【モンスター】2話のネタバレと感想|アイドルと盗作疑惑

2024秋ドラマ
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【モンスター】2話のネタバレと感想をまとめています。

アイドルの書いた歌詞が盗作だと訴えられる事案が発生し、アイドル本人に話を聞いてみると自分が書いたと主張する。だが、話を聞けば聞くほど、証明できるものは何もなかった。さらにはSNSで逆ギレ動画が拡散されてしまい……。

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【モンスター】2話のあらすじ

アイドルグループ「ハッピー☆ラビット」のメンバーである、シホ(なえなの)は新曲『僕の未来』の作詞を担当していた。しかし、シホが前に所属していた事務所の社長兼音楽プロデューサーの黒川正博(山中聡)から、盗作だと訴えられてしまう。

神波亮子(趣里)と杉浦義弘(ジェシー)は、依頼を受けて2つの歌詞を見比べてみた。あまりにもそっくりな内容な上、シホは歌詞を書き記したものを何も持っていなかった。

あまりにも不利な状況に、杉浦は引き受けるのをやめようとするが、亮子は依頼を引き受けることにした。

パクリ疑惑がSNS上でも話題になり、さらに間が悪いことに、シホがコンビニの店員に逆ギレする動画を拡散されてしまう。

事務所の社長もシホを信用せず、八方塞の中、亮子は勝ち筋を見つけることができるのか?

←1話3話→

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【モンスター】2話のネタバレ要約

歌詞の盗作で訴えられたアイドルのシホは、自分の歌詞だと主張するが、証明することができずにいた。

亮子はシホの過去に鍵があると思い、調べた結果、歌詞が書かれた高校の卒業アルバムを入手する。しかし、シホは整形がバレることを拒み、証拠の提出を止める。

そこで亮子は証拠として、歌詞と同じ風景の写真を撮ってきて、シホの正当性を認めさせて勝利した。

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【モンスター】2話の詳細なネタバレ

ファンの叫び

寺田晃司(本多力)が法律事務所に現れたのは、まるで嵐のようだった。彼は肩をいからせ、息を荒くしながら杉浦義弘(ジェシー)のもとへ向かう。杉浦はいつもの冷静さを保ちながら、寺田を迎え入れ、椅子に腰を下ろすよう促した。

「3か月前に『ハピラビ』のライブDVDを予約したんです。お金も払ったのに、まだ手元に届いていません。それでどうなっているのか、問い合わせただけなんです。なのに、突然出禁にされてしまったんですよ!」寺田は語気を強めて訴えた。

杉浦は手元のメモを確認しながら、穏やかな声で尋ねる。「何かトラブルがあったんですか?」

寺田は悔しげに首を振った。「いや、トラブルというわけじゃないんです。でも、昔から仲の良かったスタッフはみんな辞めてしまって、今の社長がクソで、どうしようもないんです」

「だから、出禁を解いてほしいんです!」寺田は目を鋭くし、杉浦に強く訴えた。だが、杉浦は冷静に彼の言葉を受け止め、「今は大人しくしたほうがいいんじゃないですか?」と提案する。

寺田は口を尖らせて、杉浦の頬に拳を軽く当てた。「こんな感じで軽く当たっただけなんですよ」と自分の行動を正当化しようとしたが、杉浦は少し厳しい表情を浮かべて言う。「それは『軽く当たった』というより、殴っているように見えますよ」

寺田は一瞬黙り込む。そして、ため息をつきながらぽつりとつぶやいた。「今日は、シホが作詞した曲のお披露目会だったのに……」

大草圭子法律事務所では、別の動きがあった。村尾由紀子(音月桂)が神波亮子(趣里)に声をかけた。「亮子さん、あなた宛に指名相談が入っていますよ」

亮子は目を輝かせ、すかさず反応した。「指名料を取ってみようかと思っていたところです」

それを聞いた所長の大草圭子がニヤリと笑い、「いくらにするの?」と尋ねた。

「5万円でどうでしょうか?」亮子はあっさりと提案するが、それを聞いた杉浦は目を丸くした。「初回30分の相談が5000円なのに、5万円は高すぎじゃないか?」

杉浦はさらに「そんなにお金が欲しいんですか?」と問いかける。亮子は肩をすくめながらこう続けた。「高く設定しておかないと、どんどん指名されちゃうんです。だから、抑止力ですよ」

