【相棒シーズン21】6話「笑う死体」のネタバレと感想をまとめています。
発見された遺体がなぜ笑っていたのか？他県で発生した事件だったが、右京はその理由が気になって調べ始める。やがて真相にたどりついた時、元芸人らしい理由が隠されていた。
【相棒21】6話のあらすじ
【第6話 30秒PR】
— 相棒 (@AibouNow) November 14, 2022
いよいよ今週放送🚔🚨#相棒 season21
第6話『笑う死体』
11月16日(水)よる9時
笑いながら死んだ男⁉️
元お笑い芸人の最期の瞬間とは…
特命係が笑う死体の謎に迫る⚡️#水谷豊 #寺脇康文#aibou
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路上で酔いつぶれた人から財布を盗んだホームレス（有薗芳記）を、偶然居合わせた杉下右京（水谷豊）と亀山薫（寺脇康文）は逮捕する。取り調べで男は素性を隠していたが、所持品から伊藤真琴（阿南健治）という人物の財布が出てきた。
千葉県の江戸川の河川敷で発見された遺体の身元が分からず、千葉県警は捜査に行き詰っていた。その遺体の身元が伊藤だった。遺体はなぜか笑顔で死んでいたという。気になった右京は越境捜査を開始すると、伊藤が元お笑い芸人だったと判明した。
だが、縄張りを荒らされたと千葉県警からクレームが入ってしまい、捜査を中止するよう上から言われるが……。
←5話｜7話→
【相棒21】6話のネタバレ
所々にお笑いを絡めてくる話です。出オチで始まりダジャレで終わります。
身元不明
財布を盗んだホームレス（有薗芳記）を取り調べしている間、杉下右京（水谷豊）は所持品を探っていた。トランクの中から出てきた財布は伊藤真琴（阿南健治）という人物のものだった。だが、男とはまるで似つかない明らかに別人のものだった。
亀山薫（寺脇康文）は本当のことを言うよう男に迫る。男は観念して話し始めた。財布を取った時、男は頭から血を流して死んでいたのだという。亀山は呆れて嘘をつくなというが、右京は先月江戸川の河川敷で他殺体が見つかっていたことを思い出す。
遺体はあごの下にほくろが2つあったと言い、嘘だと思うなら調べろと息巻いた。財布の中にあった名刺には、スイートドリーマーという会社の名前と伊藤真琴と書かれていた。
警察が調べた結果、身元不明の遺体が財布の持ち主だった。盗んだ財布を手元に置いておくなんて妙な窃盗犯だと右京は気になった。
千葉県警の青田（鼓太郎）と堀川（吉成浩一）がわざわざ特命係に感謝をしにやってくる。今まで名前が分からなかったので“笑うセールスマン”と呼んでいたという。なぜなら、身なりはいかにもさえないサラリーマンと言った感じで、遺体がニヤっと笑っていたからだった。
これまでは目撃情報が頼りで、事件があった日に不審な動きをする金髪の青年が見かけられていた。しかし、遺体の身元には今まで繋がっていなかった。今回、右京たちのお陰で身元が判明したことを感謝して、彼らは帰っていった。
笑う死体に興味を持った右京は、捜査を勝手に始めることにした。
縄張り
右京と亀山は伊藤が勤めていた会社、スイートドリーマーを訪ねる。中に入ろうとすると怒鳴り声が聞こえ、誰かを恫喝していた。構わず中に入って行った右京たちに、勝手に入ってくるな警察呼ぶぞと男はすごむが、右京が警察手帳を見せると態度が豹変した。
恫喝してた男はこの会社の社長の岡山（白石直也）だった。ここで働いていた伊藤のことを聞くと、ひと月ほど前に辞めたという。殺害されたことを伝え、さらに詳しく話を聞きだそうとすると、千葉県警の青田と堀川がやってきた。
窃盗事件の裏づけ捜査をしているととぼけるが、千葉県警の2人は縄張りを荒らすなと憤った。この場でこれ以上話を聞き出すことはできないと判断した右京たちは、大人しく退散した。ただ、さきほど社長に恫喝されていた男が、何か話したげにしているのを見逃さなかった。
