【科捜研の女21】6話のネタバレと感想|マリコVS鑑定王子

科捜研の女 2021秋ドラマ
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【科捜研の女シーズン21】6話「マリコVS鑑定王子」のネタバレと感想をまとめています。

古美術界の異端児として人気の鑑定士の“鑑定王子”とマリコが鑑定対決!?村の仏像が実は偽物か?鑑定士の目利きにマリコが科学の力で挑む!

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【科捜研の女21】6話のあらすじ

繁華街で刺殺体が発見され、男の靴底についていた植物片から生前の足取りを追う。そこは天空和尚の郷として人気の山田村という場所だった。

天空が彫ったと言われる仏像にちなみ、村では様々な商品が売られたり、観光客を呼び寄せたりしていた。その仏像を鑑定したと言われるのが、鑑定王子こと一条礼司(元木聖也)という人物だった。

一条は古美術界の風雲児として人気を博し、見た目のうさんくささとは裏腹に、見る目は確かだと言われていた。

マリコ(沢口靖子)たちが村で聞き込みをすると、被害者の横井友哉(松木賢三)はこの仏像が偽物だと村長の鈴森啓子(生田智子)に言いに来たと村人たちは言う。

仏像は年代鑑定をした結果、奈良時代のものという証明がされていると言うが、仏像がある寺の住職の松野光雲(町井祥真)に鑑定書のことを聞くと紛失したと答えた。

そこでマリコが鑑定をしようとするが、仏像が消えてしまい……。

←5話7話→

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【科捜研の女21】6話のネタバレ

村の観光資源である仏像が本物か偽物か?それにまつわる殺人事件を解決するために、マリコが科学の力を使って鑑定する話です。ちゃんと科学的事例を取り入れた回です。

事件関係者

  • 一条礼司…元木聖也
    鑑定王子の異名を持つ美術鑑定士
  • 窪塚照之…岩井拳士朗
    マルチ商法をやっている
  • 松野光雲…町井祥真
    星辰寺の住職
  • 鈴森啓子…生田智子
    山田村の村長
  • 横井友哉…松木賢三
    窪塚のマルチ商法仲間
  • 石川多江子…町野あかり
    山田村役場の職員
  • 藤沢みどり…中道裕子
    山田村役場の職員
  • 戸塚幸雄…桑原良二
    山田村役場の職員

天空仏

山田村の観光資源の仏像は、奈良時代の天空和尚が彫ったものという触れ込みでした。そのきっかけになったのが、古美術界の風雲児“鑑定王子”こと一条礼司の鑑定です。

一条は仏像を見て「奈良時代の風…胸にじんじん響く」と言い、天空和尚が作ったものに間違いないと鑑定します。

それ以来、村では天空仏をキャラクターにした天空くんや、土産物を作ったりして村に観光客を呼んだり、ふるさと納税の返礼品として売り出します。何もない村に観光資源が生まれたのです。

しかし、今回遺体が発見されたことで事態が一変します。被害者の横井友哉が山田村に来ていたことが捜査で分かりました。

彼が何をしにこの村へやってきたのか?マリコたちは村で捜査を開始します。

偽物疑惑

村で横井の足取りを辿ると、観音像にいちゃもんをつけに来ていたという証言が得られました。横井は元々怪しげなマルチ商法などをやっていた人物で、周囲に「金になるネタが入った」と言っていたのです。

