【フィクサー3】最終回のネタバレと感想|都知事が決定!ついに設楽の真の目的が明らかに

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WOWOWのドラマ【フィクサーシーズン3】最終回のネタバレと感想をまとめています。

埋立事業の不都合な真実を公にしようと目論む大貫だが、須崎に頼まれた設楽が再び交渉役になる。しかし肝心の大貫の行方は分からない状況だった。そこで設楽はある策を思いつく。

やがて混迷を極める都知事選が決着し、ついに設楽の真の目的が明らかになるが……。

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【フィクサー3】最終回のあらすじ

一度は袂を分かったはずの設楽拳一(唐沢寿明)に、須崎一郎(小林薫)は再び連絡を取り、埋立事業の不都合な事実を何とか公にさせないよう頼む。しかし、そのデータを握っていると思われる大貫英一(古田新太)の行方が分からない状況だった。

そこで設楽は氏原巧巳(加藤雅也)に頼み、娘の早紀(大友花恋)に会わせてもらうことにした。何も語らないつもりでいる早紀に設楽は、これ以上大貫に罪を重ねさせるなと言い、電話をするよう命じる。

誰からの電話も受けない大貫だったが、早紀からの電話には応じた。設楽は電話を奪うと、早速交渉に入る。警察に突き出すつもりはないと言う設楽だが、大貫は信用できないと言って電話を切ってしまう。

都知事選は混迷を極め、当初四方田正美(高島礼子)と川本栄太(徳重聡)との一騎打ちだったはずが、川本の学歴詐称が明らかになったことで、今度は渡辺達哉(町田啓太)との接戦になっていた。

だが、町田は悩み始める。そこで設楽に相談しに行くが、突き放すような態度に怒りすら湧いてきてしまう。

投票日が近付く中、テレビ番組に候補者の3人が出演し、有権者へ最終的な呼びかけをする機会を得た。そこで渡辺は思いも寄らぬ発言をし……。

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最終回のネタバレ

厄介事

須崎一郎(小林薫)と設楽拳一(唐沢寿明)はバーで待ち合わせる。送られてきたメールを見た設楽は、隠蔽が事実なら内情を知る者が書いたとしか思えないと答えた。この報告書の存在を知っているのは、たった4人だけであった。

設楽は大貫英一(古田新太)が誘拐事件の主犯だと推測していると教える。設楽は「手の内をさらしていただかないと、お役に立てませんよ?」と報告書の内容を明かすよう須崎に迫った。

報告書には、海洋汚染が起こる可能性があるという重要な情報が含まれていた。この情報が表に出れば、埋め立て計画は中止せざるをえなくなるだろうと須崎は語った。

それどころか推進派の幹事長、環境大臣、国土交通大臣が辞職する可能性もあると設楽は言う。須崎は今は辞職は困ると言う。まだ報道されていないが、アシハラ電気の社員が産業スパイの疑いで、グルネシア共和国の捜査当局に拘束されたことを明かした。現在、外務大臣は解決策を模索中だと言う。

「お受けしましょう」と設楽は引き受ける。なぜなら、既に渡辺達哉(町田啓太)には勝利が見えていると宣言し、自分の助けはもう不要だからだった。

事実、最新の調査では四方田正美(高島礼子)が一歩リードしているが、渡辺が猛追している状況だった。

奥の手

大貫は24年間お世話になりましたと感謝の手紙を残し、突然姿を消した。氏原巧巳(加藤雅也)が大貫に電話をかけるが繋がらなかった。その時、設楽が氏原のところにやってくる。

何とか取り繕うとする氏原に設楽は、「大貫さんはもう出社されないのでは?」と尋ねると、氏原は大貫の行方が分からないと答えた。設楽は大貫から自分が話を聞こうかと申し出るが、氏原は即断できなかった。そこで設楽は方法があると提案する。

その後、バーで早紀(大友花恋)と会った。早紀は父に言われてやってきたと言い、何も答えようとしない。設楽は彼女に対して「私には通用しませんよ。あなたがやったことは分かっている」と厳しく言った。