杉浦はしばらく黙って亮子を見つめたが、亮子はさらに付け加えた。「それに、杉浦さんに回るはずの案件を、私が取っちゃうのも申し訳ない」

その言葉に、杉浦はため息をつきつつも、少し微笑んで首を横に振った。亮子の自信に満ちた姿は、まだ若手ながらも、確実に事務所内での存在感を増していた。

盗作疑惑

亮子のもとに、ハピラビの事務所の社長・益岡伸也(津村知与支)が現れた。亮子はいつもと変わらずカジュアルな服装のまま、聞くことにした。社長はシホ(なえなの)の過去について語り始めた。

「シホはうちに来る3年前まで、別の事務所にいたんです。そこの社長、黒川っていう男が、音楽プロデューサーもしていて……最近になって、シホに曲の歌詞をパクられたって言い出してるんですよ」社長は困惑した様子で話を続ける。

亮子は眉をひそめ、「具体的にどんな歌詞が問題になっているんですか?」と尋ねた。

「黒川が去年書いた『キミへの想い』って曲の歌詞と、シホが書いた『僕の未来』って曲の歌詞を見比べてみたんですが……どうも、かなり似てるんです」

亮子は静かに頷きながら、両方の歌詞を照らし合わせる。言葉選びやテーマに確かに類似点が多く、パクリと言われても仕方ないかもしれない。社長はすぐに弁解する。「でもシホは、パクってないって断言してますよ」

亮子は社長に向かって鋭い目で尋ねる。「シホさん自身がこの歌詞を書いたと証明できるものは、何かあるんですか?」

社長は一瞬、考え込むように沈黙し、「特にそういうものは、ないんじゃないかな……」と答えた。

「黒川さん側は弁護士を立てて、話し合いたいと言ってきているんです」と社長がため息をつく。

亮子はすぐに行動に移す決意を固め、益岡音楽事務所に向かい、シホ本人に直接話を聞くことにした。シホは少し緊張しながらも、真摯な態度で亮子に向き合った。

「この歌詞は、私が書きました」シホの言葉は自信に満ちていたが、亮子は念のためさらに質問を重ねた。「その歌詞が書かれたノートやパソコンは、今手元にありますか?」

シホは苦い顔をし、「ノートには書いたんですが、もう捨てちゃいました。曲として発表できた時点で、もう必要ないと思って……」

亮子は眉を寄せ、「いつ頃書いたんですか?」と聞いた。

「4か月くらい前です」シホは少し迷いながら答えた。

「何か、創作の過程が分かるようなものは残っていませんか?」亮子はさらに踏み込んで質問するが、シホは申し訳なさそうに首を振った。「すみません」

「黒川さんが書いた『キミへの想い』については、知っていましたか?」と亮子が尋ねると、シホは即座に首を横に振った。「知りませんでした」

その瞬間、社長が軽く口添えする。「全然売れなかったのだから、知るわけないじゃないですか」

だが、その言葉を聞いた亮子の心には、一抹の疑念が浮かんだ。全く知らなかったはずの曲に関して、あまりにもはっきりと否定する様子が、かえって怪しく感じられたのだ。社長の言葉は一見シホを擁護しているようで、どこか不自然だった。亮子はその疑念を胸に抱きつつ、次の手を考え始めた。

盗作の常連?

