『ALIUS -特定事象捜査ファイル-』最終回では、連続殺人を起こした榊颯真の目的や、マリオネット計画の全貌が明らかになりました。これまで残されてきた大きな謎にも、ひとまず答えが示されます。
この記事では、最終回で明らかになった真相を整理するとともに、最後に描かれた神崎の姿が何を意味しているのか、残された謎も含めて考察します。
3行まとめ
- 連続殺人の犯人・榊颯真は、息子・晴人を守るため、マリオネット計画の関係者を次々と狙っていた
- マリオネット計画は、アリウスの能力を人工的に再現し、国家の武器として独占するための計画だった
- 1年後、佐野の前に首へ謎の装置を付けた神崎が現れ、その意味を明かさないまま物語は幕を閉じた
最終回のあらすじ
佐野と神崎は、連続殺人の真犯人・榊颯真がマリオネット計画の首謀者である鏑木真司を狙っていると考え、後援会会場へ急いだ。
鏑木に銃を向けた榊は、自分が北条武彦に助けられ、研究に協力していた過去を告白。ところが北条たちは、榊の息子・晴人まで実験対象にしようとしていた。
榊は晴人を守るため北条と大迫を能力で操って死なせ、その後、マリオネット計画の全貌を知る。計画はアリウスの能力を人工的に再現して国家の武器とし、さらに本物のアリウスを排除するというものだった。
薫もまた、榊と晴人を助けようとして研究所へ向かっていたが、公安だと誤解した榊に操られていたことが判明。
佐野と神崎は鏑木を殺そうとする榊を説得するが、榊は公安の狙撃によって射殺され、神崎も連行されてしまう。
その後、羽住から神崎が特例で生かされていると知らされた佐野。1年後、刑事を続けていた佐野が現場へ向かうと、そこには首に謎の装置を付け、捜査員に挟まれて立つ神崎の姿があった。
榊颯真はなぜ連続殺人を起こしたのか
北条武彦に助けられ、養子として暮らしていた
榊颯真は10年前、公安に追われながら逃亡生活を送っていました。
そんな榊の前に現れたのが、脳神経外科医の北条武彦です。北条は養子として身の安全を保障する代わりに、研究への協力を求めました。
逃亡生活に疲れていた榊はその話を受け入れ、北条元也として暮らすようになります。
榊にとって北条との出会いは、ようやく手に入れた平穏な暮らしにつながるものだったのです。
息子・晴人まで実験対象にされた
しかし、その生活は北条たちによって壊されます。
ある日、息子・晴人の姿が見当たらないことに気づいた榊は、嫌な予感を抱いてつくばの研究所へ向かいます。
そこで目にしたのは、晴人の声帯を摘出しようとしている北条たちの姿でした。
乳幼児のアリウスは貴重な研究対象で、声帯の構造を調べることで人工的に作る音波の効果を高めようとしていたのです。
しかも北条は、晴人もアリウスだと明かしたうえで、「この国に命を捧げたほうが幸せだ」とまで言います。
自分を助けてくれたと思っていた北条が、実際には自分や息子を研究材料として見ていた。その事実を知ったことで、榊の北条たちへの信頼は完全に崩れました。
北条と大迫を操って死なせた
晴人を取り戻そうとした榊は、アリウスの能力を使います。
大迫には自ら首を切らせ、北条にはコードを使って自分の首を絞めさせました。
北条が思わず榊を「化物」と呼ぶと、榊は「化物は、どっちだ」とつぶやきます。
榊にとって、自分たちを危険な存在として排除しながら、その力だけは利用しようとする北条たちこそが、むしろ異常な存在に見えていたのでしょう。
その後、榊は研究資料からマリオネット計画の全貌を知り、北条たちだけでなく計画そのものを潰そうと動き始めます。
復讐と研究の破壊、すべては晴人を守るためだった
榊による連続殺人は、単なる復讐だけではありませんでした。
北条たちへの怒りはもちろんありましたが、最終的な目的はマリオネット計画を完全に潰し、晴人がこれ以上狙われないようにすることです。
そのため榊は、計画に関わった人物を順番に狙い、最後には首謀者である鏑木真司へたどり着きました。
榊自身も「こんなことはしたくない」と語り、目的を果たしたあとは投降するつもりだったと明かしています。
榊が求めていたのは、アリウスとして特別扱いされる未来ではありません。ただ息子とともに、誰にも狙われず普通に暮らすことでした。