大貫は早紀が小学生の頃まで、氏原の運転手をしていた。早紀は大貫にとても懐いていた。その事を知っていた設楽は、彼女に携帯電話を出すよう促す。戸惑う早紀に「これ以上、大貫さんに罪を犯させていいんですか?」と脅した。早紀は言われるがままに大貫に電話をかけるが、すぐに切ってしまう。設楽は再びかけるよう迫り「あなたがかければ、必ず出ます」と言った。

やがて大貫が電話に出た瞬間、設楽は電話を奪い、須崎に出したメールの件で会って話したいと伝える。報告書を世の中に出すことは混乱を招くだけであり、建設的な話をしようと提案した。須崎は大貫を警察に引き渡すことを望んでいないが、埋め立て中止の発表もすぐにはできないと状況だと説明した。

設楽はなぜこんな勝ち目のない賭けをするのか尋ね、言い分を自分に託すよう大貫に提案する。大貫が信用できないと言うと、自分が支援している渡辺は埋め立てに反対だと主張した。しかし大貫は単に票を欲しているだけだろうと言って電話を切った。設楽はため息をついた後、不敵に笑った。

交換条件

投票日の5日前、渡辺の支持率がついにトップに躍り出た。その頃、設楽に呼び出された黒羽真二郎(石坂浩二)と須崎が料亭にやってきて設楽が来るのを待っていた。

黒羽がなぜ設楽に頼んだのか尋ねると、須崎は面倒な仕事を一つにまとめるべきだと説明した。リスクを分散すると回収が難しくなるため、このようにしたのだと彼は語った。黒羽は「奴を回収できるのか?」と尋ねると、須崎は自信を持って「ええ、この件が片付き次第」と答えた。

黒羽は設楽の目的が何なのか分からなかった。須崎は「誘拐の犯人探しより、設楽が何を考えているかのほうが、より深い謎かもしれませんね」と同意した。

やがて設楽が現れ大貫に電話で接触し、面会を申し出たことを報告する。都知事選で正美が当選した場合、会見の場で『埋め立ての中止を検討する』と言わせるよう2人に要請した。

黒羽は「そんなことできない」と反対すると、設楽は「渡辺達哉を下ろす」と宣言した

誠実とは何か

渡辺は母の響子(斉藤由貴)に電話し、こないだのことを謝罪した。そして自分の政策についての感想を尋ねた。母は「政策はあまり印象には残っていない。誘拐事件と埋め立て反対しているところばかりだから」と率直に答えた。

痛いところをつかれた渡辺だが「ここまで来たら負けられない。とにかく頑張る」と意気込んだ。響子は「最後まで、あなたらしくね」と心配しながらも励ました。電話を切った後、渡辺は設楽に電話し、面会の約束を取り付けた。

設楽のところへやってきた渡辺は、自分が身代わりになったから支持を得ていることに心配していた。設楽は「法律さえ破らなければ、汚い手を使ってでも当選する。それが選挙だ」と答えた。他の候補者だって学歴詐称をしていたり、実力者の言いなりになっているだろうと諭す。

設楽は「当選してから政治のことを考えればいいんだ」と主張すると、渡辺は苛立って立ち上がった。「決めたのは君だ」と突き放す設楽に対し、渡辺は「残念です。あなたの言っていることは、与党の選挙屋と同じだ」と批判した。

さらに渡辺が青臭いことを言い始めると、「それは理想論だ。勝たなくては何にもできない。負けた人間の言葉は誰も聞かない」と設楽は反論した。そんな世の中を変えるために立候補したと食い下がる渡辺に、設楽は「だったら、誠実に頭を下げるんだな。嘘や作戦で票をもらうのは気に食わないんだろう?私には投票される資格がないと、はっきり都民に伝えるのが、『誠実』ということじゃないか?」と煽った。

渡辺は唖然として言葉を返せないまま、事務所に戻ると暗い部屋の中で選挙ポスターを眺めながら頭を悩ませた。母の「最後まで、あなたらしくね」という言葉が思い出され、渡辺はある決意をした。

暴挙

四方田正美、川本栄太(徳重聡)、渡辺達哉の3人がテレビ番組に出演する。各候補が政策を語る中、渡辺は誘拐事件が選挙に有利に働いたことを認め、それが理由で支持している人がいるなら「どうか私に投票しないでください」と爆弾発言をする。渡辺はさらにそれで当選するのはフェアではない。有権者のみんなを裏切りたくないと語った。