事務所に戻った亮子は、デスクに座りながら今回の案件について考えを巡らせていた。シホの主張には確かに自信があったが、証拠がなければ法廷での戦いは厳しい。そんな時、村尾洋輔(宇野祥平)が思い出したように口を開いた。

「益岡音楽事務所って、ちょっと前にも盗作騒動があったんですよ。『ハピラビ』のポスターデザインが『BADPOP』のツアーのデザインに似てるって、ネット上で騒がれてたんです。ただ、訴えられたりはしなかったんですけどね」

亮子はその話に耳を傾け、何か見落としているかもしれないと考え始めた。杉浦も何か思い出したように言葉を付け加える。「この間来た寺田も、ハピラビの社長がクソだって言ってました。俺も絶対ヤバいと思いますよ」

杉浦は軽く肩をすくめながら、真剣な口調で続けた。「これ、引き受けないほうがいいやつだ」

しかし、その言葉を聞いた亮子は目を輝かせ、逆にこう返した。「じゃあ受けます」

数日後、事務所でシホと黒川正博(山中聡)、そして両者の弁護士が顔を合わせた。テーブルを挟んで、緊張感が漂う。黒川はため息をつき、シホに向かって言った。「シホ、俺は悲しいよ……。こんな形でまた会うことになるなんて」

その言葉にシホは無表情で返事をするが、黒川の弁護士、田中(板垣雄亮)がすぐにシホのプロフィールを取り上げ、彼女の年齢や出身地についてプロフィールも嘘だらけだと突っ込み始めた。

「作詞したのが本当にシホさんなら、その事実を証明できる他の人はいますか?」田中の質問に、シホは一瞬ためらった。

「すみません」彼女はぽつりと答えた。

「どういう意味ですか?」田中が追及する。

「いません……」シホの声は小さく、部屋の中の緊張が一層高まった。その答えに、黒川の弁護士は肩をすくめて呆れた様子を見せる。「これでは、話し合いになりませんね」

黒川たちはテレビの取材を受け、シホと益岡音楽事務所を著作権侵害で提訴したと堂々と語っていた。その様子をテレビで見ながら、杉浦は苛立ったようにぼやく。

そんな杉浦を横目で見ながら、亮子は立ち上がり、「出禁になった人の連絡先、わかりますか?」と彼に尋ねた。そして、そのまま急いで事務所を出て行った。

彼女の表情には、まだ何か重要なピースが残っているという確信があった。出禁になった人との接触が、この謎を解く鍵となるかもしれない。

逆ギレ

SNSではシホが盗作したという噂が瞬く間に広がっていた。ファンの間でもその話題で持ちきりになり、寺田は苛立ちを隠せない。そんな中、彼は他のファンたちに向かって声を張り上げた。「俺たちが信じてやらないでどうするんだ!」

その時、亮子たちが姿を現した。彼女は冷静に寺田に近づき、頭を下げて頼み込んだ。「すみません、事務所を辞めた運営スタッフと連絡を取ってもらえませんか?」

しかし、寺田は即座に冷たい口調で答えた。「はい、できません」彼の表情は頑なで、亮子の申し出を一蹴する。

「君たちは益岡社長に雇われている。けど、ファンは誰も社長を信用していない。だから、杉浦弁護士も信用できるわけがない」寺田の言葉には、ファンの間にある不信感が滲んでいた。

寺田は一瞬亮子を睨み、「シホの味方だっていう証拠を見せてくれないか?」と挑戦的に尋ねた。その言葉に、亮子は一瞬戸惑いを見せた。シホを守るために動いているはずの彼女が、いまいち信頼を得られない現実に直面していた。

その後、亮子は公園で城野尊(中川翼)と話していた。亮子はシホに関して新たな事実を打ち明ける。

「実は彼女、本当は22歳なの。でも、23歳って偽ってる。普通若く言うのになぜ1歳上にしてるのか不思議。しかも、出身地についても絶対に話さないし、シホって名前も本名じゃない」

