【相棒20】18話「詩集を売る女」のネタバレと感想をまとめています。
冠城が刺された!?今から36時間前に事件をさかのぼっていくと、詩集を売る謎の女の存在が浮かび上がります。彼女はいったい何者なのか?詩集の中にあるヒントが見つかり……。
【相棒20】18話のあらすじ
【第18話 30秒PR】
— 相棒 (@AibouNow) March 7, 2022
いよいよ今週放送📙✨#相棒 season20
第18話『詩集を売る女』
3月9日(水)よる9時
冠城亘、刺される―――
“起きていない事件”を追う特命係
詩集を売る女に隠された真実とは…#水谷豊 #反町隆史 #太田莉菜 #aibou
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冠城(反町隆史)が何者かに胸を刺される事件が発生する。そこからさかのぼること36時間前、右京(水谷豊)は今にも踏切内に立ち入りそうな女性・マキ(太田莉菜)を発見する。
気になって尾行をすると、彼女は千里一歩という名前で詩集を売っていた。右京は一冊手に取り購入することにする。
その後も遠くから様子をうかがう右京たち。やがてヤクザ者のような男が近付き彼女と何かを話す。
途端に彼女は詩集を売るのをやめて書店に向かう。そこで手に取った雑誌には、KAZUHO(篠原真衣)というデザイナーの特集記事が掲載されていた。マキはそれを見た瞬間、恨み言をつぶやいて立ち去る。
右京はマキの詩集を読み解き、ある場所へ向かうが……。
【相棒20】18話のネタバレ
似た過去を持つ2人の女性の明暗が分かれた結果、犯罪が起きてしまうという社会派な回です。その背後には貧困ビジネスが存在していました。
詩集を売る謎の女
今にも踏切内に立ち入ろうとする女性を偶然見かけた右京さんと冠城は、気になって後を追います。
女性は「あたしの詩を買って下さい」と書いた札を首からぶら下げ、自作の詩集を路上で販売していました。
詩集のタイトルは「あたし」で作者は千里一歩と書かれています。「あたしが生きている証しを誰かに知ってもらいたくて」という女性、右京さんは1冊購入することにしました。
やがて見るからにヤクザ者な男が女性に近付き、何かを話しているようですが聞こえません。
男と話してすぐに女性は書店に向かいます。そこで雑誌を手に取りKAZUHOというデザイナーの特集記事を見ていました。
「あたしは惨めな思いをしてきたのに」というつぶやきを耳にした冠城ですが、まだ何も起きていない状況なため遠巻きに見張るに留めました。
警察に戻った右京さんは購入した詩集を読みます。それは「ぬくもり酒場」という詩でした。
雨に濡れていたあたしを
おばちゃんは猫を拾うように拾ってくれた
かつて多くの朱鷺が飛来し
朱色の羽が土地を赤く染めたというこの町の
怒りも哀しみもない酒場と出会い
あたしは生まれ変わった
この詩を見てネットで検索を始めます。
そこにやってきた角田課長に組の関係者で、最近出所した人物がいないか調べてもらうことにして出かけました。
謎の女の居場所
右京さんがやってきた場所は、赤羽にある「喜楽路」という小料理屋でした。なぜ、この店にやってきたのか?それは、詩にヒントがあったからです。
「朱色の羽」が赤羽を示していると気付き、「怒りも哀しみもない酒場」から喜怒哀楽の“怒哀”を抜いた“喜楽”という名がつく店だろうと考えたのです。
店に行くと大家の西山正人という人物がいました。女将である大村澄江が昨日店で心筋梗塞で亡くなってしまったそうです。
千里一歩という詩人が店で働いていないか聞いたところ、「マキちゃんのことか?」と言われます。どうやら詩人の女性はマキという名前のようです。
マキは2年前に女将が「訳ありの子を預かった」そうで、それ以来店の二階に住みながら働いていたそうです。
マキは女将が倒れた時に救急車を呼びますが、そのまま姿を消してしまったそうです。
