ラジエーションハウス 7話ドラマ感想 格好悪いのに格好いい男軒下

最後にスポットライトが当てられたのは軒下でした。初回から存在ありまくりな軒下をさらにクローズアップすると、やっぱり存在感のある良いキャラだと改めてわかりました。中学時代の再現も俳優さんご本人の熱演で、違和感なく演じていたのが面白かったです。

ラジエーションハウス概要

月曜21時からフジテレビ系で放送している「ラジエーションハウス」は、放射線技師という立場から「視えない病」を見つける医療ドラマとなっています。

キャスト

• 五十嵐唯織（窪田正孝）
• 甘春 杏（本田 翼）
• 広瀬裕乃（広瀬アリス）
• 軒下吾郎（浜野謙太）
• 威能 圭（丸山智己）
• 悠木 倫（矢野聖人）
• 黒羽たまき（山口紗弥加）
• 小野寺俊（遠藤憲一）
• 辻村駿太郎（鈴木伸之）
• 鏑木安富（浅野和之）
• 大森 渚（和久井映見）

スタッフ

• 原作：「ラジエーションハウス」（原作：横幕智裕・漫画：モリタイシ）
• 脚本：大北はるか
• 音楽：服部隆之
• 主題歌：MAN WITH A MISSION 「Remember Me」（ソニー・ミュージックレコーズ）
• プロデュース：中野利幸
• 演出：鈴木雅之・金井紘・野田悠介・関野宗紀

7話ゲスト

松本若菜・篠原篤・穂志もえか・小松和重・山崎画大・藤井仁人・住友沙来・兵頭秀明

前回はこちら

あらすじ

唯織（窪田正孝）がきてから変わりつつあるラジエーションハウスのメンバー。その日は、初めてひとりで当直をすることになり、不安で一杯の裕乃（広瀬アリス）。しかも、緊急時に備えて待機するオンコール担当は軒下（浜野謙太）。頼りにならない軒下にさらに不安を覚える裕乃で……。

そんな折、乳腺外科に、軒下と中学時代の同級生だった蛭田真貴（松本若菜）と志朗（篠原篤）夫妻がやってくる。人間ドックで真貴の胸にしこりが見つかり、マンモグラフィ検査を受けに来たのだ。軒下と再会した真貴は、彼が卒業アルバムに将来の夢は医者と書いていたのを覚えていた。初恋の相手の真貴から、「夢を叶えたんだね」と言われ、本当のことが言えない軒下。

真貴のマンモ画像を読影した杏（本田翼）は、唯織にも意見を求め、悪性の疑いがあるため超音波検査が必要との診断を下す。それを見ていた鏑木（浅野和之）は、杏は技師に甘えていると指摘する。技師には技師の役割があり、一線を越えることは、唯織の首を絞めることになる、というのだ。

再検査が2ヵ月後になると知った志朗は軒下に医者として検査を何とか早められないか、泣きつく。しかし、特別扱いはできないと答えるしかない軒下。それでも諦めきれない志朗は、通りかかった唯織に声をかけ、事情を説明した。真貴は自分の人生のすべて、という志朗の言葉に強く共感した唯織は、杏に相談。だが、鏑木の言葉を思い出した杏は、患者を救うのは医者の仕事だと返し……。

公式HPより

感想

最初に技師長で始まり、最後に軒下を持ってきたシリーズですが、軒下が最後で大丈夫なのか？そんな不安を見事に吹っ飛ばす、軒下こと浜野謙太さんの好演でした。学生時代の再現から女性の前での格好つけ、そして後輩の前でドヤる軒下。格好悪いのに格好いい、非常に愛すべきキャラクターです。

軒下吾郎とは？

どうやら裕乃は軒下のことをいい加減な先輩だと思っているようです。お調子者で適当、いざという時に頼んでも大丈夫なのかと当てにしてません。そんな軒下とはどんな人物でしょうか？

いい人なのか悪い人なのかわかりづらいです。モテたいのかと思いきや、嘘を突き通すことはなく、ちゃんと謝ります。裕乃に「人生を左右する出会いだ」とコールするなとばかりに言いますが、ちゃんと酒を飲まずに備えます。暴れる患者が手を上げると、ちゃんと裕乃をかばいます。そして診断の指導をその場でします。

そんな軒下ですが、裕乃以外のメンバーはみんな彼を認めています。たまき、悠木、威能は口を揃えて「コールされれば来るに決まってる、軒下なのだから」といいますし、唯織も「コールに軒下さんがいるから大丈夫」と初当直で不安な裕乃にサラっといいます。そして技師長は「今まで写真見てわからなかったか？あいつ技術者として一流だぞ」といいます。

