【滅相もない】4話のネタバレと感想をまとめています。
今回話をするのは帰国子女の女性。小学生の時に日本に戻ってきたが、言葉が喋れず友達ができなかった。そこで母親に勧められてバレエ教室に通うことになるが……。
【滅相も無い】4話のあらすじ
イギリスで生まれ育った青山(森田想)は、小学校に上がるタイミングで日本に帰国する。しかし日本語が喋れず、クラスでは孤立していた。そんな中、自宅が同じ方向というだけで、一緒に帰宅する子と仲良くなった。
しかし、その子は2年生になるタイミングで引っ越してしまう。青山は再び孤独になってしまう。
そんな時、母親が知人がやっているバレエ教室に通わせた。青山はそこでも友達は結局できなかったが、バレエ教室に通うのは嫌ではなかった。
小学校を卒業する頃には日本語も覚え、友人もできるようになった。母はそろそろバレエ教室を辞めさせようとしていた。しかし青山はバレエを続けたく、母親に頼むが却下されてしまう。辞めることを告げに行った日、バレエの先生がある提案をしてくれて……。
4話のプロローグ
穴を風景として扱うと決まった数日後、近くのマンションに住む大村加奈は毎日穴を観察し、日記をつけ始めた。4月16日、穴に入ることが許可されてから、多くの人が穴の様子を見に来るようになった。
4月29日「毎日、穴に入ることを考えながら寝ている」と記した。穴への興味が日に日に強くなっている様子がうかがえる。
5月8日。穴に入ることが個人の判断になったこの日、加奈は「出てくる人がいないのはなんでなのだろう」と疑問を持つようになった。
6月15日。「毎日穴を見ていたら、穴に入った気分になってきた」と感じるようになった加奈。来週、担任の先生も穴に入ると聞いて、みんなでお見送り会をすることになった。
6月27日。担任の先生のお見送り会が終わり、加奈は「先生はお見送り会楽しんでくれてそうでよかった。穴に入るのをすごく楽しみにしていた」と書いた。有名な俳優も穴に入っていったことを知り、加奈は「みんな楽しそうに穴に入っていくのが羨ましい」と感じた。
7月11日「毎日穴の夢を見るようになった」と書く加奈。その夢では、「穴の中は初めは暗いけど、向こう側には光が見えていて、穴を抜けると自然が広がっていて、お腹がすかない」と綴った。
加奈の日記はここで途絶えている。
【滅相も無い】4話のネタバレ
青山の過去とバレエの思い出
12月1日金曜日。青山は自分の話を始めた。
青山はイギリスで生まれ、両親の都合で5歳までイギリスに住んでいた。両親はどちらも日本人であったが、青山は日本に来た当初、日本語が話せなかった。そのため友達ができず、孤独な日々を送っていた。ただ、下校時には石田という女の子が一緒に帰ってくれた。石田とは家が同じ方面だったからだ。
しかし、石田は2年生の時に引っ越してしまい、青山は再び一人ぼっちになった。常松という子が「遊びに来ないか」と声をかけてくれたが、青山は何を言っているのか理解できなかった。その結果、青山はますますふさぎ込むようになった。
青山は母の知り合いである、飯島が運営するバレエ教室に通うようになった。小学校を卒業する頃には日本語を話せるようになったが、バレエ教室でも学校でも誰とも友達になれなかった。
中学受験を経て進学校に入学し、話せる人は増えたが、石田のような友達はできなかった。それでも青山はバレエを続け、始めた頃よりもバレエが好きになっていた。
ある日、バレエ教室に通う男の子から、バレエのチケットを譲ってもらえる話が出た。青山が母親にその話をすると、母親は「プロを目指している人に、譲ってあげたほうがいいんじゃない?」と言った。そして「高校受験もあるし、そろそろやめたほうがいい」と言い、青山が続けたいという意思を無視した。
その頃、石田が近所に引っ越してくるという噂を聞いた。久しぶりに再会した青山と石田は盛り上がり、バレエの話をした。石田は「続けさせてもらえるよう、説得してみれば」と青山に助言した。
