3行まとめ
- 警察は、遺体を運ぶ映像と指紋を根拠に、佐野の元妻・薫を犯人として捜査を終えた。
- 北条たちが通っていた研究施設から、「ALIUS」と「MARIONETTE PROJECT」の資料が見つかった。
- 神崎は、ALIUSを人間を操る別人類だと推測したが、その正体や方法はまだ明らかになっていない。
第2話のあらすじ
佐野省吾の元妻・辰巳薫が、北条武彦と大迫大輔の遺体を運んだ人物として浮上する。現場からは薫の指紋も見つかり、すでに自殺していたことから、警察は被疑者死亡のまま捜査を終えた。
しかし、薫が人を殺すはずがないと信じる佐野は、独自に捜査を続ける。大迫の運転手から話を聞いた結果、大迫は毎週つくばへ通い、北条や会社社長の渡部恭平とも行動をともにしていたことが分かった。
一方、神崎透流と羽住杏奈は、北条のカーナビから割り出した研究施設へ向かう。施設内では薬品や血液の痕跡に加え、「ALIUS」「MARIONETTE PROJECT」と書かれた資料が見つかった。
神崎は、ALIUSとはホモ・サピエンスとは異なる別人類「ホモ・アリウス」であり、人間を操る特殊な能力を持っているのではないかと推測する。さらに、薫もALIUSに操られていた可能性を口にした。
その直後、渡部が殺害され、容疑者の男は「体が勝手に動いた」「事件の記憶がない」と供述する。薫の事件との共通点を感じた佐野は、神崎の仮説を無視できなくなった。
薫は北条と大迫を殺したのか
警察は薫を犯人として捜査を終えた
北条武彦と大迫大輔の連続殺人事件では、佐野の元妻・辰巳薫が被疑者として浮上しました。
警察は、薫がすでに死亡していることから、被疑者死亡のまま送致する方針を決めます。特別捜査本部も解散となり、事件は薫による犯行として処理されようとしていました。
しかし、この時点で明らかになっていたのは、薫が遺体を運んだように見える映像と、現場から薫のものとみられる指紋が見つかったことだけです。北条と大迫を実際に殺害した場面は確認されておらず、動機も分かっていません。
それにもかかわらず、警察は十分な検証をしないまま捜査を終えました。佐野だけでなく、神崎も「何一つ明らかになっていない」と疑問を抱いています。
薫の指紋と遺体を運ぶ映像
薫を犯人とする最大の根拠は、遺体を運ぶ姿を捉えた映像と、遺棄現場から検出された指紋でした。
映像には、ワゴン車から人が入っているような袋を引きずり出す人物が映っており、その顔は薫に見えます。さらに、北条だけでなく、大迫の遺棄現場からも薫のものとみられる指紋が見つかりました。
ただし、これらは薫が遺体遺棄に関わった可能性を示す証拠であって、殺害そのものを証明するものではありません。
また、第2話では、薫らしき人物が何者かから包丁を受け取る場面も描かれました。これが事実なら、薫は単独で事件を計画したのではなく、別の人物に利用されていた可能性があります。
一方で、映像や指紋そのものに仕掛けがある可能性も残ります。神崎が3Dプリンターで北条の指紋を再現したように、指紋が絶対に偽造できない証拠ではないことも作中で示されていました。
佐野が薫の犯行を信じられない理由
佐野が薫の犯行を信じられないのは、元妻だからかばっているだけではありません。
薫は警察官だった頃、ネグレクトされていた少女の面倒を見ていました。佐野が警察の仕事を超えているのではないかと心配しても、薫は「偽善でも自己満でもいいの。私やめないから」と言い切ります。
困っている人を放っておけず、自分が非難されても手を差し伸べようとする人物でした。そんな薫が、理由もなく二人を殺害するとは佐野には思えません。
薫の父・啓太も、娘が人を殺すはずがないと訴えました。佐野にとって薫は、少なくとも警察が発表したような単純な連続殺人犯ではないのでしょう。
ただし、薫がまったく事件に関わっていなかったとも断定できません。遺体を運んだのか、誰かに操られたのか、それとも映像や指紋が偽造されたのか。第2話では薫の関与を示す材料だけが並べられ、その真相は伏せられています。
北条・大迫・渡部をつないだ研究施設
