【相棒20】14話のネタバレと感想|悪魔の正体と本当の動機

2022冬ドラマ
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【相棒20】14話「ディアボロス」のネタバレと感想をまとめています。

婚約者を失うのが2度目だという天才フラワーアーティストと、彼を潰そうとする謎の悪魔の正体とは?渡部豪太さんがゲストの回です。

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【相棒20】14話のあらすじ

小手鞠(森口瑤子)の誘いでフラワーアーティストの氷室聖矢(渡部豪太)の展覧会を見に行った右京(水谷豊)は、そこで婚約者の女性である内田絵里奈(小池唯)を紹介された。

後日、絵里奈は何者かによって殺害され遺体で発見される。その殺害方法は首にテッセンのツルで絞め殺されるという殺害方法だった。

第一発見者は氷室だったが、聴取をするにも取り乱している状態だった。そこへ花の仲卸業者である一之瀬春臣(冨田佳輔)がやってきて、花の匂いをかがせると氷室は少し落ち着きを取り戻した。

氷室は過去にも婚約者を失い、今回で2度目だという。小手鞠の話では前回は婚約直後に失踪していた。

聴取を受ける氷室に冠城(反町隆史)がそのことを問うと、氷室は「悪魔の仕業なんだ…!」と言い出す。

一方、右京はいけばな有明流の家元である尾崎孝月(栗田芳宏)に話を聞く。過去に氷室のことを酷評していたことを指摘すると、尾崎は怒って帰ってしまった。

右京たちは3年前に失踪した婚約者の栗原玲子(新実芹菜)と氷室が写る写真にある違和感を覚え……。

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【相棒20】14話のネタバレ

相棒で時々ある事件の犯人は分かっても、動機については真相が分からずじまいで終わる話です。

疑惑の婚約者

玲子の数少ない写真を調べていくと、右京さんは違和感を覚えます。それは、氷室と玲子が向き合って話している写真を遠くから撮ったような写真でした。

玲子は右手を背中に回している体勢で、指先をよく見るとフィンガーズクロスを作っていました。このしぐさは欧米ではポピュラーなしぐさで、十字架を表すジェスチャーだと右京さんが説明します。

基本的に幸運を祈る意味を持ちますが、心にもない言葉を口にする時に罰が当たらないおまじないとして、フィンガーズクロスを背中で作ったりするそうです。

帰国子女である玲子はこのしぐさを何気なくしていたということは、この写真を撮られた時、心もない言葉を口にしていた可能性があると右京さんは考えました。

そこで、殺害された絵里奈の口座を調べたところ、2度にわたって不審な入金があったことが判明します。

1度目は絵里奈が氷室のオフィスに契約社員として入ってきた頃で、2度目は2人が婚約した時期でした。

玲子の愛情が偽物だったとしたら、絵里奈の愛情もまた偽物だったのではと右京さんは考えていたのです。

2人の婚約者は何者かに金で雇われ、氷室に近付いて恋愛関係になって結婚の約束をしたところで、裏切るよう命じられていたのではないか?

そして、その2人を動かしていた人物こそ“悪魔”なのではと推理します。

悪魔の候補者

悪魔の正体が誰なのか?右京さんと冠城はそれぞれ候補となる人物にあたります。

1人目はいけばなの家元である尾崎です。右京さんに代わり冠城が話を聞きに行きました。

尾崎は6年前に氷室の作品を酷評し、そのせいでしばらく不遇の時期を過ごします。しかし、独自の芸術世界を深めて徐々に業界での評価を確立しました。

やがて、ニューヨークで行われる企画展のメンバーに選出されます。しかし、突然メンバーから外されてしまったのです。

冠城が調べてみたところ、当時誰かが裏で手を回していたという噂がありました。その人物こそ悪魔なのではないか?氷室のためにも正体を暴いてみせる、と尾崎に言って冠城は後にします。

2人目の悪魔の候補は花の仲卸業者である一之瀬でした。

右京さんは一之瀬の仕事場へ向かって他愛もない話をします。鋭い観察眼で一之瀬が花の仕入れに行っていた場所まで当てる右京さん、一之瀬は怖い刑事さんだと言います。

氷室を恨んでいる人物に心当たりはないかを問うと、彼を憎んでいる人間は大勢いると言います。才能がある人間は嫉妬されるのは世の常だと言う一之瀬、家元の尾崎でもねたみの感情はあるはずだと。

