【相棒シーズン22】13話「恋文」のネタバレと感想をまとめています。
美和子のところにラブレターが複数届き、右京は送り主が誰か突き止めて欲しいと頼まれる。遺体で発見された青年が、美和子宛の封筒を手にしていたことから、事件は意外な方向へ……。
【相棒22】13話のあらすじ
こてまりで飲んでいた杉下右京（水谷豊）に亀山美和子（鈴木砂羽）が、自分宛に届いたラブレターの送り主を突き止めて欲しいと依頼する。
その頃、亀山薫（寺脇康文）は1人夜の街にいた。伊丹憲一（川原和久）に絡まれていると、偶然遺体が発見される騒ぎに巻き込まれる。遺体の手には美和子宛の封筒が握られていた。
美和子が警察に呼ばれて遺体の確認をしたところ、行き着けのカフェの店員・佐藤晴樹（松澤和輝）ということが分かった。
美和子宛の封筒には手紙はなく、犯人に持ち去られていた。戸倉充（モト冬樹）という画家の絵画展のチラシを、佐藤は所持していた。
戸倉は12年前に妻の祥子（岡内美喜子）が失踪し、今も警察署の前で情報を募っていた。失踪か殺人か、右京たちが12年前の真実とラブレターの送り主を暴く。
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【相棒22】13話のネタバレ
12年前の失踪
杉下右京（水谷豊）と亀山薫（寺脇康文）は、戸倉充（モト冬樹）の妻・祥子（岡内美喜子）が失踪した事件を調べに、所轄の警察署へ足を運ぶ。
戸倉は売れない画家だったため、祥子が昼は家事代行、夜は居酒屋で働いて夫を支えていた。嫌気がさして失踪したのではないかとも言われていた。
失踪前後に男につきまとわれていたという証言もあった。当時戸倉には金を貸してくれるパトロンがいた。画廊のオーナー清水久志（佐野元哉）だ。
しかし清水は途中で戸倉を見限り、貸した金を返すようなぜか妻に迫っていた。近所の人の証言では、清水が激昂して手を上げることもあったという。
清水も画廊の経営が厳しく切羽詰っていた。清水が行き過ぎた暴力の末に殺害したのではないか、と所轄の刑事は考えていた。
遺体は見つかっていないが、12年も帰って来ないのだから死亡している可能性が高かった。
参考人として清水に話を聞こうにも、喫茶店で暴力団の抗争に巻き込まれ、拳銃で撃たれて死亡していた。これ以上調べようがない状態だった。
過去の繋がり
右京たちは祥子が勤めていた、家事代行サービスの会社へ行って話を聞く。祥子が退職した理由は、客先とのトラブルが原因だった。
祥子が以前派遣された家で、子どもが虐待を受けていた。祥子は思わず雇い主に口出しをしてしまい、その結果仕事を失うことになった。
その後、親の虐待が近所にも知られ、子どもは親戚に引き取られた。その子どもというのが、事件の被害者である佐藤晴樹（松澤和輝）だった。
佐藤は祥子のお陰で救われていた。大人になった佐藤は恩返しをしようと思ったが、祥子は失踪していた。
そこで捜す手伝いをするため、戸倉に展覧会を開くのを勧めて会場を手配した。だが、展覧会にはなぜか、祥子の絵は展示されていなかった。
右京は展覧会に行き、受付の長田瑞穂（永瀬未留）に話を聞く。彼女は佐藤と幼馴染で、展覧会を開く手伝いをしていた。
瑞穂は子どもの頃、佐藤と一緒に祥子へお礼を言いに行こうとしたら、浮気現場を目撃してしまう。ただ、相手の素性は分からなかった。
絵に隠された言葉
右京は不思議に思っていた。自宅近くで浮気をしていたのなら、なぜ今まで捜査線上に上がらなかったのかと。
目撃されたのは清水だけで、その清水はなぜか祥子と揉めていた。右京はそこでひらめき、戸倉の家へ亀山と一緒に向かった。
妻の肖像画を見せてもらった右京は、ペインティングナイフを手に取ると、絵の具を構わず剥がし始める。
すると下から文字が出てきた。
間違った道だとしても
私の気持ちは変わりません
どうかお元気で
祥子
と書かれていた。
戸倉は不貞の相手が誰か知っていたからこそ、この言葉を絵の具で塗りつぶしていたと右京は指摘する。
なぜ、祥子と清水がもめていたのか。それは金銭の話ではなく、男女の話だったからだ。つまり、祥子は清水と関係を持っていた。
きっと佐藤は戸倉が浮気に嫉妬し、祥子を殺害したに違いないと思っていた。祥子の絵を頑なに拒んで出展しない戸倉を見て、絵に何かあるのではないかと察する。