その情報は、亮子にさらなる疑念を抱かせた。シホが何かを隠しているのは間違いなかったが、それが今回の騒動にどう関わっているのか、まだつかみ切れていなかった。

事務所に戻ると、由紀子が青ざめた表情で駆け寄ってきた。「亮子さん、大変なことになっています!ネットでシホさんがコンビニの店員に怒鳴りつけてる動画が拡散されてます」

亮子は驚いてその動画を確認した。動画には、シホが激高して店員に「謝って」と詰め寄っている姿が映し出されていた。店員が「パクったくせに…」と冷静に言い放つと、シホは逆上したように叫んだ。「だったら何だよ!謝れよ!」

その瞬間がネット上で広まり、シホは逆ギレしているように見られていた。そして、その動画はすでに拡散され、多くの人々の目に触れていた。

亮子は状況が悪化しているのを感じながら、次の一手を考え始めた。

AIに書かせた?

亮子は寺田に直接会い、元スタッフの連絡先を何とか手に入れた。その後、カフェで元スタッフの野中(永澤洋)に話を聞くことができた。スタッフは3か月前に事務所を辞めたばかりで、3年間事務所に勤めていたという。

「シホの出身地、知ってますか?」と亮子が尋ねると、元スタッフは首を横に振った。「聞いたことはあるけど、シホは話したがらなかったんですよね。結局、どこ出身なのかは分かりません

亮子は続けて、以前に起きた盗作騒動についても質問した。「あの盗作騒動、どうして起きたんですか?」

スタッフは少し困ったように笑みを浮かべた。「実は、あれはAIに作らせたデザインなんです。パクリ元のデザインをAIに学習させて、それを元に作らせたんです」

事務所に戻ると、亮子は洋輔にその話を伝えた。洋輔は眉を寄せながら説明する。「AIが作ったもの自体は、著作権的には問題ないんです。ただ、学習に使った元デザインがある場合、それはグレーです」

杉浦はふと考え込んだ。「シホの歌詞もAIで作らせたものなんですか?」と問いかけるが、亮子は首を振る。「それは、わかりません」

再びカフェで、亮子は元スタッフにさらに話を聞いた。「シホは4ヶ月前に自分で歌詞を書いたと言っているんです」

それに対して、元スタッフの野中は静かに言った。「僕はパクってると思うよ。益岡社長がAIに学習させて作らせて、それをシホが作ったことにしてるんじゃない?」

事務所に戻ると、杉浦がため息をつきながら言った。「もしそれが本当なら、益岡社長がシホに嘘をつかせているってことになる」

「寺田には、どうやって証拠を見せたんだ?」と杉浦が尋ねた。

亮子は表情を変えずに「証拠は見せられないから誠意を見せた。杉浦先生はやらないようなこと」と答えた。

杉浦は半笑いで言った。「ふーん、俺がやらないような方法。それって、まさかお金とかじゃないよな?」

亮子はその質問に答えず笑みを返した。

一方で、シホの状況はますます悪化していた。SNSのフォロワー数は日に日に減少し、彼女のイメージは急速に崩れていった。

捨てた過去

亮子たちは社長に呼ばれ、緊張した空気の中でその言葉を待った。社長は一息ついてから、落ち着いた調子で提案を切り出した。

「ここらへんで手を打ってくれないか?」と社長は言った。だが、それは黒川に対する謝罪ではなく、世間に対してのものだった。

「どうだろう、『本当はAIで作ってました。ごめんなさい』って、謝るってのは?」その瞬間、シホは驚いたように社長を見つめた。

「学習はさせていないから、著作権侵害ではない。でも、シホに嘘をつかせてしまったのは申し訳なかった、ってことにしようか」社長はそう提案するが、シホも亮子も動揺していた。

亮子は冷静さを保ちながら社長に質問する。「それは、事実が含まれているんですか?」

社長は肩をすくめて、「全部ウソだけどさ」と、まるで冗談のように言った。その軽い口調に、亮子の目が鋭くなった。

「どうですか、シホさん?」と亮子が問いかけると、シホは強く首を振った。「嫌です、AIに作らせたことにするのは」その言葉には、シホの強い意思が込められていた。

それに対して社長は、ついにその本音を口にした。「無理があるだろう、あれだけそっくりでパクってないっていうのは!」その瞬間、シホは唖然とし「どういう意味ですか?」と問い返す。