子供の頃、数を数えてタッチする遊びの話をしたが、石田はその遊びを覚えていなかった。そもそも一緒に下校していたことさえ覚えていなかった。「なんかしゃべれない子っていうイメージしか残ってなくて」と石田は言った。
青山はショックを受けたが、その場は苦笑いをしてごまかした。
母親との衝突
自宅に戻ると、青山の母親が飯田とバレエを辞める話をしているのを耳にした。母は「他のすらっとした身体の子のように、適性がないからやらせたことを後悔している」と話していた。さらに、「人と話さなくてもいい競技で友達ができればと思っていただけだった」とも言っていた。
青山は心の中で「好きでこの身体で生まれたわけじゃないし、友達だって…話せないのは私のせいじゃない!」と言いたかったが、言えなかった。でも、プロになれるわけじゃないことも理解していた。
母親に言われた言葉をそのまま伝え、なぜ辞めなければいけないのか、自分の考えではない言葉で飯田に告げた。他の子は3歳から始めていて、手足も長く動きも綺麗で上手な人ばかり。塾に通わなければならず、みんなに遅れを取るのも迷惑だから辞めたいと伝えた。
飯田は「本当に辞めたいと思っているの?」と聞いたが、青山は「私には才能がないので」と答えた。飯田は「できなかったことができるようになるのは、すごいことだよ」と説得したが、青山は「バレエにかけている時間がもったいない。こういう身体に生まれた時点で才能がない」と反論した。
飯田は「本人がやりたいなら応援したい」と言ったが、青山は母親に言われたことをただ繰り返した。「でも、もうちょっとやりたかったです」と小声で話すと、飯田は塾に通いながら来ることを提案し、レッスン着は教室に置かせてもらい、月謝は教室の手伝いで賄うことになった。
母には図書館に勉強しに行くと言って、バレエを続けた。
【滅相も無い】4話の結末
青山は模擬試験の結果も良く、志望校判定はAだった。志望校はほとんど母親から提案された高校だったが、青山が気に入っている高校もいくつかあった。
飯田から次の発表会で役をやってもらいたいと話があり、母にもそのことを伝えたらどうか、嘘をついていたことも一緒に謝るからと言われた。
自宅に戻った青山は、母親に図書館に行っていたのは嘘で、実際はレッスンに行っていたことを告白し、発表会に出るから見てもらいたいと頼んだ。しかし、母は不機嫌な顔をし、飯田のところに乗り込んだ。
母は「発表会なんかに絶対出さない。今までの金も払う」と激怒し、「そういう汚いお金を受け取ってバレエを教え続けてください。それでは振込先をおっしゃって、どうぞ」と飯田を罵った。
結局、青山は発表会にも出られず、高校に入ってからはバレエを踊らなくなった。今となっては「踊りたかったな」という程度の気持ちしか残っていない。
12月13日水曜日。青山は穴に入ることにする。既に青山の母は先に穴に入っていた。青山は穴の向こうで母に会って、言うべきことを整理してから、穴へと向かっていった。
「どういうふうに生まれたいか決めれるんだったら、私は私を選んでいたかどうか分かりません」と青山は語った。
【滅相も無い】4話のまとめと感想
母親との確執に悩みながら、結局母に従って生きてきた女性の話でした。
青山の話を聞くと、母親は毒親っぽい人なのかなと思えます。母親はバレリーナのような体型にならなかった青山の成長に、「今まで無駄だった」とバレエに通わせたことを後悔します。
先生はそんな青山を気の毒に思ったのか、内緒で教室に通わせます。しかし、それがバレると母は激怒し、教育方針に口出すなだなんだと、先生のことを延々と罵り続けました。この時青山はもう母親の言いなりになるしかない、と覚悟したかもしれません。
母は先に穴に入っているといい、青山も穴に入って行きます。穴に入る人、入らない人の差が何なのか?この話を見ると、死んだor殺された人が入っているのではないかと思えてきます。青山は既に母親を殺害し、自分も死のうと思っているような、そんな回でした。