【モンスター】1話のネタバレと感想|ブラック企業と自殺教唆

2024秋ドラマ
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2024年10月14日からカンテレ制作 フジテレビ系列の月曜10時ドラマで始まった、【モンスター】1話のネタバレと感想をまとめています。

新人弁護士として事務所にやってきた神波亮子は、来るなり志願して自殺教唆で起訴された被告人の弁護をすることに。証拠もあり有罪が濃厚な事件を、亮子はあらゆる手段を講じて勝利へ導こうとするが……。

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【モンスター】1話のあらすじ

新人弁護士の神波亮子(趣里)は、事務所にやってくるなり、自ら志願して事件を担当する。その事件とは自殺教唆で起訴された塩屋遼(萩原利久)の弁護だった。

塩屋は当時交際していた川野紗江(藤吉夏鈴)に、自殺を命じるメッセージを送っていた。その後、紗江はトラックに突っ込んで自殺してしまった。

送ったとされるメッセージを確認すると、確かにそう取れるメッセージが羅列されていた。

新人ながらも行動力抜群な亮子に、振り回される杉浦義弘(ジェシー)。亮子はさらに被害者の勤めていた会社に潜入を始め……。

2話→

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【モンスター】1話のネタバレ要約

恋人を自殺教唆の罪で起訴された被告を弁護することになった亮子は、あらゆる手段を講じて勝利を目指す。

被害者の勤め先に清掃員として潜入し、会社のブラックな体質を掴む。そして、被害者と同じような目に遭っていた人物を証言に呼ぶ。

裁判は勝利しさらに損害賠償請求にも勝った。亮子は証拠はなくとも、被害者を殺したのはカウンセラーだと確信し、彼女を非難した。

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【モンスター】1話の詳細なネタバレ

事件発生

川野紗江(藤吉夏鈴)は電話口で、かすれた声で話していた。「やっぱり、もう頑張れない…」電話の相手にそう告げると、息を詰めるように黙り込んだ。沈黙が流れた後、彼女は突然道路へと駆け出し、そのままトラックにひかれた――8月11日、午後7時3分の出来事だった。

この事件は大きな波紋を呼んだ。今月12日、交際相手の男が彼女を自殺させた疑いで逮捕され、自殺教唆の罪で正式に起訴されたとニュースが報じられた。その男の名は塩屋遼(萩原利久)。被害者である川野紗江は、東城エステートに入社してまだ1年目の若い会社員だった。

大草圭子法律事務所では、弁護士の杉浦義弘(ジェシー)が事件の詳細をホワイトボードを使って説明していた。「8月11日19時3分、川野紗江がトラックに飛び込んで自殺しました。彼女は、その日の夕方、交際相手の塩屋とメッセージのやり取りをしていたんです」

「今度は飛び込めって、あのメッセージの『今度』って何を指してるんだ?」パラリーガルの村尾洋輔(宇野祥平)が眉をひそめた。

川野は大学時代、風邪薬と睡眠薬を大量に服用して自殺未遂をした過去があった。そのことを塩屋は知っていた。それにもかかわらず、彼は彼女にメッセージを送り続け、事件の直前には電話で会話を交わしていたという。電話を切った直後、川野はカウンセラーの梅本ますみ(美波)に電話をかけ、「これから死ぬ」と告げた後、トラックへと向かっていったのだ。

カウンセラーによれば、川野は3ヶ月前からカウンセリングを受けており、常に自分を責めてしまうという自己嫌悪の苦しみに悩まされていた。検察はそんな彼女に対して、判断能力を失わせるような行動を取った塩屋の責任が重大だと主張している。

「塩屋の父親が大草先生のクライアントの会社に勤めているから、この件で相談があったが…」杉浦はため息をつき、「正直、ひっくり返せるとは思えない」と声を落とした。塩屋を救う道があるのか、厳しい状況に置かれていた。

新人弁護士加入

その日、事務所の扉が開き、神波亮子(趣里)が現れた。少し緊張した表情で「弁護士をやってみることにした」と言い、大草圭子(YOU)への面会を求めた。突然のことに室内はざわついたが、しばらくして大草が姿を見せ、亮子を皆に紹介した。そして亮子は迷いなく手を挙げ、「私が事件を担当します」と宣言した。

亮子は事件の資料を手に取り、その夜に全てを読み終えると、すぐさま行動に移した。私服で何も持たず、塩屋の元へと向かったのだ。塩屋との面会には、杉浦も同行した。面会室に入ると、塩屋は俯きながら座っていた。