亮子はそのやり取りを見て、思わずにやけてしまった。社長は最初からシホを信じてなかったのが明白だったからだ。シホは、言葉を発さずに席を立ち、そのままどこかへ行ってしまった。

事務所に戻った亮子と杉浦は、シホが無意識に他人の作品をパクった可能性について話していた。

「無意識のうちに、誰かの影響を受けてしまったんじゃないか?」杉浦がそう提案すると、亮子は黙り込んだ。

「私は嘘なんか……」シホは先ほど、そう言いかけたが、その後の言葉を最後まで言わなかった。亮子は、その未完成の言葉が気になっていた。シホが何を言おうとして、なぜ言えなかったのか――その答えを探るべきだと感じていた。

その夜、亮子はハピラビのライブ映像をじっと見つめた。ファンが撮影した映像の中で、シホの過去が垣間見えるような気がした。

「シホさんの捨てた過去を探す」亮子はそう自分に言い聞かせたが、何を探すべきなのかはまだ明確ではなかった。そのことを杉浦に突っ込まれると、「わかってるのに探して何が面白いんだよ?」と開き直った。

「本当にパクってないのか?」杉浦が真剣な表情で問いかけると、亮子は少し苛立ったように答えた。「パクってんに決まってんでしょ。2つの歌詞は、ほぼ同じなんだから」その言葉は冷たく響いた。

盗作の真実

夜、シホはふらりと街を歩いていた。疲れ切った彼女の背中は、重く垂れ下がり、足取りも重かった。すると、突然、後ろから声がかかる。「あの歌パクったの?うそついてるの?」振り返ると、見知らぬ男が迫ってきた。「嘘つき!」その言葉はまるでナイフのようにシホの胸に突き刺さった。

シホは驚き、足を速めたが、男は追いかけてくる。恐怖で胸が高鳴り、逃げようとするが足が重く動かない。絶体絶命の瞬間、そこに亮子が現れ、シホを連れて逃げた

男はそれ以上追いかけることはしなかった。男は城野だった。亮子がシホの本音を聞き出すために、一芝居打ったのだ。

事務所に戻ると、亮子はシホを迎え入れ、ピザを用意した。部屋に広がるピザの香りが、緊張感を和らげた。亮子は静かにピザをつまみながら、シホに問いかけた。「本当はパクったんじゃないの?黒川さんのほうが、シホさんの歌詞を」

その言葉に、シホははっと息を呑んだ。言葉が出てこない。その時、事務所の扉が開き、杉浦がスマホを取りに戻ってきた。彼も会話に加わり、静かにシホの話に耳を傾けることになった。

シホは、黒川の事務所にいた3年前のことを思い出しながら話し始めた。「当時、誰か歌詞を書かないかって話があって……。それであの詩を黒川さんに渡したら、人生の応援歌ではなくラブソングにしたいからって、却下されたんです。それが3年前のことでした」

亮子と杉浦は頷きながら、さらに話を促した。

「それから半年後に今の事務所に移って、今年になってまた『誰か詩を書かないか』って話が出たんです。私は、黒川さんに却下されたあの詩を益岡社長に渡しました。そしたら『これでいこう』って話になったんです

シホは続けて「黒川さんが私の詩をちょっと変えて、1年前に発表していたのは本当に知らなかったんです」と話した。

「じゃあ、なんで4ヶ月前に作ったって嘘をついたんですか?」と亮子が尋ねると、シホはため息をつき、苦しそうに口を開いた。

本当は、4年前……高校3年の時に書いたんです。でも、その頃のことは話したくなかった」

亮子は静かに頷きながら、「どこの高校に通っていたんですか?」と尋ねたが、シホは目を伏せた。「その頃のことは……話したくないんです。私は過去を捨てた。高校を卒業してから一度も帰っていません。母には会っていますが、もう地元に行くことはないと思います」