連続殺人という選択は決して許されるものではありませんが、その出発点には、ようやく手に入れた家族と平穏な生活を守りたいという思いがありました。
4本・3本・2本のナイフには何の意味があったのか
マリオネット計画関係者を示すカウントダウン
北条武彦の遺体には4本、大迫大輔には3本、渡部恭平には2本のナイフが刺されていました。
この数字は、マリオネット計画に関わった人物を順番に狙っていることを示すカウントダウンでした。
佐野たちも早い段階で数字が減っていることには気づいていましたが、最終回で明らかになったのは、榊が単に復讐相手の人数を数えていたわけではなかったという点です。
数字を残すことで、警察に「まだ次の標的がいる」と気づかせ、マリオネット計画の関係者を追わせようとしていました。
派手な殺し方は警察を動かすためだった
人を操ることができる榊なら、もっと目立たない方法で北条たちを殺すこともできたはずです。
事故や自殺に見せかければ、連続殺人として捜査される可能性も低くなります。
それでも榊は遺体を運び、喉に複数のナイフを刺すという目立つ方法を選びました。
その理由は、警察に事件同士のつながりを気づかせ、次の標的を探させるためです。
完全犯罪を目指していたのではなく、むしろ警察に追わせること自体が榊の計画に組み込まれていました。
榊自身が知らない首謀者を警察に探させていた
榊が本当に知りたかったのは、マリオネット計画を動かしていた首謀者の正体でした。
研究に参加していた北条、大迫、渡部、日髙については把握していても、その上にいる人物までは知らなかったと考えられます。
そこで榊はカウントダウンを残し、警察に関係者を追わせました。さらに神崎のカバンには盗聴器が仕掛けられており、佐野たちがたどり着いた情報を榊も聞いていたと考えられます。
そして佐野たちが鏑木真司こそマリオネット計画の首謀者だと突き止めたことで、榊も最後の標的へたどり着きました。
つまり榊は、自分だけでは探し出せなかった相手を、警察の捜査力を利用して見つけようとしていたのです。
ただし、盗聴器をいつ神崎のカバンへ入れたのかについては、最後まで描かれていません。
マリオネット計画の本当の目的とは
アリウスの能力を人工的に再現する計画
マリオネット計画とは、アリウスが持つ「人を操る力」を人工的に再現するための研究でした。
アリウスは声帯から特殊な音波を発し、それを聞いたホモサピエンスを催眠状態にして操ることができます。
北条たちはアリウスの音声データをAIに学習させ、人間を操る人工音波の生成を研究していました。
榊も研究に協力していましたが、北条たちはさらに効果を高めるため、幼い晴人の声帯まで研究対象にしようとします。
つまりマリオネット計画は、アリウスそのものを利用するのではなく、その特殊な能力だけを人間側が再現しようとする計画だったのです。
人を操る力を国家の武器にしようとしていた
しかし目的は、単なる研究ではありませんでした。
鏑木たちは人工的に再現したアリウスの力を、国家の武器として利用しようとしていました。
人間を自由に操ることができれば、外交や軍事などさまざまな場面で強力な力になります。
鏑木は、その力を独占できれば「誰の顔もうかがわなくていいようになる」と語っていました。
北条が以前口にしていた「世界がひっくり返る」という言葉も、この計画が成功した未来を意味していたと考えられます。
アリウスを研究すること自体が目的なのではなく、その能力を国家の力へ変えることこそがマリオネット計画の本当の狙いでした。
本物のアリウスを排除して力を独占しようとしていた
さらにマリオネット計画には、もう一つの目的がありました。
街中の防犯カメラに特殊な音波を検知する機能を搭載し、本物のアリウスを発見して排除しようとしていたのです。
鏑木がその理由として語ったのが「希少性の担保」でした。
人工的に再現した能力を国家だけが持つためには、同じ能力を生まれながらに持つアリウスの存在が邪魔になります。
つまり鏑木たちは、アリウスの力を利用しながら、その力を持つアリウス自身は消そうとしていました。
