『孤独のグルメ シーズン11』第6話では、東京都目黒区池尻の「鉄板焼 不二」を舞台に、豚のうす切鉄板焼きや豚ロースステーキ、ハンバーグなど、“鉄板の熱”を活かした料理が描かれました。
今回の特徴は、ただ肉を食べるだけではなく、焼き上がるまでの時間や音、店の熱気までも含めて「食欲が育っていく」ことです。
五郎は、タレ・しょうが醤油・マスタード・ガーリックソースと味を変化させながら、白飯との往復を加速。最終的には「焼肉はライブだ」という言葉にたどり着きます。
この記事では、「鉄板焼 不二」の場所や登場した料理を整理しながら、五郎の“加速する食べ方”や、鉄板焼ならではのライブ感について詳しく解説していきます。
※『孤独のグルメ シーズン11』の全話のお店・料理一覧は、以下の記事でまとめています
▶ 孤独のグルメ11 店まとめ|全話の訪問店・料理一覧を見る
3行まとめ(結末がすぐ分かる)
- 五郎は池尻の「鉄板焼 不二」で、豚のうす切鉄板焼きを中心に豚ロースステーキやハンバーグまで追加注文し、“鉄板焼フルコース”を堪能した
- タレ、しょうが醤油、マスタード、ガーリックソースと味を重ねながら、白飯との往復で食欲を加速させていく食べ方が印象的だった
- 「焼肉はライブだ」という五郎の言葉どおり、焼き上がる時間や店の熱気まで含めて楽しむ、“鉄板の熱”そのものが主役の回だった
お店はどこ?「鉄板焼 不二」(目黒区池尻)
東京都目黒区池尻にある「鉄板焼 不二」は、各テーブルの鉄板で店員が直接焼き上げてくれる、昔ながらの鉄板焼店です。
今回の特徴は、“鉄板のライブ感”そのものにあります。
五郎も目の前で野菜や肉が焼かれていく様子をじっと見つめ、立ち上る湯気や音、香りだけで食欲を高めていきました。特に肉に蓋をして蒸し焼きにする場面では、「肉おあずけ地獄」と表現するほど、待つ時間そのものが料理の一部になっています。
料理はシンプルながら、鉄板の熱を活かした力強さが特徴です。
豚のうす切鉄板焼きは、濃いめのタレと熱々の豚肉が白飯を強烈に呼び込み、さらに付け合わせの野菜炒めも“定食の野菜炒め”とは違う存在感を放っていました。
その後も、豚ロースステーキにしょうが醤油やマスタードを合わせ、最後はハンバーグを丼風にまとめ上げるなど、五郎は味を変化させながら食欲を加速させていきます。
また、この店を語るうえで欠かせないのが、美弥子さんの存在です。
長年店を支えてきた美弥子さんが、淡々と、それでいて力強く肉を焼き続ける姿が、店全体の空気を作っていました。鉄板の熱気や店の活気まで含めて楽しめる、“食べるライブ会場”のような一軒です。
■ 店舗情報
- 店名:鉄板焼 不二
- 住所:〒153-0043 東京都目黒区東山3丁目13−17 ロジュマン東山 101号室
- 電話:03-3710-0301
- 営業時間:
11:00~14:00
17:00~22:00 - 定休日:月曜日
- アクセス:東急田園都市線 池尻大橋駅から徒歩3分
- Googleマップ
五郎が食べた料理まとめ(第6話)
- 豚のうす切
- 御飯
- お新香
- しじみ汁
追加注文
- 豚ロースステーキ
- ハンバーグ
- 半ライス
他の回で登場したお店や料理もまとめています
▶ 孤独のグルメ11 店まとめ|他の話を見る
第6話あらすじ(ネタバレあり)
井之頭五郎は、東京都目黒区池尻のアンティークショップを訪れ、依頼を受けた品探しを進めていた。店内の商品を写真に撮って送り先へ確認を取りながら商談をまとめていくが、店員からはなぜか“バーの店主”だと勘違いされ、そのまま否定するタイミングを失ってしまう。
