2020年1月25日にNHK BSで放送されたドラマ【シリーズ・横溝正史短編集2 金田一耕助踊る!】の第2話『華やかな野獣』のネタバレと感想をまとめました。
前回以上にぶっとんだ演出でした。金田一以外は登場人物の性別に関係なくすべて女性です。男役をやる人はつけヒゲをつけて演じています。放送自体は成人指定の内容ではないのですが、非常にエロチックな話です。
NHK BSドラマ『華やかな野獣』のネタバレ
高杉奈々子・鷲尾刑事殺害犯
越智悦郎
動機
麻薬密輸団だった越智は、奈々子にパーティーを利用して取引しているのを気づかれたため、パーティーの日に殺害を実行する。奈々子と鷲尾が二人で楽しんでいたのを隣室で聞いていた越智は怒りを覚え、元々の目的とは別に奈々子を殺害した後、忘れ物を取りに戻って来た鷲尾も殺害した。
金田一の推理
奈々子の異母兄である啓一から話を聞いた金田一は、今まで謎だったことが解ける。
越智は京子と一緒に部屋に行った後、すぐに窓から外に出て奈々子の部屋へ向かう。奈々子の部屋の窓から中に入り、奈々子が来て行為を終えるまでの間、洋服ダンスに隠れてじっと待った。
奈々子が鷲尾と一緒に部屋に来るが、なかなか寝室に行かずに話し込む。なぜなら、鷲尾は奈々子が麻薬取引が行われていることを捜査して欲しくて頼んだ潜入捜査官だったのだ。
本来、鷲尾はそのまままた部屋を出るべきだったのだが、奈々子の誘惑に負けて寝室へ向かう。ようやく洋服ダンスから出れた越智が隣の部屋に耳を澄ます。あまりにも激しい行為とその声に、越智は興奮と同時に憎しみのようなものが湧いてくる。奈々子は麻薬の件の口封じとは別にしても、殺害すべきだと越智は思った。
そして行為を終えた男が出て行ったのを確認した後、持って来たロープで奈々子の首を絞めて殺害。外は既に引き潮になっており、泳いで帰れないし、歩いて帰れば足跡が泥に残る。絶望していたところに、マスクを忘れたと鷲尾が部屋に入ってくる。
越智は部屋にあった果物ナイフで鷲尾を刺し、ズボンと靴を奪った時に警察手帳を発見し、その時刑事だと初めて気づいた。死体を何とか隠さなければと思った越智は、セーターは奈々子のものを奪って部屋を出る。そして二階へ向かい物置部屋にあるロープを使い、下にいる鷲尾にくくりつけ上に引き上げる。
鷲尾は二階の物置の衣装ケースのような箱に入れられて隠されていた。鷲尾が残したと思われる“トラ”の二文字の意味、それはパーティーにいたトランペット奏者が麻薬を持っていると睨んでのことだった。
NHK BSドラマ『華やかな野獣』の感想
前回の『貸しボート十三号』が青春時代の過ちのような話なら、こちらはエロティックな狂乱が繰り広げられる話となります。
画面では一切、裸は出てこないので放送上は問題ありませんが、読み上げられる内容は官能小説のようなエロ話です。もちろん、ドラマ内に直接的な言葉はありません。この物語はトリック部分の話もちゃんとあるのですが、館でのパーティーが衝撃的なため霞みます。
さらに演出としてタランティーノ作品ばりに、ところどころ70年代~80年代の曲がかかります。自分だけかもしれませんが、そんな演出が入るせいで他に目が移りがちになります。