【アンチヒーロー】3話「過去」のネタバレと感想をまとめています。
今回の依頼人は暴行事件で逮捕された人物だった。明墨はいつものように依頼人を無罪に導くよう、様々なところに手を回していた。だが、赤峰はそれに猛反対する。なぜなら今回の依頼人は赤峰にとって因縁の相手だった。
【アンチヒーロー】3話のあらすじ
今回の依頼人はナイトクラブで起きた傷害事件の被告人だった。明墨正樹(長谷川博己)は依頼人の利益を守るため、今回もいつもと変わらず裁判に有利になるよう動いていた。だが、赤峰柊斗(北村匠海)は事務所の方針に納得いっていなかった。なぜなら、依頼人である富田正一郎(田島亮)は赤峰の因縁の相手だったからだ。
赤峰は今の事務所に来る前、担当していた案件で悔しい思いをする。それは正一郎の父親である国会議員の富田誠司(山崎銀之丞)が、事件の関係者を買収したことにより、無実の松永理人(細田善彦)が逮捕されてしまう。さらに誠司は事務所にも圧力をかけ、赤峰を担当から外させた。その結果、松永は有罪となってしまった。
今回もまた正一郎はやっているに違いない。赤峰は正一郎の弁護人にも関わらず、先入観を持って調査に挑んでいた。明墨はそんな赤峰に対して注意をする。そして裁判で出てきた証拠により、裁判は意外な方向へ進み……。
【アンチヒーロー】3話のネタバレ
今回の事件
今回明墨が担当する事件は傷害事件となる。
令和6年(わ)6098A傷害被告事件
被告人:富田正一郎(32)
広告会社社員
平成3年7月17日
被害者:工藤弘和(39)
自営業 昭和59年8月9日
木田智也(32)
車で迎えに行く
逮捕:令和6年3月9日
罪名:傷害
公判事実:令和6年3月8日23:45品川区中品川
「1000CLUB」付近の路上にて暴行
全治3ヶ月の怪我を負わせる
証拠関係:
証言①(被害者本人)→被告人の顔を目視
証言②(複数のクラブ利用者)→両者は口論
証言③(第一発見者)
被告人の富田正一郎の弁護を明墨は引き受けることとなった。
冒頭陳述
第一回公判が開かれ、担当検事の緑川歩佳(木村佳乃)が冒頭陳述をする。被害者の工藤弘和(宮尾俊太郎)は23時45分に退店直後、何者かに背後から突き飛ばされ暴行を受けた。男はパーカーのフードをかぶって顔を隠していたが、工藤は気を失う直前、富田正一郎(田島亮)の顔を見たと証言している。
起訴にあたった経緯は3点ある。1点目は被害者本人の目撃証言。2点目は正一郎と工藤の間に激しい口論があったという複数人の証言。ちなみに2人の間では過去にも同様のトラブルがあった。3点目は事件の第一発見者でトラブルも目撃していたAの証言だ。
Aは店から出る工藤の後をつけるように出て行った正一郎の姿を目撃している。およそ3分後、Aが店から出ると正一郎が大通りに向かう姿を目撃。Aは両者の間に何かあったのではと思い正一郎が現れた方へ向かうと、暴行を受けた工藤の姿を発見した。すぐさま救急車を呼び、工藤は病院に搬送された。
Aが通報した時刻は23時48分、消防指令センターにも記録が残っている。つまり正一郎はこの3分の間に、工藤に暴行を加えたと考えられる。
次に弁護人・明墨正樹(長谷川博己)の冒頭陳述が始まる。正一郎は工藤との間に口論があったことは認めているが、傷害に関しては無罪を主張している。
なぜなら事件発生当時、正一郎は友人の木田智也(水野勝)から電話を受けて店を出ると大通りに向かい、路肩に駐車していた木田の車に乗ってそのまま木田の自宅に向かったからだ。
両者のスマートフォンは共に、23時45分に通話した記録が残っている。店内の防犯カメラにも電話を受けて会話する、正一郎の姿が映っていた。木田も通話後すぐに、正一郎が乗ったと証言している。弁護人はこうして無罪を争うことになった。
現場調査
公判を終え、明墨は赤峰柊斗(北村匠海)と紫ノ宮飛鳥(堀田真由)を引きつれ事件現場へ向かう。店の外には防犯カメラもなく、車が停めてあった通りにもカメラはなかった。木田の車にはドライブレコーダーもついていなかった。
24時に正一郎と木田が木田のマンションのロビーを通っている。現場からマンションまでは15分。48分に出たとしたら12分。3分ぐらいなら急いで時間をごまかすことは可能だと赤峰が言うと、紫ノ宮は依頼人は正一郎だけどと呆れた。
次はクラブの店長・三上(小栗基裕(s**t kingz))に話をきくことにした。工藤は会社を経営している関係かプライドが高く、自分より偉そうな人が来ると絡むという。紫ノ宮がその後、工藤の悪い噂を集めてみた結果、クラブの多くの客からトラブルメーカーとして認知されていた。
赤峰は再び事件発生時刻ごろに現場に行って確かめてみる。マンションの駐車場に置いてあった木田の車に、ドラレコがないのも肉眼で確認してきた。事務所に戻り残業していた紫ノ宮に、有力な証拠が見つからなかったと報告する。