そこで佐藤は絵を持ち出して自宅で絵の具を剥がし、書置きを見つけた佐藤は確信する。浮気のことを知っておきながら、当時警察にその話をしなかったのは、戸倉が殺害したからだと。
そしてカフェで記事をいつも書いていた美和子に告発しようと、佐藤は手紙を書いたのではないかと右京は考えていた。
事件の真相
絵がなくなったのを見て、すぐに佐藤の仕業だと戸倉は気付いた。戸倉が家にやってくると佐藤は、「芸術家気取りで何もせず、祥子さんだけが毎日苦労してた。そりゃ嫌になって当然ですよね」と責めた。
そして「あんたのしたこと、全部ぶちまけてやる。僕は有名な雑誌記者を知ってるんだ！」と言って部屋を飛び出す。
戸倉は慌てて後を追いかけ、持っていたペインティングナイフで喉を切った。その後、手紙と絵を回収し、再び色を重ねて文字を塗り潰した。
書置きを見つけたあの日、祥子は「もう…終わりにしたいんです…」と言った。祥子の手首にはためらい傷がいくつもあった。
祥子は自殺だった。書置きは祥子の遺書だった。きっとあの山のどこかにいるはずだと、戸倉は窓の外を指差した。
妻を殺害していないなら、なぜ佐藤を殺す必要があるのかと亀山は疑問に思う。すると戸倉は「何も分かっていない」と動機を語り始めた。
戸倉は既に病に冒されて余命が短かった。祥子が生きているかもしれないという望みを持ったまま、人生を終えたかった。
捜し続けることが生きがいで、遺体を見つけたら終わってしまう。だから警察署の前で情報を呼びかけていた。
「愛する妻が他に男を作り、その男を思って命を絶った…。そんな、そんなことを認めたら人生空っぽになってしまう…」と言う戸倉に右京は、「あなたこそ、大事なことが分かっていませんよ」と教える。
清水の画廊を調べたところ、その実態は闇金だった。芸術家を食い物にしている男だった。清水はそもそも暴力団と繋がっていた。
右京が当時の関係者に祥子の写真を見せたところ、清水の女だという証言を得た。
清水は夫への支援を続けて欲しいなら、自分の女になるよう迫った。借金に漬け込んで無理矢理祥子を自分のものにした。
祥子が夫にその事を言えなかったのは、芸術に生きる戸倉に負い目を感じさせたくなかったからではないかと、右京は話す。
それを踏まえてこの書置きを読むと、別の意味に思えてくる。
命は絶ってしまったけれども、それでもあなたへの愛は変わらないとつづった、祥子から戸倉への最後のラブレターだったのではないかと右京は教えた。真相を知った戸倉は泣き出した。
その後、山を捜すと祥子の遺体が発見された。
【相棒22】13話の結末
右京は最初から美和子（鈴木砂羽）へのラブレターは、亀山が書いたものだと思っていた。理由の1つは亀山が以前購入してきたお菓子が売っていた場所と、ラブレターの封筒が売っていた場所が、同じ神田だったこと。
もう1つは、デスクワークが嫌いな亀山が、最近熱心にパソコンで何かを打っていたのを右京は知っていた。
亀山はサプライズしようと思ったが、いざとなったら恥ずかしくて言い出せなくなっていた。しかも自分のラブレターに亀山は嫉妬していた。
こてまりに亀山は行き、待っていた美和子にラブレターの送り主は自分だと告白する。美和子はいつ打ち明けてくれるかと待っていたと喜んだ。
右京は部署で1人、万年筆を手に取り便箋に文字を記す。一行目には「宮部たまき様」と書いた。
【相棒22】13話のまとめと感想
妻が不倫して自殺したと思っていた夫が、夫が殺したと思っていた若者を殺害してしまったという話でした。
登場人物がみんな勘違いや思い込みをしていて、しまいには殺人事件に発展します。
佐藤は戸倉が祥子を殺したと思い、美和子に告発しに行こうとしたところ、戸倉に殺害されます。
戸倉は妻が不倫相手を思って自殺したと思っていましたが、実際は夫を思って自殺しました。
ラブレターと嫉妬というのが、今回のテーマでした。美和子に誰かがラブレターを送り、亀山はそれに嫉妬します。
美和子にラブレターを送ったのは結局亀山だったのですが、亀山は美和子が喜ぶ姿を見て、正体を明かすどころかなぜか嫉妬します。
一方、妻の残した言葉が不倫の末の別れの言葉だと思い、戸倉は嫉妬します。しかし、実際は最後のラブレターだと分かり号泣しました。
右京さんも最後、元妻に手紙を書こうとして終わるという回でした。
あなたは太陽。見つめていると、僕の心は日焼けする。