「俺のせいなんですよ」とぽつりとつぶやいたのは杉浦だった。亮子は静かに塩屋を見つめた。「本当に死んでほしいと思ったのか?」と杉浦が問いかけると、塩屋は即座に首を横に振った。「思うわけない。死にたいと思っていたのは、むしろ俺の方だったんです」と声を震わせた。

あの日、最初に「消えたい」とメッセージを送ったのは塩屋自身だった。彼は自分が悩んでいることを伝えようとしていたのだが、事態は思わぬ方向へ転がっていった。「なんであんなこと…」塩屋は後悔に苛まれ、すぐに電話をかけた。「これから会えないか?」と尋ねるも、紗江は仕事があると断ったという。

塩屋は紗江の自殺未遂の過去は知っていたが、彼女がカウンセリングを受けていたことまでは知らなかった。二人の関係は、ここしばらく疎遠になっていたのだ。紗江は「仕事が忙しい」と何度も会うことを避けていたが、塩屋は彼女が何に悩んでいたのか、結局わからないままだった。

その日、塩屋は一人ぼっちの感覚に押しつぶされそうになり、ただメッセージを送ることで自分の存在を紗江に示そうとしていたのだが、それがこの悲劇を招いたとは予想もしなかった。

亮子の行動力

事務所に戻った亮子たちは、紗江が勤めていた会社・東城エステートの記者会見をテレビで見ていた。会社側は、彼女の突然の死に関する質問に対して無難な返答を繰り返すが、その言葉はどこか空々しかった。亮子は、紗江の出勤記録に目を通していたが、亡くなった日曜日に勤務したという記録は一切残っていなかった

「紗江が嘘をついたのか、それとも塩屋が嘘をついたのか?」杉浦が疑念を口にする。

「どっちも嘘かもしれないし、どっちも本当かもしれない」と亮子は静かに返す。彼女の目は、さらに深い謎を探るかのように遠くを見つめていた。

その後、紗江が通っていた病院のホームページを確認すると、「しばらく休業します」という告知が掲示されていた。何か不自然な空気を感じ取った亮子は、村尾に「梅本に話を聞きたい」と告げ、村尾が早速アポイントを取ることになった。

亮子は席を立ち、「行ってきます」と一言だけ残して東城エステートに向かった。会社に到着すると、亮子はまず紗江の上司である上岡弘一(戸田昌宏)に挨拶をした。「塩屋の弁護を担当している者です」と名乗ると、上岡は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに冷静な顔に戻り、「お帰り下さい」と言い、立ち去ろうとした。

しかし、彼は足を止め、振り返った。「後悔してるんです。それとなく、彼女から聞いてたので。つきあってる男が酷いって。それでも、何かできたんじゃないかと、悔やまれる。うちの川野を殺したあの男を、絶対に許さない」と上岡は言い残し、静かに去っていった。

亮子はそのまま、次に紗江の実家に向かった。インターホンを押すと、紗江の母親(辻しのぶ)が顔を出したが、冷たい態度で「話すことは何もない」と言って、亮子を追い返そうとした。しかし亮子は食い下がり、「検察の主張には、どうしても納得できない点があるんです」と話しかけたが、母親は険しい顔で「二度と来ないでください」と言い、扉を閉めてしまった。

「納得できない点って何だ?」と事務所に戻った亮子に杉浦が尋ねた。

「はったりよ」と亮子はさらりと答えた。

その後、亮子はコンビニに寄り、履歴書を購入した。彼女はこれからどう動くつもりなのか、全てを知る者はまだいなかった。

まさかの潜入

亮子と連絡が取れず、事務所では杉浦が心配していた。彼女がどこで何をしているのか全く掴めず、焦りは募るばかりだった。しかし、その頃亮子は、東城エステートの清掃員として会社に潜入していた。清掃をしながら、社員たちの様子をじっくりと観察していたのだ。オフィスの中でふと目に留まったのは、机に飾られた一輪の花。亮子はそれが紗江の席であると直感した。

事務所に戻ると、杉浦は亮子に文句を言うが、彼女はどこ吹く風。亮子はすでに次の手を打っていた。紗江の隣人である伊藤早智子(中川梨花)に話を聞きに行ったのだ。

「紗江さんはいつも帰りが遅かった。夜の11時とか12時とか、ほとんど毎日」と早智子は語る。「前は、男の人が来ていたこともあった。それも結構前の話だけど…一度マンションの前で男と口論していたのを見かけた」亮子は塩屋の写真を見せたが、早智子は「顔まではよく覚えていない」と首をかしげた。