シホの声には、過去に対する強い拒絶が込められていた。「過去を捨てたのに過去に呪われてる。あの時書いた詩のせいで、こんなことになって。……あんな詩、書かなきゃよかった」悔しそうな顔をした。

「どうせ裁判に勝てないんだから、社長の指示に従ってください」シホはそう言いながら立ち上がった。

亮子はその言葉に反応し、厳しい目で問いかけた。「ほんっとにそれでいいんですか?」

シホは少し間をおいて、「謝罪会見もします。よろしくおねがいします」とだけ言い残し、事務所を後にした。

彼女が取るべき次の一手は、シホの決断次第だと思われたが、果たしてそれが正しい道なのか、まだ答えは見つかっていなかった。

シホの秘密

亮子は一晩中、ファンが撮影した映像を見続けていた。そして、ついに彼女の目にある人物が映り込んでいるのを見つけた。その人物にピンときた亮子は、城野に連絡を取り、居場所を突き止めてほしいと頼んだ。

数日後、亮子はその情報をもとに、勝浦へと向かった。

事務所に戻った亮子は、シホに報告を始めた。「デビュー間もない頃の映像に、違和感のある女性が映っていたんです。その女性を調べたところ、シホさんのお母さんでした。実は、そのお母さんに会ってきました。そして、シホさんが4年前に書いた詩も見つかったんです

その言葉を聞いて、シホは驚き、困惑した表情を浮かべた。亮子は続けて、「これで裁判に勝つ可能性はかなり高いです。シホさんがその詩を書いた証拠が揃っています」と自信を見せた。

しかし、シホは亮子の言葉に耳を貸さず、疲れた声で「証拠があってもなくても、AIに作らせたことにしてくれませんか?」と言った。

亮子はその言葉に戸惑いながらも、シホに問いかけた。「どうして?」

シホは顔を覆い、感情を抑えきれずに叫んだ。「人生が終わるからに決まってるじゃないですか!」

その言葉に、亮子は少し眉をひそめ、静かに反論した。「人生の応援歌なのに人生が終わるとか、まるでその詩に殺されるみたいな言いようですね」

シホは一瞬、目を伏せたが、何も言わなかった。

亮子は続けた。「いつかバレるんじゃないですか。早いか遅いかだけで。いっそのことバラシちゃえば、整形してるって」

その言葉に、シホは一気に表情をこわばらせた。「そんなことしたら、みんな離れてく。誰にも相手されなくなる…」

亮子はシホの内心に触れるかのように、その目を覗き込んだが、次の言葉が出なかった。シホが抱えている恐怖は、それほど深く根付いているように見えた。

シホの心には、まだ中学時代の傷が残っていた。昔、彼女はバレンタインデーに意を決してクラスメイトの男子にチョコレートを渡した。しかし、その直後、クラスメイトの女子たちは笑いながらこう言った。「ブスから渡された」

その言葉は、シホの心に深い傷を残した。それ以来、シホは自分の外見に対して強い劣等感を抱くようになり、今もその記憶が彼女を縛り続けていた。

譲れない思い

シホは静かに語り始めた。「高校を卒業して、この顔にしたら、人生があっという間に変わりました」バイト先ではバーベキューに誘われたり、街を歩いていたら黒川にスカウトされた。彼女はため息をつくと、冷静な目で亮子たちを見つめた。

「この顔になったからうまくいったんです。だってそうですよね。世の中顔じゃないですか。顔で人生決まるんですよ

その言葉には、長年シホが抱えてきた苦しみと焦りが滲んでいた。杉浦はその言葉の重みに圧倒され、何も言い返すことができなかった。

一方、亮子は静かにバッグから高校の卒業アルバムを取り出した。そして、冷静な口調でシホに言った。「この卒業アルバムに書かれた証拠の詩を出せば、シロになります。AIに作らせたことにしても、盗作をしたという疑いは晴れず、もやっとしたままグレーです。いいんですか?盗作をしたというレッテルを貼られたままで」

