【モンスター】3話のネタバレと感想をまとめています。
SNSで精子提供をしていた提供者が学歴を詐称していたことが分かり、相手の女性から訴えられていた。今回の依頼人の頼みは、訴えられた男性を弁護し示談にして欲しいという。その裏側には2つの夫婦の複雑な理由があった。
【モンスター】3話のあらすじ
SNSで精子提供をしていた健太こと、斉藤文哉(佐藤寛太)は、提供相手の女性である長岡茉由(吉本実憂)から、学歴詐称を理由に訴えられていた。
同じく斉藤から精子提供を受けていた、五条亜佐美(佐津川愛美)は夫の和彦(渋谷謙人)と共に事務所に相談にやってきた。
夫は精子提供には了承していたものの、学歴詐称に腹を立てていた。しかし、夫は有名企業グループの社長であるため、プライドから無精子症であることは絶対に知られたくなかった。なので、匿名でやり取りのできる方法を選んだのだという。
そこで騒ぎが大きくなってバレる前に、何とか示談に持ち込んで事態を収拾して欲しいと、神波亮子(趣里)に依頼をしてきた。亮子は2つ返事で受け、杉浦義弘(ジェシー)にやらせようとする。
後日、斉藤を事務所に呼んで、示談を提示するが、絶対示談はしたくないと斉藤は主張し……。
【モンスター】3話のネタバレ要約
茉由は夫婦関係がうまくいってなかったので、斉藤との関係を本当は楽しんでいたが、夫にバレて離婚されたくないため訴えることにしていた。
亜佐美は斉藤ではなく、実は亡くなった元彼の精子で子供を生もうとしていたが、裁判を傍聴して考え直す。
そして亜佐美は夫に離婚を切り出し、口止め料の5億円を手に入れた。
【モンスター】3話の詳細なネタバレ
今回の依頼
五条夫妻が神波亮子(趣里)を指名して相談に訪れた。二人は深刻な顔をして席に着き、すぐに亮子にある問題を打ち明けた。話によると、SNSで精子提供をしていた健太という人物が、学歴を詐称していたことを理由に訴えられているという。五条亜佐美(佐津川愛美)もまた健太から精子提供を受けて妊娠したが、それが知られると困るというのだ。夫の和彦(渋谷謙人)もその点について深く心配していた。
「提供を受けた事実が公になったら、私たちの社会的立場に問題が出る。子供のことも、なかったことにしたいんだ」と夫は声をひそめて言った。彼は、健太を訴えた相手に対して示談に持ち込んで、訴えを取り下げてもらいたいと願っていた。
「健太の件が大きくなれば、自分たちの関与も知られてしまう。だから、何とかして欲しい」と彼は亮子に懇願し、亮子はそれを引き受けた。
夫はすぐに席を立ち、足早に事務所を後にした。しかし、亜佐美はそのまま残り、亮子との会話が続いた。
「どうして精子提供を受けたんですか?」と亮子が尋ねると、亜佐美は少しためらいながらも答えた。「子どもが欲しかったからです。跡継ぎも必要ですし」
「でも、信頼できるかどうかわからない相手から提供を受けるのは、なぜだったんですか?」と亮子はさらに掘り下げた。
亜佐美は少し顔を伏せ、ため息をつきながら答えた。「匿名でやり取りができたからです。夫は、自分が子どもを作れないことを誰にも知られたくなかったんです。だから、医療機関を通してではなく、匿名で進めることが大事でした」
「五条さんのアカウント名は何だったんですか?」と亮子が尋ねると、亜佐美は少し戸惑いながらも「カスミソウです。ただの思いつきで決めました」と答えた。
杉浦義弘(ジェシー)はSNSで精子提供について調べてみた。そこには驚くほど多くの提供者がいた。その中には、無料で提供を申し出ている人物もいた。彼は少し眉をひそめながら、「この案件を引き受けると思わなかった」とつぶやく。
亮子は表情一つ変えず「うん、やらない」この案件は、実際に彼女が受けるつもりではなかった。
「どうして受けたんですか?」と尋ねられると、亮子は少し微笑んで答えた。「杉浦先生にちょうどいいと思ったから受けた」
屁理屈
健太こと斉藤文哉(佐藤寛太)が事務所にやってきた時、杉浦が彼の話を聞くことになった。だが、斉藤は突然「示談はしたくない」と言い出した。その言葉に杉浦は困り果て、すぐに亮子に電話をかけた。