次に亮子は再び塩屋に面会した。彼女は「他に男がいたんじゃないか」と問いかけたが、塩屋はしばらく考えた後、ため息をつきながら「やっぱりいたのかな…」とつぶやいた。「紗江はいつも仕事が忙しいと言ってたけど、電話もつながらないし、メッセージの返信も遅くて、全然会えなかった。俺はバイトもクビになって、どうしようもなくなって…それで『消えたい』ってメッセージを送ったんだ」と、塩屋は当時の心情を語った。

その時、すぐに返信が返ってきたが、それは「一緒に死ぬ?」という言葉だった。それに塩屋は激怒し、つい「ふざけるな」と言わんばかりのメッセージを送り返してしまったのだ。「なんで馬鹿にされたと思ったんだ?」と杉浦が尋ねると「紗江は華やかな会社に入って日々充実していた。バイトの自分とは違う」塩屋は顔を伏せて答えた。

その後、亮子は防犯カメラの映像を確認した。そこには、紗江が一人で道を歩いている姿が映っていた。何度も行ったり来たりするような不自然な動きだったが、亮子はその服装に目を留めた。「まるでデートみたいな服ね…」亮子は小さく呟いた。何かが見えてきたような気がしていた。

散らばる手がかり

清掃のバイトをしながら、亮子は会社の様子を観察していた。社員たちが皆、どこか眠そうな表情をしていることに気づいた。疲労感が漂うオフィスの中で、一人の女性がじっと紗江の机を見つめていた。その女性は総務部の原口若菜(辻凪子)だった。しばらくして、若菜が資料室に向かうと、突然上岡が現れた。彼を見た若菜は驚いた表情を見せ、慌ててその場から逃げ出した

その夜、亮子は杉浦に「紗江の裏垢がないか調べて」とメッセージを送った。そして夜になると、亮子は若菜に声をかけたが、若菜は「失礼します」と一言だけ残し、足早に去っていった。彼女の挙動には、何か隠されている気配を亮子は感じた。

その後、亮子は事故現場へと向かった。川野紗江が命を落とした場所。彼女は紗江の行動を再現しようと、あの日の状況を想像しながら、塩屋との電話で立ち止まり、次にカウンセラーに電話をかけたときのことを思い描いた。紗江は電話をかけながら、来た道を戻り、時折立ち止まり、再び逆戻りする。そして最後に振り返ると、トラックが迫ってきていた――そんな一連の動作を、亮子は慎重に辿った

事務所に戻ると、杉浦が再び亮子に文句を言ってきたが、亮子は適当に聞き流していた。由紀子(音月桂)からの報告によれば、川野の裏垢にログインした形跡はなかったという。また、村尾によると、カウンセラーの梅本とはまだ連絡が取れていないとのことだった。

梅本は過去に会社勤めをしていた際、長時間労働とパワハラによって心身ともにボロボロになり、そこから立ち直った経験を持っている。そのため、カウンセラーを志すようになったという背景があったと村尾が教えてくれた。

亮子はその情報を頭の片隅に留めつつ、次の一手をどう打つか考え始めていた。

潜入がバレる

翌日、亮子がいつものように清掃に向かうと、オフィスは異様に慌ただしい雰囲気だった。社員たちが落ち着かない様子で動き回る中、上岡が姿を現し、「社外に情報が漏れた」と告げた。そして社内に出入りしている人間全員、一人ずつ話を聞くと宣言し、亮子たち清掃員も対象になるということだった。

その瞬間、亮子の潜入がバレてしまった。事務所では杉浦たちが急いで頭を下げ、必死に謝罪していた。しかし、亮子はまるで悪びれる様子もなく、むしろ「漏れた情報は労働環境に関するものではないか」と指摘した。彼女は会社内に不満を持つ誰かが、意図的に情報を流したのではないかと考えていたのだ。上岡は呆れた様子で、何も言わずに立ち去った。

後日、亮子は大草に「東城エステートには違和感だらけです」と報告した。彼女は、表向きには従業員が定時で帰っていることになっているにもかかわらず、全員が疲れ果てているように見えると指摘した。表面上の数字と実際の労働状況の間に大きなギャップがあると感じていたのだ。