大迫は毎週つくばへ通っていた
佐野は大迫大輔が経営していた会社を訪れ、送迎を担当していた運転手から話を聞き出します。
大迫は週に一度のペースでつくばへ通っており、つくば駅で別の車に乗り換えていました。運転手は目的地までは知らなかったものの、その際の大迫たちは普段より緊張していたと証言しています。
大迫はAI企業の開発者でありながら、つくばで何らかの秘密の活動に関わっていたことになります。単なる出張ではなく、外部に知られないよう移動経路まで隠していた可能性があります。
北条と渡部も同じ車に乗っていた
運転手によると、大迫の車には北条武彦が同乗することもありました。さらに、会社社長の渡部恭平も乗せたことがあったといいます。
脳神経外科医の北条、AI企業を率いる大迫、そして会社社長の渡部。一見すると接点のない3人ですが、全員がつくばで行われていた何らかの活動に関わっていたことになります。
北条と大迫が相次いで殺害された後、渡部も命を狙われました。3人が同じ研究施設へ通っていたのであれば、一連の事件は個人的な恨みによる殺人ではなく、そこで行われていた研究を隠すための口封じだった可能性もあります。
ただし、第2話では、渡部が研究にどのような立場で関わっていたのかまでは明らかになっていません。研究者だったのか、資金を提供していたのか、それとも別の役割を担っていたのかは今後の焦点になります。
研究所で見つかった「ALIUS」
一方、神崎と羽住は、北条のカーナビから復元した移動履歴をもとに、つくばの研究施設へたどり着きます。
施設の内部には薬品棚があり、床には割れた血液サンプルのような痕跡も残されていました。さらに、シュレッダーにかけられた資料をつなぎ合わせると、「ALIUS」と「MARIONETTE PROJECT」という文字が浮かび上がります。
資料には「突然変異によって独自の機能を獲得」とも記されていました。
これにより、ALIUSは単なる研究施設の名前ではなく、北条たちが研究していた対象を示す言葉である可能性が高まります。また、「マリオネット」が操り人形を意味することから、人間の行動や意思を操作する研究が行われていたとも考えられます。
ただし、北条たちがALIUSを発見して研究していたのか、それとも人工的に作り出そうとしていたのかは、まだ分かっていません。第2話で判明したのは、3人が同じ施設につながり、その場所でALIUSに関する研究が進められていたというところまでです。
マリオネット計画とは何なのか
研究所に残されていた薬品と血液
神崎と羽住がたどり着いた研究施設には、薬品棚が並び、床には割れた血液サンプルのような痕跡が残されていました。
このことから、施設では単なるデータ解析ではなく、人体や血液に関わる医学的な研究が行われていた可能性があります。北条が脳神経外科医であることを考えると、脳や神経、遺伝子などを扱っていたことも考えられます。
ただし、第2話では、どの薬品が使われていたのか、血液が誰のものだったのかまでは明らかになっていません。研究内容を断定できる段階ではなく、医学とAIを組み合わせた何らかの実験が行われていた可能性が示されたにすぎません。
「突然変異によって独自の機能を獲得」
研究施設に残されていた資料には、「突然変異によって独自の機能を獲得」という文言がありました。
この記述がALIUSを指しているのであれば、ALIUSはホモ・サピエンスとは異なる能力を持つ存在として研究されていた可能性があります。神崎は、これをサピエンスとは別の人類である「ホモ・アリウス」につなげました。
ただし、突然変異が自然に起きたものなのか、北条たちが人工的に起こそうとしていたものなのかは不明です。
すでに存在するALIUSを発見して調べていたのか。それとも、医学やAIによって新たな能力を持つ人間を作り出そうとしていたのか。研究の目的によって、北条たちの立場も大きく変わります。
マリオネットは操り人形を意味する
シュレッダーにかけられていた資料からは、「MARIONETTE PROJECT」という文字も見つかりました。
