【アンチヒーロー】6話「不正」のネタバレと感想、12年前の事件の追加情報をまとめています。
明墨が今回引き継いだ案件は、個人情報保護法違反で逮捕された女性の案件だった。彼女は元部下にはめられたと無実を主張していた。そこで明墨が新たな証拠を提出するが、裁判官は全て却下し……。
【アンチヒーロー】6話のあらすじ
明墨正樹(長谷川博己)は個人情報保護法違反の裁判で一審では有罪判決が出た、元週刊誌副編集長の沢原麻希(珠城りょう)の控訴審を引き継ぐことにする。
彼女は無罪を主張していて、かつての上司で部下だった上田基一(河内大和)にはめられたのはないかと考えていた。そこで明墨は上田の鞄にGPS装置を仕掛け、赤峰柊斗(北村匠海)に上田の尾行をさせる。すると彼が法務副大臣の加崎達也(相島一之)の第一秘書と密会しているのが分かった。
上田と加崎の関係性を知った明墨は、控訴審の担当裁判官・瀬古成美(神野三鈴)と話をする。彼女もまた、女性であるがゆえに不条理な思いをしていたので、麻希のことを応援するようなことを告げた。
控訴審が開廷し、赤峰は新たに見つけた証拠の数々を提出する。すると検察は上田を証人喚問し、不正に得た証拠だと非難した。
その結果、瀬古は全ての証拠を不採用にしてしまい……。
【アンチヒーロー】6話のネタバレ
緋山との会話
明墨正樹(長谷川博己)と緋山啓太(岩田剛典)が話しているのを、事務所に戻ってきた赤峰柊斗(北村匠海)が聞いてしまう。緋山は江越の元で働いていた人間と連絡がついたと報告し、そのまま探るように頼む明墨。12年前のものがまだ残っているかどうかを調べてほしいと依頼した。
緋山は「江越の手元には残っているはず。相手の弱みを握って支配する、そういうやつだから」と話した。明墨は「その言葉、信じますよ」と応じた。
緋山が帰った後、明墨は赤峰に気づいた。控訴審の打ち合わせをしていたという明墨に対し、赤峰は妙な言い訳をした。赤峰は二人の会話を聞いてしまったことを隠そうとしたが、明墨の目はそれに気づいているようだった。
父の弁護
紫ノ宮飛鳥(堀田真由)は倉田功(藤木直人)と面会し、弁護を担当すると伝えた。「娘としてじゃなく弁護士として言っている」と話す紫ノ宮に対し、倉田は「弁護士は必要ない。私はこの逮捕に納得している。罪を受け入れ、償うつもりだ」と答えた。
紫ノ宮は「それなら全部の罪も償うの?志水さんの冤罪についても」と問いかけたが、倉田は「もう話すことはありません」と言い、その場を去った。
面会を終え、帰る途中で伊達原泰輔(野村萬斎)と遭遇した。「どんな名医も、肉親の手術は難しいという。家族をむしばむ病を前に、思い知ることになるからさ。自分の無力さを」と語る伊達原は、「父を思うなら冷静な他者に任せたほうがいい」と忠告した。
事務所に戻り、赤峰にそのことを話すと、赤峰は緋山が事務所に来ていたことを打ち明けた。明墨が緋山に人を探させているようだったと伝える。
赤峰も紫ノ宮も、もし志水裕策(緒方直人)が冤罪だとしたら関係ないとは言えないと、真実を追求する覚悟を新たにした。
今回の案件
明墨は第一審を終えた沢原麻希(珠城りょう)の前に現れ、「私があなたを、無罪にして差し上げます」と宣言した。麻希の控訴審の弁護を明墨が引き受けることになった。
大洋出版で情報流出事件が発生し、特にSNSでの誹謗中傷がひどく、犯人は副編集長だと噂になった。昨年12月、グループ社員らの問い合わせにより、社員の個人情報が外部に漏れているのではないかとの疑惑が浮上した。
調査の結果、社内の機密情報、取引先情報、グループ全社員の個人情報など合計30万件が流出していたことが判明した。警察は状況証拠から現職従業員による漏洩と見て捜査を行い、その結果、麻希が逮捕された。
麻希は「本当にやっていない、身に覚えがない」と完全否認した。明墨は麻希の無罪を証明するため、控訴審に向けての準備を始めた。
判決の決め手
第1審の判決の決め手となったのは主に2点であった。
まず1つ目は、情報流出の経路を調べた結果、麻希のIDが使用されていたことである。