発言を聞いた有権者たちは、SNS上で賛否両論に分かれた。その後、沢村玲子(内田有紀)が設楽のところにやってきて、あんなことを言い出したのは設楽の指示だろうと疑念を示した。

設楽はこれが最善の方法だと主張し、玲子は渡辺を振り回しすぎだと反論した。玲子はどういう意味か説明を求めたが、設楽が答えずにいると怒って帰ろうとした。設楽は玲子に最大限の労いを考えている旨を伝えた。

一方、板倉晃司(小泉孝太郎)に大貫の手紙を見せる氏原は、私物を調べても何も出ないだろうと言う。なぜなら大貫は相当の覚悟と準備をしない限り、実行に移さない男だからだと言った。

都知事決定

都知事選の開票が始まり、やがて玲子が速報で正美が当選確実と報じた

その頃、大貫は佃煮屋を訪れ、店主から餞別だと言って佃煮を贈られた。彼は急に転勤することになったと説明し、埋め立てについてもこの街の人に不利益がないように、会社に伝えておくと説明した。落ち着いたらまた会いに来て欲しいと言う夫妻は子どもがいないため、大貫を息子のように思っており、彼の転勤に対して寂しさを感じていた。

大貫は2人にまた会いに来ると約束をし、頭を下げて店を出ようとした。するとテレビから当選会見をする正美が、東京湾埋め立て事業の見直しを議会にはかると言う。この発言を聞いた大貫は一瞬振り返ってテレビを見た。

店を出た後、大貫は設楽に電話をかけ「どういうことだ?」と質問した。設楽は自分が正美を説得して、埋め立ての見直しを告げたことを説明し、さらに「誠意は分かってくれたか?会ってくれるか?」と尋ねた。大貫は「分かった」と答えて電話を切った。

最終的に正美が460万票を獲得し、次点で川本が94万票、渡辺が93万票と続いた

この結果を須崎に報告する川本は、「力が足りず申し訳ない」と謝罪した。須崎は労いの言葉をかけ、「今後の人生に幸多からんことをお祈りする」と他人事のように言った。すると、川本は無責任だと反論し、民自党に白羽の矢を立てられたことで、自分は全てを失ったと語る。さらに、幹事長は自分を当選させるために何もしなかった。副総理の推した自分なんて、落ちたほうが良かったのだろうと責め始めた。

「念願叶って何よりですね」と川本が皮肉を言うと、加納弘樹(大倉孝二)が「やめなさい!」と叱責した。構わず川本はそのまま帰ろうとするが、須崎が「待ちなさい!」と止めた。

須崎は厳しい表情で柿の種を食べながら、「政治家は選挙に負ければただの人だ。金は底をつき、信頼も失う。だからみんな、選挙に勝つために何でもする。下げたくない頭を下げ、危険な輩とも同席する。君は…そういう覚悟を背負いましたか?ええ?」と凄んだ。川本は迫力に押され、何も返す言葉も見つからなかった。

最大限の労い

渡辺は設楽のもとにやってきて、玲子に謝罪をした。渡辺が「投票するな」と忠告したにもかかわらず、93万票もの投票が寄せられたことについて、有権者が政治家に誠実さを求めていることを理解し、立候補した意味があると玲子は労った。

設楽が「これからどうするのか?」と問いかけると、渡辺はなぜ政治を目指したのかをよく考えてみると語る。そして最後に、埋め立てに賛成だった正美がなぜ見直すと言い出したのかについて、何か裏があるのなら教えてほしいと頼む

設楽は政治家の発言には常に思惑があると言い、自分がそう発言するように頼んだことを暴露する。あれは誘拐事件の主犯へのメッセージだったとし、見直し発言をしたら交渉に応じるかもしれないと思ったからだと明かす。

渡辺は正美がそれを受け入れたのかどうか疑問を抱き、納得できる条件を提示したと設楽は答えた。知りたがる渡辺に「君は知らないほうがいい」と言い、「うそでしょ…」と玲子は設楽の思惑に気付いて戦慄する。渡辺も「まさか…僕に誠実になれと言ったのは…」とようやく気付いた。正美を当選させるための手段だったのか、自分は当て馬だったのか、黒羽に恩を売るためだったのかと憤って問い詰める。