村長に会った横井は天空仏と言っているが、実際は奈良時代に作られたものではないと脅しにきたのです。

村民は一条が鑑定したのだから偽物ではないと主張します。なぜなら彼はこの村の出世頭で、彼のお陰で観光客も増えたというのです。

さらに、科学的にも証明してもらっていると言い、2年前に大きな研究所で年代鑑定をしてもらい、奈良時代の仏だと証明されたと言います。

そこでその鑑定書を確かめに星辰寺へマリコたちは向かいました。しかし、住職の光雲は鑑定書の書類を紛失したと言います。

なら、自分たちが鑑定するとマリコは言い出しますが、本尊を持ち出しは困ると断られます。マリコは機材を用意してこの場で鑑定するから大丈夫だと説得しました。

村長と住職の反応を見た土門さんは、もしかしたら年代鑑定の結果、奈良時代のものではなかったのではないかと考えました。

そして、横井はそのネタを手に入れて、村の誰かを脅していた可能性が高まります。

マリコvs鑑定王子

科捜研では事件当日の防犯カメラ映像を調べてみたところ、一条が映っていたと報告が入ります。そこで一条に話を聞きに行きますが、横井なんて男は知らないと言います。

横井は奈良時代のものではないと疑っていたようだと話を振ると、当然だと一条は答えます。なぜなら、天空仏は希少なお宝なため、偽物だと思うのも無理がないのです。

ほとんどの人は風を感じることもできない、という謎の言葉にマリコもぼんやり話を聞き続けます。一条の言う風とは、歴史の彼方から吹いてくる風で、優れた骨董だけが放つパワーのことだそうです。

仏像を見てきたなら風を感じたはずだという一条に対し、マリコは風は感じられなかったが、科学の力で証明すると反論しました。

天空は空の星を操り仏を呼んだと言われる人物、奇跡を科学では証明できないと一条はさらに反論します。するとマリコは「科学で説明がつかない事象は存在しません。存在するとすればそれは、作り話です」と一歩も引きません。

思わず笑い出した一条は、久しぶりに自分より傲慢な人に会ったと皮肉を言いました。

もし、奈良時代のものでなかったとしたら、一条の鑑定士としての信用を失う事になると土門さんは告げました。

内通者の正体

横井が2年前の鑑定結果をつかんでいたとするなら、どこからその情報は漏れたのか?マリコたちは気になっていました。

横井の周辺を洗った結果、山田村出身の窪塚照之という男が浮上します。彼は横井とネットワークビジネスを立ち上げた人物でした。

窪塚に情報を漏らしたか聞いたところ、村の悪口を言っただけだと言います。インチキご本尊で儲けていると。

なぜインチキだと思うのか?その理由は単純明快です。あんなクソ田舎に国宝級の文化財なんてあるわけないというものでした。

窪塚は村の特産品であるしいたけが台風でやられてしまった時、村から呼び出されて一条や光雲たちと集まって話をします。

税収もないしどうしたらいいのか、観光収入を村長は増やしたがっているから何とかできないかと相談を持ちかけられます。窪塚は無理だと言いますが、一条は売りがないなら作ればいいといい、光雲のところにある仏像に目をつけました。

そうして鑑定した結果、村の観光資源になったという経緯があったのです。

天空和尚の伝説

天空和尚とはどんな人物だったのか?村では紙芝居風の動画でその説明をしてくれます。ドラマ内での説明を引用します。

昔々、仏の教えを広めるために各地を旅していらっしゃった天空和尚は、山田村にお立ち寄りになり山の上でお経をお読みになりました。

すると どうでしょう!夜空が光り輝き、観音菩薩が現れたのです!

和尚は菩薩の姿を仏像に写し取り、村に残していかれました。

それが星辰寺のご本尊なのです!

奈良時代の夜空に観音菩薩が現れ、それを写し取って彫ったのが山田村の天空仏ということです。

この伝説が本当なのか嘘なのか、それをマリコが科学でハッキリさせるという展開になります。

仏像の鑑定

マリコたちが星辰寺に鑑定しに行きますが、仏像は誰かに盗まれてしまったと住職は言います。年代鑑定を阻止するために誰かが隠したのではないか?マリコたちはそう考えて捜査を始めます。

