【相棒21】15話のネタバレと感想|ヒロコママのサプライズ

2023冬ドラマ
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【相棒シーズン21】15話「薔薇と髭と菫たち」のネタバレと感想をまとめています。

亀山の帰国を祝いヒロコママが死体のふりをするドッキリを仕掛けると、同じ公園内に本当に遺体が発見される。事件か事故か、謎の死を遂げたルポライターの手には、少女小説が握られていて……。

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【相棒21】15話のあらすじ

亀山薫(寺脇康文)へ匿名で「恐ろしいことが起きる」というメッセージが届く。半信半疑で指定された新宿東公園に向かった杉下右京(水谷豊)と亀山は遺体を発見する。だがそれはヒロコ(深沢敦)の仕掛けたドッキリで、帰国のお祝いをするサプライズだった。

再び亀山は同じ公園内で倒れている人物を発見する。またドッキリかと思ったら本当の遺体だった。被害者は鬼塚一誠(工藤俊作)というルポライターで、事件か事故か判断しにくい状況だった。手にはなぜか少女小説を握り締めており、中には著者のサインが記されていた。

鬼塚はヒロコママの店の常連でもあり、著書により店の立ち退きをせずに済んだという経緯があった。妻の少女小説家であるノエル美智子(大島さと子)も一緒によく店に来てくれていた。ただ、鬼塚は心臓に持病があり、年明けに入院していたという。

鬼塚が持っていた小説の著者で、妻のノエル美智子に右京たちは話を聞きに行く。サインはすみれという人物に宛てられて書いてあったが、心当たりはないという。夫が亡くなった同じ日、同じ場所で美智子はNPOのハートテーブルが行う炊き出しに、ボランティアで参加していた。

亀山は再びヒロコに呼び出され向かった先で、ヒロコたちが男と揉めていた。この江本雅史(小野塚雅人)というホストが、3ヶ月前ほどに鬼塚に殺人予告をしていたという。そこへ一課がやってきて江本を聴取するため連行した。

右京はハートテーブルに行き、すみれという名のスタッフがいるかを問う。スタッフにはいないが支援者にはいるかもしれないと言われ、右京は教えてもらった古川すみれ(智順)が働くスーパーへ行った。サイン本についてたずねるが覚えはなく、古本屋に売ったのかもしれないという。

すみれは中学生の時、ノエル美智子の大ファンでファンレターを送っていた。その後大人になり結婚するが、DV夫だったため離婚。子どもを連れて出て行った時に、売れるものは何でも処分したという。

司法解剖の結果、鬼塚の死因は心筋梗塞だった。頭部の傷は倒れた際、そこにあった石にぶつけてできたものだと判明する。殺人ではなかったが、所持品が持ち去られていることから事件性はまだあり、心臓発作が起きる原因が何かあったのではないか、と右京は考えた。

内村刑事部長(片桐竜次)からの口ぞえで、捜査一課が匿名のタレコミ情報を特命に知らせる。それは半グレグループのスコルピオが、フードバンクを悪用しているという情報だった。彼らは炊き出しに来た人たちに「いいバイトがある」と声をかけ、特殊詐欺の受け子や名義貸しなどをやらせていた。

江本はスコルピオのメンバーで、鬼塚が嗅ぎまわっているので注意しろと、炊き出しに来ていた人たちに触れ回っていた。さらに右京はNPOの職員である伴坂健吾(高橋里央)が元スコルピオのメンバーだと突き止める。鬼塚が死んだ夜、何が起きたのか?右京たちがたどりついた真相とは……。

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事件の真相1

鬼塚に何か書いたら殺すと言ってこれで脅せと言われ、伴坂はあの晩、江本にナイフを渡される。鬼塚が女を追いかけて走って行くのを見た伴坂は、その後を追っていくと既に鬼塚は死んでいた。そこで取材内容が書いてあるような所持品を取った。

鬼塚が追いかけていた女性というのはすみれだった。すみれは半グレに戸籍を売るのを持ちかけられていた。パートの掛け持ちをしても子どもの給食費も遅れがちで、お金に困っている状況だったので売ろうと思っていた。鬼塚のことは注意するよう話は聞いていたため、あの晩、声をかけられた時に邪魔をされたくないと思って逃げた。心臓発作を起こした理由は、すみれを追って走ったからだった。