マリオネットとは、糸で動かす操り人形のことです。そのため、この計画は人間の意思や行動を操作する研究だった可能性があります。
第1話では、大迫の口の中から「They Control homo sapiens」と書かれた紙が見つかりました。さらに、第2話では、渡部殺害の容疑者が「体が勝手に動いた」「事件の記憶がない」と供述しています。
これらをつなげると、マリオネット計画は、人間を自分の意思とは無関係に動かす仕組みを研究するものだったとも考えられます。
ただし、その方法がALIUSの特殊能力なのか、薬物や脳への処置なのか、AIや機器によるものなのかはまだ分かりません。第2話の時点では、マリオネット計画が「人間を操ること」に関係している可能性は高いものの、その対象と方法、目的は謎のままです。
神崎が考えた「ホモ・アリウス」とは
ホモ・サピエンスとは異なる人類
神崎は、北条たちが研究していた「ALIUS」を、ホモ・サピエンスとは異なる別の人類ではないかと推測しました。
かつて地球上には、ネアンデルタール人やデニソワ人など、ホモ・サピエンス以外の人類も存在していました。しかし、それらはすでに絶滅し、現在生き残っている人類はホモ・サピエンスだけだと考えられています。
一方で神崎は、ホモ・サピエンス以外の人類が現在も存在しないと、完全に証明することはできないと説明しました。
「別の」を意味するラテン語の「アリウス」を人類名として考えれば、その存在は「ホモ・アリウス」と呼べます。神崎は、北条たちが秘密裏に研究していたALIUSこそ、現代まで生き残った別人類ではないかと考えたのです。
ただし、これは研究資料から神崎が導き出した仮説であり、ALIUSが実在することや、別人類であることが確認されたわけではありません。
アリウスは特殊な能力を持っているのか
神崎は、ホモ・アリウスがホモ・サピエンスにはない特殊な能力を持っている可能性も指摘しました。
研究施設で見つかった資料には、「突然変異によって独自の機能を獲得」と記されていました。北条が「あと少しで世界がひっくり返る」と話していたことからも、研究対象には既存の常識を変えるほどの特徴があったと考えられます。
神崎が想定したのは、人間の意思や行動を操る能力です。もし別人類がホモ・サピエンスを自在に動かせるのであれば、人類社会の力関係そのものが変わります。北条のいう「世界がひっくり返る」という表現にもつながります。
ただし、その能力が超能力のようなものなのかは分かりません。
北条が脳神経外科医であり、研究所には薬品や血液サンプルが残されていました。脳への処置や薬物、AIを利用した刺激など、科学的な方法で人間の行動や記憶に介入していた可能性もあります。
また、ALIUSが政治家や警察、報道機関などに紛れ込み、情報や制度を通じて社会を動かしているという間接的な支配も考えられます。外見ではホモ・サピエンスと区別できず、すでに普通の人間として暮らしている存在なら、より静かに人類を操ることができます。
「彼らは人類を操る」とのつながり
第1話では、大迫の口の中から「They Control homo sapiens」と書かれた紙が見つかりました。これは「彼らはホモ・サピエンスを操る」という意味です。
研究所で見つかった「MARIONETTE PROJECT」も、神崎の仮説を支える材料になっています。マリオネットは糸で動かされる操り人形であり、どちらも人間が何者かに支配されていることを示しています。
さらに、渡部殺害の容疑者は、事件当時の記憶がなく、「体が勝手に動いたような気がする」と供述しました。この言葉をそのまま受け取れば、何者かに直接行動を操作された可能性があります。
一方で、容疑者の記憶が薬物や脳への処置によって失われた可能性や、供述そのものが偽りである可能性も残っています。
「彼ら」がALIUSを指しているのか、ALIUSを研究する北条たちを指しているのかも、まだ明らかではありません。神崎の仮説によって断片はつながり始めましたが、人類を操る存在と方法については、複数の可能性を残して考える必要があります。
