【相棒21】14話のネタバレと感想|希望を奪ってこその復讐

2023冬ドラマ
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【相棒シーズン21】14話「まばたきの叫び」のネタバレと感想をまとめています。

美和子が取材に訪れた家で殺人犯と遭遇し、襲われて病院へ搬送される。取材の相手は15年前に通り魔殺人事件を起こした男だった。誰もが男の死を願う中、助けに走るのは獄中結婚をした妻だった。奇妙な夫婦に隠された真実とは?

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【相棒21】14話のあらすじ

美和子(鈴木砂羽)が取材に訪れた家で殺人事件が発生し、美和子自身も犯人と遭遇した際に頭を殴られ病院へ搬送される。被害者は町岡卓也(鳴海心斗)という、訪問介護のヘルパーだった。

一報を聞いた杉下右京(水谷豊)亀山薫(寺脇康文)は美和子の元へ駆けつける。幸い意識も戻った美和子から話を聞きだすと、取材対象は15年前に起きた通り魔殺人事件の犯人・柳沼勝治(忍成修吾)だった。

柳沼は15年前に大学受験に失敗して自暴自棄になり、偶然その場にいた佐竹綾(羽村純子)をナイフで殺害した。裁判でも反省の色はなく、死刑になりたかったから事件を起こしたと証言していた。だが判決は懲役14年で、半年前に出所する直前に脳卒中で倒れ、以来寝たきりの身となっていた。

そんな柳沼だが3年前に獄中結婚をしていた。出所後は身の回りの世話を妻の聖美(陽月華)が献身的にしていた。柳沼は逮捕時や裁判での挑発的な発言により、世間的にも叩かれていた。そのせいか、出所後も自宅周辺で嫌がらせが度々起きていた。

手口が最近起きている連続強盗事件に似ていることから、捜査一課は同一犯の犯行ではないかと睨んでいた。だが右京は本当の目的は別で、事件に見せかけて柳沼殺害を目論んでいたのではないかと考える。

そこで柳沼に恨みを抱いている可能性がある、被害者の息子・佐竹良輔(佐久間悠)に話を右京たちは聞きに行く。嫌がらせは自分ではないと良輔は否定し、事件のことは覚えてもいないし恨んでいないという。だが、殺害時刻のアリバイがなかった。

町岡の勤務先で話を聞いたところ、どうやら町岡は金に困っていて借金していたが最近返済したという。

やがて美和子から綾と聖美の接点が見つかったという連絡が入る。聖美は小学生の頃、綾と同じ地域に住んでいたのだ。2人は仲が良かったが、聖美が別の親戚の家に引き取られて行くことになって離れた。柳沼と結婚をしたのは、復讐のためなのか?右京たちが再び家を訪問すると、家のそばで放火が発生し……。

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事件の真相

放火が発生したのを知り、亀山は現場近くにいた良輔を捕まえる。事件のことなど覚えていないと言っていた良輔だが、取り調べで本当のことを話し始める。実は柳沼の挑発的なSNSを見ていた良輔は、彼を許せないと恨んでいた。そして嫌がらせを度々しに行っていたが、そんなことをする自分が嫌だった。

嫌がらせをしにいったある日、良輔は町岡に見つかってしまう。事情を説明すると町岡は「待ってろ。あいつそのうち殺される」と告げた。町岡が借金返済できたのは、柳沼殺害の前金だったのではないか。共犯者がいたが裏切られて殺害された可能性が浮上する。

町岡の自宅を調べてみると、振込み明細票があった。右京たちは急いで柳沼の家へ向かった。すると町岡の後任者であるヘルパーの洲本和哉(猪征大)が、柳沼の人工呼吸器のチューブを外していた。聖美が急いで繋いだことにより、柳沼は一命を取り留めた。

