【相棒シーズン18】4話ネタバレ感想|“かとく”とは?

2019秋ドラマ
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【相棒18】の4話は“かとく”という組織の一人が遺体で発見されたことから始まります。そこに居合わせたジャーナリストの中川の存在に右京さんたちは疑問を抱き調べます。政治と企業の癒着のせいで苦しむ労働者たちを救う社会派な回でした。

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【相棒シーズン18】4話のネタバレ

片桐晃一殺害犯

自殺のためなし

動機

ヤクトー工業の従業員から内部告発を受け、既に死亡してしまった従業員の遺書も受け取った片桐だったが、圧力をかけに代議士の松下がやってくる。リーダーの立花はそれでもひるまず、今まで通りに摘発を続けようとしていた。だが、片桐は立花を守りたいがため、遺書を渡すのをためらう。なぜなら、立花に渡したら間違いなく摘発に動くと思ったからだ。

中川も取材を続けた結果、片桐が遺書を持っていることを突き止める。それを渡して欲しいというが、片桐は立花のことを思うと渡せずにいた。立花と話すと言い始める中川に、片桐は明日の朝またここに来てくれれば渡すという。

中川が去った直後、追い詰められた片桐は自ら飛び降りて自殺してしまった。

事件解明の流れ

中川がなぜその場にいたのか気になった右京たちは、彼が取材していたものについて調べる。すると、学校の遊具が壊れて子供が死亡した事件が浮かび上がってくる。

遊具を製造していたメーカーである、ヤクトー工業に右京は行き、そこで社長に話を聞く。その場で落ち合った冠城は工場内を調べたところ、外国人労働者たちが一つの場所に隠れるようにしていたのを見つける。

フォトスの楓子に話を聞き、ヤクトー工業のバックには代議士の松下がついていることを教えてもらう。私利私欲のために技能実習制度を悪用しているのではないかと考える。

右京たちはヤクトー工業で働いている外国人労働者たちに話を聞く。遊具事故のせいでグエンという労働者が自殺していたことが分かった。そして、彼らは遺書を片桐に渡したと言い、中川にも同じ話をしたと答える。

その頃、中川の部下である西嶋が警察に逮捕される。片桐の靴を近所の公園のゴミ箱に遺棄していたのが分かったからだ。だが、右京は西嶋は誰かをかばっていると推察する。

右京たちはかとくに向かい、そこでグエンの遺書が片桐の机の奥から見つかったと言われる。さらに松下が来て圧力をかけたことも知らされる。片桐は立花に渡したくとも、渡せば立花の立場が危うくなると思って渡せずにいた

右京たちは中川に会いに行く。中川は全て知っていた、にも関わらずなぜ記事にしなかったのか?その理由は、片桐の死が自分のせいだと思っていたからだった。

そのやり取りを見ていた西嶋は、片桐が自殺した後、中川が自責の念で記事を公表しないようになったら困ると思って靴を隠したのだった。

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【相棒シーズン18】4話のあらすじ

厚生労働省の過重労働撲滅特別対策班、通称“かとく”の職員が転落死体で発見された。かとくのメンバーは、特別司法警察職員として違法な事業所を検察庁に送検する権限があるため、口封じに殺された可能性も考えられた。捜査に乗り出した右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、現場の野次馬の中に、真実を伝えるジャーナリストとして名を馳せている中川(長谷川朝晴)がいるのを見つける。中川が、亡くなったかとくの職員と面識があることに不穏な空気を感じた二人は、中川と古い知り合いだという『週刊フォトス』記者・風間楓子(芦名星)に話を聞く。すると、中川が最近、遊具による児童の死亡事故を取材していたことが分かる。かとく職員の転落死と児童の死亡事故。一見接点がなさそうなふたつの事件だが、右京と亘がそれぞれの視点から捜査を進めると、意外な繋がりが見えてくる。
謎多きふたつの死に隠された共通点
正義の記者が追う事件の背景には権力の陰が!?
現代日本が抱える闇に特命係が鋭く切り込む!