アリウスはどのように人間を操るのか
超能力によって直接操る可能性
神崎は、アリウスがホモ・サピエンスを操る特殊な能力を持っているのではないかと推測しました。
第2話の終盤では、渡部恭平を殺害した容疑者が「体が勝手に動いたような気がする」「事件当時のことは何も覚えていない」と供述しています。この言葉をそのまま受け取れば、本人の意思とは無関係に体を動かす力が存在することになります。
薫らしき人物も、何者かから包丁を受け取る姿が描かれました。アリウスが人間へ直接命令を送り、殺人や遺体遺棄を実行させているのであれば、神崎のいう「人間を操る別人類」という仮説にも合います。
ただし、第2話の時点では、アリウスが超能力を使った場面は確認されていません。容疑者の供述だけを根拠に、念力や精神支配のような能力があると断定することはできません。
脳科学や薬物によって行動を操作する可能性
人間を直接操っていたとしても、その方法が超能力とは限りません。
北条は脳神経外科医であり、研究施設には薬品棚や血液サンプルの痕跡が残されていました。また、研究にはAI企業を経営する大迫も関わっています。
この組み合わせから考えると、脳への処置や薬物、医療機器、AIによる刺激などを使い、人間の判断や記憶へ介入していた可能性があります。
渡部殺害の容疑者が犯行を覚えていないのも、行動を完全に操られたからではなく、事件後に記憶を消されたためかもしれません。あるいは、判断力を低下させられた状態で命令を与えられ、本人が自分の意思で動いたと思い込んでいる可能性もあります。
北条たちが研究していたのはアリウスそのものではなく、アリウスが持つ機能をホモ・サピエンスへ再現する技術だったとも考えられます。
政治・警察・報道を通じて社会を操る可能性
「人類を操る」という言葉は、一人ひとりの体を直接動かすことだけを意味するとは限りません。
アリウスが外見上はホモ・サピエンスと変わらず、すでに人間社会の中で普通に暮らしている存在なら、政治家や警察、報道機関、企業などに入り込み、社会全体を動かしている可能性があります。
第2話では、薫の犯行や動機が十分に明らかにならないまま、警察は捜査本部を解散しました。さらに、薫の父・啓太は佐野の前に現れ、すでに娘が事件を起こしたことを知っているようでした。
警察がいつ、どのような内容を公表したのかは描かれていません。誰かが薫を犯人とする情報を早い段階で流し、世間の認識を固めようとしていた可能性もあります。
情報を選び、発表する内容を操作し、人々に特定の結論を信じさせる。これもまた、人類を操る方法の一つです。
複数の「操る」が同時に存在する可能性
アリウスによる支配は、どれか一つの方法に限らない可能性もあります。
一般の人間には薬物や脳への処置を使い、事件の実行役にする。一方で、警察や報道機関にはアリウス自身が入り込み、捜査や情報の流れを操作する。直接的な行動支配と、社会全体への間接的な支配が同時に行われているのかもしれません。
また、アリウスが特殊能力を持つ別人類であり、北条たちはその能力を医学とAIによって研究していたとも考えられます。その研究成果が「MARIONETTE PROJECT」として、人間を操る技術に利用された可能性もあります。
第2話では、人間を操る存在がいることを思わせる材料は増えました。しかし、誰が誰を、どの方法で、何の目的のために操っているのかは分かっていません。
神崎の仮説は一つの入口にすぎず、超能力、脳科学、情報操作、そしてそれらを組み合わせた支配まで、複数の可能性を残して考える必要があります。
薫は操られていたのか
渡部殺害の容疑者は記憶を失っていた
第2話の終盤では、渡部恭平を殺害した容疑者が逮捕されました。
男は被害者に恨みはなく、事件当時のことも覚えていないと供述しています。さらに、「体が勝手に動いたような気がする」と話していました。
この供述が事実であれば、容疑者は自分の意思とは無関係に渡部を殺害した可能性があります。神崎が語った「アリウスは人間を操る」という仮説を裏づけるような展開です。