洲本の取り調べで右京は、町岡が洲本に100万円振り込んでいたと自宅にあった明細票で分かったと教える。最初は町岡が洲本を誘い、柳沼を殺せば2000万手に入ると言ってきた。前金で200万受け取った町岡は、洲本に100万を振り込んだ。

柳沼のヘルパーだった町岡は、洲本と共謀して連続強盗事件に見せかけ柳沼を殺害しようとした。洲本は手はずどおりに町岡を縛り上げ、柳沼のチューブを外して殺害しようとした。だが町岡はやっぱりやめようと言い出したため、洲本は報酬を独り占めしようとして町岡を殺害した

しかし、美和子と鉢合わせたことによって、計画が狂ってしまう。洲本に殴打された美和子だが、柳沼のチューブを繋ぎ一命を取り留めてしまう。殺害の報酬は取り消され、洲本は再び犯行に及ぶことになった。

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14話の結末

右京は聖美に柳沼殺害依頼をしたのは、柳沼本人だったと報告する。最初はヘルパーの町岡に頼んだが、美和子のせいで失敗に終わった。そこで洲本はヘルパーとして柳沼に近付き、送金予約を確認してから実行した。だが右京たちによって阻まれた。

柳沼は聖美の復讐に気付いていた。15年前、聖美は柳沼の厳罰化を求め、街頭で署名活動をしていた。柳沼はそのことをネットで調べて知っていたのだ。本名でSNSをしていたのも、あえて恨みを買って誰かが殺しに来てくれないかと思ってのことだった。柳沼は不自由な状態なため、「死にたくても自分じゃ死ねない」からだと自ら語った。

話を聞いた聖美は柳沼と結婚したのは復讐のためだと認める。綾が事件に巻き込まれた原因は聖美にあった。あの日、久し振りに綾と会うことになった聖美は、待ち合わせの時刻に遅れてしまう。自分が遅れなければ綾は殺されなかったと自責し続けていた。そして綾への償いのため、犯人に復讐しようと誓った。

結婚後、柳沼は「おれをころせ」と頼んできた。聖美は勝手だなと思った。そこで献身的に支え、いつかあの男が生きる希望を見出した時、その時に殺してやろうと考えた。人工呼吸器のチューブを真っ先に繋いだのは、あのまま死ぬのが悔しかったからだ。綾の命を奪ったことを悔いずに死ぬなんて許さない、そう思っての行動だった。

「どうやって許したらいいんですか?」と聖美は何度も右京たちに問いかける。亀山は「もう、自分を許してあげてください」と告げ、右京は人殺しで解決できることなどないと諭した。

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【相棒21】14話のまとめと感想

自殺できない夫が殺しを依頼するが、復讐を誓った妻が死ぬのを許さなかったという話でした。

人生に絶望し死にたいと思った柳沼は、自殺をするでなく他人を殺します。その結果、死刑にはならず、出所直前で寝たきりになりました。死ぬこともできない体になったのです。友人を殺害された聖美は、復讐の機会をうかがっていました。勝手に死なせはしないと、友人への謝罪と生きる希望を見出した時に殺すと考えてたのです。

死にたい願望を叶えてやったら相手が喜ぶだけ。死にたくないと思っている相手を殺してこそ、友人と同じ悔しさが分かると思ってのことでしょう。それもこれも聖美は待ち合わせに遅れたという後悔があったため、復讐に人生を捧げることでしか自責の呪縛から解放されなかったのです。

殺人が起きるとその周りにいる人たちまで巻き込まれ、後の人生が変わってしまうということがよく分かる話です。綾の息子は柳沼に嫌がらせをしに行き、そんな自分が嫌だと嘆いていました。聖美にいたっては自分を罰するように、復讐に人生を捧げます。1人の死によって、他人の人生まで狂ってしまうのです。

聖美の人生が今後どうなるのか、復讐をやめることができるのか?「どうやって許したらいいんですか?」という聖美の叫びがやるせない終わり方でした。

【相棒21】14話のいいセリフ

この世に人を殺して解決できる事などありません。

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