その頃所長が2年前に仏像を鑑定した機関を調べてくれていました。そこの報告書を読んだ結果、10世紀のものだと推定されたのです。

10世紀は平安時代半ばで天空和尚は8世紀の人なので、約200年時代が違うことが分かったのです。そのことを住職に突きつけます。

村長は保証書があればもっと信憑性が高まると思い、仏像を鑑定に出しました。しかし、結果は予想外のものでした。

光雲は一条にそのことを伝えると「俺の目のほうが正しい」といって譲りません。やがて2人は口論になってしまいました。

結果を知った村長は秘密にすることに決めます。罪悪感を覚えながらも光雲は、村のみんなが幸せになっているならこのままでいいかもしれないと思い始めました。

そこに横井が現れて光雲を脅し始めます。バラされたくないなら金を寄越せと言われ、光雲は従うほかなく金銭を支払ってしまったのです。

話を聞いたマリコに住民には言わないで欲しいと光雲は頼みます。しかしマリコは科学的に証明された真実を、いつまでも隠し通し続けることは不可能だと告げます。

容疑者逮捕

寺の周りにあった下足痕や、村境の防犯カメラから容疑者が特定されます。それは、鑑定王子こと一条礼司でした。

逮捕した一条を取り調べしても、仏像の窃盗についても横井殺害についても一切語りません。

そこで山田村を出た後の一条の足取りを追ってみたところ、駅の駐車場の防犯カメラにバッグを持った一条が映っていました。

バッグの中身は恐らく観音像だろうと、その周辺を探って仏像を探す事にします。

775年イベントとは?

マリコは山田村のお土産に書かれている「30秒でわかる天空和尚の一生」を聞いてひらめきます。それは、和尚が770年に唐から帰国して布教の旅に出た途中で、山田村に立ち寄ったという事に関係します。

775年イベントと呼ばれる大気中の放射性炭素の濃度が急上昇したことが、数年前に日本人研究者により発見されていたのです。

その時期になんらかの天文現象により、大量の宇宙放射線が降り注ぎ、イギリスの古文書では日没後の空に赤い十字架が現れたという記述もありました。

山田村の伝説も775年の天文現象を現しているのではないか?奈良時代の空に宇宙放射線の風が吹き、その風が何かしらの現象を起こした結果、人々は観音菩薩の存在を感じ取ったのかもしれない。と、マリコは奇跡の正体について仮説を立てました。

と、なると、星辰寺の仏像はその奇跡のもとで生まれたとしたら、やはり奈良時代に作られたものなのか?

仏像を再鑑定

マリコは科学も日々進歩しているので、2年前に鑑定されたものを再鑑定することに決めます。

そして調べた結果、木材の表面に現れた年輪が8世紀後半の標準パターンと一致し、奈良時代に作られたものと判明しました。

では、2年前の鑑定は何だったのか?それは、放射性炭素年代法で行われたため、炭素14の減り方を表したグラフで年代を鑑定したからでした。

この仏像は775年イベントによる宇宙放射線量増加のために、炭素14を例外的に高い値で含んでいました。初期濃度が高ければ当然減るのに時間がかかります。

775年イベントの発見を受けて、グラフが改定されたのは去年のことでした。だから2年前の鑑定に使われたグラフには反映されていません。

つまり、鑑定に使ったグラフがずれていたから、2年前の鑑定にもずれが生じていたわけです。そのずれによって8世紀の仏像が10世紀の仏像と判断されてしまったのです。

一条にその話をしたマリコは、自分もやっと風を感じることができた。奈良時代の空に奇跡を起こした宇宙放射線の風をと感動します。

一条の証言

仏像が奈良時代のものと証明されると、一条はようやく語り始めます。窪塚のヤツが横井をたきつけたんだと。

窪塚はよく一条のところに金を借りに来ていました。その時、仏像が奈良時代のものではないという鑑定結果が出たことを、一条と光雲が電話で話をしていたのを聞いて知ります。

窪塚は横井をたきつけて金を脅し取ろうと計画します。一条の前に現れた横井は鑑定士の地位がなくなってもいいのかと脅しに来て、後日金の受け渡しの約束を取り付けます。しかし、一条は会っていないと言い、横井はもう殺されていたと言います。

一条は繁華街の路地で横井の遺体を発見し、思わずナイフに触れてしまいます。自分には殺す動機があるので疑われると思った一条は、触れてしまったナイフを持ち去ったのです。