仕事を終えた五郎は空腹を覚え、商店街で店探しを開始。気になっていた店には入れなかったものの、そこで見つけたのが「鉄板焼 不二」だった。
店内では、各テーブルの鉄板で店員が直接肉や野菜を焼き上げている。さらに、年配の美弥子さんが慣れた手つきで焼いている姿を見た五郎は、一気に店へ引き込まれていく。
注文したのは「豚のうす切」と御飯、しじみ汁、お新香の組み合わせ。鉄板で焼かれた豚肉と濃いめのタレ、熱々の野菜炒めに五郎の箸は止まらず、「肉がグイグイ入っていく」と夢中で白飯をかき込んでいく。
さらに食欲は止まらず、豚ロースステーキを追加。しょうが醤油やマスタードで味を変えながら、“鉄板焼のライブ感”を満喫していく。
そして最後は、ハンバーグにガーリックソースを合わせ、炒め野菜と共に丼風にアレンジ。「五郎プロデュース。ハンバーグ丼!」として豪快にかき込んだ。
食べ終えた五郎は、「焼肉はライブだ」と今回の食体験を総括。鉄板の熱気や店の活気、美弥子さんの焼きの技術まで含めて、“鉄板焼そのものの魅力”を味わい尽くした夜となった。
五郎の食べ方を解説|“鉄板ライブ”を加速させる豚肉と味変の流れ
① まずは“焼ける時間”を味わう|鉄板焼は待つところから始まる
今回の五郎は、料理が来る前からすでに食欲を高め始めています。
目の前の鉄板で野菜が焼かれ、肉が並べられ、蓋をされる。その様子をじっと見つめながら、
「肉おあずけ地獄、拷問」
とつぶやく場面が象徴的でした。
普通の定食屋なら、料理は完成形で運ばれてきます。
しかし今回は、“焼き上がる途中”そのものが食事体験になっていました。
音、湯気、匂い、店の熱気。その全部が、五郎の空腹を少しずつ育てていく。まさに「ライブ感」のある導入です。
② タレ→しょうが醤油→マスタード|味を止めずに加速させる
最初に五郎が選んだのは、「豚のうす切」。
濃いめのタレと鉄板で焼かれた豚肉の勢いに対し、
「豚が白飯を呼ぶ」
と語るように、ここでは“肉と白飯の直結感”を楽しんでいます。
さらに印象的なのが、付け合わせの野菜炒めです。
五郎は、
「いわゆる野菜炒め定食のやつとは全然違う」
と驚いており、鉄板の熱で焼かれた野菜もまた、この店の主役級であることがわかります。
そして食欲はここで終わりません。
追加した豚ロースステーキでは、まずしょうが醤油を投入。脂の甘さを楽しみつつ、さらにマスタードを追加することで、
「豚が走る、加速する」
という状態へ入っていきます。
今回の特徴は、“味変で流れを止めない”ことです。
しょうが醤油でキレを作り、マスタードで刺激を加え、鉄板焼の熱量をどんどん前へ押し出していく。静かな定食というより、勢いのあるライブとして食べ進めていました。
一口ごとに味を変化させながら食欲を加速させていく構造は、第5話「タン ハー」のブンティットヌングにも通じるものがありました。
▶ 第5話「タン ハー」|“変化し続ける麺”とチャージョーの食べ方を解説
③ ハンバーグ丼で頂点へ|“五郎プロデュース”の締め
ラストに五郎が選んだのは、ハンバーグ。しかも、ただ食べるだけでは終わりません。
店員おすすめのガーリックソースをしょうが醤油へ追加し、さらに鉄板上の炒め野菜を半ライスへ移動。その上にハンバーグを乗せ、最後はタレをかけて、
「五郎プロデュース。ハンバーグ丼!」
を完成させます。
ここまで来ると、もはや“定食”ではありません。
豚肉、野菜、白飯、鉄板の熱、ガーリックの香り。そのすべてを一つにまとめ上げた、“ライブの最終形態”です。