シホは亮子の言葉をじっと聞き、少しの間沈黙した後、ため息をついた。「はい。顔と歌詞、どっちかを選ばないといけないなら、顔のほうが大事だから。この顔になったあとの人生だけでいいんです。前の顔だったことも、前の顔で過ごした場所も人たちも、前の顔で書いた歌詞も、全部私の世界から消したいから」

シホの声には、確固たる決意が感じられた。

亮子は「ふーん」とだけ返し、何も反論しなかった。彼女は理解していた。他人の言葉ではシホを動かせないのだと。

杉浦は困惑した表情で問いかける。「盗作の疑惑を晴らすと整形を公表することになる。歌詞を守るか、今の顔を守るかどっちかしか選べないなんて。勝てるのに勝ちにいけないというのは、神波先生的にどうなのか?」

その質問に、亮子は少し思案した表情を浮かべたが、どこか冷めたように返した。「勝てるなら、勝つんじゃない?」

そう言い残して、亮子は無言のまま部屋を出て行った。

裁判開始

裁判当日、緊張感が張り詰めた法廷で、黒川は自分が『キミへの想い』の作詞者であると主張した。亮子はゆっくりと立ち上がり、黒川に質問を始めた。

「『キミへの想い』以降、他に作詞をされたことはありますか?」と尋ねると、黒川は少し戸惑いながら答えた。「売れなかったのもあって……特にないですね」

亮子はさらに問いかける。「ハピラビが歌ったあなたの曲がヒットしたことについては、どう思いましたか?」

黒川は冷めた口調で答える。「ヒットしたところで、盗作だろって思いましたよ」

「では、自分の才能が認められたとは感じなかったんですか?」と続けて質問する亮子に、黒川は首を振る。

「ハピラビが歌ったらヒットした理由は何だと思いますか?」と尋ねると、黒川は淡々と答えた。「たまたま曲が良かったか、たまたま人気が出ただけじゃないですか」

「その人気が出た理由は?」と亮子は詰め寄る。

「まあ、運とかですかね……」黒川は言葉を濁す。

「顔についてはどう思いますか?」と亮子が続けて問いかけると、黒川は少し戸惑いながら答えた。「顔は大差ないんじゃないですか」

亮子はその答えを受けて、「つまり、顔も似たり寄ったりということですね」とまとめた。その言葉を聞いて、シホは一瞬戸惑い、動揺した表情を見せた。

亮子は次に、歌詞に出てくる場所について質問した。「歌詞に出てくる場所は、どこですか?」

黒川は「それは想像上のものです」と答えた。

次に、亮子はコンビニでの映像について証人を呼んだ。証言台に立ったのは、現場にいた女性・しおり(山中志歩)だった。

「シホさんが怒っていた理由を教えてください」と亮子が尋ねると、女性は少し緊張しながら答えた。「店員の人が私に『早くしろよ、ブス』って言ったんです。それで、シホさんが『謝ってください』って言ってくれて……少し救われた気持ちになりました

しおりは続けて言った。「その後、動画が拡散されて初めて知って、申し訳ない気持ちでいっぱいになった……シホさん、ごめんなさい」しおりはシホに向かって深く頭を下げ、謝罪した。

傍聴席にいたファンたちも、その光景をじっと見守っていた。

そして、ついにシホの尋問が始まった。亮子は慎重に新たな証拠資料を提出した。それは、シホの故郷である勝浦の景色が映る映像だった

「この映像を見てください。歌詞に描かれた風景と一致する場所が映っています」と、亮子は法廷のスクリーンに映像を映し出し、歌に合わせて風景が次々と切り替わる。シホはその映像を見て、一瞬戸惑った表情を浮かべた。

