今回の東京二十三区女は港区の女です。乗ったタクシーが目的地と違うところへ向かうのはなぜか?お台場を舞台にした怖い話となっています。
東京二十三区女概要
WOWOWプライムで4月12日から毎週金曜の0時より放送されています。東京の裏側にある様々な話を、各区ごとに解き明かしていくことで、想像を絶する恐怖に襲われてしまうホラーミステリードラマになっています。
キャスト
- 原田璃々子(島崎遥香)
- 島野仁(岡山天音)
スタッフ
監督・脚本・原作:長江俊和
第4話ゲスト
- 壇蜜
- 大西信満
- 竹中直人
前回はこちら
あらすじ
「お客さん、お台場ってなぜ“お”を付けるのか、知っていますか?」服飾デザイナーの希恵(壇蜜)は不思議な問い掛けをする運転手(竹中直人)のタクシーに乗り込むが、その運転手は目的地に向かわずに夜の港区の各地を徘徊する。そして、走馬灯のように希恵の人生がよみがえる。一体なぜ、目的地にたどり着けないのか……。次第に明らかになる、希恵の残酷な真実と衝撃の結末とは!?
公式HPより引用
ネタバレ
感想
今回題材となった場所はお台場でした。お台場の砲台があった場所そのものというより、お台場辺りの海の話となっております。お台場はなぜ“お”がつくのか?そんな理由も劇中で教えてくれました。
お台場の“お”
かつて黒船が来た時に、お台場に迎え撃つために砲台が設置されました。幕府直轄の施設ということで、権威を示すために“お”をつけたということです。
他にも劇中では“お”をつけるものとして
- お城
- お殿様
- お茶の水
などを挙げていました。
他に地名で東京にはないかと思って探したところ、「お花茶屋」「御徒町」などありました。
御徒町の“お”は下級武士である御徒という、江戸城や将軍の護衛を勤める人が大勢住んでいたので、その名前になったという由来です。
よってお台場と同じ“お”だと思います。
しかし、お花茶屋の“お”は違います。
かつて八代将軍吉宗が、腹痛に襲われた時、茶屋の娘である「お花」が手厚く介抱したことに感動した吉宗が、この地を「お花のいる茶屋」として、お花茶屋にしたということです。お花すごいです。
お台場周辺の海について
あちこち埋め立てられているので、結構入り組んでいます。劇中では隅田川の河口から流れて来たものがよく引っ掛かると説明されています。
関東大震災と東京大空襲の際に、色々と流れてきたということも含めていっているようです。
関東大震災の時
関東大震災のときは、お昼に起きたことが原因で、火の手があちこちから上がり焼け出された人が多かったようです。
中でも現在横網町公園となっている陸軍被服廠跡地は、方々から焼け出された人が集まったところに火災旋風が巻き起こり3万8千人が犠牲となったそうです。そう思うとここを舞台にしてもよかったのではないかと思いますが、ここは港区ではなく墨田区でした。
この公園の中に震災と空襲の犠牲者を供養している慰霊堂があります。自分が行った時には誰もおらず、ゆっくり見れるのはいいですが逆に心細くなったことを思い出しました。
隅田川沿いでこの火災旋風が何ヶ所か起きたようで、川に飛び込んだ人も多かったのかもしれません。
この辺りの詳細は検索すると、実際の被害の写真も残っております。筆舌に尽くしがたい光景でした。
東京大空襲について
日本は木造家屋が多いということで、通常の爆弾ではなく焼夷弾という燃やすための爆弾が大量に落とされました。
言問橋という隅田川にかかる橋があるのですが、ここが浅草方面で焼け出された人たちと、橋の逆側である本所方面で焼け出された人が、橋の上でお互いに右往左往してしまいます。そこへまた焼夷弾が落ちてきたり、震災でも起きた火災旋風が起きたもので、川に飛び込む人も続出しました。
この時、3月ということもあって、川に飛び込んだ人は凍死し、橋の上にいた人は焼死体となったそうです。
そしてこの橋の親柱は一部未改修のため、現在も空襲の際に橋の上で焼け死んだ人の血液や脂が焼きついて残っています。またこの近所にある隅田公園には、この空襲での犠牲者を追悼する慰霊碑があります。
以上のことがあったため、隅田川から流れてきた怨念がお台場に溜まるということなのかもしれません。
白金トンネル
こちらは有名な心霊スポットとなっています。
なぜそんな噂が出るようになったのかといいますと、トンネル内が緩いカーブになっていて、事故がどうしても起きやすいというのはもちろんあります。
事故が起きやすいだけで心霊スポットになることもあるのでしょうが、やはり心霊スポットとはちょっとした物語というのがあるとなりがちです。
ここは以前旧日本軍の衛生材料廠の後、旧日本海軍大学校となり、その後が心霊の話題になる原因となる国立予防衛生研究所となります。この予防衛生研究所というのはその名の通り、色々な細菌やウィルスの研究がされています。その結果「人体実験をしていたのではないか」とか、妙な噂が立ったのもなんとなく想像できます。
よって、このトンネルには幽霊が出るという話になり、事故が起きるとなおさら幽霊のせいだとなるのだと思います。
ちなみに現在は新宿区戸山に移り、国立感染症研究所と名前も変わっています。
心霊タクシー
最初は希恵が夫を殺したのかと思いきや、実は希恵が死んでいたという流れになります。しかし、希恵は生きていて、夫が実は死んでいます。このタクシーの運転手自体、生きているのか死んでいるのか、正直わかりません。
ただ、タクシーの運転手は「お客様を目的地に送り届けるのが仕事」ということです。
一回目に乗ったときは死に掛けていたので乗りはしたものの、結局生きています。
二回目に乗ったときは、お台場の“お”の話をしますが、知っていると希恵が答え、そうでしたねと運転手もいいます。
そしてタクシーの扉に書かれている文字は「ジョーイム交通」です。ジョー仏交通→成仏(じょうぶつ)交通と読めます。
まとめ
今回は港区にある心霊スポットをいくつか巡るという話でした。お台場は港区ですが、隅田川からの怨念が流れてくるということになると、墨田区や台東区の話でもいいんじゃないのかと思いますが、お台場が行き着く先ということなのでしょう。