公式HPより引用
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【相棒シーズン18】4話の感想

今回の話は色々考えさせられる回です。外国人技能実習制度のことや、報道のあり方など問題を提起してきます。

事件としては最近始まった【ミス・ジコチョー】でやりそうな内容です。なぜ学校の遊具が壊れたのか?その原因は過酷な労働環境を強いて、違法に働かせていたためです。

雇用側がこんなことを続けていたら、海外から働きに誰も来なくなるとは思わないのか?SNSが世界的に広まっている現在、口コミで「他の国のほうがいい」と広まるのも時間の問題だと思います。そうなった時には雇いたくても誰も来ないでしょう。

今回登場した“かとく”についての話と、事件に関わった人が最終的にどうなったのかについてまとめました。

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かとくとは?

番組内で右京さんが言いますが“過重労働撲滅特別対策班”の通称となります。主にどういったことをやっているのか、過去にどういった会社に立ち入ったのかなどを調べてみました。

  • 正式名称“過重労働撲滅特別対策班”
  • 2015年4月に厚生労働省が東京労働局と大阪労働局に発足させた
  • 長時間労働などの労働基準関係の法令違反を取り締まる
  • 抜き打ちで立ち入り検査ができる
  • 特別司法警察職員なため検察に送検する権限を持っている
  • メンバーはベテランの労働基準監督官
  • PCのデータの改ざんを見抜いたり、削除されたデータを復元したりするメンバーもいる

相棒で言えば青木のような人物もいたりするような組織です。ドラマでは沢山メンバーがいましたが、実際は2015年当初に東京で8人ぐらい大阪で7人ぐらいといった精鋭部隊です。

警察官と同等の逮捕・送検という権限が与えられているので、その活動内容から“ブラック企業Gメン”とも言われたりするようです。

かとくが過去に摘発した企業

発足後に摘発した企業を一覧にしました。電通の事件で一躍注目されたかとくですが、他にも様々な企業を摘発していました。裁判の罰金は微々たるものでも、会社の株価や世間の評判を下げるには十分効果があります。よって、罰金以上に企業はもっと大きな損失を出しています。

ABCマート(2015年7月)初の検挙

  • 靴の販売チェーン店
  • 従業員計4人に対し、最長月112時間の残業をさせていた疑い
  • 同社と労務担当取締役、店舗責任者2人の計3人を書類送検
  • 法人に対し罰金50万円

参考記事:ABCマート違法残業で書類送検 容疑の法人・役員ら:日本経済新聞

フジオフードシステム(2015年8月)大阪局初の検挙

  • 「まいどおおきに食堂」「串家物語」を運営する飲食チェーン
  • 従業員19人に対し、最長月130時間時間外労働をさせ、一部には割増賃金を支払わなかった疑い
  • 同社と店長ら16人を書類送検

参考記事:「まいどおおきに食堂」の運営会社が書類送検 違法長時間労働と残業代未払いの疑い : J-CASTニュース

ドン・キホーテ(2016年1月)

  • ディスカウント量販チェーン店
  • 従業員計4人に対し、最長月407時間の時間外労働をさせた疑い
  • 同社と執行役員8人を書類送検
  • 法人に対し罰金50万円

参考記事:ドンキに違法残業で罰金50万円 東京簡裁命令:日本経済新聞

サトレストランシステムズ(2016年9月)

  • 「和食さと」「にぎり長次郎」「めしや宮本むなし」を運営する飲食チェーン
  • 従業員の男女7人に対し最長月111時間の時間外労働をさせ、一部には割増賃金を支払わなかった疑い
  • 同社と店長ら5人を書類送検
  • 法人に対し罰金50万円
  • 後に未払い分総額4億円あまりを650人に支払った

参考記事:「和食さと」運営会社を書類送検 過重労働疑い:日本経済新聞

コノミヤ(2016年10月)

  • スーパーマーケット運営会社
  • 本社管理部門の男性社員4人に対し、最長月105時間の時間外労働をさせ、割増賃金を支払わなかった疑い
  • 同社と専務、業務本部長の2人を書類送検
  • 法人に対し罰金50万円