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事件の真相2

なぜ鬼塚は小説を持っていたのか。右京はヒロコ宛てに書かれた鬼塚のサインを見てひらめく。美智子の所へ行き、あの小説に書かれたサインは美智子が書いたものではなく、鬼塚が書いたものだと筆跡を比べて証明する。つまり、ルポライターの鬼塚一誠は妻の大塚美智子で、少女小説家のノエル美智子は夫の大塚誠一だった。

美智子はなぜそうなったのかを回想する。若い頃、出版社にルポした原稿を持ち込んだ時、女性という理由で受け取ってもらえなかった。同じく男性という理由で、少女小説を受け取ってもらえなかった誠一と出会う。そこで美智子はお互いの原稿を交換して、出版社に売り込みに行こうと提案をした。すると2人ともデビューが決まった。以来、お互いの原稿を世に出していた。

夫の取材にいつも同席していたのは、自分が取材をするためだった。ハートテーブルのボランティアを始めたのも取材のためだった。ある日、炊き出しにすみれが来ていたことに気付き、美智子は誠一に教える。以来、誠一は炊き出しに来てすみれを探していた。

誠一はすみれにノエル美智子としてサイン本を渡し、真相を告げようとしていた。最初に発作を起こした時から死を覚悟していた誠一は、つらい時代を励ましてくれたすみれを騙し続けたくなかったのだ。

捜査一課にタレコミをしたのは美智子だった。鬼塚一誠が死んだことで、もう暴くことはできないという美智子。右京は誠一が本当にすみれへ伝えたいメッセージがあったのを、きっと同じ世界を目指していたあなたなら分かるはずだと告げた。

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15話の結末

美智子は炊き出しですみれに会ってあのサイン本を渡す。夫が伝えたかったのは「この世界は美しく、人生は喜びに満ちている」ということだと。その思いを鬼塚一誠として世の中に伝えていきたいと語り、その手伝いを一緒にしてもらえないかとすみれにお願いする。すみれは涙を流しながら「はい」と答え、美智子はすみれの肩を抱いて励ました。

その様子を右京と亀山とヒロコママは見守っていた。あのメッセージは決して希望を失ってはいけないと伝えたいのかもしれないと語る右京。ヒロコママは「人生捨てたもんじゃないわよ」と亀山が帰って来たことを祝いながらサプライズで花束を渡す。受け取って喜ぶ亀山は「ただいま」と言い、ママは「おかえり」と喜んだ。

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【相棒21】15話のまとめと感想

実はお互いの原稿を交換していた作家夫婦が、かつてのファンに真相を告げて励まそうとしていたという話でした。

相棒では度々貧困が取り上げられては、転落していった人たちの悲しみに寄り添い、微かな希望の光を与えて終わります。時々絶望で終わる回もありますが、基本的には希望でまとめます。今回は希望で終わる回でした。また、ヒロコママが登場しますが、事件当事者の回ではないのでアシストする感じです。

男が少女向けの小説を書くのが気持ち悪いと思われ、賞に応募したくとも女性しか応募できないという状況に悩んでいた誠一と、女だてらに社会問題に切り込む話なんてと、女なら女らしい記事を書くよう言われる美智子。お互いに性別が原因で、出版社に受け入れてもらえませんでした。

そこで美智子は誠一と原稿を交換するという方法をとりました。すると本当に2人ともデビューができたのです。しかし、死を身近に感じた誠一は、かつての熱心なファンに死ぬ前に真相を話したいと思いました。そして、今は苦しい生活状況であるすみれに、希望を持って欲しいと励ましたかったのです。

それはかなうことなく誠一は亡くなってしまいますが、遺志を引き継いだ美智子がすみれを救おうとします。絶望の淵に立たされた時、差し伸べてくれた手をすみれは掴みました。貧困と差別というメッセージを含んだ社会派な回でした。

【相棒21】15話のいいセリフ

この世界は美しく、人生は喜びに満ちている。

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