消えた金
右京たちは恫喝されていた社員の飯村（木津誠之）に喫茶店で話を聞く。あの会社は高額な布団を年寄りに押し売りし、背後に暴力団がついている会社だった。飯村はノルマが果たせず食うのがやっとな状況だった。伊藤の営業成績は特に酷く、いつも社長に恫喝されていた。
仏頂面をしている伊藤は、とてもじゃないが営業に向いていないと飯村は言う。ある日、社長がみんなの前で笑えと強要し、無理矢理口角を押し上げて笑顔にさせるパワハラをする。元お笑い芸人なのに愛想笑いもできないなんて、と飯村はその時のことを思い出していた。
飯村が以前伊藤と飲みに行った時、そこにいた客に漫才やめたのかと絡まれる。伊藤が怒って客を追い払ったため、芸人時代の話は聞けなかったという。
辞めた原因はパワハラなのかと考える右京だが、飯村は先月会社の金庫から300万盗まれた事が原因だと思っていた。盗んだのは恐らく伊藤だと言う。なぜなら、金がなくなった翌日から連絡が取れなくなった事と、以前から伊藤は社長が金庫を開ける際、ちらちら見ていたからだった。
不正に稼いだ金だから警察にいう事も社長はできず、伊藤もそれを知っての犯行だったのだろうと飯村は言う。金が盗まれた日は、殺害される前日だった。伊藤が盗んだ金はどこへ消えたのか、右京は何か引っ掛かっていた。
伊藤の過去
右京が調べたところ、伊藤はかつてマコサヤという夫婦漫才コンビを組んでいた。ツッコミのマコトにボケのサヤ、2002年に新人コンテストで準優勝するが、2005年にコンビを解散していた。愛想笑い1つもできない芸人が、笑いながら死んだ。右京は気になって仕方がなかった。
右京たちは伊藤たちが舞台に上がっていた浅草の演芸場に向かい、そこの支配人の増本（岡田正）に話を聞く。夫婦漫才というのだから2人は夫婦だったのかと思いきや、籍は入れてなく内縁の状態だった。
相方の和田紗矢（池谷のぶえ）は伊藤の才能に心底惚れていたが、泣かず飛ばずの状況に耐えかねた伊藤が紗矢に手を上げてしまう。それがきっかけで2人は別れると同時にコンビも解散した。その後、伊藤は別の相方とコンビを組むが、いつの間にか消えたという。
そこにちょうど芸人の水沢・今野（おぼん・こぼん）が通りがかりにマコサヤの映像を見ると、ネクラの映像なんて懐かしいなと言う。ネクラとはどういう意味なのか右京が問いかけると、伊藤のあだ名だという。伊藤は四六時中仏頂面でネタを考え、声をかけても愛想笑いの1つも返さない。しかし、つまらないギャグでも思いついたのか、ノートにメモしながらニヤニヤ笑っていたという。だからネクラというあだ名だった。
昔から芸人の死に様は野垂れ死にだと言われていたが、殺されたなんてネクラらしいといえばらしいと言う。皮肉屋で憎まれ口ばかり叩いていた伊藤は、芸人仲間からも毛嫌いされていた。紗矢の後に組んだ相方に至っては、伊藤に借金を踏み倒されていた。伊藤は紗矢と解散した後、スピリッツというコンビを組んでいたらしい。
増本に紗矢が今どこにいるか問うが、昔のことだから分からないという。だが、調べておくと約束して別れた。
後押し
演芸場を出た右京の電話に中園照生（小野了）から連絡が入る。亀山が右京に押し付けられて電話に出た途端、怒鳴り声が聞こえた。2人は内村完爾（片桐竜次）に呼び出され、千葉県警から越境捜査について抗議が入ったと知らされる。参事官は怒り心頭だったが、事情を聞いた刑事部長は違法な手段を使っていないなら、千葉県警より先に事件を解決しろと命じる。驚いた参事官が理由を問うと、千葉県警の刑事部長は飲み会の割り勘で、端数を毎回懐に入れるせこい奴だからだった。