参考記事:「自分が若いころは当たり前…」スーパー「コノミヤ」違法残業 大阪労働局、容疑で書類送検 – 産経WEST

電通(2016年12月・2017年4月)

  • 広告代理店
  • 社員4人に対し最長月130時間の時間外労働をさせ、勤務時間を過小に申告させた疑い
  • 法人と自殺した女性社員の当時の上司を書類送検(2016年12月)
  • 法人と電通本社の部長3人を書類送検(2017年4月)
  • 法人に対し罰金50万円

参考記事:電通社長が起訴内容認める 違法残業初公判、判決は10月:日本経済新聞

HIS(2017年6月)

  • 旅行代理店
  • 法人向け営業担当者2人に対し、最長月135時間の残業をさせた疑い
  • 法人と幹部2人を書類送検
  • 法人に対し罰金30万円

参考記事:HISを略式起訴 違法残業で東京区検:日本経済新聞

なんと、厚労省がブラック企業一覧を出しています。

  • 統括ファイル(9月取りまとめ) – 000534084.pdf

最近は摘発されていないようですが、いつでも摘発する可能性があります。こんな面白い部署の人たちをテーマにしたドラマや本はないのかと思って調べたら、小説が出ていました。

『カトク 過重労働撲滅特別対策班』新庄 耕

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今回の登場人物たちは最終的にどうなったのか?

右京さんたちが真相を突き止めた後、あの悪徳企業や代議士はどうなったのかについて描かれます。真相を知った楓子がすっぱ抜きます。

  • ヤクトー工業:立花たちかとくが摘発に入る
  • 松下代議士:記事が出て他の記者たちに囲まれ疑惑の追及をされる
  • 中川:ジャーナリズムの世界から足を洗う

楓子は中川に助けてもらったことがあります。それは、週刊誌の記者のくせにと他の報道の人に嫌味を言われた時、ジャーナリストが権力を振りかざすのはどうかと思うと言って擁護してくれました。そんな中川を尊敬してた楓子、記事を出したのは彼女なりの介錯ではないかと右京さんは言います。

どんな記事だったかドラマ内から引用します。

政治家一族の御曹司、私利私欲に溺れた本性
次期閣僚候補【松下涼介の裏の顔】
過重労働の事実隠蔽。児童遊具死亡事故の真相。

「政治とは、すべて風通しの良い環境の下で成立するものだ」国会の答弁で堂々と言い切るその姿に多くの国民が期待を寄せていた。政界のサラブレッド議員松下涼介。次期閣僚入りが確実視されていた同氏は自らが推し進めていた外国人技能実習制度を悪用する企業を黙認し、違法な献金を受け取っていた。その企業とは国内でもトップシェアを誇る国内有数の遊具製造・販売メーカー「ヤクトー工業株式会社」である。外国人労働者に対し、時給わずか300円で十分な休息も与えず、長時間に渡って労働させていた。
この不当な労働環境を厚生労働省の特別組織、“過重労働撲滅特別対策班”がその調査を進めていた。
しかし、その“かとく”が掴んだヤクトー工業の実態は世間に明るみに出なかった。その情報操作に圧力をかけていた黒幕こそ、この松下涼介である。
松下は、“かとく”がヤクトー工業の不当な雇用実態を探り始めたことを知り、調査結果を公にしないようにと圧力をかけた。歴史ある政治家の家系に生まれ大きな権力の中にいる松下の圧力に“かとく”は泣き寝入りをすることはなかったようだ。