一之瀬自身は嫉妬したことはないと言い、なぜなら自分は共犯者だからだと妙な事を言います。その真意を右京さんが問うと、花から本来の命を奪う事で芸術としての新たな命を吹き込んでいるからだということでした。

より美しく咲かせるためには痛めつけることもあると言って、ブルースターという花の切り口をバーナーであぶって焼きます。そうすることで水を力づくで吸わせるためです。

残酷さがなければ花に新しい命を吹き込むことはできない、一之瀬はそう言いながら右京さんにその花を渡しました。果たしてどちらが悪魔なのか?

氷室の過去

いつものように店に行った右京さんは小手鞠から氷室のことを聞きます。氷室は元々赤坂の花屋で働いていました。

最初は配達で出入りしていた料亭で、ある時床の間を任されます。すると客に好評だったため、やがて他の店でも氷室に飾り花を任せるようになりました。

子供の頃から花だけが友達だったと過去にインタビューで語っていた氷室は複雑な生い立ちでした。

両親に捨てられて親戚中をたらい回しにされ、学校でもいじめに遭っていたのです。そんな氷室は通学路に咲いている花だけが慰めだったのです。

そこで右京さんはふと思います。氷室が花を任されるようになったということは、それまで任されていた人たちはお役ご免になったのではないかと。

後に料亭の主人に話を聞いたところ、確かに氷室の飾る花は斬新で迫力があったため、客受けがとても良かったと言います。

赤坂にはいけばな有明流の総務所があったため、元々は有明流の人が担当していました。きっと家元は面白くなかったのではないか、右京さんはそう考えました。

家元の尾崎は弟子たちの話では若さの秘密があるとかないとか、そんな噂を聞き出しました。

倒錯した趣味

その噂を聞いた冠城が再び尾崎の元に話を聞きに行きます。嫌がる尾崎に食い下がって話を続ける冠城は、みずみずしい感性を保つために少年少女を利用していると切り出します。

弟子たちの間での噂では、家元のインスピレーションの源はヌードモデルだという話です。冠城はモデルを雇うこと自体は罪ではないが、相手の年齢によってはと言うと家元はごまかそうとしました。

すると、家元の妻が割って入り、また脅されたら看板に関わるから話してしまえと促します。

渋々話し出す家元は、みずみずしい肉体の美しさを花の上に写し取るのが、自分の芸術の真髄なんだと明らかにしました。

しかし、6年前にある1本の電話がかかってきます。それは、そのことを公にしたら問題になるという脅しの電話でした。ボイスチェンジャーで声を変えているため、誰からの電話か分かりません。

相手は金を要求するでなく「氷室の個展を酷評し、業界に働きかけて活動の場を奪い去ってほしい」と要求してきたそうです。

悪魔は尾崎を脅して氷室の活動の場を奪っていたのです。

失踪した婚約者を発見

殺害されたかもしれないと思われていた、婚約者の栗原玲子を伊丹刑事が探し出しました。顔認証で探したところヒットしたのです。

最初はとぼける玲子ですが、観念して真相を話し始めます。仮想通貨で借金をした玲子はSNSでそのことを愚痴ると、連絡してきた男がいたそうです。

氷室に近付いて恋人関係になるよう言われ、結婚の約束をしたら彼の前から姿を消して、しばらく東京から離れているように頼まれたのです。

そこに右京さんがやってきて、青木が捜査一課に話をしに行くのを見越して、彼女を捜すのを仕向けていたと明かします。

そして、彼女に依頼人はこの人ではないかと、いけばな有明流の会員名簿の写真を見せます。玲子はその人だと認め、氷室が潰れる姿を見たい、精神的ダメージを与えて創作活動なんか手につかなくなるようにしてやりたい。と言っていたと供述しました。