さらにマリコたちが仏像を再鑑定するという話を聞き、今度こそ鑑定士として終わってしまうと感じた一条は、仏像を盗み出したのです。

ナイフを鑑定した結果、被害者を刺した凶器であることが証明されました。問題は本当に殺害犯が別にいるのか?マリコはしいたけが教えてくれると妙なことを言い出しました。

凶器のナイフには段ボールの繊維としいたけの菌糸の一部が付着していたのです。しいたけは山田村の名産で、DNAから株が特定できるかもしれないとマリコは考えます。

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事件の真相

しいたけのDNA判定の結果、窪塚の実家であるくぼづか農園のものだと判明しました。窪塚は18で家を飛び出して以来、実家とはほとんど縁が切れていました。しかし、毎年必ず村の人たちは窪塚を気にかけてしいたけを送っていたのです。

凶器のナイフでしいたけの入った段ボールを開けた結果、微物が付着したのです。つまり、窪塚が横井殺害犯だと証拠を突きつけます

窪塚は村を出て有名になった一条のことを妬んでいました。だからカモにしてやろうと考え、横井に仏像の秘密を話して恐喝させようとしたのです。

しかし、横井は一条のところには行かず、光雲のところに行って金を巻き上げます。その事に窪塚は文句を言うと、寺から金を搾り取った後に一条のところに行くと言いました。

一条だけをターゲットにして欲しかった窪塚ですが、横井は光雲を脅し続けさらに村長を脅して、村の連中を手当たり次第に脅すかと言い始めます。

そして事件の夜、これから一条に会いに行くと言っていた横井を、窪塚はナイフで刺し殺してしまったのです。

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6話の結末

容疑が晴れた一条は釈放されていたようで、光雲と一緒に横井の告白を聞いていました。ふるさとを嫌っていたのではないか?と問われると窪塚は、「大っ嫌いだよ、あんな村」と言いながら村の思い出を語り始めます

一条と光雲、窪塚の3人で幼少時代に過ごした思い出は、トンボを捕まえたり、カエルやセミの鳴き声がうるさい田舎の風景でした。

村の空は青かった、思い出を振り返る窪塚の心には、村を愛する気持ちがあったのです。

その後、マリコは775年の天文現象の正体はいまだに解き明かされていないと言います。ただ一つ確かなのは、奈良時代の空に宇宙放射線の風が吹いたということだけです。

その風によって人々は神や仏の姿を見たと土門さんが言うと、マリコは科学を知らないから見えるものがあるのかと知ります。

しかし今回伝説を証明しあの村を救ったのは、科学の力だとマリコに告げました。

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【科捜研の女21】6話のまとめと感想

仏像の真贋を巡り、村を嫌っていた男が実は村を愛していたゆえに殺人を犯す話でした。

今回の鍵となる“775年イベント”を調べてみたところ、実際にある話でした。2012年に名古屋大学の研究チームが、屋久杉の年輪を調査した結果、分かったことです。

世界各地でその年代の頃に、空に起きた不思議な現象について記されており、日本でも目撃された情報が記載された文献がありました。

マリコが言うようにいまだに解き明かされておらず、オーロラだったのではないか、超新星爆発が起きたのではないか、ガンマ線バーストが起きたのではないかなど、様々な説があるようです。

今回の話は形こそお笑い話のようですが、実はちゃんと科学的に証明されている、知られざる事実をベースにした話だったのです。こういった話は科学を知るきっかけにもなるので、積極的に取り入れてもらいたいものです。

村が嫌で出て行った男が村の出世頭と自分との落差に、妬んだことが事件のきっかけでした。狭いコミュニティではすぐに噂は伝わり、村八分とまではいかないまでも肩身の狭い思いをすることがあります。

しかし、村の人たちは窪塚のことを心配してくれていました。その気持ちが逆に自己嫌悪に陥ってしまうという悪循環です。

好きだけど嫌い、嫌いだけど好き。複雑な思いを抱えた男の嫉妬が生んだ事件でした。

次回は12月2日20時から放送予定です。

【科捜研の女21】6話のいいセリフ

科学を知らないからこそ、見えるものもあるのね。

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