時給300円って…子供でもそんな金では仕事してくれなさそうな金額です。これはさすがにやりすぎな感があります。事故が起きるのも当然の結果と言えます。

今年、都内の条和小学校で児童が遊んでいる最中に遊具が破損し、死亡した事件、この遊具を製造したメーカーが「ヤクトー工業株式会社」である。この遊具の破損事故は当初、文部科学省が整備費用の予算を削減し、定期的な点検・整備を怠ったことによる責任が問われていた。
しかし、“かとく”の調べでは違う事実があることが判明していた。それは、事故を起こした遊具の製造段階で問題があったというもの。“かとく”にはヤクトー工業で働く外国人従業員から内部告発のメールが送られてきていた。その人物に話を直接取材を試みたところ、ヤクトー工業が外国人労働者に対して行っていた悪質な労働環境に耐えられず、一人のベトナム人従業員が今年自殺に追い込まれており、遊具破損はその従業員の作業ミスであったことが残された遺書から判明していることが分かった。このヤクトー工業の不法な労働環境によって、二人者尊い命が奪われたのである。
さらに、この一連の事件には更なる悲劇が起きていた。今月中旬、千代田区のビル下で転落死とみられる男性の遺体が発見された事件、身元は“かとく”のメンバーである片桐晃一氏(40)で、当時は他殺の線で捜査が進められていたのが自殺であったことが発覚した。

ここではかとくの調べで事故の原因はヤクトー工業にあると分かります。そのため、グエンと片桐が死んでしまったという部分の内容です。叩けば埃が出る会社だけに、なかったことにしたかったのでしょう。

ネットニュースサイト「トゥルース」編集長中川一郎氏
掴んだ不当労働の事実を公にせずジャーナリストとしての責任放棄

中川氏は自身が彼を追い詰めてしまったのだと強い自責の念に襲われ、彼自身の心情でもある「真実の報道」とは正反対の方向へと流されてしまった。個人的な事情に酌量の余地もあるが、彼の目指した真実はどこで舵取りを間違えてしまったのだろうか。自らの真実の有り方在り方が個人的な感情に負けてしまったことはジャーナリストとして取り返しのつかない誤った選択だった――

これが楓子の“介錯”と言われる部分です。報道とは何か?考えさせられます。真実を報道するために片桐が死なずに済む方法が他に何かなかったのか悔やまれます。

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【相棒シーズン18】4話のロケ地

Anchor Point (アンカー ポイント)

右京さんたちが楓子と話していたカフェ

土支田やぶ重

楓子と中川が食べてた蕎麦屋

山田マシンツール株式会社 マーキングシステム事業部

ヤクトー工業

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【相棒シーズン18】4話のその他気になったこと

  • 子猫と言われる楓子
  • 右京さんと冠城はニコイチだと思われている
  • 鴨南蛮に引っかけ「渡せるネギはない」と言われる楓子
  • 社長が屋久島だからヤクトー工業という社名
  • 「滑るのは私の頭だけで十分です」という自虐ギャグを言う中園
  • 絶妙なタイミングで出てくる鴨南蛮
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【相棒シーズン18】4話のまとめ

楓子がメインの回といっていいのか?ゲストは自分が視聴するドラマには必ずといっていいほど出演する、長谷川朝晴さんが楓子と親しい記者を演じていました。ジャーナリストのあり方や、外国人技能実習制度、かとくの存在など色々考えさせられる回です。

ヤクトー工業のような会社は極端だとしても、似たような会社は存在します。それを取り締まるのが“かとく”と呼ばれる人たちです。麻薬取締官のマトリや国税局のマルサの話も面白かったですが、労働局のかとくの話もドラマや物語にしたら面白そうです。ぜひ見てみたいです。

最近現実世界でも企業がやらかしているのを見ることが多いせいか、企業というのは搾取するためだけに存在する悪の組織なのではないかと思えてしまいます。しかし、健全な会社も沢山存在しています。また、健全な会社だったのに過ちを起こしたりすることもありますし、一概に善悪だけで判断するのも違う気がします。

私たちの身は私たちで守るしかありません。もし、自分が酷い労働状況だったら、まずはかとくに相談をしようと思いました。セーフティーネットを有効活用して、自分の身を守るのを第一に、グエンのような悲しいことにならないようにしたいものです。

次回は11月6日放送予定で、冠城の元カノらしい人物を、サトエリこと佐藤江梨子さんが演じる回です。

今回のいいセリフ

こんな形でネギなんか欲しくなかった。

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