。

事故を起こしても全く更生していない山本に呆れる面々だが、山本が細野の事件には関係していないのは事実だった。振り出しに戻ったかと思っていたところ、二課の取り調べを終えて出てくる山本に神崎は目を留める。

山本の腕に入れた入れ墨を見た神崎は、その入れ墨をいつ入れたのかを問う。昔仲間と入れたという言葉に、杉崎涼介の名を出すが知らないという。そこで写真を見せたところ「今井か。あいつも入れたよ」という証言を得た。杉崎涼介は山本と昔つるんでいたということが分かった。

怒りを抑えるおまじない

糸村は剣道教室に向かい話を聞こうとする。その前になぜか村木と試合をすることになった。村木は腕に覚えがあり、糸村をやっつけようと意気込んでいた。しかし、審判に判定を取ってもらえず苛立つ。その隙をついて糸村が胴を打って一本取った。悔しがる村木をよそに、指導員の高橋洋平(北川裕介)に話を聞く。

ケガ防止のために爪を短く切っておくのは鉄則だが、左手だけ短く切る事はないという。ただ、細野は最近丸くなったようで、怒りを抑えるおまじないを見つけたと語っていた。だが、それがどういうものなのかは教えてくれなかった。剣道は握力が求められる競技で、細野は握力が80キロもあったという。糸村は話を聞いて何かを考えていた。

容疑者浮上

神崎が杉崎の手に入れ墨を消した痕があったのを覚えていた。杉崎を呼び出し細野殺害の容疑がかかっていると言って取り調べが始まる。

事件当夜22時頃に、細野の事務所近くで目撃証言があったと佐倉は切り出した。そして12年前、紗弥香をひいたバイクに杉崎が乗っていたことを突きつける。杉崎は両親が離婚したことで、今井から名字が変わっていた。

確かに自分が乗っていたと杉崎は認めるが、細野殺害については否認した。ではなぜあの時間に事務所に行ったのかを問うと、支援センターの建設を進めたくて説得しに行っていたという。何度かドアをノックしたが、返事がなくてそのまま帰った。

なぜそこまで杉崎はするのか?それは、細野に認めてもらわないと意味がないからだった。杉崎は細野と最初の住民説明会で見かけてすぐに気付いたという。だが、結局最後まで話しかける勇気がなかった。自分は過去を忘れようとしているのに、細野は今でもそのことで苦しんでいると思い知らされた。

杉崎はなぜあの時、山本を止めなかったのかと罪悪感がよみがえってきた。そんな時にデザインの修正案が浮かんできたという。それは建物の解体工事から出る廃材を再利用したデザインだった。そこには自分のようなクズでも、手を加えれば使い道が見つかるという思いが込められていた。

杉崎はやがて、事務所とか行き着けの喫茶店とかに何度も足を運んで、説得を始める。だが、細野の怒りは収まらず、杉崎にも度々暴言を浴びせた。

そこまでするなら、最初からちゃんと謝ってすべきだったのではないかと佐倉が言うと、バレたら建設計画から外されてしまうかもしれないと杉崎は恐れていた。結果的にダマしているという突っ込みに、杉崎はキレてしまう。そして「ようやくまともに生きていけると思ったのに…。なんでこんな事になるんだよ…」とこぼした。

妻の暴走

杉崎が警察署から出たところを、マスコミが待ち伏せしていた。誰かが流した情報をかぎつけて集まっていた。神崎はその中に香織の姿を発見する。バッグに忍ばせた包丁に手をかけているのに気付き、急いで止めに向かった

神崎は包丁の柄を押さえながら必死に説得する。抜いてしまったら逮捕しなければならない、それでもいいのかと。誰が紗弥香に供えたひまわりの水を替えるのかと。その言葉に香織は踏み止まった。

紗弥香を死なせて夫も殺したと思ったら許せなかったと香織は言う。杉崎は細野に支援センターのことを説得しに行っていただけだと説明した。すると香織はあることを思い出す。事件の前日に細野は「支援センターの件なんだけど、認めてやってもいいんじゃないかって思ってるんだ」と言っていた。

紗弥香が死んだことを恨み続けるより、あの子の死は決して無駄じゃなかたって思いたいんだと。細野は語っていた。

糸村の確信

糸村は細野が行き着けの喫茶店へ行って話をきく。喫茶店のマスターに爪切りを見せると、確かにこの爪切りでいつもカウンターの決まった席について切っていたと証言を得る。

さらに杉崎の写真を見せたところ、最近よく会っていたという。いつも最後は言い合いになるが、細野はなぜか怒って帰らなかったという。

そして、細野が爪を切る時いつも使っていた雑誌をみせてもらう。それを見た糸村は遺留品の謎がようやく解けた。

事件の真相

細野が支援センターを容認するつもりになっていたことで、今までの利害関係が逆転した。細野の心変わりで誰が一番困るのか?徹底的に洗い出すよう佐倉は捜査員に命じる。

その結果、雨宮と沖田は矢島のところへ向かい、署に同行するよう告げる。取り調べで矢島は事件の真相を語り始めた。支援センターの建設予定地のすぐ近くで、2億の超高級マンションが建設中だった。工事が始まった直後に、支援センターの建設計画が決まり、売買契約のキャンセルが相次いでいた。