さらに事務所には、塩屋の弁護をするなといういたずら電話がかかってくるようになった。ネット上では塩屋がバズっており、多くの人が「塩屋はひどいやつだ」と非難していた。そしてその炎上は亮子にまで波及し、彼女の写真がネットに出回り始めた。

そんな中、事務所を訪ねてきたのは、東城エステートの総務部に勤める原口若菜だった。彼女は何かを訴えようと、緊張した様子で亮子に目を向けていた。

パワハラ上司

紗江が亡くなってから、東城エステートでは定時退社が徹底されるようになったと若菜は語った。しかし、それまでは残業が当たり前で、出勤票には残業の記録が残っていなかった。亮子がその理由を尋ねると、若菜は顔を曇らせ、「それは全部サービス残業だったからです。今でも家に仕事を持ち帰ってやっています」と苦々しげに答えた。

「上岡との間に何かあったんですか?」と亮子が問いかけると、若菜はしばらく黙ってから口を開いた。「ハラスメントを受けていました。1度、私が大きなミスをしたときに、上岡さんがかばってくれたんです。その後、呼び出されて2人きりになると、『お前は無能なんだよ』と言われ、そこから嫌がらせが始まりました」

さらに上岡は「奉仕しろ」と言い、セクハラまでもしてきたという。彼は家にまで押しかけることがあり、若菜が断ると、今度は会社でのパワハラが始まった。休みの日には接待の席に呼び出され、服装まで指定されることもあった。若菜はその時の苦しさを思い出し、「会社を辞めたいくらいに追い詰められていました」と涙ながらに語った。

しかし、ある時からそのハラスメントはピタリと止んだ。それは上岡のターゲットが自分から紗江に変わったからではないか、と若菜は推測していた。「でも、それを証明することはできないんです…」彼女は肩を落とし、深いため息をついた。

「裁判で証言してもらえませんか?」と杉浦が尋ねると、若菜は涙を流しながら「はい」と小さな声で答えた。彼女の決断により、裁判での展開に新たな光が差し込んだかのようだった。

その後、杉浦は「これでひっくり返せるかもしれません」と意気揚々と塩屋に報告しに行ったが、亮子はどこか引っかかるものを感じていた。真実に近づいているように見えても、何かまだ見えない部分がある――そんな予感が、彼女の心を捉えて離さなかった。手放しで喜ぶことができない何かが、まだ隠されているように思えたのだ。

公判開始

公判の日、裁判所に緊張感が漂う中、亮子は冷静な表情で「白でもグレーでも黒でもいいんです。裁判に勝てれば」と呟き、戦いの準備を整えた。上岡に対する尋問が始まり、亮子は彼の勤務状況について鋭く問い詰めた。しかし、上岡の返答は曖昧で、サービス残業に関しても「指示はしていない」と頑なに否定するばかりだった。

その頃、若菜も裁判所に姿を見せていたが、突然上岡からの電話が入り、彼女は硬直してしまった。亮子が何度か電話をかけたものの、若菜は応答せず、彼女への尋問は取りやめになった。緊張が高まる中、突然塩屋が立ち上がり、「てめえ、何やったんだよ!紗江に何やったんだよ!」と上岡に詰め寄った。「殺すぞ!」と激昂する塩屋は、裁判所の秩序を乱し、すぐに退廷を命じられた。その騒動に、杉浦は頭を抱えることになった。

公判後、大草が「若菜と連絡はついたの?」と亮子に尋ねたが、彼女は「いえ」と答えるしかなかった。若菜の証言を引き出すためには、確実な証拠が必要だったが、杉浦は「証拠はない」と弱気な返答をする。唯一の希望は、紗江がハラスメントで悩んでいたことを知っているカウンセラーの梅本だったが、彼女は検察側の証人として立つことが決まっていた

そんな中、亮子は再び塩屋に面会に向かった。彼女は「何か証拠があれば、若菜が証言台に立ってくれるかもしれない」と励ますが、塩屋は「もうどうでもいいです。紗江は戻ってこないし」と投げやりな態度を見せた。彼は、よく漫画喫茶に行っていたことを話し、気に入った部屋があったと楽しそうに語った。

亮子はその情報をもとに、城野尊(中川翼)に指示してその漫画喫茶を訪ねさせた。さらに、亮子は別の手を打ち、杉浦には特定のカフェに行って確認してほしいことがあると指示を出した。そのカフェでは、会社のように大勢の人たちが集まり、何やら忙しそうに仕事をしていた。