さらに五郎は、
「焼肉はライブだ。箸と鉄板と俺の顎がグルーブしている」
と語ります。
今回の食事は、単に肉を味わう回ではなく、鉄板の熱気や店の活気、味変による加速まで含めて楽しむ、“体感型の食事”として描かれていました。
味変・構造まとめ|“熱量を落とさない”鉄板焼の加速構造
今回の五郎の食べ方は、単純な「味変」ではなく、
食欲の勢いを止めないための加速
として機能していました。
特に特徴的だったのは、“同じ豚肉でも食べ方を変え続ける”構造です。
① タレで入口を作る|鉄板焼の勢いを一気に受け止める
最初の「豚のうす切」は、濃いめのタレが中心。
鉄板で焼かれた熱々の豚肉にタレが絡み、
- 白飯
- 野菜炒め
- 肉の脂
を一気につなげていました。
ここでは細かな変化よりも、
「肉がグイグイ入っていく」
という“勢い”そのものが重要です。
まずは鉄板焼の熱量を、そのまま受け止める段階でした。
② しょうが醤油でキレを追加|脂を“次の一口”へ変える
続く豚ロースステーキでは、しょうが醤油を投入。
ここで面白いのは、脂の強さを減らすのではなく、「もっと食べたくなる方向」へ調整していることです。
しょうがの香りと醤油の塩気によって、豚の甘い脂がより立体的になり、白飯との往復速度が上がっていきます。
つまり今回は、
- 味をリセットする
- 口をさっぱりさせる
ための味変ではなく、“加速を維持するための味変”になっていました。
③ マスタードとガーリックでピークへ|熱量をさらに押し上げる
さらに五郎は、マスタードを追加。
ここで、
「豚が走る、加速する」
という表現が登場します。
マスタードによって刺激が加わることで、鉄板焼のライブ感がさらに前へ進み始めるのです。
そして最後は、ハンバーグ+ガーリックソース。
ここまで積み上げてきた、
- タレ
- 脂
- 白飯
- 鉄板の熱
を、ニンニクの力で一気に頂点まで押し上げていました。
④ 最後は“丼化”で着地|全部まとめて完成させる
今回の最終到達点が、
「五郎プロデュース。ハンバーグ丼!」
です。
炒め野菜をライスへ移し、その上にハンバーグを乗せ、タレをかける。
これは単なる食べ方アレンジではなく、ここまで積み上げてきた熱量を、一つに統合する行為です。
豚肉、野菜、白飯、ガーリック、しょうが醤油。
全部をまとめてかき込むことで、“鉄板焼ライブ”が最高地点へ到達する。
今回の食事は、最初から最後まで、熱量を落とさず走り続ける構造になっていました。
今回のポイント|“鉄板焼はライブ”という体感型グルメ回
今回の第6話は、単なる「肉料理回」ではありませんでした。
五郎が繰り返し感じていたのは、
- 鉄板の熱
- 焼ける音
- 立ち上る匂い
- 店の活気
- 焼き上がりを待つ時間
といった、“食べる前から始まっている食欲”です。
特に印象的だったのが、目の前で肉に蓋をして蒸し焼きにする場面。
五郎は「肉おあずけ地獄」と表現していましたが、これは単なる空腹演出ではなく、待つ時間そのものが料理になっていることを示していました。
そして食事が始まると、
- タレ
- しょうが醤油
- マスタード
- ガーリックソース
と味を変えながら、熱量を落とさず食欲を前へ押し出していきます。
その到達点が、
「焼肉はライブだ」
という今回の名言でした。
ライブとは、完成品を受け取るものではなく、その場の空気や熱、勢いを体感するものです。
今回の鉄板焼も同じで、
- 焼き上がる瞬間
- 店の熱気
- 白飯との往復
- 味変による加速
まで含めて、一つの“ライブ体験”として描かれていました。