ただし、記憶がないからといって、必ずしも別人類の特殊能力によって操られたとは限りません。薬物や脳への処置によって記憶を失った可能性もあれば、供述そのものが偽りである可能性も残っています。
薫も包丁を渡されていたように見える
第2話では、街中で何者かが包丁を手渡し、それを薫らしき人物が受け取る場面も描かれました。
この場面が実際に薫の過去を示しているのであれば、薫は単独で殺人を計画したのではなく、別の人物から凶器を渡され、事件へ巻き込まれた可能性があります。
渡部殺害の容疑者と同じように、薫も何者かの指示や操作を受けていたと考えれば、遺体を運ぶ映像や現場に残された指紋ともつながります。
しかし、包丁を受け取った人物が本当に薫なのか、その場面が事実なのか、回想やイメージなのかはまだ明らかではありません。
操られていても薫は実行犯になってしまう
神崎は、薫がアリウスに操られていた可能性を口にしました。
ただし、仮に薫が自分の意思を奪われて北条や大迫を殺害していたとしても、実際に手を下した人物が薫であることに変わりはありません。
もちろん、本人に責任を問える状態だったかどうかは別の問題です。しかし、佐野が追っているのは、単に薫に悪意がなかったという真相ではなく、薫が殺人犯ではなかったという可能性にも見えます。
薫が操られていたという説明だけでは、佐野にとって完全な救いにはなりません。むしろ、愛した相手が他人の意思によって殺人を実行させられたという、より残酷な結末になります。
そのため、神崎の仮説がそのまま薫の真相になるとは限りません。
映像や指紋が偽造された可能性
薫が北条と大迫を殺していないのであれば、最も疑わしいのは映像と指紋です。
警察が薫を犯人と判断した主な根拠は、遺体を運ぶ姿を捉えた映像と、遺棄現場から見つかった薫のものとみられる指紋でした。
しかし、第2話では神崎が3Dプリンターで北条の指紋を再現し、研究施設の認証を解除しています。指紋が人工的に作れることを、作品自身が示した形です。
同じ技術が使われていれば、薫の指紋を事件現場へ残すことも不可能ではありません。
映像についても、薫に似た人物を用意した可能性や、撮影データそのものが加工されている可能性があります。大迫がAI企業を経営していたことを考えると、映像の偽造や編集が事件に関わっていることも考えられます。
第2話の時点では、薫が操られて事件へ加担した可能性と、薫を犯人に見せる証拠が作られた可能性の両方が残っています。佐野が薫の無実を証明するには、彼女の行動だけでなく、警察が信じた証拠そのものを疑う必要がありそうです。
警察はなぜ早々に薫を犯人と決めたのか
真相が不明なまま捜査本部は解散した
警察は、北条武彦と大迫大輔の連続殺人事件について、辰巳薫を被疑者と判断しました。
遺体を運ぶ姿を捉えた映像と、遺棄現場から検出された指紋が主な根拠です。しかし、薫が二人を殺害した場面は確認されておらず、犯行動機も明らかになっていません。
それにもかかわらず、薫がすでに自殺していたことから、警察は被疑者死亡のまま送致する方針を決め、特別捜査本部を解散しました。
神崎も、何一つ明らかになっていないのに捜査を終える警察の判断に疑問を抱いています。薫が遺体遺棄に関わった可能性はあっても、殺人事件の全容まで解明されたとはいえません。
警察が単に早期解決を優先したのか、それとも事件をこれ以上調べさせたくない事情があるのか。捜査本部の解散そのものが、事件の背後に警察内部の意思が働いている可能性を感じさせます。
義父はすでに薫を犯人だと知っていた
捜査本部の解散後、佐野の前に薫の父・辰巳啓太が現れました。
啓太は佐野に「どういうことだ」と問いかけ、薫が人を殺すはずがない、自殺するはずもないと訴えています。その様子から、啓太はすでに警察が薫を事件の犯人と見ていることを知っていたようです。
しかし、第2話では、警察がいつ薫の容疑を公表したのか、どこまで事件の内容を発表したのかは描かれていません。