その後、亮子は紗江の母親を訪ね、彼女に代理人として弁護を任せてほしいと頼みに行った。紗江の死をめぐる真実に、少しずつ近づいているように感じつつも、亮子の胸には依然として不安が残っていた。

うそつき

2回目の公判が始まり、証言台にはついにカウンセラーの梅本が立った。彼女は、紗江が亡くなる直前、最後に電話で話した相手であり、8月11日19時2分に紗江から電話がかかってきたことを証言した。梅本によれば、紗江は「これから死ぬ」と語っていたが、彼女が塩屋について悩んでいたかどうかは知らないという。「私が言えることは…川野さんの自殺を止めることができなかった。それだけです」と、彼女はうなだれて言葉を絞り出した。

次に、亮子が尋問を開始した。「クライアントを救い出せると思っていたけれど、実際にはできなかったんですね?」と厳しい口調で問いかけると、梅本は「責任を感じています」と応じた。その瞬間、亮子は彼女の耳元で小声で「うそつき」とささやき、梅本は驚いたように彼女を見た。亮子はその表情を見て、「図星かよ」と軽く笑い、彼の反応を確認した。

次に、再び上岡に対する尋問が始まった。杉浦は「カフェで仕事をしているのは知っていますか?」と問いかけるが、上岡は「いえ」とすっとぼけたような返答をした。すると杉浦が鋭く追及した。「会社の情報が漏れたのは、カフェでの残業が常態化していたからではないですか?Wi-Fiを使ってPCをつないだから、データが外部に抜かれたんです」と指摘すると、上岡の顔には明らかな動揺が広がった。

そして、亮子は満を持して「若菜さんを証人として呼んでいます」と告げ、若菜を法廷に呼び寄せた。若菜の登場は、裁判の行方を大きく左右する重要な瞬間となりそうだった。

有力証言

若菜の証言は、裁判の大きなターニングポイントとなった。彼女はずっとサービス残業を強いられており、会社を出るのはいつも21時や22時ごろだったと語った。そして、紗江が亡くなってからは急に「定時で退社するように」と指示されるようになったという。そして、最も衝撃的だったのは「私は営業部の上岡部長からパワハラやセクハラを受けていました」との証言だ。若菜は、他の従業員も同じような被害を受けていた可能性が高いとも述べた。

この証言を受けて、亮子は新たな証拠として、パワハラやセクハラに悩む女性の記録を提示した。それはSNS上の匿名アカウントから投稿されたもので、特定の漫画喫茶からログインされていたことが確認されている。「K部長に最初は褒められて嬉しかったが、次第にセクハラやパワハラをされて困っている」「自宅に待ち伏せされ、漫画喫茶に逃げ込んだ」「接待要員として呼び出された」といった内容が綴られていた。

投稿者は、「自分のスマホでは書けない。スマホが汚れる気がする」と、心の苦しみを打ち明けており、「Rの彼女でいることが申し訳ない。でも、Rとの思い出だけが心の支え」とも記していた。この「K部長」は上岡のことだと思う、と若菜は証言し、自分も同じような経験をしていたと話した

検察側から「このアカウントが川野紗江本人だという確証は?」と問われ、亮子は画面に表示されたアカウント名を提示した。それは「Sea@10oe11yr8as23」というもので、これを見た塩屋はすぐに「紗江だ」と気づいた。アカウント名の文字を並べ替えると「Sae@ryosae10118223」となり、そこには塩屋遼と川野紗江のそれぞれの名前と誕生日が含まれていた。塩屋遼の誕生日は10月11日、川野紗江の誕生日は8月23日だったのだ。

この新たな証拠により、亮子は上岡に対する再度の尋問を請求し、裁判の流れはさらに加速していくことになった。上岡の隠していた事実が、次第に明るみに出ようとしていた。

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裁判の結果

法廷で亮子は決定的な質問を上岡に投げかけた。「K部長はあなたですか?」と詰め寄ったが、上岡は毅然とした態度で「違います」と否定した。しかし、亮子は怯まなかった。彼女は、紗江が追い詰められた原因の一つは、会社での長時間労働と、上岡によるハラスメントを含む労働環境にあったことは明白だと強調した。