いざという時にはちゃんとやる、一流の技術者です。外面ばかりよくて、いざという時に頼りにならない人ではありません。格好いいのか格好悪いのかでいえば、外見は格好よくないかもしれません。しかし冒頭で技師長が言うように「男の価値そんなもんじゃ測れねえぞ」ということです。

また、中学時代を浜野さんご本人で再現しますが、全く違和感ありませんでした。ある意味すごいです。

唯織の謎

実は医師免許を持っている唯織ですが、院長以外には内緒にしています。なぜなら技師としてこの病院に勤務することを選んだからです。その理由は子供の時の約束である、杏が医者になってそれを手助けするという約束を守りたいからです。

しかし、放射線科医の権威であるピルス医師からのメッセージが、唯織のタブレットに届いていたのを見た技師長は、置いてあったピルス医師の本を手にして調べ始めます。そしてラストシーンで唯織に聞きます。「お前何者なんだ？」と。そこにはピルス医師と一緒に写っている唯織の写真がありました。「memberes of pilles laboratory」と書かれた写真で、唯織がピルス医師の研究室メンバーだったことが証明されます。

医師免許を持っているのに技師をするのは恐らく違法ではないと思うのですが、免許なく医療行為は再三ドラマで言われているように違法です。唯織が医師免許を持っているというのを杏が知ったら？杏の性格上、きっと馬鹿にされたと思いそうです。

前回もフラグ立っていましたが、恐らく唯織はいつかどうしても救いたい患者が来て、自ら医療行為をするのではないか？しかし、せっかく杏との距離が縮まりつつあるのに、これが原因でまたしばらく離れそうな予感です。

その他気になったこと

ドラマの補足

CSLとは？

ドラマ内で悪性腫瘍かと思っていたら、良性のCSLというものだったとわかり安心する蛭田夫妻です。ではこのCSLとはなんなのでしょうか？

Radial Scar(放射状瘢痕)の種類で大きな病巣だとComplex sclerosing lesionと呼ばれ、その頭文字を取ってCSLといいます。劇中でも言っていたように、腫瘍として間違えられることがよくあるようです。ただし、コアがないため悪性腫瘍ではないとドラマでは言っていました。

調べてみたところ、まれに癌を合併することがあるそうで、50歳以上で大きさが6mm以上だとリスクが大ということです。ドラマでも言ってましたが、検査を待つ間の精神的負担を減らすもので、「癌ではないから検査しなくていい」ではありません。蛭田夫妻はあの後、恐らく超音波の検査はすると思われます。

下記HPには良性と悪性の区別が難しい例が載っています。細胞等の写真が掲載されているので、苦手な方はご注意ください。

参考HP：悪性腫瘍類似の良性乳腺疾患

検診難民とは？

ドラマで蛭田夫妻は検査に2ヶ月待たないとならないと言われます。その間ガンが進行してしまったら、他の病院を当たってみても同じように待たされる、と不安に駆られます。唯織いわく日本の医療の現状では今すぐどうにもできないといいます。

どうやら一般的には“検診難民”というと、検査を受けたくても受けれない、無職の若者とかを指すようです。今回のドラマの場合は少々意味合いが違い、検査を受けたが次の検査を受けるのに時間がかかるといった感じです。検査を全く受けれないと、全ての検査が終わるまで時間がかかる、という違いがありました。

最初からCTなり細胞を取って検査なりすればいいじゃないかと思いますが、CTなどは高額な医療機器なのでどこにでも置いてあるわけではないのが現状です。また細胞を取るとなると、部位や場所によっては患者の負担も増すというのもあるのかもしれません。なので、まず簡単な検査から始めてという手順になるのも理解できます。。
しかし、以前のラジエーションハウスの回でもあったように、マンモでは写らないが超音波では写ったなんてこともあります。まだまだ改善の余地がある検査方法だとは思います。

まとめ

今回のラジエーションハウスは面白かったです。個人的に軒下のような“皮肉屋”なキャラは人間味があって好きです。どうしても美男美女、完璧な人間が物語には出てきがちですが、こういった軒下のようなキャラがいることで、他が引き立つと思います。愛すべき良いキャラクターだと思いました。次回からは誰かにスポットライトが当たる話ではなくなるのか？楽しみに見て行きたいと思います。