赤峰が紫ノ宮に真犯人は誰だと思うか尋ねるが、紫ノ宮は明墨のことだから何か考えがあるのだろうと言って答えなかった。なぜ明墨の考えにそんなに忠実なのか赤峰が訊くと、「先生の考えに近づきたいので」と彼女は答えて帰った。
因縁の相手
第二回公判で明墨が被害者に質問をする。暴行を受けた時、顔を見たというが本当に覚えているのかと問い、事件当時を再現した動画を流す。
襲われた人物が振り返ってみるが、真っ暗で何も見えない。工藤は自分が襲われた時はもっと明るかったと反論するが、その当時ライトは故障していたと店長が証言していた。そんなはずはないと怒る工藤に明墨は、犯人役の人は何色のパーカーを着ていたかを問う。黒だと工藤が答えるが、実際は赤だった。
目は錯覚を起こし、記憶は偏見と思い込みで作られていると証明した結果となり、無実の犯人を作り上げることもあると明墨は警告した。
公判中、赤峰はずっと不満を抱えていた。事務所に戻るなり、動画があることを知らせてくれなかったことにまずは怒る。「先生はまた、犯罪者を無実にするんですか」と赤峰は食って掛かった。恐らく店長の証言を買収し、本当はドラレコもあったに違いないと主張する赤峰。明墨が「その根拠は?」と問うと、前の事件もそうだったからだと答えた。
赤峰はこの事務所に来る前、富田正一郎絡みの事件を担当していた。前の事件の時も、国会議員の父親・富田誠司(山崎銀之丞)が息子の犯罪を金でもみ消した。
傷害事件の被告人の松永理人(細田善彦)は自分はやっていない、やったのは正一郎だと主張していた。しかし事件の次の日、自宅に警察が来て逮捕されてしまう。事件現場にいた全員が、松永がやったと証言したからだった。
のちに友人の一人が、正一郎の父親が周囲の人間に金をばらまいて、証言を変えさせていたと赤峰は教えてもらう。だが怖くて誰もその事を証言できなかった。
正一郎の父親は事務所にも圧力をかけ、上司からは減刑でいくよう言われるが赤峰は納得しない。すると担当から外されてしまった。その結果、罪状は懲役2年、執行猶予5年だった。判決が出た時、傍聴席にいた赤峰は松永の無罪を叫ぶが退廷させられた。
正一郎との因縁を語った赤峰に明墨は、証拠がないなら妄想と変わらないと切り捨てた。その上、赤峰の力不足が原因で松永は犯罪者になってしまったのだと責める。
この件から降りろと言われるが断り、結審までに正一郎の罪が明らかになる証拠が出たらどうするのかをきく。その場合は弁護人を降りる可能性もあると示唆され、赤峰は改めて証拠を探しに向かった。
中途半端な正義感
現場には防犯カメラもなく、車が停まっていた通りにもカメラはない。赤峰は付近の居酒屋で食事をした写真を上げているSNSを調べる。すると店の窓の外にトラックが停まっているのを見つけた。
赤峰はトラックの会社に行って蒲生(小松利昌)という社員に話をきく。その日は配管工事をしていて、翌朝の6時30分まで車を停めていたという。ドラレコを借りようとした赤峰だが、既に明墨が回収済みだった。
事務所に戻った赤峰は明墨に証拠を隠すつもりなのかと憤る。明墨は構わず映像を見せることにした。映像では23時45分から46分に変わる頃、正一郎がやってきて車に乗っていた。つまりAの証言は嘘ということになる。
明墨の推理ではAこと山野辺宏(市川大貴)も工藤を快く思っていなかったため、正一郎に罪を着せるためにすぐ後に店を出て、工藤に暴行したのではないかと考えていた。
店を出て3分後というのも嘘で、2人が出て行った後に山野辺が出て行った姿が、カメラに映っているはずだという。山野辺は工藤に暴行した後、第一発見者を装い救急車を呼んだ。これが明墨が思い描くストーリーだった。
その可能性を少しでも考えたかと明墨は赤峰に問う。正一郎に対する個人的恨みから、客観的事実を見落としていると指摘する。そして「強い思い込み、中途半端な正義感が人の判断を狂わせる。冤罪を生むのは、そういう人間だぞ」と注意した。
裁判の行方
第三回公判。検事が正一郎を車に乗せたという友人の木田に、新たに入手した映像を見ながら質問をする。その映像は赤峰も見たトラックのドラレコだった。
木田が車を停めて23時45分になっても正一郎はやってこない。ようやくやってきたのは23時48分だった。さらに新たに加えられた証拠の映像を再生する。それは富田誠司の秘書である小杉和昭(渡辺邦斗)が、蒲生に謝礼の金を渡している映像だった。
証拠隠滅の決定的瞬間だと糾弾する検察、弁護人の反論となった時、明墨は急に自分も驚いたと小芝居を始める。そして弁護人の辞任も検討すると答えた。その言葉に赤峰は戸惑い、正一郎はショックを受けた。