神崎もその真意を知り、「力を独占するために、アリウスの全滅を目指した」と驚いています。
アリウスを危険視して排除する一方、その能力だけは欲しがる。マリオネット計画には、そんな大きな矛盾がありました。
鏑木真司が計画の首謀者だった
マリオネット計画を主導していたのが、日本独立党党首・鏑木真司でした。
北条、大迫、渡部、日髙は職業も立場も異なっていましたが、鏑木の掲げる思想によって結びついていたと考えられます。
榊自身も当初は計画の首謀者が誰なのか知りませんでした。
そのため北条たちを順番に狙いながら警察に捜査させ、最終的に佐野たちが鏑木へたどり着くのを利用します。
そして榊は鏑木を追い詰め、研究データの所在を聞き出そうとしました。
連続殺人の最後に榊が求めていたのは、鏑木への復讐だけではありません。マリオネット計画そのものを完全に消し去り、晴人をはじめとするアリウスが再び研究対象にされることを防ぐことでした。
薫はなぜ事件に巻き込まれたのか
榊と晴人を助けるため研究所へ向かった
薫は警察を辞めたあと、公安に狙われるアリウスを助ける活動を続けていました。
事件の直前には、無認可のアリウス研究に関わっていた榊颯真について調べており、榊を危険な研究から抜けさせようとしていました。
晴人を連れて研究所から逃げようとしていた榊の前に現れた薫も、2人を捕まえるためではなく、助けるために来ていました。
薫は榊に事情を聞き、晴人と一緒に安全な場所へ避難するよう促します。
しかし公安に追われ続けていた榊には、その言葉を素直に信じることができませんでした。
公安だと誤解され、榊に操られた
榊は薫を見ると「あんた公安だろ」と警戒します。
実際、薫はかつて公安の捜査員でした。しかしその時にはすでに警察を辞め、アリウスを公安から守る側に回っていました。
ところが榊はその事実を知りません。
北条たちに裏切られ、息子まで実験対象にされた直後だったこともあり、榊は薫を信用できず、アリウスの能力を使って操ってしまいます。
最終回で榊は、佐野から薫が本当は自分たちを助けるために来ていたと知らされ、初めて真実を知ることになります。
薫は操られ、死体遺棄と死体損壊に利用された
第1話では、北条の遺体を運ぶ薫の姿が映像に残され、現場からも薫の指紋が検出されました。
そのため警察は薫を北条らの事件の被疑者と判断し、薫が死亡していたことから被疑者死亡のまま事件を処理しようとします。
しかし最終回で明らかになったのは、薫が自分の意思で事件に加担したわけではなかったということです。
薫が行ったのは、北条や大迫を殺すことではありません。2人は榊の能力によって操られ、自ら命を絶っています。
その後、榊に操られた薫が遺体を運び、喉にナイフを突き立てることで、4本・3本というカウントダウンのメッセージを残したと考えられます。
つまり薫は、榊の連続殺人計画において、死体遺棄や死体損壊をさせられていたことになります。もちろん、それも薫自身の意思によるものではありません。
榊に操られたあと、薫が具体的にどのような命令を受け、どこまで遺体の処理に関わったのかまでは描かれていません。
それでも、佐野が当初から信じ続けていた「薫が自分の意思で人を殺すはずがない」という思いは、最終的に間違っていなかったことになります。
ただし、それによって薫の容疑が正式に晴れたのかどうかは別の問題です。
事件は最終的にどう処理されたのか
最終回では連続殺人の真相が明らかになりましたが、それはあくまで佐野たちと視聴者が知った真相です。
警察が一連の事件を最終的にどう処理したのかについては、ほとんど描かれていません。
北条と大迫の本当の死因を警察は知ったのか
北条と大迫は、榊の能力によって操られ、自ら命を絶っていました。
その後、薫が操られて遺体を運び、喉にナイフを刺したことで、連続殺人のように見える現場が作られています。
しかし警察が、この本当の死因まで把握した描写はありません。
北条については当初、何者かに絞殺されたあと遺棄されたと考えられていました。また薫の姿や指紋が見つかったことで、薫が一連の事件に関わったと判断されています。
