NHK【横溝正史短編集2|犬神家の一族】のネタバレと感想

スペシャルドラマ
記事内に広告が含まれています。

2020年2月1日にNHK BSで放送されたドラマ【シリーズ・横溝正史短編集2 金田一耕助踊る!】の第3話『犬神家の一族』のネタバレと感想をまとめました。

長編の犬神家をどうやって30分の枠に収めて放送するのか?『30分でわかる犬神家の一族』は本当に30分で分かる内容だったのか?

【横溝正史短編集2|犬神家の一族】の見逃し配信はU-NEXTのNHKオンデマンドでも視聴できます。
現在31日間無料トライアルキャンペーン中です。
本ページの情報は2020年2月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

スポンサーリンク

NHK BSドラマ『犬神家の一族』のネタバレ

佐清・佐武・佐智・若林殺害犯

犬神松子

動機

古館弁護士の助手である若林を殺害して遺言書の写しを取った。そして復員してきた佐清(実は青沼静馬)の顔が酷かったのでマスクを被せたが、珠世は明らかに佐清に気持ちがないのが分かった。そこで、佐武と佐智を殺害することに

邪魔者はいなくなったので珠世に結婚を申し込むよう佐清に言うと、自分は青沼静馬であり珠世とは叔父と姪の関係であるから結婚ができないと告白する。驚きと同時に怒りを覚えた松子は、帯締めで首を絞めて静馬も殺害した

金田一の推理

佐清が現れたと聞きつけて金田一は駆けつける。佐清はすべて自分がやったと自供するが、それは不可能だと金田一は言い誰かをかばっていると指摘する。かばっている相手は母親の松子だと言う金田一、松子がやったことはすべて佐清のため、だから犯人だと名乗り出られては意味がないと言う。

佐武の首を切り落としたり、佐智の死骸を豊畑村に運んだのは佐清であろうと金田一は推理する。そこから佐清が自らの口で語り始める。

佐清が匿名で復員した時、犬神家で遺言状が読み上げられたというニュースの記事を目にする。何者かが犬神家に自分の名を語って乗り込んでいるとそこで知る

ビルマにいた時に佐清と静馬は顔が似ていると評判になり、会って話をするところだったが、佐清の部隊は全滅したと聞き静馬は身代わりになろうと決心する。

新聞記事には偽佐清がマスクを被っているという話はなく、すぐに入れ替われると佐清は思っていた。しかも静馬はあのていたらくで、今後どうするかを話し合っていたところ、松子が佐武を殺害するところを目撃してしまう

それ以来、静馬と佐清の立場は逆転し、珠世と結婚するから身を引けと静馬は佐清に告げる。言う事を聞かないと母親が殺人犯だと告発すると脅迫してきた。佐清は従うしかなく、静馬の持って来た日本刀で佐武の首を切り落とす

さらに手形の照合をさせるため、マスクを被って一日だけ入れ替わるよう命じられ佐清は手形を押した

佐清は豊畑村の空き家にいたところ、佐智が拉致した珠世と淫らな行為に及ぼうとしていた。佐清は佐智をやっつけて椅子に拘束し猿蔵に電話をし、珠世を引き取りに来るよう告げる。

ところが、静馬と話をしていたところに佐智が戻って来た。不意に暗闇から伸びる手が佐智の首を絞めまたもや松子が殺害する。静馬に元々拘束していた場所へ戻せば、そこで死んだように見えると言われ佐清は佐智の遺体を運ぶ。そしてその足で東京へ行ったのだった。

弁護士助手の若林に命じて遺言状の写しを取った松子は、その内容を見て怒りを覚えた。珠世が死んだら佐清よりも静馬のほうへ多く遺産が渡る、珠世を殺したら静馬へ行ってしまうという巧妙な遺言状だったからだ。

元々珠世は佐清に思いを寄せていたので松子は自信があった。しかし、復員した佐清(静馬)の顔は酷い有様だった。マスクを被せてみたものの、珠世は嫌悪を感じているようだった。

何とか佐清と結婚させるため、松子は佐武と佐智の殺害をする。松子はまるで技巧をこらしていなかったのに、静馬と佐清の二人が事後に犯跡を無くし技巧をこらしていたのだった

これで珠世と一緒になれるかと思ったら、珠世は実は佐兵衛の孫だと分かり、静馬とは叔父と姪という関係性のため結婚できないと自ら告白する。息子に成りすましていたのが憎き菊乃の息子静馬だと知り、怒った松子はそのまま静馬を殺害したのだった

犬神家ネタバレまとめ

  • 佐清に成りすましていたのは、青沼菊乃の息子である青沼静馬
  • 松子はそれを知らず、佐清と珠世を結婚させるために佐武と佐智を殺害
  • 殺害後、遺体に技巧をこらしていたのは佐清と静馬だった
  • 珠世が実は佐兵衛の孫だと分かり、静馬とは結婚できなくなってしまう
  • 静馬がそのことを松子に言うと、静馬のことも殺害した
スポンサーリンク

NHK BSドラマ『犬神家の一族』の感想

何度もドラマ化されている作品な上に、原作に忠実にやる本作の場合、物語の話自体は特別変わりません。ただ、映像が明らかに他の作品とは違い舞台演劇のようでした

佐清のマスクはおなじみの白いゴムマスクではなく、本当に顔そっくりに作った大きなかぶりものでした。殆どの場面は舞台のように登場人物が一つの画面に収まり、遺体も故人もそのまま同じ場所にいます

そのため、語ってどんどん話を進めていくので展開が異常に早いです。今話していた佐武が、いきなり死体に変わったりします。30分で犬神家の一族が分かるかといえば分かりますが、テンポが速すぎて頭が混乱するかもしれません。話を元々知っている人ならそういったことは気にせず、画面に集中して演出を楽しめたかと思います。

30分に長編を収める試みも悪くはありませんが、横溝作品でまだ映像化されていないものがたくさんあるので、そういう話を見せてくれたほうが自分は嬉しかったです。

初めてこの物語を見た人は30分のわりに登場人物が多いので、もしかしたらついていけないかもしれません。

次のページ■遺言状の内容と今回のトリックについて

タイトルとURLをコピーしました