黒川は想像上のものだと主張していたが、シホは実在する景色を元に書いていた。

「そして、この風見鶏が歌詞に出てきますが、この風見鶏は2年半前に撤去されています。つまり、シホさんは2年半以上前に、この景色を元に詩を書いたことになりますよね?」亮子の質問に、シホは深く頷き、「間違いありません」と答えた。

シホは少しの沈黙の後、決意を込めて「この歌詞は、私が書いたものです」と力強く宣言した。

「以上です」亮子はそう言い残して、ゆっくりと席に戻った。

シホの言葉には、彼女が長い間背負ってきた過去と、今の自分とを向き合う覚悟が感じられた。法廷は静寂に包まれたまま、次の展開を待っていた。

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裁判の結果

裁判に勝利した後、シホは亮子の元にやってきて、感謝の言葉を伝えた。「本当にありがとうございます。今頃『僕の未来』の歌詞が大切だってことに、やっと気づきました」

亮子は静かにシホを見つめ、少し間を置いてから言った。「分かってますよね。整形のことは何も解決していない。先送りしただけだってこと。先送りするほど、あなたの不安は大きくなるし、整形がバレた時にあなたに降りかかるものも大きくなる」

亮子はゆっくりと卒業アルバムを手渡し、「大切な歌詞。お返しします」と言って、その場を去った。

シホは立ち尽くしながら、手にした卒業アルバムの表紙を見つめた。アルバムを開き、中を覗き込むと、昔の自分と、かつてのクラスメイトたちの笑顔が映し出されていた。

ページをめくるたびに、シホの心の中に忘れかけていた記憶がよみがえり、自然と微笑みがこぼれた。あの頃、自分が書いた歌詞の純粋さや夢に向かう気持ちを、シホはようやく思い出していた。

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【モンスター】2話の結末

カフェの一角で、シホは静かにノートを開き、新しい歌詞を書き留めていた。彼女の顔には穏やかな表情が浮かんでいる。だが、ふと気になり、スマホでSNSをチェックすると、またもや顔に対する批判が飛び交っていた。だが、シホは以前とは違い動じてなかった。

代わりに、膝の上に置いた卒業アルバムを開き、過去の自分と向き合った。アルバムの一ページには、かつて書いた歌詞の跡が残っていた。「未来の私へ。いつだって応援してるよ! 元木麻実子」と書かれたそのメッセージを見て、シホは自然と微笑んだ。過去の自分に背中を押されているような気がした。

事務所では、新曲『始まりのラブソング』が流れる中、みんながその映像を見つめていた。シホの歌詞とともに、新たな章が始まろうとしていたのだ。

そんな時、杉浦の元に寺田から動画ファイルが送られてきた。杉浦が不思議そうにファイルを開くと、画面に映し出されたのは、亮子がシホになりきって歌い、踊る動画だった。完璧にシホの動きを真似て、歌詞に合わせて踊っている亮子の姿に、事務所の中は一瞬静まり返った。

「なんですか、これ?」杉浦は驚きながら尋ねた。

亮子は無表情で答えた。「完コピ。誠意を見せた」

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【モンスター】2話のまとめと感想

盗作していたのは相手側で、それに反論できなかったのは、整形がバレたくなかったからという話でした。

歌詞を書いていたのが卒業アルバムだったため、整形前の顔を知られたくなかったシホは、裁判で負けてもいいから整形を隠したがります。亮子の言うように、早めにカミングアウトしておいたほうがいい気はしますが、整形することは問題なのか?という気もします。

また、シホもあれだけ過去は捨てたという割りには、所属グループの歌詞を作る際、なぜか捨てたはずの過去に書いた歌詞を提出します。それを提出しなければ、そもそもこの問題は起きなかったのではないか?謎です。

さらに、寺田の出禁はどうなったのか?以前のスタッフが辞めてしまうような、社長の問題はどうなったのかなど、そこには触れられずに終わります。また、前回と違い、亮子があまり杉浦を顎で使う感じではありませんでした。

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