さらに今回は、美弥子さんの存在感も非常に大きかった回です。
派手な演出ではなく、淡々と、それでいて力強く鉄板に向き合い続ける姿が、店全体の空気を作っていました。
だからこそラストの、
「こういう店があり続けるなら、世の中はまだ捨てたもんじゃない」
という五郎の言葉にも、強い実感が宿っていたのだと思います。
また、料理そのものだけでなく、店の空気や提供の流れまで含めて楽しむ構造は、第4話「ラ・メッセ」のイタリアン回にも通じています。
▶ 第4話「ラ・メッセ」|バーニャカウダと“流れで完成するコース”を解説
ふらっとQusumi|100年以上のぬか床と、美弥子さんが作る店の空気
今回の「ふらっとQusumi」では、本編でも存在感を放っていた“脇役の強さ”が、より深く描かれていました。
まず久住が感心していたのが、お新香です。
店自慢のぬか床で漬けられており、その歴史はなんと100年以上。関東大震災の際、先代のお嫁さんがぬか床を背負って避難したというエピソードまで明かされました。
鉄板焼というと、どうしても肉のインパクトへ目が向きます。
しかし今回の「不二」は、
- お新香
- しじみ汁
- 野菜炒め
といった脇役がしっかり強い店でした。
本編で五郎が、
「鉄板焼にこんなおいしいお新香と味噌汁がつけられるなんて」
と感心していた理由も、この歴史あるぬか床を知ると納得できます。
そして久住は、牛ロースステーキ(8000円)を注文。
本編同様、美弥子さんが目の前の鉄板で焼き上げていきます。
久住も、
- 焼き加減
- 肉の柔らかさ
- 鉄板焼のライブ感
に強く反応しており、ガーリックソースをつけた瞬間には「ご飯が欲しくなる」と語っていました。
さらに印象的だったのが、美弥子さんの撮影裏話です。
これまで取材や撮影を断り続けていたものの、
「松重さんにも会いたいし」
という理由で、今回の出演を引き受けたとのこと。
そして松重豊さんの印象を聞かれると、
「もぉー素敵」
と笑顔で答えていました。
鉄板の熱や料理の迫力だけでなく、こうした店の人の空気感まで含めて、“鉄板焼 不二”という店の魅力が伝わってくる「ふらっとQusumi」でした。
まとめ|鉄板の前で食欲が育っていく回
『孤独のグルメ シーズン11』第6話は、豚のうす切鉄板焼きや豚ロースステーキ、ハンバーグといった肉料理を通して、“鉄板の前で食欲が加速していく時間”そのものを描いた回でした。
今回印象的だったのは、料理そのものだけではありません。
肉が焼ける音、立ち上る湯気、待つ時間、店の熱気、美弥子さんが淡々と焼き続ける姿。その全部が重なり合うことで、五郎のいう
「焼肉はライブだ」
という言葉に説得力が生まれていました。
さらに、
- タレ
- しょうが醤油
- マスタード
- ガーリックソース
と味を変えながら、白飯との往復で食欲を加速させていく流れも今回の特徴です。
特にラストの「五郎プロデュース。ハンバーグ丼!」は、ここまで積み上げてきた熱量を一気にまとめ上げる、“ライブの大トリ”のような締め方でした。
また今回は、鉄板焼の派手さだけでなく、
- 100年以上続くぬか床
- お新香
- しじみ汁
- 野菜炒め
といった脇役の強さも印象に残ります。
だからこそラストの、
「こういう店があり続けるなら、世の中はまだ捨てたもんじゃない」
という五郎の言葉が、単なる食後の感想ではなく、“店そのものへの実感”として響いていた回でした。
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