その頃、亮子は斉藤を訴えた長岡茉由(吉本実憂)の家を監視していた。仕事の合間だったが、状況が緊迫していることを察し、渋々事務所に戻ることを決めた。
事務所に戻ると、亮子は斉藤の話をじっくりと聞き始めた。茉由は経歴を盛っていたことを知っていたと言い、しかしその証拠となる会話の記録は残っていないと語る。さらに、他に証拠になりそうなものは一切ないという状況だった。それでも彼は、「示談だけは絶対に嫌だ」と固く主張した。
次に亮子は亜佐美を事務所に呼び、裁判になる可能性が高いと伝えた。勝つための道として「斉藤さんの価値を証明します」と亮子は宣言したが、その言葉に亜佐美は少し戸惑っているようだった。
一方で、杉浦は資料作りをしている間、冷ややかな表情を浮かべ、「訳わかんないことやって大丈夫かな?」と心配そうに尋ねたが、亮子はニヤリと笑い、「訳わかんない依頼に対して、真っ当に対応するほうが、よっぽど訳わかんないわ」と軽く返した。
後日、亮子は相手側の弁護士事務所を訪れ、直接交渉に挑んだ。まず、亮子は弁護士の永田()に向かって「斉藤さんは東京大学卒です」と言い放つが、すぐに続けた。「斉藤さんが卒業した晴海大学は東京にありますから」という、いわば屁理屈のような言い方だった。
相手の弁護士は戸惑いを隠せない様子だったが、亮子はさらに学歴と収入の相関性についての資料を見せ、「学歴の高さと収入にはそれほど関係がない」と主張した。
すると、相手側も負けじと「学歴と収入には相関性がある」という資料を出してきた。亮子はその資料を一瞥し、「ゴミですね」と冷たく一刀両断。
さらに、亮子は年収の高さと幸福度には全く関係がないというデータを見せ、最後に「何よりも大事なのは健康です」と語り、斉藤に関する健康データを提示した。そのデータには、彼の両親や祖父母、さらには斉藤自身の身体能力の高さまで示されていた。
相手の弁護士、永田はそれを見て思わず笑い、「ああ、ばかばかしい。どのみち、長岡さんも示談には応じないと言っているんだよね」と皮肉を込めて返した。
亮子の戦術は、常識を覆すようなアプローチだったが、その巧妙さが結果にどう影響するかは、まだ誰にもわからなかった。
怪しい関係
亮子は五条夫妻に報告を始めたが、夫はまるで話を聞かず、苛立たしげに「早く示談にしてくれ」とだけ言い放った。そして、さらに「妻が勘違いして子どもを産もうとするんだよ」と吐き捨てるように言い、立ち上がろうとした。
その時、亜佐美が声を振り絞って言った。「違うの。斉藤さんのじゃない。本当は、知り合いの医者から提供を受けたの」彼女の突然の告白に、夫は驚愕し、目を見開いて叫んだ。「何やってくれたんだよ!」と声を荒げると、その場で激怒し、「俺に恥をかかせるな!」と叫んで、部屋を出ていった。
亜佐美はうつむき、涙ぐんでいたが、亮子は冷静に問いかけた。「子どもを産みたいんですよね?なら、産めばいいじゃないですか」
亜佐美は泣きながら答えた。「主人が認めてくれませんよ……」
「妊娠22週を超えての中絶は、法が認めてくれませんよ」と、亮子は事実を淡々と伝えた。
その時、夫が戻ってきて「どこの医学部を出たんだ?」と亜佐美に問いただす。亜佐美が「東大」と答えると、夫はしばし沈黙の後、「いいんじゃないか、産めば」と淡々と言った。
亮子はそのやり取りを見て、「産めますね。ところで、その医師はリスクを犯してまで五条さんに提供してくれたんですよね?どうしてそんなことを?」と問いかけた。
亜佐美は少し笑顔を浮かべながら答えた。「そういう人なんです。彼は高校の同級生で、昔から困ってる人を放っておけない人なんです」
亜佐美は、その後すぐに提供者である医師の竹下祥吾()に連絡し、「主人が産んでいいと言ってくれた」と報告し、二人は喜びを分かち合った。
事務所に戻った亮子と杉浦がこの件について話していた。杉浦は半信半疑の表情で、「本当にただの同級生なのか?もしかして、お互いに好きで、不倫関係にあるんじゃないのか?」と疑念を口にした。
亮子は微笑みながらも、言葉を濁す。
その時、城野尊(中川翼)から新たな情報が舞い込んできた。茉由の裏アカウントが発見されたという。裏アカが何を意味するのか、亮子はさらなる真相を探るために動き出す決意を固めた。
不倫だったのか?