最終回で佐野たちは真実を知りますが、それが正式な捜査結果として共有されたのかは分からないままです。
日髙昭文は公安に連行されたあとどうなったのか
日髙昭文も、北条、大迫、渡部とともにマリオネット計画へ関わっていた人物です。
佐野たちは、ナイフの本数が減っていることから日髙が次の標的になると考えました。
ところが接触する直前、日髙は花菱たちによって特別背任容疑で連行されます。
それ以降、日髙がどうなったのかは描かれていません。
榊に殺された様子はないため生きている可能性は高そうですが、公安に拘束されたあと何を話したのか、マリオネット計画への関与がどう処理されたのかも不明です。
鏑木の死はなぜ「脳梗塞」と報道されたのか
最終回の終盤では、鏑木が入院先の病院で亡くなったというニュースが流れます。
報道では「今月6日に脳梗塞で倒れ、その後治療を受けていた」と説明されていました。
しかし実際の鏑木は、その直前まで榊に銃を向けられ、公安が突入した現場にいました。
そのため、銃撃事件やマリオネット計画の存在そのものを隠すため、表向きには別の経緯で死亡したことにされた可能性も考えられます。
ただし、鏑木が実際にどのように死亡したのか、公安が関与したのかについては明言されていません。
薫は殺人犯という汚名を着せられたままなのか
佐野たちは最終的に、薫が榊に操られていたことを知ります。
しかし、その事実によって薫の容疑が正式に取り消されたという描写はありません。
第2話では、薫を被疑者としたまま捜査本部が解散し、被疑者死亡のまま送致される流れになっていました。
最終回でも再捜査や名誉回復については触れられていません。
そのため、佐野にとっては薫の無実が証明されたとしても、警察や社会の記録上で薫がどのような扱いになったのかは不明です。
視聴者には真相が明かされた一方で、薫は表向きには事件の被疑者のままなのではないか、という疑問が残ります。
退職願を持っていた佐野はなぜ刑事を続けているのか
榊が射殺され、神崎まで公安に連行されたあと、佐野は退職願を手にしていました。
公安への不信や警察組織への失望から、辞職を考えていたと見るのが自然です。
しかしその後、羽住から神崎が「特例」で生かされていることや、晴人が母親とシンガポールへ入国したという情報を聞きます。
そして1年後、佐野は再び刑事として現場へ向かっていました。
退職願を提出しなかったのか、羽住との会話で考えを変えたのか。その経緯については説明されていません。
コラム|意味深なラストの神崎はどうなったのか
佐野は神崎が生きていることをすでに知っていた
榊が射殺されたあと、神崎は公安に連行されます。
その後、羽住は佐野に「神崎君は生きています。特例で」と伝え、現在は警察庁の目が届く場所にいると説明していました。
つまり1年後、佐野が神崎を見て立ち止まったのは、生きていたことに驚いたからではありません。
佐野はすでに生存を知っていました。それでも言葉を失ったのは、目の前にいた神崎の姿が想像していたものとは違っていたからではないでしょうか。
それでも神崎を見た佐野が凍りついた理由
1年後の神崎は、両脇を捜査員らしき人物に挟まれ、首には赤い光が点滅する黒い装置を付けていました。
しかも無表情で正面を見つめ、以前の神崎にあった覇気も感じられません。
佐野も声をかけることなく、その場で凍りついたように立ち止まります。
その反応を見る限り、「神崎が助かった」という安心より、「こんな状態で生かされていたのか」という衝撃のほうが強かったように見えます。
神崎が佐野を認識したのかどうかも分かりません。佐野のほうを見ようとしたところで物語は終わりました。
神崎の首につけられた黒い装置は何なのか
黒い装置の名称や機能について、作中では説明されていません。
アリウスは声帯から特殊な音波を発して人間を操るため、能力を封じる装置ではないかと考えるのが自然です。
ただ、声帯そのものを制限するのか、特殊な音波を検知するのか、それとも別の目的があるのかは不明です。
この装置の存在も、神崎が単純に「助かった」のではなく、何らかの管理下に置かれていることを強く印象づけています。
考察1|能力を封じられ、心まで消耗してしまった?