設楽の目的が何なのか「一度ぐらい、ちゃんと答えたらどうですか!」と渡辺は詰め寄るが、設楽は笑い出して「想像してみてくれ」とはぐらかす。渡辺は怒りに震え、目に涙を浮かべながら、「ばかばかしい。分かるわけがない」と吐き捨てて部屋を出て行った。

玲子は心配し「あなたの息子じゃないの?だから冤罪を救ったり、都知事に推したりしたのかと思った」と尋ねる。設楽は「いや、今どき珍しい男だから、どれだけ使えるか試してみたいと思っただけだ」と瞳にうっすら浮かべた涙を隠すように眼鏡をかけて強がった。

玲子は信じられないと言い、設楽は話題を切り替えて「君への礼だが」と切り出す。「配信ニュースの世界には少し飽きただろう、これから黒羽の事務所に行け」と命じる。設楽もこれから最後の詰めに入った。

埋め立て事業が本当に見直されるのか尋ねる正美に対し、黒羽は見直すということは、将来的にやるということでもあると説明する。さらに、副知事選びが重要で、民間から人気のある人物を選ぶべきだと提案し、すでに悪くない推薦があったので決めておいたと明かした。

実はあの会合には続きがあった。渡辺達哉を下ろすその代わりに、正美をサポートできる最適な人物を紹介すると設楽は取引していた

玲子の資料を見た正美は驚き、黒羽は「決めたんだ!」と言って、反論を許さなかった。

主犯との折衝

埋め立て工事予定地で、大貫と設楽は会った。大貫は「再検証の路が開かれる、ありがとう」と感謝した。設楽は報告書を公にするのをやめてもらう代わりに、大貫が誘拐事件の主犯であったことを明かさないと約束した。

大貫に「なぜあんなことをした?」と質問する設楽。大貫は「その前にこちらの質問に答えて欲しい。いつ私の犯行だと気づいた?」と返す。設楽は「最初に会った時。確信したのは、あなたが協力すると申し出た時だ」と答えた。

犯人が折衝と言う言葉を使うのは、随分不自然だと感じたこと説明するが、早紀が関与していることを知ったのは随分後だった答えた。大貫はすぐさま「それは違う」と否定すると、設楽は「彼女を守りたいなら答えてください。真相を」と迫った。

大貫は観念して真相を語り始める。佃島への環境破壊のデータが上がったのは去年の秋頃で、社長がすぐに使用土砂の見直しを提案したが、黒羽と須崎が反対したという。自分はこの事業のために何度も佃島に足を運び、現地住民との折衝を続けていた。親しくなった店の夫婦との交流や、当時小学生だった早紀を夏休みの自由研究に連れて行ったこともあると続ける。

調査結果が上がってきた時に、佃島の文化や産業が失われることを知ってショックを受けた。しかし、黒羽や須崎がいる限り、いくら自分が言っても計画は撤回されないことは分かっていたと大貫は語る。だから事件を起こしたというのは納得ができない、早紀まで巻き込んでと設楽はさらに追及する。

大貫は早紀を巻き込むつもりはなかったと主張する。ある日、早紀が泣きながら「パパがおかしいの…普段はお酒酔って暴れたりしないのに…一体何があったの?」と訴えてきた。大貫は環境汚染があることを明かし、それを社長が仕方なく隠蔽しようとしていると教えてしまう。

何とかならないのかと縋る早紀だが、大貫は上の人間が支持している以上、残念ながら手出しができないと告げた。早紀は諦め切れず「私にも協力させて、何でもするから。佃島の人たちがそんな目にあうの見てられない。しかもそれをパパが進めてるなんて…私は嫌だ」と訴えた。

早紀の言葉を聞いて、大貫は偽装誘拐を企てたと言う。全部自分が仕組んだことにして欲しい。早紀はあくまで被害者だと設楽に言い聞かせる。早紀を巻き込んでしまったことを悔やむ大貫に設楽は、後悔しても時間は巻き戻せないと告げた。

託す爆弾

「これからどうするのか?」と聞かれた大貫は、この足で警察に出頭すると答えた。捜査が長引けば、早紀が疑われる可能性があるためだった。

大貫は設楽に近づき、ハードディスクを差し出す。ハードディスクの中身は、埋め立てによる海洋汚染の全てが詰まっていると大貫が説明した。このタイミングで出頭すれば、報告書を世に問うことができると思っていたのか、「甘いな」と設楽が言うと大貫は微笑んだ。報告書が重要であればあるほど、世に出る可能性が低いと指摘すると、大貫は「ええ、よく分かってますよ」と言い「これは警察には提出しない。あなたに預かっていただきたくて、持参した」と言って渡した。