事務所に斉藤を呼び、亮子たちが彼の話を聞いていた。話題は茉由との関係についてだった。斉藤は少し迷いながらも、こう切り出した。「茉由がなぜ僕とやり取りを続けていたのか……。僕との子どもが欲しいと思ったから?」
斉藤は茉由との関係を交際だと思い込んでいた。「表向きは精子提供のために会っていたけど、本気で好きでした。彼女にその気持ちを伝えることはできなかった。でも、彼女はそれを受け入れてくれていると思ってたんです。言葉にはしていなかったけど、僕と茉由は直接的な関係を持っていました」
斉藤が明かしたのは、通常の精子提供とは異なる方法だった。基本的に精子提供は「シリンジ法」と呼ばれる、容器に入れて提供するやり方だが、斉藤と茉由は性行為を行っていた。ところが、茉由が送ってきたメッセージは常に事務的なやり取りのみで、感情的な内容は一切含まれていなかった。
その点に、村尾由紀子(音月桂)が鋭く指摘する。「茉由さんは、証拠を残さないようにしていたんじゃないですか?」
斉藤は茉由と9回ほど会っており、ほぼ4週に1回のペースでの関係が続いていた。会ってから1年近く経っており、突然訴えられたことで何か裏があるのではと、村尾洋輔(宇野祥平)も疑念を抱いた。
しかし、亮子はその疑念に冷静に答えた。「恋愛感情があったことを証明します」
後日、斉藤は少し戸惑いながら、告白をする。「証拠がないので言うつもりはなかったんですが、やっぱり言っておこうと思います。実は、茉由と1泊で温泉に行ったことがあるんです。部屋ではずっとゲームをしていましたけど……」
そのエピソードに亮子は耳を傾けながら、「それはどういう状況だったんですか?」と尋ねると、斉藤はため息をついて答えた。「茉由の旦那が急に出張になって、彼女に誘われました。」
さらに、温泉旅行に行ったことを話した相手がいると言う。それは、精子提供をしていた相手であり、カスミソウという名前の人だった。実は斉藤は、亜佐美にも会っていた。「次に渡すのは今度にしてくれ」と、彼女に頼んでいたという。
一方、杉浦は医師の竹下を監視していた。竹下はカスミソウの花を手に持ち、墓参りをしていた。その場面を、杉浦はじっと見つめていた。そこに、亜佐美が現れた。
竹下が墓参りをしている理由、そして亜佐美との関係。この状況には、まだ明かされていない複雑な背景があるようだった。
都合のいい話
亮子は亜佐美に話を聞いていたが、裁判での証言は難しいという。亜佐美は、斉藤が学歴詐称をしていたことは事実であり、「そんな人のために、自分の未来を壊すことはできない」と強く主張した。
それを聞いた亮子は、冷静に例え話を始めた。「ある女性が精子提供を受けたとしましょう。提供者は高校の同級生で、今は生殖医療の医師だと言っています。そして、その女性の周囲にはこんな状況があります――かつて、その女性には同じ高校の同級生だった恋人がいました。彼は絵を描いてネットで販売していました。カスミソウの絵をたくさん描いていましたが、今年病気で亡くなってしまいました。その元カレは病気が発覚する前に、精子を凍結保存していたんです。その元カレと、精子提供をしている医師は友人関係でした」
亮子の言葉に亜佐美は静かに聞き入っていた。
「亡くなった人の精子は、現状では破棄しなければならないと決まっています。でも、その医師は亡くなった友人の精子を彼の元恋人だった女性に提供しました。そして、夫は無精子症で、跡継ぎを作る必要があったために精子提供を受け入れましたが、まさか妻の元恋人の精子だったとは知らなかった――あくまで仮説ですよ」と亮子は言い終えると、亜佐美は静かに口を開いた。