困ったデベロッパーが泣きついたのが矢島だった。矢島に金銭を渡し、反対派が有利になるよう様々な工作をしていた。住民説明会の動画を流したのも矢島だった。矢島はそのことは認めるが、細野殺害については否認する。

そこで佐倉は事件当日の21時過ぎ、細野の事務所近くで矢島を乗せたというタクシーを見つけたと教える。自宅に帰る途中、立ち寄った川のそばを徹底的に調べたところ、凶器の灰皿が発見された。指紋と血痕が検出されたと教え、動かぬ証拠を突きつける。

すると矢島は観念して殺害についても話し始めた。事件の夜、事務所に矢島は向かい細野から、反対運動から降りるという話を聞かされた。何とか思いとどまってもらおうと説得するが、細野は「許すんじゃない。そんなの一生かかったって許す気にはなれない。ただ、罪を犯した奴の中には、ちゃんと更生しようとしてる人間もいるんじゃないかなって思えてきたんだ」と語った。

必死に縋る矢島だが、細野の気持ちは変わらなかった。そこで矢島は事務所にあった灰皿を手にし、思いっきり細野の後頭部を殴って殺害した。

細野も自業自得だと言う矢島。クズに肩入れなんかするものだからとぼやく。それを聞いた佐倉は「私利私欲のために人をあやめたあなたに、そんな事言う資格はない!」と机を叩いてキレた。

3分タイム

真犯人も捕まり釈放された杉崎は、自分が考えたデザイン画を破っていた。そこに神崎と糸村が現れ、3分だけ時間をくれないか頼む。

爪切りをなぜ細野が持っていたのか、それは怒りを抑えるおまじないだったからだと糸村は説明する。いつも細野が雑誌の上で切っていたのは、そこにアンガーマネジメントについて書かれていたからだった。この雑誌によると「人間は怒りを覚えたとき、左手の拳を強く握ると、その怒りを抑えこむよう脳を刺激することができる」と書いてあった。

細野は娘をはねたバイクに杉崎が乗っていたことを知っていた。それを知った上で、デザインの件で何度も訪ねてくる杉崎の熱意に打たれ、渋々会う事にした。ただ、やはり娘を殺した相手と会うのは耐えがたかった。だからアンガーマネジメントに頼ったのだろうと糸村は語る。

細野は剣道の有段者だったため、人一倍握力が強かった。だから拳を強く握ると手のひらに爪が食い込んでしまった。そこで、杉崎と会う前は必ずこの爪切りで左手の爪を短く切り揃えることにしていた

やっぱり細野は自分を許してなかったのかと嘆く杉崎。糸村は細野が亡くなる前に、支援センターを認める気持ちになっていたことを伝える。「ちゃんと更生しようとしている人間も、いるんじゃないかと思えてきた」と言ったのは杉崎のことだろうと。

細野は杉崎のデザインに込めた思いを聞き、何よりも今の杉崎の姿を見て、過ちを犯した子に更生するチャンスを与える意義を認めたのだろうと糸村は語る。あの爪切りで切っていた理由、それは大切な紗弥香との思い出と一緒に、もう一度人を信じたいという細野の気持ちが込められていたのだと思うと、糸村は語りかけた。それを聞いた杉崎は涙を流した。

その後、杉崎は細野の家へ向かい、紗弥香と細野の遺影に手を合わせる。そして香織に「申し訳ありませんでした…!」と土下座をして謝罪した。

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【遺留捜査7】7話のまとめと感想

被害者家族が加害者の更生を認め始めたら、私利私欲に駆られた男に殺害されてしまったという話でした。

放送が始まる前にテロップでご冥福を祈るメッセージが入って始まりました。放送終了後には特にテロップもありませんでしたが、視聴し終えた後に物語の役柄もあってか、何とも寂しい気分になる回です。

無免許運転のバイクにより、娘は命を奪われてしまいます。運転手は出所後も特殊詐欺の出し子などをし、更生せずにまた捕まります。一方、同乗者は悪い仲間との関係も絶ち、必死に勉強して更生します。杉崎は最初、身分を隠して細野に接します。しかし、細野は見抜いていました。

短気な性格だと周囲にも認識されている細野が、よく加害者と知っても会ったなと驚きますが、それにはちゃんと更生している人物だと認めていた部分もあったからでした。やがて細野は怒りを抑え、しまいには建設を容認する方向へ動きます。細野は許すことはできなくても、頑張っている人間を認めようとしたのです。

ちなみに今回の話でドラマ部分とはあまり関係ありませんが、村木の剣道シーンが見所でもあります。劇中で学生時代に剣道部の主将だったと村木自身も語りますが、演じている甲本雅裕さんは本当に中・高・大学と剣道部に所属した有段者です。残念ながら糸村に負けてしまいましたが、立ち姿と胴着の着慣れている感から明らかに経験者だと分かります。

娘への愛情、失った悲しみ、加害者への怒りや憎しみ、そして最後には人を信じる。目まぐるしく感情が揺らぐ役を演じた渡辺さんが、ドラマ同様に本当に失われてしまったのかと思うと、やるせない気分になる話でした。

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【遺留捜査7】7話のいいセリフ

進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む。…って 誰かが言ってました。
思いを全て込めたのなら、勝敗の結果など 問題ではない。…って 誰かが言ってました。

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