差し出されたハードディスクを戸惑いながら受け取る設楽に対し、大貫は「私は一介の会社員です。政治の裏はわかりません。あなたなら、いつか有効に使ってくれるでしょう」と語って歩き出す。「私でよろしいのですか?」と設楽が尋ねると、大貫は足を止めて振り返り「最後はあなたに託すつもりでした」と答える。「いつから?」と設楽が問うと大貫は「最初に会った時からです」と言ってお互いに笑い合った。設楽は「では、お預かりします。無駄にはしません」と言うと、大貫は深々と頭を下げた

その後、板倉を呼び寄せた設楽は大貫と共に現れた。警察は政府の組織だが、中には上と戦える人間がいるといって板倉を紹介されると、大貫は「よろしくお願いします」と頭を下げ、板倉は任意同行した

幸せの形

「ご無沙汰しています」と言って、響子がギャラリーにやってくる。「そろそろ来ると思ってた」と店主(秋吉久美子)が設楽のもとに案内した。ギャラリーで設楽と響子が再び会うことになった

「あんな幕切れになるとは思ってなかった。達哉を退かせたのは、この嵐に巻き込まれないようにするため?」と響子が尋ねるが、「聞いても無駄ね。あなたの考えてることは、昔っから私には到底理解できない」と諦めた。

設楽が「彼は正義感があるな。この時代には希少価値だ。君が育ててくれたお陰だよ」と言うと、急に「父親みたいなことをいって」と驚く響子に、「彼は表舞台を歩いていける人間だ。そして俺は裏を這いずり回る。いい組み合わせになると思うよ」と謎めいた言葉を残した。

「どういう意味?」と尋ねる響子に対して、設楽は笑って答えなかった。ただ息子に幸せになって欲しいという響子は、様々な例を挙げて語るが「それが幸せとは限らない」と設楽は反論した。なぜなら「君こそ間逆な人生を選んだはずだが、幸せな顔をしているぞ」と言い、「自分で決められることを、幸せと呼ぶんだ」と設楽は言って去った。残された響子は壁にかかっていた絵をじっと見つめ続けた。

一方、板倉は喫茶店で渡辺と待ち合わせていた。終わったと話す板倉に、渡辺は「いえ、多分始まったんです。埋立事業のことも、大貫さんが犯行を起こした理由も、まだまだ公になっていないことがあるはずです」と語る。板倉は笑いながら「設楽に似てきたな」と指摘し、やめて欲しいと渡辺は否定した。

「俺としてはお前が落選してよかったよ。政治家なんてなってほしくない。お前にはもっとまっとうな路を歩んで欲しい」と板倉が言うと、渡辺はありがとうと感謝し、今度は板倉が入れたコーヒーを御馳走してくれるよう頼んで店を出た。

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最終回の結末

本郷吾一(西田敏行)の墓参りに、設楽は須崎と共に訪れる。本郷の墓は海が見える丘にあり、そこで設楽が埋立事業の今後は、本来の計画通りに大々的な埋立地にするのは難しいと述べ「どこまで縮小するかが課題になる」と話した。

「大貫を出頭させるとはな」と語る須崎に、本人の希望だと設楽が説明する。須崎は計画書がどうなったのか心配していた。設楽が「あれが世に出ることはありません」と答えると須崎は「やはり君が持っていたか」と呆れた。

「あなたにはまだ、国を変える手伝いをしてもらわないといけないので」と言う設楽に「そろそろ君とは縁を切りたいと思っていたのだが」と須崎は答えた。

そこで設楽は「私を始末するなら、もう少し先にしてください。惜しくもない命ですが、無駄に死にたくはないですからね。まだまだやりたいことがある」と答えました。須崎が今度は何をしたいのかを聞くと「近いうちに」とだけ言って笑い立ち去った。

渡辺が設楽の部屋を訪ねると、丸岡慎之介(要潤)が対応した。驚いた渡辺が設楽の行き先を尋ねると、グルネシア共和国の捜査機関に逮捕された、邦人の解放を交渉しに行ったと教えた。さらに手紙を預かっていると言って、それを渡辺に手渡した。