こてまりで右京はいつものように飲んでいた。小出茉梨（森口瑤子）はマコサヤのことを演芸場で見た事があるという。ただ、その後に組んだスピリッツについては記憶になかった。
最近どこかで見かけた名前なのだが、と右京が悩んでいると亀山は茶化した。席を立った右京がトイレに向かう途中、飾られていたうちわに目を留める。そこには小手鞠の千社札が貼られていた。右京はその瞬間、何かを思い出した。
現場検証
刑事部長からのお墨付きもあり、2人は堂々と捜査を始める。まずは遺体発見現場へ向かった。そこに捜査一課の面々が現れ、千葉県警の捜査資料を持ってきてくれた。なぜなら、伊丹憲一（川原和久）と芹沢慶二（山中崇史）の2人は、千葉県警の青田と因縁があったからだった。
資料をその場で見てみると、確かに伊藤は笑顔で死んでいた。ホームレスの男が言うように、あごの下にほくろが2つあった。右京は伊藤が遺体で発見された場所に寝そべり、最期の瞬間に伊藤が何を目にしていたのかを確認してみた。
さらに伊丹たちから被害者が、中年女性と言い争いしていた目撃情報がもたらされる。伊藤はその女性を「サヤ」と呼んでいた。元相方の紗矢のことだろうと右京たちはすぐに勘付いた。
あの夜のこと
紗矢は伊藤と河川敷で待ち合わせしていた。18年ぶりに会った2人はどこかぎこちない会話をする。結婚をしているのかと伊藤がきくと、紗矢は「うん」と返答した。子供について聞かれると、紗矢はいないと答えた。逆に紗矢は伊藤がまだ芸人を続けているのかを問う。とっくにやめたと伊藤は答えた。
伊藤は封筒を取り出し「遅くなったけど、慰謝料みたいなもんだ」と紗矢に渡そうとする。受け取るわけにはいかないと断るが、伊藤は何度も渡そうと試みる。紗矢は犯罪がらみの金ではないかと警戒し、「おかしな事に巻き込まないでよ！」と言って受け取らずにその場を離れた。
聞き込み
右京たちは演芸場の支配人から、紗矢の居場所を突き止め店へ行く。伊藤が亡くなった事を伝えても、紗矢は特に驚く様子もなかった。目撃証言もあることから、自分が疑われていると気付いた紗矢だが、人違いだと言って認めなかった。
右京は店に飾られている写真に目を留める。この金髪の青年は誰なのかと問うと、息子だと言うが伊藤との間の子ではないと否定した。
すると千葉県警の2人が店に現れ、右京たちを追い出す。出て行った右京たちは、刑事の聞き込みを盗み聞きした。伊藤が殺害される前日の夜、紗矢に電話していたことが分かっていた。刑事たちは紗矢を警察に連行した。
息子の颯太（萩原護）がその姿を見て驚いているところを、右京たちは声をかける。伊藤のことを父親らしいと分かってはいたが、殺害されたことは初めて知った様子だった。颯太は中学の時に母親が昔芸人をやっていたことと、伊藤が父親だったことを知ったという。
あの夜、母が電話をしているのを聞いた颯太は、いつもと違う様子が気になり後をつけた。2人が物別れに終わった後、颯太は伊藤に「俺、あなたの息子…みたいです」と声をかけた。しかし、伊藤は紗矢から何も聞かされてないため驚いた。
颯太は伊藤に2人の漫才がとても笑えたと伝えて去ろうとすると、伊藤は紗矢が受け取らなかったあの金を渡す。「何もしてやれなくて…すまなかった」と謝罪して、そのまま行くよう促した。その時にもらった金に手をつけずに取っておいた颯太は、右京たちに渡した。
金の行方が分かったことで、右京はすっきりしていた。亀山は捜査は振り出しに戻ったというが、「犯人の目星なら、最初からついています」と右京はさらりと言った。
事件の真相
右京と亀山はホームレスがいる留置場へ行き、遺体がどんな表情をしていたかを問う。男は「苦しそうっていうか…」と答えた。右京は遺体が笑っていたと教え、男はほくろがあることまで知っているのに、遺体が笑っていたとは一言も言ってないことに突っ込む。つまり、男が伊藤を見たのは、死んだ後ではないと右京は指摘する。