一つは、能力を封じられた状態で1年間管理され、その生活によって神崎自身が消耗してしまった可能性です。
以前の好奇心旺盛な姿とは違い、1年後の神崎は無表情で覇気がないように見えます。
ただし、神崎がどのような生活を送ってきたのかは描かれていないため、表情だけで断定はできません。
考察2|本人の意思とは関係なく兵器として利用されている
もう一つは、アリウスの能力を捜査や国家の目的に利用されている可能性です。
マリオネット計画は、アリウスの力を国家の武器として利用しようとするものでした。
計画自体は潰れても、「アリウスの力を国家が利用する」という発想までなくなったとは限りません。
神崎が「特例」で生かされ、1年後には何らかの現場に連れてこられていることを考えると、利用価値があるから生かされたという見方もできます。
考察3|アリウスの研究対象として管理されている
兵器ではなく、研究対象として生かされている可能性もあります。
神崎は自分がアリウスだと知らずに生き、事件の途中で初めて能力を発現しました。
公安にとって、能力の発現や制御を調べるうえで貴重な存在とも考えられます。
羽住の「警察庁の目が届く場所にいる」という言葉からも、自由に暮らしているというより、管理・観察されている状態を想像させます。
考察4|神崎自身が警察への協力を選んだ
もちろん、神崎自身が警察への協力を受け入れた可能性もあります。
神崎は榊に対し、アリウスが能力を使わず普通に暮らす積み重ねが、人間との共存につながるかもしれないと語っていました。
その考えを貫くため、自ら管理を受け入れながら捜査に協力しているとも考えられます。
ただ、その場合でも、あの無表情な神崎と佐野の重い反応は気になるところです。
「共存」を願った神崎が国家に管理される皮肉
どの可能性が正しいのか、ドラマは答えを示しませんでした。
ただ、あの姿が「神崎は無事でした」という単純な救済として描かれていないことは確かでしょう。
榊に対してアリウスとホモサピエンスの共存を訴えた神崎自身が、1年後には国家に管理されているような姿で現れる。
そう考えると、あのラストは希望というより、アリウスと人間の問題が何も終わっていないことを示す、皮肉な結末だったように思えます。
最終回でも残された謎
最終回では連続殺人やマリオネット計画の真相が明らかになりましたが、アリウスと公安をめぐる基本的な仕組みには、最後まで説明されない部分が残りました。
公安はどうやってアリウスを発見しているのか
公安は以前からアリウスの存在を把握し、「保護」という名目で連行していました。
しかし、一般の人間の中からどうやってアリウスを見つけているのかは説明されていません。
最終回では、マリオネット計画の一環として防犯カメラに特殊な音波を検知する機能を搭載する計画が明らかになりますが、公安が以前から同じ方法を使っていたとは語られていません。
遺伝子を調べているのか、能力を使った際の音波を検知しているのか。発見方法は最後まで不明です。
公安はどうやってアリウスの能力を無効化しているのか
アリウスは特殊な音波によって人間を操ることができます。
それでも公安はアリウスを捕縛し、監禁してきました。
特殊な耳栓や遮音装置があるのか、能力そのものを封じる手段があるのか。その仕組みは説明されていません。
1年後の神崎が首につけていた黒い装置も、能力を無効化するものではないかと考えられますが、機能は不明のままです。