捜査本部が解散した直後に、家族が薫を犯人とする情報を知っていることには、やや唐突さがあります。報道ですでに伝えられていたのか、警察から遺族へ説明があったのか、それとも別の経路から情報が流れたのかは不明です。
単なる場面の省略とも考えられますが、情報操作が物語の中心に関わるのであれば、この早さにも意味があるのかもしれません。
誰かが情報を意図的に流した可能性
薫を犯人とする情報が意図的に流されたのであれば、その目的は、世間に事件が解決したと思わせることだと考えられます。
犯人が死亡し、警察が捜査を終えたと発表すれば、北条たちが通っていた研究施設や「ALIUS」「MARIONETTE PROJECT」へ注目が向く可能性は低くなります。
薫一人に罪を背負わせることで、研究の存在と3人の接点を隠そうとしたのかもしれません。
また、報道や警察発表によって「薫が犯人」という認識を社会へ広めれば、証拠を詳しく検証しようとする声も弱くなります。これは人間の体を直接動かすのとは異なる、情報による操作です。
アリウスが政治、警察、報道などに入り込み、人々の認識を誘導している存在だとすれば、薫を犯人に仕立てた一連の流れも「人類を操る」方法の一つと見ることができます。
ただし、第2話の時点では、警察が組織的に事件を隠していると断定できる証拠はありません。上層部から何らかの圧力がかかったのか、証拠を信じて通常の処理をしただけなのかも不明です。
それでも、動機や殺害方法を解明しないまま事件を終わらせた判断には疑問が残ります。警察の早すぎる幕引きは、薫の冤罪だけでなく、事件の背後にいる存在へ近づくための重要な手がかりになりそうです。
コラム|神崎はなぜALIUSへ導くのか
北条のカーナビを独自に復元していた
神崎は、北条武彦のカーナビに残された履歴を復元し、北条が繰り返し訪れていた場所を突き止めました。
毎回削除されていた履歴を復元したことで、神崎と羽住はつくばの研究施設へたどり着きます。結果として、この行動が「ALIUS」と「MARIONETTE PROJECT」の発見につながりました。
神崎は科警研から捜査一課へ出向している研究者であり、データの復元自体は能力の範囲内とも考えられます。しかし、捜査本部が解散した後も独自に調査を続け、佐野より先に研究施設へ向かった動きには、積極性以上のものを感じます。
単に事件への好奇心が強いのか、それとも最初から北条の研究へたどり着くことを目的としていたのか。神崎は捜査に参加しているというより、佐野たちを一定の方向へ案内しているようにも見えます。
3Dプリンターで北条の指紋を用意していた
研究施設の扉には指紋認証が使われていましたが、神崎は北条の指紋を3Dプリンターで再現し、ロックを解除しました。
問題は、現地で指紋認証に気づいてから作ったのではなく、あらかじめ北条の指紋を用意していたことです。
神崎は、研究施設に入るために北条の指紋が必要になると予想していたのでしょうか。それとも、北条が生体認証を使う施設へ出入りしていたことを、事前に知っていたのでしょうか。
捜査を進めるための準備としては非常に周到ですが、行動があまりにも先回りしています。
また、この場面は指紋が人工的に複製できることを示しました。薫の指紋が事件現場から見つかったことを考えると、結果的には警察が信じた証拠へ疑いを向ける描写にもなっています。
神崎は扉を開けただけではなく、薫の冤罪を考えるための材料まで、佐野たちと視聴者の前へ置いたことになります。
研究資料からすぐに別人類へたどり着いた
研究施設で見つかった資料は、細かく裁断されていました。
そこに残されていたのは、「ALIUS」「MARIONETTE PROJECT」「突然変異によって独自の機能を獲得」といった断片です。
神崎はこれらをつなぎ、ALIUSとはホモ・サピエンスとは異なる別人類「ホモ・アリウス」であり、人間を操る能力を持つのではないかという仮説を立てました。
筋の通った仮説ではありますが、資料から別人類へ飛躍するまでが非常に早く見えます。
「ALIUS」が研究対象の名称とは限らず、計画名や施設名、技術名である可能性もあります。それでも神崎は、迷うことなく人類の分類へ結びつけました。