盗んだ財布を手元に置いておいたのも、伊藤と深い関係があったからだろう。なぜなら、男と伊藤はスピリッツという漫才コンビを組んでいたから。それに右京が気付いたのは、男が持っていたキャリーバッグにスピリッツの千社札が貼ってあったからだった。男の名前は大谷敏夫と言い、芸人仲間からはトシ坊と呼ばれていた。演芸場の支配人にも写真で確認済みだった。
大谷は芸人時代にパトロンの女性がいたため、そこそこ羽振りのいい生活を送っていた。その時、伊藤に金を貸していたが、伊藤は踏み倒していた。あの晩、偶然伊藤と遭遇した大谷は、伊藤に金を返すよう迫る。返せないという伊藤だが、大谷は「俺は住むとこもねえ。生きるか死ぬかの瀬戸際なんだよ！」と訴えると、金を作ると約束した。
事件の日、大谷は伊藤に金ができたかたずねる。伊藤は「お前より、借りがある奴がいた」と言って、金は別の人物に渡してしまったという。納得がいかない大谷が文句を言うと、「トシ坊…俺もお前も、落ちるとこまで落ちた！とっくに終わったんだよ！俺たちは。もういいじゃねえかよ！」と言い出す。
大谷は伊藤を殴るが、伊藤はそれでも「俺たちは終わったんだよ！」と言い聞かせようとする。もみ合いになった末に伊藤が倒れてしまい、縁石に頭をぶつけて頭から血を流す。大谷が恐る恐る近付くと、伊藤はまだ生きていてつかんできた。驚いた大谷は一目散に逃げた。
あの時、すぐに救急車を呼んだら伊藤は助かったかもしれない、と右京は大谷に告げた。
6話の結末
右京と亀山は伊藤の遺体が発見された現場に紗矢を呼び出す。あの日以来、颯太が芸人になると言っているという。紗矢は反対したが満更でもなかった。この場所は昔から売れない芸人たちの稽古場だった。今も練習している人たちを見て、紗矢は懐かしそうに目を細めた。
伊藤の遺体がなぜ笑っていたのか、その理由が分かったと右京は教える。伊藤は芸人仲間からネクラと呼ばれていたが、つまらないギャグを思いつくとついニヤっと笑ってしまう男だった。こっちに来て欲しいと紗矢を呼び、これが伊藤が最後に見た光景だと教える。
それは「ヨネクラシステム」のネオンが一部切れて「ネクラシス」という風になっていた。「ネクラ死す」伊藤はその文字を見て、思わず笑ったのではないかと右京は考えていた。紗矢は「あの人らしい最期」とつぶやき切なく笑った。
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【相棒21】6話のまとめと感想
落ちぶれた元芸人が同じく落ちぶれた元相方に殺されるという話でした。
昔から芸人の死に様は野垂れ死にだと、ドラマの中でも言います。才能はあっても紗矢にDVをした伊藤は、それがきっかけでコンビを解消します。そして新たに組んだ大谷と再び漫才をしますが、それもいつの間にか解散しました。
そうして伊藤が行き着いた先は、悪徳商法のセールスマンでした。人生に見切りをつけたのか、会社の金を盗んで息子に渡します。大谷はキレて伊藤を殴り、結果的に殺害してしまいました。自分たちはもう終わりなんだ、もういいじゃないかと説得する伊藤が何とも悲しいです。
伊藤は野垂れ死にをする間際、皮肉なギャグを目にして亡くなります。だから笑顔の遺体だったというオチがつきました。大谷野垂れ死ぬことを嫌がって伊藤を殺害し、伊藤は芸人として野垂れ死んだという切ない話です。
息子の颯太も芸人を志しますが、颯太はもらった金を使わずにいた辺り、最後は野垂れ死にしなさそうな気がします。
次回は11月23日21時から放送予定です。
とっくに終わったんだよ！俺たちは。もういいじゃねえかよ！
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