二階を見に行ってみるとそこには詩集を刷るためのガリ版印刷がありました。澄江はマキに詩集の手ほどきをしていたそうです。
冠城から連絡が入り、マキがホームセンターでナイフを購入していたと言います。どうやら事を起こそうとしているのではないか、目が離せない状況になってきます。
そこで右京さんは冠城にマキを見張るよう頼み、自分はKAZUHOに会いに行く事にしました。
もう1人の千里一歩
ファッションデザイナーのKAZUHOに会いに行った右京さん。撮影の休憩中に話すことができました。
単刀直入に恨みを抱いている女性がいると伝えますが、心当たりがないようです。そこでマキの写真を見せてみますが、見覚えもないようです。
KAZUHOが成功したことにより妬む人物が多いらしく、SNSなどでも誹謗中傷の書き込みをする人物がいると言います。
右京さんは「かずほ」は本名なのかをたずねます。彼女の名前は千里一歩という名前だと言う事が明らかになりました。
偶然にもマキが名乗るペンネームと同じ名前であることを伝えると、ちょっと怖いと引き気味です。
この間も怪しそうな男が近付いてきたという情報を聞き、右京さんはあることを推理します。
貧困ビジネスの存在
角田課長から調べておいて欲しいと頼んだ男の情報が入ります。男は大倉則之という銀星会なるヤクザの下部組織に所属していた男でした。
刑務所に入る前にはホームレス相手の貧困ビジネスを生業にしていたそうです。主に生活保護を受けさせて保護費をかすめ取ったり、戸籍を売らせたりといった商売です。
ちょうどやってきた一課の面々に協力を要請し、右京さんは大倉の居場所へ向かいます。
その頃、マキはKAZUHOの会社の前で詩集を売っていました。まるで彼女がやってくるのを待ち受けているようです。
冠城はマキから詩集を購入するふりをして声を掛け、遠まわしに思いとどまるよう告げました。
マキの正体
一課の面々と大倉に話を聞きに向かった右京さんは、その際に千里一歩の情報を教えてもらいました。
一歩は幼少期に父親を亡くし、高1の時に母親が自殺して高校を中退しています。
それをきっかけに引越しをし、兄弟もなく親戚とは疎遠だそうです。それ以降の消息については不明でした。
高校時代の写真を見たところ、千里一歩はマキだったのです。
やがて大倉が現れたので千里一歩の戸籍を売ったのではと聞き出します。大倉は認めてその経緯を話しました。
マキは男に騙されて闇金の借金を背負ってしまいます。その後、大倉が戸籍売買の話を持ちかけ、マキは戸籍を売ってしまったのです。
あの日、大倉は戸籍を買った相手が有名なデザイナーになったとマキに伝え、掲載されている雑誌を教えたのです。
それだけでなく大倉はKAZUHOも脅しに行ったそうです。その場で大倉は一課の面々に逮捕されて連れて行かれます。
元々千里一歩だったマキとその戸籍を買ったKAZUHO、2人の関係性が分かります。
冠城が刺される
マキはKAZUHOに電話をし、戸籍を売った者だと名乗り出ます。金が欲しいのかと言うKAZUHOに対し、マキは金はいらないと言います。
ただ、会って欲しいと告げるマキに、KAZUHOは戸籍を買っただけで恨まれるのはお門違いだと答えます。
マキも頭では分かっていてもそれでも、自分の名前で生きているKAZUHOが許せないと憤りました。
そして会うつもりがないならマスコミに全部バラすと言い、近くの公園を待ち合わせ場所に指定しました。
マキを見張っていた冠城ですが、青木に絡まれたことで見失ってしまいます。しかし、マキが事を起こす前、公園にずっといたことを思い出します。右京さんに連絡して冠城は急いで公園を目指しました。
公園に行くとマキだけでなくKAZUHOもやってきます。今にもナイフを抜き出しそうなマキを見て、事件を起こさせてたまるかと走る冠城。
2人の間に割って入ったところ、胸にナイフが突き刺さってしまいます。遅れてやってきた右京さんも驚き、すぐに駆けつけました。冠城の命は無事なのか?