「あの日、紗江はレストランに向かう途中で命を絶ちました」と、彼女の最期の瞬間を思い起こしながら、亮子はさらに言葉を続けた。「追悼コメントを出していたが、必要なのは適切な休暇や労働に見合った賃金だろ!」と怒鳴り、法廷に響き渡るその声は上岡を圧倒した。

亮子はさらに、上岡がこの事実を認めないとしても、既に紗江の両親や、退職した元社員たちとともに損害賠償請求の集団訴訟を起こす準備が進んでいることを明らかにした。そして、「原告の代理人は私が務めます」と笑いながら深々とお辞儀をしてみせた。

最終的に、塩屋は無罪判決を勝ち取った。そして、亮子が主導した集団訴訟の結果、東城エステートには5億3千万円の損害賠償が命じられた。そのニュース記事を見たバーで、粒来春明(古田新太)は亮子の銀行口座に20万円を振り込んだ。それは何ヶ月にもわたって、毎月のように支払われ続けた。

亮子への依頼は、事務所にひっきりなしに電話で舞い込むようになった。実は亮子は高3の時に司法試験に合格しており、杉浦よりもキャリアが長かった。報酬についても「出来高成功報酬型でいいです。負けたらいらない」と、大草に自信満々で頼んでいた。

そんな亮子に対し、大草は「ネットで塩屋のことを煽ったのはあなたでしょ?」と鋭く指摘したが、亮子はしらを切った。

後日、亮子は城野に「大草にバレてた」と報告した。実は、情報漏えいをしたのは城野自身だったのだ。亮子は彼の協力に感謝し、彼に相応の報酬を渡した。

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【モンスター】1話の結末

亮子は、梅本がいるカフェに足を運んだ。梅本は以前のカウンセラー業に復帰していたが、その表情にはどこか影が差していた。彼女は以前「かける言葉によっては、クライアントは壊れてしまう」と、言っていた。亮子はその言葉に目を細め、鋭く指摘した。

「あの日、彼女から電話があった時、あなたの言葉でそのスイッチを押したのでは?彼女が壊れるように、最後の引き金を引いたんじゃないの?

梅本は驚いた表情を見せ、「どうしてそんなことを自分がするのか?証拠は?」と反論した。しかし、亮子はただ冷たく「人殺し」と一言だけ告げ、振り返ることなくその場を後にした。

事件の真相は、あの日の紗江の行動に隠されていた。塩屋と電話をしていた紗江は、一度電話を切った後、再び彼に電話をかけ直していた。「頑張ってきたけど、もう無理。遼に会いたい…」と弱々しい声で告げる紗江。しかし、その電話は間違って梅本に繋がってしまっていた。

梅本は冷静な声で、「また接待に呼ばれたんだね」と、まるで他人事のように応じた。紗江が「もう頑張れない」と告げると、梅本は淡々と「大丈夫、紗江さんならまだ頑張れる。頑張ってよ」と言葉をかけた。

その言葉を聞いた瞬間、紗江は絶望の淵に立ち、ついにトラックに突っ込んでしまった。電話の向こうで衝突音を聞いた梅本は笑っていた。彼女が放った無責任な言葉が、紗江を最終的に追い詰め、彼女の命を奪った瞬間だった。

梅本は自らの行動がどんな結果を招いたか理解していたが、それを認めることはできなかった。その残酷な笑みは、亮子の中に深い怒りと悲しみを刻みつけたまま、カフェを去る後姿に残った。

2話→

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【モンスター】1話のまとめと感想

被害者の労働環境を理由に依頼人の無罪を勝ち取り、さらに損害賠償請求も勝ち取ったという話でした。

毒には毒を、怪物には怪物をといった感じの話です。亮子は手段を選ばず勝利に突き進むように、相手も平気な顔して悪事を働いてきます。今回で言えば上岡と梅本です。

上岡は当たり前のようにあちこちにハラスメントをして追い込み、カウンセラーの梅本は患者を翻弄して楽しみます。どちらも隠れて見えないものを、限りなく黒い手段を使って亮子は追い込みました。

いずれ亮子の所業が暴露されて追い込まれるのか、それとも淡々と悪人を懲らしめていくのか?亮子のキャラクター性が気に入るかどうかが、このドラマを継続視聴できる鍵になります。

初回を見た限り、杉浦を振り回したりする勝手さとかが、苦手な人もいそうなキャラでした。もう少し怪物VS怪物感を前面に出してもいいような気がしました。次回以降に期待です。

2話→

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