「神波先生も女性だから分かりますよね?亡くなった彼のことは好きだったけど、結婚は考えられなかった。売れない画家ですよ?でも結婚したら、主人は子どもを作れない人だった。そんな時に前の彼が、凍結保存をしていたことを知って、あぁ~、そういうことなんだなって思ったんです」
「そういうこと?」と亮子が問い返すと、亜佐美はさらに続けた。「昔は一度別れました。でも、結局こういう形で結ばれるんだなって」
その言葉に対して、亮子はすぐさま反論した。「随分と都合のいい解釈ですね。私にはまったく理解できません。まあ、分かるとしたら、あなたの未来です」
亜佐美は少し苛立った表情で「何が分かるんですか?」と問いかける。
「好きな人ができたけど、収入がないから結婚できない。こんなはずじゃなかった。家柄のいい人と結婚したけど子どもができない。こんなはずじゃなかった。子どもが生まれたら、また思うんですよ。思ったような子どもに育たない。こんなはずじゃなかったって。でも、いいじゃないですか。五条さん夫婦はとってもお似合いの夫婦なんで」
「お似合い?」と亜佐美は怪訝そうに聞き返した。
「はい。売れない画家とは結婚できないとか、子どもは産まないといけないとか、夫の言う通りにしないといけないとか、五条家の人間はどうたらこうたらとか、お2人とも誰が決めたかよくわからない、常識に従うことがお好きなようなので」
亮子はその言葉を冷たく放ち、「この度はお話を頂き、ありがとうございました。よろしければ、ご夫婦で裁判を見届けてください」と言って頭を下げた。
「行くわけないでしょ」と亜佐美は吐き捨てたが、亮子は歩き出し、途中で立ち止まって振り返り、「お幸せに」と微笑みながら事務所を後にした。
その晩、何も知らない夫は亜佐美に「裁判に行ってこい」と勧めてきた。亜佐美は裁判に行かないわけにはいかなくなった。
裁判開始
裁判当日、傍聴席には亜佐美も姿を見せた。緊張が漂う中、茉由の証言が始まった。彼女は冷静さを保ちながら、「性交渉を選んだのは、妊娠率が上がるからだった」と語った。しかし、その選択に対して後悔しているとも明かした。
相手の弁護士はその証言に質問を重ねた。「その後も性交渉を続けたのはなぜですか?」と尋ねると、茉由は少し躊躇しながら答えた。「斉藤さんが、性交渉のことを夫にバラすと言ってきたんです。だから、妊娠するまで続けるしかなかったんです」
亮子が尋問を始める。「脅されたことが問題ではなく、夫婦間に信頼関係がなかったのでは?」と亮子が指摘すると、茉由は言葉を失い、顔を曇らせた。
亮子はカレンダーを提示して、性行為の行われた日を確認する。しかし、茉由は「覚えていません」と答えた。
続いて、亮子は茉由の裏アカウントを提示し、「これはあなたのアカウントで間違いないですか?」と問いかけたが、茉由は無言のままだった。
また、茉由が温泉地を訪れていた日を確認するため、亮子は証拠を提示し、「この写真の投稿日に温泉地に行っていたことは間違いないですか?」と尋ねたが、茉由は「覚えていません」と繰り返した。
しかし、亮子は続けてカレンダーを見せ、「温泉地に行った日を確認すると、あなたはその日、生理中だったはずです。生理中にも温泉に入っていたことがわかります。一般的に、生理中は温泉に入るのを避ける人が多いです。つまり、あなたはピルを使って生理をコントロールしていましたよね?」と鋭く追及した。
実は、亮子は事前に変装して茉由に接触し、ピルを使用していることを確認していた。さらに、彼女はゲームの履歴を証拠として提出した。茉由と斉藤が「ドラぴい」というキャラクターを、同じ日に箱根で獲得していたことを示する。これは極めて限定された時間と場所でしか、獲得できないものであった。