【相棒20】18話の事件の真相
ナイフで刺されたにも関わらず、冠城は思ったほど苦しがりません。なぜなら内ポケットに入れていたマキの詩集があったお陰で、傷が浅く済んだのです。
冠城を刺した人物、それはマキよりも早く実はKAZUHOが刺していました。まさか冠城が割って入ると思ってなかったKAZUHOは驚き、その場でナイフを落としてすぐに確保されます。
あの時マキに呼び出されたKAZUHOは、彼女を消そうと思ってナイフを持ち出して来ていたのです。その結果、冠城を刺してしまいました。
取り調べでKAZUHOは自分の生い立ちを語ります。KAZUHOは幼少期、学校にも通えず食事も着るものも満足に与えられませんでした。
そんな状況だったため、家の中で洋服の絵を描くのが唯一の楽しみでした。母親は子どもの面倒を見ないで男に頼るばかりで、子どもがいるせいで男が逃げていくと八つ当たりで暴力をふるう始末です。
KAZUHOが15歳の時、母親が自宅のキッチンで自殺しました。KAZUHOはそのまま遺体を放置して家を出て、やっと地獄から抜け出せたと言います。
ある日、戸籍を売ってくれるところがあると聞き、死に物狂いで働いてお金を貯めます。自分がデザインした服を作りたかったからです。
もっと目立たない名前のほうが都合が良かったけど、今の名前が好きだと言い、ずっと千里一歩のままでいたかったとKAZUHOは語りました。
【相棒20】18話の結末
2人はまるでコインの裏と表だと語る冠城、マキもまた高1の時に母親を亡くして家を出ています。
初めて愛した男性に騙されて全てを失い、最後は戸籍を売ることまで強要されたマキは、自分の名前が嫌いだったと言います。
戸籍を売ってもどうってことはない、そう思っていたマキですが、携帯も買えなければ家も借りれないことに気付きます。
名前がないというのはこの世に存在しないのと同じ事だと感じたマキは、何度となく自殺する事を考えていました。
しかしある雨の日、傘も差さずにずぶ濡れでいたマキを見た澄江は、傘を差し出して彼女を店に連れてきます。
行くとこがないならここで働けばいい、2階で一緒に住めばいいと言ってくれました。マキは詩のとおりに生まれ変わったのです。
澄江は以前から自分の体のことを案じていて、マキ宛に遺書を書いていました。右京さんはそれをマキへ渡します。
自分が死んだあともマキにお店を続けて欲しい、詩を書く事も続けて欲しいと書かれていました。さらに、澄江は通帳もマキに託します。
マキの詩に救われる人が必ずどこかにいると励ます右京さん。冠城はまだ読んでいないが、君の詩に一番最初に救われたのは自分だと言います。
「千里の道も一歩から。自分の名前に戻ってもう一度一から人生を始めてください」と右京さんはマキに声を掛けました。
【相棒20】18話のまとめと感想
似たような境遇の女性の明暗が分かれ、全てを失った女性が殺害を計画しますが、冠城が防ぐという話でした。
冠城死ぬ死ぬ詐欺な回です。最終回を前にまさかの殉職か、と思わせておいて無事に終わります。
無戸籍の人の話は9話「生まれ変わった男」に続き、今シーズンでは2回目となります。
KAZUHOは無戸籍児として育ち、自分の服を売るために戸籍がどうしても欲しかったのです。そこで、行政などに頼るのではなく、なぜか裏の人に頼んで戸籍を取得します。
その戸籍を売ったのがマキでした。男に騙されて借金を背負い、戸籍を売るはめになってしまいます。マキはマキで闇金の借金をなぜか踏み倒さずに返そうとします。
2人共、恵まれた環境で育たなかったせいなのか、する必要のない苦労と大金を払ってしまいました。
KAZUHOは念願の夢が叶ってデザイナーになりますが、マキはせっかく見つけた居場所を澄江の死をきっかけに失ったと思ってしまいました。
マキはKAZUHOに対して恨みは本来ありませんでしたが、全てを失ったために地獄へ道連れにしようと思ったようです。
自分の名前で成功しているのを見て、本当は自分があの場所にいたのかもしれないと、関係ないと分かってはいてもマキは許せなかったのです。
マキは戸籍はなくとも、確かに存在していると証明するように詩を売ります。詩人とは生き方そのものだという右京さんは言います。
そんなマキだからこそ、他の人の心に響く詩が書けたのかもしれません。
次回は最終回の前編になります。冠城卒業はどんな形になるのか?3月16日21時から放送予定です。