麻希は昨年、IDを紛失したと証言している。帰宅途中に見つからなかったということから、真犯人がIDを盗んで悪用した可能性があると考えられる。さらに、IDでアクセスされた時刻も、盗まれたとされる12月5日20時頃であった。
2つ目は、麻希の口座に12月7日付で315万円が振り込まれていたことである。
この振込は、情報流出先である名簿販売業者「スターリスト」という会社からのものであった。麻希は警察に指摘されるまで、この振込に気づいていなかった。
スターリストの元代表取締役である田村浩紀(望月章男)の証言によると、流出された情報はUSBメモリに入れられ郵送されてきたという。つまり、真犯人が麻希のIDを使って内部情報を抜き取り、スターリストに送り、麻希に対価が振り込まれるように仕組んだのではないかという疑いが浮上した。
さらに鑑識によると、送られた封筒やUSBには麻希の指紋が付着していた。これもまた、麻希が関与しているとする証拠となった。
なぜ真犯人は罪を麻希に着せようとしたのか。明墨によると、真犯人は麻希を陥れたかったのではないかという疑いがある。麻希は心当たりのある人物として断定はできないが、元上司の上田基一(河内大和)という部下ではないかと考えていた。麻希は女性登用の流れで昇進し、その結果、上田を飛び越えた経緯があった。
このような状況証拠が積み重なり、麻希に対する有罪判決が下されたのである。
「部下に追い抜かれたからってここまでするだろうか?」と紫ノ宮は疑問を呈した。確かに単に部下に追い抜かれたことを理由に、ここまでの行動に出るのは過剰に思える。その上、内部情報流出は容疑者が限定されるため、非常にリスキーな行動であると赤峰は指摘した。
「証拠はすべて沢原さんがやったと物語ってる。不自然なほどにねえ」と明墨は述べた。名前に住所、振込先に指紋と、あまりにも明白な証拠が揃っていることに明墨は疑問を感じている。「まるで逮捕してくれと言わんばかりだ」と、これが何者かによる陰謀ではないかとみんな怪しんだ。
「やっぱり誰かが、沢原さんをはめたに違いない」と赤峰は断言した。
逮捕の闇
明墨は大洋出版でインタビューを受けた。そこに赤峰たちも一緒に同行した。取材を終えると、それぞれはばらけて調査に向かう。
明墨は上田に麻希のことを色々と聞いた。彼女が逮捕されたことで上田は副編集長になれたことを指摘し、「麻希は無罪を主張している。自分は彼女の弁護士だ」と明かして明墨は帰った。
一方、赤峰は他の社員たちに話を聞いた。みな一様に上田を悪く言わず、麻希を悪く言っていた。これにより、社内の風向きが麻希に不利であることが伺えた。
紫ノ宮は警備室に行き、昨年の12月5日の入館者の記録を見せるよう要求した。警備員が拒んだため、紫ノ宮は脅して記録を見せてもらうことに成功した。
明墨たちは事務所に戻り、それぞれの調査結果を報告し合った。
事件があった時刻、館内に残っていた社員は全部で79名。そのうち「週刊大洋」編集部の社員は2名だけで、麻希と上田であった。
赤峰は大量の「週刊大洋」を持ち帰り、説明を始めた。麻希が副編集長になる以前、麻希副編集長時代、そして上田が副編集長の時代の3つに分類していた。
麻希が副編集長だった5ヶ月間、あるシリーズの特集が組まれていた。それは民英党議員・加崎達也(相島一之)の暴露記事であった。加崎は法務副大臣で、次期法務大臣の座を富田誠司(山崎銀之丞)と争っていた。富田が失脚し、今は加崎の一人勝ちの状況であった。
麻希は長年、加崎を追っていた。しかし、上田にそれらの記事は却下されていた。麻希が副編集長になって、それらの記事がようやく表に出せた。しかし、麻希逮捕後、加崎の話題は一切出てこなくなった。加崎の記事は反響も大きく、部数も伸びていたにもかかわらず、上田は決して出そうとしなかった。
上田と加崎には何かがあると疑った明墨。上田は元々政治ネタに強い記者で、数々の暴露記事を書いてきた。しかし、それらには共通点があり、加崎のいる派閥の敵勢力についての記事であった。
明墨は取材を受けに行った時に、GPSを上田のカバンに仕込んでいた。上田の情報源は加崎ではないかと推測した。そして、麻希が逮捕されたのは、上田と加崎にとって都合が良かったからだろうと考えた。情報流出というリスクを背負えたのも、政治家がバックにいたからと考えると不思議ではない。