渡辺はどこかの屋上で手紙を読む。そこには何度尋ねても教えてもらえなかった、設楽の真の目的が書かれていた。『私が何のために君を助け、政治に誘いそして辞退に導いたか。それは、君をこの国の総理にしたいからだ』と書かれていた。そして最後に『日本を乗りこなすんだ』とまとめられていた。手紙を読んだ渡辺は泣きながら笑った。

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設楽が渡辺に宛てた手紙の内容

最後に設楽が渡辺に宛てた手紙の内容が、今まで謎とされてきた設楽の目的が分かるものでした。今後、シーズンが新たに作られた際、指針になるものと思われますので、全文掲載します。

君の質問に答えよう。これが最初で最後だ。私が何のために君を助け、政治に誘い、そして辞退に導いたか。それは、君をこの国の総理にしたいからだ。

今回の選挙で君の名前は日本全国に知れ渡った。率直な人間だと思った者もいれば、不真面目なやつだと怒った者もいるだろう。

それでいい。いい評判だけの人間は忘れられる。悪い評判も血肉にするくらいでなければ、政界で上に立つ人間にはなれない。

では、なぜ私がここまで君を見込んだか?君には表舞台に立てる誠実さがあるからだ。

いいか?世の中のを変えるには表に立つ人間と、裏を知り尽くした人間が手を組まなければならない。そして、善人も悪人も含め、あらゆる人間の協力が必要だ。

私が欲しいのは金ではない。権力でもない。ただ、この日本を変えたい。恵まれた者は更に多くを手に入れ、貧しい者は失い続ける。逆転のできない世界を変えたい。

裏を生きる人間には似合わないだろうか?君ならそうは言わないと信じている。そして君ならそれができる。総理大臣なんて荒唐無稽だと思うだろう。しかし、筋書きは私の頭の中でもう出来ている。

いいか達哉。日本を乗りこなすんだ。

最後の最後に“達哉”と名前で呼びかけ、本郷が設楽に告げた「日本を乗りこなすんだ」で締められています。全シーズンを通して見て来た人にとっては、胸が熱くなるようなまとめ方です。

本郷イズムは設楽に継がれ、そして渡辺に繋がるという、大河ドラマのような壮大な話です。ぜひ渡辺が総理大臣になるまでの話を、今後のシーズンで描いてもらいたいと思う手紙でした。

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【フィクサー3】最終回のまとめと感想

都知事は四方田正美が当選し、大貫が逮捕されました。

一行だけで内容をまとめると何とも味気ない話ですが、よく1話でまとめたなと感心します。都知事選、誘拐事件、それらを見事に回収し、そして最後にきれいにまとめました。

今回中でも印象に残ったシーンは、大貫と設楽が埋立予定地で話しをするシーンです。まるで長年苦楽を共にしてきた2人が語り合うようにも見えました。

それが顕著に出るのが設楽が、いつから自分に託そうと思っていたのかを問うと、「最初に会ったときからです」と答えた大貫がニヤリと笑うシーンです。これは大貫が犯人だと思ったのはいつかと聞かれた時に、最初に会ったときだと設楽が答えたことを受けての返しなのですが、それ以上の深みが感じられます。しかし設楽は中埜の時もそうですが、初対面で見抜き過ぎです。

唐沢さんと古田さんの間にある長年の関係があるからなのか、もしかしたらアドリブなんじゃないかと思えるぐらい、大貫の笑いにゾクっとする印象的なシーンでした。

思えばどのシーズンも基本的に2つのことが同時に進行します。シーズン1は事故と総裁選、シーズン2は冤罪と都知事立候補、シーズン3は誘拐事件と都知事選といった形です。その2つがうまく絡み合い、そして最後に決着がつくという流れです。登場人物の関係が分かったほうが深みを増すので、シーズン1から見るのが必至となりますが、どのシーズンから見ても面白いです。

設楽の真の目的が渡辺を総理大臣にすることというのが明らかになり、今後新たなシーズンが作られるのかどうかがとても気になります。是非とも渡辺が議員当選し、その後の派閥争いなど紆余曲折を経て、総理になるところまで描いて欲しいものです。

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