閉廷後、緑川が明墨に声をかけた途端、虚偽を暴いてくれて感謝していると、明墨は被せ気味に告げた。
昨日、赤峰たちに見せた映像は実は青山憲治(林泰文)によって、加工された嘘の映像だった。なぜそんなことをしたのかと赤峰が紫ノ宮にきくと「あなたのために、そこまでするなんてね」と紫ノ宮は驚いた。
富田議員から明墨に怒りの電話がかかってくる。明墨は「あなたが息子の罪をもみ消そうとしたのが明らかになった。それだけです」と突き放した。そしてこれ以上弁護はしかねると断った。
明墨は以前、富田と小杉の3人で会食した時、気がかりなこととして工事現場のドラレコの話をした。そして業者の名前を伝えると、富田は小杉を会社に遣わせた。金を渡した映像を撮らせたのもお前だろうと怒る富田に明墨は、証拠はあるのかと開き直って電話を切った。
明墨は正一郎に面会に行く。父親のことを気にかける正一郎に「親子なんてしょせん幻想ですよ。子は親を選べません。でもあなたの人生は、あなたが選択していけばいいんです」と話した。
正一郎はその後、裁判で傷害への関与を認めた。父親の証拠隠滅を指示した疑惑についても、調べることになった。
【アンチヒーロー】3話の結末
なぜ自分に嘘の映像を見せたのか、赤峰はずっと不思議だった。前回は傍聴席で叫んでいたからだと青山が教える。松永の事件の時、実は明墨と青山は傍聴席にいて赤峰のことを見ていた。
明墨がこの案件を受けたのは敵討ちなのかは分からないが、個人的な思いだけで真実を見誤るなと分かって欲しかったのではないかと青山は語る。
事務所のビルの屋上で赤峰は明墨と話す。松永の事件を自分は諦めていないと言い、正一郎の有罪証拠をつかみ、再審に持ち込むと誓った。それが事務所に来た理由だろうと明墨にいわれると、赤峰は正一郎の弁護を明墨が受けたと聞いてやってきたと認めた。
明墨のやり方を見て、松永を救いたいと考えていた。しかし、納得のいかないやり方もあるので、これからもここで見極めていきたいと赤峰は語る。なぜ犯罪者を無罪にするのかと問われた明墨は、「言ったはずだ。自分の思う道を行けと」とだけ告げて去った。
赤峰は事務所が取り扱った過去の案件のファイルを探る。5年より前のがないのは、事務所が5年前にできたばかりで、明墨はその前は検事だったと白木凛(大島優子)が教える。
収監されている志水(緒方直人)にようやく面会する明墨。「ようやくお会いできました」と挨拶した。
【アンチヒーロー】3話の謎とわかったこと
今回も新たに謎が出てきましたので、前回のと合わせて記載します。
1話の謎
- 赤峰が会いに行った人物は誰なのか?→判明
- 明墨が語った事例の人物は誰なのか?
- 獄中で絵を描いている男性は誰なのか?→一部判明
- 紗耶は誰の娘なのか?
- 小国智浩とは誰なのか?
赤峰がコンビニに会いに行っていた人物は、松永理人という人物で、以前自分が担当していた事件の依頼人です。
獄中で絵を描いている男性は志水という名前ですが、それ以上のことはまだ不明です。
2話の謎
- 赤峰がノートに書いていた事件は何なのか?→判明
- 紗耶は児童施設になぜいるのか?
- “REIKO MOMOSE”とは誰なのか?
- 獄中の男になぜ明墨は手紙を出し続けるのか?
- 緋山の動機は何なのか?
赤峰がノートに書いていた事件は、以前自分が担当していた傷害事件です。無実の松永が逮捕起訴され、有罪になってしまいました。正一郎の父親が証人を買収した疑惑があります。
3話の謎
- 明墨はなぜ検事から弁護士になったのか?
- 志水が収監された理由は何なのか?
明墨の前職が検事だと分かります。なぜ検事から弁護士に鞍替えしたのか?きっかけが何かありそうです。
獄中の男が志水という名前の人物だとは分かりましたが、何をしてそこにいるのかが不明です。
【アンチヒーロー】3話のまとめと感想
検察と法医学者の不正を暴き、依頼人の無罪を勝ち取ったという話でした。
有力な証拠がない上、検察の威信がかかっていたためか姫野は懇意にしていた、アカハラ法医学者と結託して証拠の改ざんを行いました。
実際は皮膚片などなかったのに、爪の間から検出されたとねつ造したのです。それを明墨に暴かれ、緋山は無罪になりました。
実際緋山はやっていたのかいないのか?正直言うとまだはっきりとは分かりません。血のついた上着を処分しには行きますが、それが緋山のものなのか?事件の時着ていたものなのかは、よく分からないからです。
どちらにしても家で燃やすなりして処分すればいいものを、わざわざ産廃処理場に持っていくのも謎です。
明墨が例え話で言ったことがもし緋山の動機だとしたら、彼は誰を守ったのか?動機について解明してほしいものです。
次回からは違う案件を扱うことになりそうですが、また数話続くのかもしれません。