最終準備
紫ノ宮は田村のところに行き、話を聞いた。さらに個人用のPCを貸せと要求したが、田村はこれを拒んだ。紫ノ宮は田村を脱税の件で脅し、PCを借りることに成功した。
明墨は瀬古成美(神野三鈴)に接触し、話をした。控訴審の担当は瀬古であり、明墨は麻希を助けたい、無罪を主張していることを伝えた。瀬古も麻希に同情し、彼女を助けたいという気持ちを共有した。
明墨は瀬古に陥れた人物に心当たりがあり、証拠も間もなく手に入ると伝えた。瀬古は「彼女の無念、晴らしてあげて」と激励の言葉をかけた。
赤峰が尾行の結果を報告し、盗撮した写真を確認した。上田が一緒に写っている相手には、加崎の第一秘書がいた。二人はよく決まったバーで落ち合い、時々加崎も来ることがあるらしい。
紫ノ宮は田村の件について話した。麻希が逮捕された後、スターリスト社は廃業し、会社名義のアカウントも消去していた。ネット上からは消えたが、PCにはまだデータが残っていた。復元したところ、上田が秘匿性の高いSNSを使い、田村と接触していたことが判明した。上田は「どんな情報をいくらで買ってもらえるのか」といった情報を田村に問い合わせていた。
SNSで下調べを行い、実際の犯行は麻希に見せかけるためにUSBの郵送という、アナログな方法をとったと考えられる。
控訴審では、第一審で出せなかった正当な理由がない限り、原則として新たな証拠は認められない。裁判官が新証拠を採用するかどうかが、大きな決め手となる。
瀬古に新証拠を提示するために準備を進める中で、赤峰は瀬古の顔を見て驚いた。
控訴審が開廷
控訴審が開廷し、赤峰が新たな証拠を提出した。しかし、検察は「一審で証拠請求が可能なものであるため、採用は認められない」と反発した。裁判官が「証拠調べの請求自体は許されると思うが?」と指摘すると、検察は「弁護人立証の違法性を明らかにするため、当初の予定より早く上田を証人として呼ぶことを認めてほしい」と頼んだ。
上田の証人尋問が始まり、明墨が会社に来た時のことを話すよう言われた。上田は明墨が取材を終えると、被告人について色々聞かれ、まるで犯人扱いだったと証言した。その夜、帰宅した後、鞄の中に見覚えのない小型GPS探知機があり、あえて気づかないふりをしていたら、度々赤峰に尾行されていることに気づいたという。
検察が提出した写真には、赤峰が上田を盗撮している姿が写っており、検察は「法に携わる者の行いとは信じがたい」と非難した。
検察は「GPS捜査は違法であり、証拠は認められない」と主張した。これに対し、明墨は「公的機関がGPSを用いるのは違法だが、民間では違法ではない。何より、麻希の無実を証明するものだ」と反論した。
その結果、裁判官の瀬古は提出された証拠をすべて不採用とした。赤峰が驚いて反論しようとしたが、瀬古は「犯罪類似の手法で入手したものを証拠として採用することはできない」と説明した。さらに、「もしこの証拠を採用した場合、一般市民が自由にGPSを第三者に取り付け、尾行や盗撮を行うことを容認することになり、国民のプライバシーが脅かされる」と述べ、裁判所として今後の日本国民全体への影響を考える責任があるため、証拠の採用を拒否した。
裁判長は、「例え被告人の防御のためであっても、法に携わる人間として恥じない行いを順守してください」と述べ、閉廷した。
裏の指揮者
紫ノ宮は森尾(沢村玲)と食事をしながら話を聞いた。伊達原は異例のスピードで出世を遂げた凄腕の検事であり、その歳で検事正であることから、同期と比べても群を抜いているという。昔、現場にいたころは、有名事件を次々に解決しており、その実績から伝説となっている。
伊達原の過去の実績には、西千葉建設の横領事件や糸井一家殺人事件などがあるという。彼は昔千葉地検にいたことがあり、これらの事件を担当していた。紫ノ宮は糸井一家殺人事件の担当検事の欄には、別の人の名前が記載されていたと指摘した。
森尾いわく、表に出る名前が別人というのはよくあることだという。実際に指揮をとっていたのは伊達原であり、彼が事件解決に大きく関与していたのは間違いなかった。
過去の事件の検証