なぜアリウスは能力を使って公安から逃げないのか
公安側の対策が分からないため、反対の疑問も残ります。
これほど強力な能力があるなら、なぜアリウスは公安の捜査員を操って逃げないのでしょうか。
実際、榊は公安の人間を操ることもできました。
能力には距離や人数など何らかの制約があるのかもしれませんが、そのルールも作中では示されていません。
なぜ佐野は公安に消されず、刑事を続けているのか
佐野は事件を通して、アリウスの存在や公安の実態、マリオネット計画まで知ることになりました。
それでも拘束されることなく、1年後には再び刑事として現場へ向かっています。
佐野一人では真相を証明できないため、公安が脅威ではないと判断している可能性はあります。
一方で佐野は、薫の事件を追った結果、公安でも把握できていなかった榊や神崎にまでたどり着きました。
公安からすれば、始末するより「泳がせておけば、またアリウスへたどり着く刑事」として利用価値があるのかもしれません。
そう考えると、1年後の神崎との再会まで少し不気味に見えてきます。
公安の本当の目的は何なのか
公安はアリウスを国家の脅威と考え、「保護」という名目で捕縛しながら、実際には殺害もしていました。
その一方で、神崎だけは「特例」で生かされています。
捜査への貢献を評価しただけなのか、研究対象として価値があるのか、それとも能力を利用しようとしているのか。
マリオネット計画は終わっても、国家がアリウスを今後どう扱おうとしているのかは、最後まで明らかになりませんでした。
まとめ|真相は明かされたが、すべてが解決したわけではない
最終回では、榊颯真が連続殺人を起こした理由、4本・3本・2本のナイフの意味、そしてマリオネット計画の本当の目的まで、これまで引っ張ってきた大きな謎に答えが示されました。
薫も自分の意思で事件に加担したわけではなく、榊に操られていたことが判明します。佐野が信じ続けてきた薫の姿は、間違っていませんでした。
ただし、視聴者に真相が明かされたことと、事件が解決したことは同じではありません。
薫の容疑は正式に晴れたのか。日髙はどうなったのか。鏑木の死はなぜ脳梗塞として報じられたのか。そうした表向きの事件処理については、ほとんど説明されないままです。
さらに1年後、佐野の前に現れたのは、首に謎の装置を付け、両脇を捜査員に挟まれた神崎でした。
神崎は本当に救われたのか。それとも研究や捜査のために利用されているのか。佐野との再会すら公安によって仕組まれたものなのか。最後まで答えは示されません。
そして惜しく感じるのは、アリウスという存在そのものについてです。
「ホモサピエンスとは別の人類が、現代まで存在していた」という着眼点は、とても面白いものでした。それだけに、公安はどうやってアリウスを見つけるのか、どうやって能力を封じるのか、なぜアリウスはその力で公安から逃げられないのかといった、物語を支える最低限のルールはもう少し示してほしかったところです。
現実には存在しないものだからこそ、「この世界ではこういう仕組みになっている」という前提が必要です。そこが曖昧だと、謎を考えるというより、視聴者側が脚本の都合を補完することになってしまいます。
大きな真相にはきちんと答えを出した『ALIUS』。だからこそ、せっかくの面白い題材を支える部分まで、もう一歩踏み込んで描いてほしかった。
真相は明かされましたが、アリウスと人間の物語は、まだ終わったとは言い切れない最終回でした。