「ピルを使って排卵を止め、妊娠しないようにしていたのではありませんか?被告との関係を続けるために。そして、夫との関係に空いた穴を埋めるために」と亮子は畳みかけた。
「夫に被告との関係を疑われ、咄嗟に嘘をついて斉藤さんを悪者にしたんじゃないですか?夫婦関係を維持するために」と続ける亮子の言葉に、茉由はますます追い詰められていった。
亮子は冷静に言葉を続けた。「その夫婦関係、本当に守る価値があるんですか?一生食うには困らない程度の、ふんわりした安心だけを守っているんじゃないですか?」
その言葉に、傍聴席にいた亜佐美も険しい表情で聞き入っていた。
その時、斉藤が突然立ち上がり、「やめてくれ!もういいから、これ以上茉由さんを追い詰めないでくれ!」と叫んだ。
「被告は静粛に!今はあなたが口を出すところじゃない!」と亮子は返したが、斉藤は「この弁護士をクビにする!これ以上茉由を責めるならクビだ!」と強く言い放った。
その瞬間、茉由は涙を流し、「ごめんなさい」と斉藤に頭を下げた。「私、斉藤さんに会いたくて会っていたんです。彼といる時だけが、ほっとできたんです」
その言葉を聞いて、斉藤も涙をこぼし、感情を抑えることができなくなった。
茉由はさらに続けた。「夫に斉藤さんとの関係を疑われて、何でもないと証明するために、斉藤さんを訴えました。離婚だけは絶対に嫌だったんです。結婚に失敗したって、思われたくなかったから」
亮子は静かに問いかけた。「それ、失敗ですか?」
その言葉を聞いた亜佐美は、黙って法廷を後にした。
裁判を終えた後、亮子と斉藤の裁判中のやり取りが、事前に決めていた芝居だったことを知った杉浦は呆れた。
【モンスター】3話の結末
海辺で、亮子と亜佐美は静かに向かい合っていた。潮風が吹く中、亜佐美は口を開いた。「お伝えしたいことがあって……子ども、流産しました」
その告白に亮子は驚きもせず、ただ黙って耳を傾けた。亜佐美は続けた。「夫は、また竹下先生からもらえばいいって言ってました」
「それで、離婚してくださいって夫に言いました」亜佐美は苦笑いを浮かべながら、続けた。「そしたら、夫は困るって。結婚に失敗したと思われたくないって言うんです」
「だから言ってやりました。離婚は失敗じゃない。ここには私の幸せはないってわかっているのに、居続けることが私にとっての失敗だから」
亮子は今後どうするのかと尋ねる。
「神波先生にお願いしてよかったです。無精子症のことは誰にも言わないという約束で、夫から5億もらいました」
それを聞いた亮子は淡々と言った。「ゼロが一個足りない」
「お幸せに」と付け加え、亮子はその場を離れた。亜佐美は深々と頭を下げてから、去っていく亮子の背中を見送った。その瞳には、新たな決意と、どこかの安堵が浮かんでいた。
【モンスター】3話のまとめと感想
離婚されて結婚が失敗だったと思われたくない2組の夫婦が、裁判を切欠に考え直すという話でした。
今回の話はなかなか、亮子が鋭くズバズバ突っ込んでいきます。亮子にしてみれば、くだらないの一言で片付ける話なのでしょうが、視聴者の鬱憤を晴らすように指摘します。
亜佐美の何かうまくいかないときに、「こうじゃなかった」とぼやく態度は、誰でも心当たりあることでしょう。人間、困難と向き合わずに逃げた場合、今回の亜佐美のようにその後も他人のせいにしがちです。
しかし、裁判を傍聴したことで亜佐美は変わりました。勇気を出して一歩踏み出した結果、モラハラ夫なしで5億円を手にしながら悠々自適に生活できることになりました。
茉由はその後、別れたのかどうか分かりません。ただあれだけ発言したなら、離婚を選択しそうな気がします。