事務所に戻り、赤峰と紫ノ宮が話す。赤峰が「全ての証拠が不採用だった」と報告すると、紫ノ宮は「先生はなんて言っているのか」と尋ねた。明墨に次回までに何か別の証拠を用意するかと聞くと、明墨は「その必要はない」と答えた。
赤峰は明墨が何か考えがあるのではないかと推測する。「もっと大きい視点で見ろってことかも」と言い、過去の事件についてボードで検証を始めた。
- 緋山啓太の殺人事件 → 検察の不正(証拠の捏造)、姫野検事と中島教授が関与
- 富田正一郎の傷害事件 → 政治家の不正(証人・証拠買収)、富田議員が関与
- 来栖礼二の連続不同意性交事件 → 警察の不正(被害者のでっちあげ)、倉田刑事部長が関与
- 沢原麻希の個人情報保護法違反 → 政治家の不正(不利な記事を止める)、上田基一と加崎議員が関与
紫ノ宮は加崎と上田だけでなく、もっと大きな何かがあるのではないかと感じた。司法修士の同期に話を聞いたところ、伊達原が糸井一家殺人事件を指揮していたことが判明。その後、彼は異例のスピードで出世している。
明墨は保護犬施設によく出入りしており、ミルにそっくりなマメという犬と女の子がいることがわかった。女の子の名前は牧野紗耶(近藤華)、年齢は17歳だった。紗耶は見ず知らずの人の前では話さないが、明墨には懐いているので長い付き合いだと思われる。
志水には一人娘がいた。記事では仮名になっているが、当時5歳なので現在は17歳になる。志水と明墨の関係性は不明だが、12年前の事件と関係があることは偶然ではないと紫ノ宮は考えた。
「先生の行動の軸には志水さんの事件がある」と赤峰は指摘した。しかし、2件目の事件と今回の事件にはまだ繋がりが見えないと赤峰はしばらく考え込んだ。
【アンチヒーロー】6話の結末
今回の事件、なぜ引き受けたのかを赤峰は考えた。政治家の加崎がいるからだと思っていたがそうじゃない。この事件、明墨が見据えている相手は、志水に死刑判決を言い渡した裁判官、瀬古だった。
今回の事件と正一郎の事件に共通する人物が、瀬古判事であることが判明した。瀬古判事は正一郎が起こした松永の事件も裁いていた。だから、明墨はあのとき傍聴しに来ていたのだ。
瀬古判事には何か暴くべき闇がある。赤峰はあの時瀬古が既に、富田に買収されていたのではないかと考えた。だから松永は有罪になったのかもしれない。今回も新証拠を採用しなかったことから、「また、判決が不正に操作されようとしている」と赤峰は感じた。
瀬古は最初から麻希を無罪にする気はなかった。彼女は最高裁判事の座を狙っており、そのポストを確実なものにするために政界の大物とのつながりを求めている。最高裁判事の人事は内閣が任命するため、富田が失脚した今、その相手が加崎だ。瀬古が控訴審についたのも、加崎が裏で手を回したからだ。
明墨は裁判の前に瀬古に会いに行き、上田を調べていると暗にほのめかした。最初、上田はGPSに気づいていなかったが、瀬古が加崎を通して連絡を入れて気づいた。明墨は「これでやつらのつながりがはっきりした」と言う。わざと気づかせることで、彼らのつながりを明らかにした。
瀬古はバーで伊達原と飲んでいた。そこで、明墨の悪口を言うと、伊達原は「油断は禁物だ」と忠告した。瀬古は「私がこの地位につくまで、どれだけ泥水をすすってきたと思っているの?」と反論したが、伊達原は「ただ、明墨はしぶといですよ。尻尾をつかまれないようにお気をつけを」と助言した。
明墨は「つまりこの裁判、瀬古を落とさない限り勝ち目はない。ターゲットは瀬古。あいつの闇をあぶり出す」と決意を新たにした。
【アンチヒーロー】6話の謎とわかったこと
今まで分かった謎とまだ分かっていない謎をまとめています。
分かっていない謎
- 明墨が語った事例の人物は誰なのか?(1話)
- 小国智浩とは誰なのか?(1話)
- 紗耶は児童施設になぜいるのか?(2話)
- 緋山の動機は何なのか?(2話)
- 明墨はなぜ検事から弁護士になったのか?(3話)
- 倉田は何を隠蔽したのか?(4話)
- 明墨は緋山に何を頼んでいたのか?(5話)
- 江越とは何者なのか?(6話)
分かった謎
- 赤峰が会いに行った人物は誰なのか?(1話)→松永理人
