3月15日からWOWOWで放送開始した、ドラマ【オペレーションZ】のネタバレと感想をまとめました。
草刈正雄さん主演のこのドラマは、日本の財政破綻を食い止めるため、特別編成チーム“オペレーションZ”を結成し、国の歳出を半減するという無謀な政策に挑戦する物語です。
ドラマ【オペレーションZ】1話のあらすじ
帝国生命保険が取り付け騒ぎになり、1兆円の国債を売却するという事態になる。梶野総理(きたろう)は日銀に国債を買わせようとするが、海外のヘッジファンドの餌食になると言って江島副総理(草刈正雄)は反対する。残された短い時間の中、江島は国債の買い手を探し出す。危機的状況はひとまず回避した。
物価の上昇が止まらないため、梶野総理は病気を理由に辞任する。そこで江島に白羽の矢が立ち、総理大臣に就任が決定した。
その頃、『デフォルトピア』という新聞連載小説が、“予言の書”だという話題になっていた。日本はこのまま財政破綻してしまうのか?財務省の周防(溝端淳平)、中小路(高橋メアリージュン)ら4人の官僚が勉強会に召集される。そこで江島は大胆な政策を打ち出す。
ドラマ【オペレーションZ】1話のネタバレ
帝国生命ショック
- 帝国生命磐田支社で保険解約の取り付け騒ぎが起きる
- 事の発端は保険外交員が自社の経営が危ないと、得意先にメールや電話をしているという話がSNSで拡散された
- 帝国生命は1兆円分の日本の国債を売却しようとする
- 梶野総理大臣は日銀に国債を買わせようとするが江島は反対する
- 海外のヘッジファンドが空売りや売り浴びせをしてくるという理由からだった
- 江島は国債の買い手を見つけ、スイスのヘルベチカ銀行と交渉する
- 当初は断る銀行だったが江島の説得もあり国債を買うことに合意した
- こうして帝国保険ショックは何とか最悪の事態を免れた
江島総理誕生
- 帝国生命ショックから2週間後、物価の値上がりが続いていた
- 1ヶ月後、持病が悪化したという理由で梶野総理は辞任する
- 党が改革を一枚岩で支援するという条件をつけて、江島が総理を受ける
- 財務省に戻った周防と出会った江島は“篤志”と下の名前で呼ぶ
- いずれ一肌脱いでもらうことになると、周防に声をかけた
デフォルトピア
- 新聞の連載小説『デフォルトピア』が話題になる
- 帝国生命ショック以前に書かれた内容から、“予言の書”と言われていた
- 3ヶ月前、周防は『デフォルトピア』の作者桃地と会合していた
- 桃地は末期の肺がんに冒されており、“遺言”として書きたいと周防に協力を求める
- 桃地はその後、周防に“建白書”として、政府の歳出削減案を周防に渡す
- 大胆な内容を見て驚く周防、百人村という村の話を聞かされる
ゼブラリポートの存在
- IMFから戻ってきた中小路と周防が会って話をする
- “ゼブラリポート”というIMFがまとめた日本の財政破綻を回避するためのものがある
- 中小路は帰国の際に、ソフィアから親書を預かり江島にそれを渡す
- ゼブラリポートをもっと早く渡せばよかったと、ソフィアは言っていた
- 総理がG20から帰国後に勉強会があると、周防と中小路は土岐から連絡をもらう
- G20で予定にない米ウィリアム大統領との会話に江島の表情が変わる
オペレーションZ結成
- 勉強会に出るため、周防と中小路は首相官邸へ向かう
- 土岐と根来も勉強会に参加し、ゼブラリポートが配られる
- 来年度の予算は既に決まっていて手がつけられないので、再来年度の予算をやる
- 江島はG20で「これ以上、財政赤字を増やさない改革を断行して欲しい」と大統領に言われた
- 内政干渉だと反論が出るが、日本の財政破綻は世界経済に影響するという理由からだった
- IMFも日本の財政を懸念していたからゼブラリポートを寄越した
- ソフィアの親書には「火薬庫は1つでいい」と書いてあり、日本以外に危険水域にある経済大国があることを示唆していた
- その国の名前は“C”とだけ書いてあった
- 再来年度の予算で歳出を半分にするための組織を“オペレーションZ”と名づけた
- “Z”はもう後がないという意味だった
ドラマ【オペレーションZ】1話の感想
経済に全く興味がない人が見たら、意味不明な話だったかもしれません。それでもなんとか分かりやすく説明しようとしている工夫はありました。例えば冒頭の大学での授業や、周防の妻の例え話などです。
簡単にこのドラマを説明すると、借金が沢山あるのに収入は少ない。このままじゃ破綻するから、大幅に支出を減らそうという内容です。
このドラマ内では日本の国債についての解釈が実際とは違う部分があります。ドラマはあくまでドラマとして、もし日本がデフォルトしたらどうなってしまうのか?という、危機的状況の疑似体験をするものとして視聴していきたいと思います。
意図せず現在、新型コロナウィルスの影響で世界的に経済が不安定です。結果としてタイムリーな内容になっています。何事も危機感を持っているのは悪い事ではないので、色々考えるいい機会になるかもしれません。
ドラマ【オペレーションZ】1話の補足
チャーチルの言葉
和訳:血と苦労、汗と涙以外に捧げるべきものを私は持たない
英文:I have nothing to offer but blood, toil, tears, and sweat.
イギリスの首相ウィンストン・チャーチルが、初めて首相の座に就いた1940年5月の就任演説から引用したもの。
カジノバン
“梶野式金融ビッグバン”の略。主に銀行や保険や証券の規制緩和を推し進める。
桃地の建白書
政府への建白書として桃地が書いた、歳出大削減案。
- 介護は国がやるな。年金で足りない部分は補填するな。
- 公務員半減
- 国会は衆議院だけでいい
- 道州制への移行と市町村の廃止
- 国から自治体制度への補助金の廃止
百人村
山梨にある財政破綻した村。その後、悪い事ばかりでもなかった。
- 村が介護サービスをやめたら、村人たちで運営する介護サービスができて新たな雇用が生まれた
- 病院もなくなったが、近隣の市町村から送迎バスがくるようになった。かえって病院の選択肢が増えた
- 議会も廃止したが、役場と地元代表が相談して色々決めている
ゼブラ・リポート
IMFが日本の財政破綻を回避するためにまとめたもの。年金30%カット、預貯金の30%以上没収、消費税20%などが提案されている。
ドラマ【オペレーションZ】1話のまとめ
日本の財政破綻が世界恐慌を巻き起こす。だからアメリカやIMFも干渉してくるという始まりでした。財政破綻を阻止するために精鋭を集めて結成されたのが、“オペレーションZ”です。
様々な歳出削減案を出しては、政治家とやりあう感じの展開になり、最終的に可決されるのかどうなのかというところがポイントになりそうです。
ドラマ内で言う財政破綻について、周防の妻が言う例えが分かりやすいです。「つまり、1億以上の借金があるのに、500万の収入で年間1千万を使う暮らしがやめられない人ってことか。そんなダメ夫とは即離婚よ」といいます。
政治や経済に全く興味がない人が見たらつまらないかもしれません。しかし、“知る”ことは何よりも自分の身を守ることになります。ドラマというフィクションであっても、考えるいいきっかけになりそうです。