第1話でも、北条が「世界がひっくり返る」と語っていたことに神崎は強く反応していました。今回の仮説も含めると、神崎はALIUSについて初めて考え始めたのではなく、以前から似た存在や研究を想定していた可能性があります。
神崎は黒幕なのか、それともかき乱し役なのか
神崎が怪しく見える最大の理由は、事件を解決するというより、佐野たちをALIUSへ近づけようとしているように見えることです。
カーナビを復元し、北条の指紋を用意し、研究施設へ入り、別人類の仮説を提示する。第2話の重要な発見は、ほとんど神崎によって運ばれてきました。
もし神崎が黒幕側の人物なら、佐野をわざとALIUSへ近づけていることになります。
佐野に真相を追わせることで何かを発見させようとしているのか。あるいは、神崎の用意した仮説へ意識を向けさせ、本当の仕組みから遠ざけようとしているのかもしれません。
一方で、神崎は黒幕ではなく、物語を動かすためのかき乱し役という可能性もあります。
科学への好奇心が強く、危険を顧みずに仮説を試す人物だからこそ、慎重な警察組織では止まってしまう捜査を前へ進められる。神崎の唐突な行動も、その性格と役割を強調するためのものとも考えられます。
また、神崎自身がALIUSについて一部だけ知っており、全体像までは知らない可能性もあります。黒幕側から送り込まれた人物ではなく、別の目的でALIUSを探している人物かもしれません。
第2話の時点では、神崎が敵なのか味方なのかを判断する材料は足りません。ただし、偶然にしては準備がよすぎ、仮説へたどり着くのも早すぎます。
神崎は真相を解く案内役なのか、それとも佐野を自分の望む場所へ連れていく誘導役なのか。前回に続き、その立場には強い疑いが残りました。
佐野を遠くから撮影していた人物は誰なのか
第2話では、薫の死を受けて一人で涙を流す佐野の姿を、何者かが遠くから撮影していました。
撮影者の顔は映らず、目的も明らかになっていません。単に佐野の行動を記録しているのか、それとも薫の事件を追い続けるかどうか監視しているのかも不明です。
考えられるのは、まずALIUSや研究所に関係する人物です。佐野が薫の無実を信じて独自に動けば、北条たちの研究や事件の背後へ近づく可能性があります。そのため、どこまで真相へ迫っているのか確認していたのかもしれません。
また、警察内部の人物が佐野を監視している可能性もあります。捜査本部はすでに解散しており、佐野は正式な捜査から外された状態です。それでも独自に調べ続けるのであれば、上層部にとって放置できない存在になります。
一方で、撮影者が神崎とつながっている可能性も否定できません。神崎は佐野をALIUSへ近づけるように動いており、佐野がどのような反応を示すのか確認していたとも考えられます。
ただし、第2話では、撮影者を特定できる材料はありません。
重要なのは、佐野が自分の意思で捜査を続けているつもりでも、その行動はすでに誰かに見られているという点です。佐野は真相を追う側であると同時に、何者かに観察され、動きを測られる側にもなっています。
撮影者が敵なのか味方なのかは分かりませんが、この監視は、佐野の独自捜査が何者かの計画の中へ組み込まれている可能性を示しているのかもしれません。
第2話で残された謎
ALIUSはすでに社会に存在しているのか
神崎は、ALIUSをホモ・サピエンスとは異なる別人類「ホモ・アリウス」ではないかと推測しました。
しかし、第2話ではALIUSに該当する人物は確認されていません。北条たちがすでに存在する別人類を研究していたのか、それとも研究の中で新たに生み出そうとしていたのかも不明です。
ALIUSが実在するのであれば、外見はホモ・サピエンスとほとんど変わらず、すでに普通の人間として社会に紛れ込んでいる可能性もあります。
人間を操る仕組みは何なのか
研究所では「MARIONETTE PROJECT」という資料が見つかり、渡部殺害の容疑者も「体が勝手に動いた」「記憶がない」と供述しました。