- 獄中で絵を描いている男性は誰なのか?(1話)→志水裕策
- 紗耶は誰の娘なのか?(1話)→志水裕策
- 赤峰がノートに書いていた事件は何なのか?(2話)→松永理人の冤罪事件
- “REIKO MOMOSE”とは誰なのか?(2話)→桃瀬礼子はNPO法人「わんはっぴー」の職員。2018年に亡くなっている
- 獄中の男になぜ明墨は手紙を出し続けるのか?(2話)→弁護を引き受けるため
- 志水が収監された理由は何なのか?(3話)→糸井一家殺人事件の犯人
糸井一家殺人事件の追加情報
今回新たにネットニュース記事がドラマ内で出てきたので、引用して掲載します。
死刑判決時のネットニュース
(ここから)
(死)因は3人共に硫酸タリウムの過剰摂取による毒死とみられており、糸井誠さんと建設会社の同僚で、一家とも親交の深かった志水被告が殺害の容疑で逮捕されました。志水被告は、遺体が発見される前日の3月4日、糸井家の食事会に招かれた際に、飲食物に高濃度の硫酸タリウムを混入させたとみられています。その後、一家はかかりつけ医を受診し体調不良を訴えていました。食あたりとの診断を受け自宅療養していたが、翌日未明死亡しました。
志水被告に死刑判決
1審の判決で、千葉地方裁判所の瀬古成美裁判長は、志水被告の死刑判決を言い渡しました。瀬古裁判長は「一家3人の命を奪った責任は極めて重い」とした上で、「動機形成に被告人のために有利と考えられる事情を最大考慮しても、死刑を持って臨むほかないと結論づけました。
独自取材記事
【独自取材】糸井一家殺人事件・志水裕策死刑囚の半生 犯行の背景と家族の今を追って見えてきた人間性
記事:中川咲良
「よく一緒に散歩されていました」当時の近隣住民が明かす娘の前での姿
取材を通じて、清水の新たな側面が明らかになった。それは、一家を毒殺した犯人とは信じがたい、家族を愛する「父親」としての顔である。
志水には、一人娘のマリアさん(仮名・当時5歳)がいる。近隣住民に話を聞くと、マリアさんと仲睦まじく歩く志水の目撃証言が多く寄せられた。
「よく一緒に散歩されてました。残虐な一家殺人事件を起こしたと聞いたときは、本当に驚きました。同時に、身近に殺人犯が潜んでいることには恐怖を覚えました。」
これら2つの記事から新たに分かったことがいくつかあります。
- 志水は事件前日に糸井家に食事に招かれていた
- 糸井の家族だけが体調不良になった
- 病院に行ったが自宅に帰されてそのまま亡くなった
- 志水は娘と仲良しだった
志水も食事に行って硫酸タリウムを混ぜたのだとしたら、自分も中毒にならなければすぐに犯人と分かってしまいます。さすがに浅はかすぎる気がします。また、志水は自分の娘と仲良しだったようで、殺人を犯すような人間には見えなかったようです。冤罪だとしたら、志水はなぜ貶められたのか?気になるところです。
【アンチヒーロー】6話のまとめと感想
明墨の次の狙いは、志水に死刑判決を言い渡した瀬古判事だったという話でした。
控訴審から担当した新たな裁判は、情報漏えいの罪に問われた女性の事件でした。部下にはめられたと無罪を主張する彼女に、明墨は無罪を勝ち取る約束をします。そのために新たな証拠を集めますが、瀬古判事により不採用とされてしまいました。
これで明墨は判事が確実に政治家と繋がり、裁判を意図的に操作していると確信を持ちます。そして糸井一家殺人事件でも死刑判決を出し、松永の事件でも有罪判決を出した瀬古をターゲットに定めます。
裁判官を変えなければ裁判には勝てないので、裁判官を何とか退ける方法を考えるようです。そうして瀬古を表舞台から退場してもらおうと、明墨は次回暗躍しそうです。
また、冒頭の緋山との話で出ていた人物、江越という人はなんなのか?どうやら弱みを握って金を得ているような、そんな人物っぽいのできっと証拠もずっと持っているはずだろうと、明墨は考えているようです。いずれ登場するのか、名前だけなのかはまだ分かりません。
このドラマは最初から最後まで、全部別の案件に見えますが、実は全て12年前の事件のために請け負っていたことが分かりました。明墨はなぜここまでこの案件にこだわるのか?いずれ明かされるのを楽しみにしています。