これらは、人間の意思や行動を操作する何らかの仕組みが存在することを思わせます。
それがALIUSの特殊能力なのか、薬物や脳への処置なのか、AIや医療機器を使った技術なのかは分かっていません。政治や警察、報道を通じた情報操作という間接的な「支配」も考えられます。
北条たちはALIUSを研究していたのか、作ろうとしていたのか
北条、大迫、渡部は、つくばの研究施設へ通っていました。施設には薬品や血液サンプルの痕跡があり、「ALIUS」や「突然変異によって独自の機能を獲得」という資料も残されていました。
北条たちがすでに存在するALIUSの特徴を調べていたのか、それとも医学とAIを使ってホモ・サピエンスに新たな機能を持たせようとしていたのかは、まだ明らかではありません。
研究対象と研究成果のどちらをALIUSと呼んでいたのかも、今後の重要な謎です。
薫の映像と指紋は本物なのか
薫を犯人とする主な根拠は、遺体を運ぶ姿を捉えた映像と、遺棄現場から検出された指紋でした。
しかし、薫が二人を殺害する場面は確認されていません。また、神崎が3Dプリンターで北条の指紋を再現したことで、指紋は人工的に用意できることも示されました。
映像についても、薫に似た別人を使った可能性や、データそのものが加工されている可能性があります。薫が操られていたのか、それとも証拠によって犯人に仕立てられたのかは分かっていません。
神崎はALIUSについてどこまで知っているのか
神崎は北条のカーナビを復元し、事前に北条の指紋を用意して研究所へ入りました。さらに、断片的な資料からすぐにホモ・アリウスの仮説へたどり着いています。
単に研究者として能力と好奇心が高いだけとも考えられますが、準備や推理があまりにも先回りしています。
神崎は今回初めてALIUSの存在を知ったのか。それとも、以前から似た研究や別人類の存在を知っていたのか。佐野たちを真相へ導いているのか、別の方向へ誘導しているのかも不明です。
警察上層部はなぜ捜査を終わらせたのか
警察は、薫の動機や殺害方法を解明しないまま、被疑者死亡として捜査本部を解散しました。
薫が遺体遺棄に関わった可能性を示す証拠はあっても、連続殺人事件の全容が明らかになったとはいえません。
証拠をそのまま信じて通常の処理をしただけなのか、それとも研究所やALIUSへ捜査が及ばないよう、上層部が意図的に幕引きを図ったのか。警察内部に事件の関係者がいる可能性も含め、早すぎる捜査終了の理由は大きな謎として残りました。
まとめ|神崎の仮説によってALIUSの輪郭が見え始めた第2話
第2話では、北条、大迫、渡部がつくばの研究施設でつながり、その場所で「ALIUS」と「MARIONETTE PROJECT」に関する研究が行われていたことが分かりました。
神崎は、ALIUSをホモ・サピエンスとは異なる別人類「ホモ・アリウス」と考え、人間を操る特殊な力を持っているのではないかと推測します。
さらに、渡部殺害の容疑者が「体が勝手に動いた」「事件の記憶がない」と供述したことで、その仮説には現実味も加わりました。
ただし、人間を操る方法が超能力なのか、脳科学や薬物、AIによるものなのかは分かっていません。警察や報道を通じて、人々の認識そのものを動かしている可能性も残されています。
また、薫が本当に事件へ関わったのかも不明です。操られていた可能性だけでなく、映像や指紋が偽造され、犯人に仕立てられた可能性も考えられます。
神崎の仮説によって断片は少しずつつながりましたが、ALIUSの正体が明らかになったわけではありません。
むしろ第2話は、ALIUSとは何者なのか、人間をどのように操るのか、北条たちは何を研究していたのかという可能性が一気に広がった回でした。
さらに、神崎があまりにも早く核心へ近づいていることや、警察が真相を解明しないまま捜査を終えたことにも疑問が残ります。
ALIUSの輪郭は見え始めました。しかし、その姿はまだ霧の向こうです。神崎の仮説が真相への入口なのか、それとも別の方向へ導くための罠なのか、今後も慎重に見ていく必要がありそうです。