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【相棒20】14話の事件の真相

右京さんたちが向かった場所は一之瀬のところでした。そして、有明流の名簿を見せて、彼がかつて若手ホープだったことを指摘します。

一之瀬は赤坂辺りの料亭から飾り花を任されていました。しかし、氷室が現れたことによって奪われたのです。

一之瀬はクリエイターとしての自分に見切りをつけることができたから、氷室に感謝していると言います。

栗原玲子こと深川日菜子、尾崎孝月、内田絵里奈の3人に、一之瀬は指示を出していた悪魔だったのです。

この10年近く、氷室のそばで働きながら才能を潰すチャンスをうかがっていた、一之瀬はまずは尾崎を利用します。

彼の性癖を知っていた一之瀬は脅し、言われたとおりにした結果、氷室は活動の場を奪われます。しかし、それでも氷室は潰れるどころか、創作活動に磨きをかけました。

そこで今度は気力を奪ってやろうと考え、日菜子に命じて婚約した途端に失踪するよう命じます。しかしこれでも創作意欲を奪うどころか、個展で世界的に高い評価を受けることになります。

もう一度愛する女に裏切られればきっと自暴自棄になるだろう、そう考えて今度は絵里奈を差し向けました。しかし、絵里奈は本当に氷室のことを好きになってしまいます

計画が狂った一之瀬は絵里奈と揉め、テッセンのツルを使い首を絞めて殺害したのです。

右京さんが一之瀬が犯人だと気付いた理由、それは遺体発見後に来た一之瀬のシャツが花粉で汚れていたことでした。そこからあの日、ユリの花を市場で仕入れていたに違いないと右京さんは考えます。

その後、氷室がユリの花を手配するよう命じていたのを聞き、まるで氷室がユリを注文する事をあらかじめ知っていたかのようだと指摘します。なぜなら、再び愛する女性の喪失を体験すると知っていたに違いないからです。

氷室が最初の婚約者を失った時、大量のユリでその喪失を表現しました。なので、今回もユリで表現するだろうと考えていたのです。

つまり、事件の連絡を受ける前から、絵里奈が亡くなった事実を認識していたとしか思えないと右京さんは糾弾します。

あの日、氷室を本気で好きになってしまった絵里奈は、一之瀬にお金を返すからこの話はなかったことにして欲しいと頼みます。しかし、一之瀬はそれを許さずに殺害してしまったのです。

たかが嫉妬で人生棒に振るなんて、冠城は連行される一之瀬に言います。一之瀬は「もう少しここで1人でいたかった…」とつぶやいて連れて行かれました。

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【相棒20】14話の結末

右京さんは一之瀬の行動に矛盾を感じていました。氷室の才能を潰そうと思っていながら、なぜ氷室が速やかに創作活動に入れるように花を手配していたのかと。

すると、伊丹刑事から連絡が入り、一之瀬が急に苦しみ始めて病院に運んだが間に合わなかったと報告が入ります。一之瀬は右京さんたちに会う前には既に毒を飲んでいたのです。

これにより、被疑者死亡のまま書類送検されることになりました。

右京さんたちはそのことを報告しに氷室の所へ行きます。氷室は絵里奈が殺された理由は、別れ話のもつれだったと言います。そこには、一之瀬が書いた手紙がありました。一之瀬と絵里奈は元々交際していたことになっていたのです。

手紙には死んで詫びると書かれていたそうで、氷室は絵里奈と一之瀬の裏切りだと思って憤っていました。そんな氷室が次に行う個展のタイトルは「DIABOLOS」という、ギリシャ語で「悪魔」を意味するものでした。

悪魔と刺し違えるような作品を作ってやると、氷室は創作活動に怒りをぶつけました

なぜ一之瀬はあんな作り話を書き残したのか?氷室をより苦しめるためだったのではないかと右京さんは推測します。

そして自分たちも作り話を聞かされていたのかもしれない、一之瀬は最後まで本当の動機を隠していたのではないかと考えます。

なぜなら、一之瀬がもたらした苦しみは結果的に全て、氷室の才能を刺激し昇華させたからです。

彼は生涯かけて氷室聖矢という一輪の花を咲かせようとしていたのではないか、右京さんはそう思っていました。

一之瀬は悪魔の役を自ら買って出たのかもしれない、もはや確かめるすべはありませんがと、右京さんがまとめました。

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【相棒20】14話のまとめと感想

天才の才能を開花させるために、悪魔になったのかもしれない男の話でした。

本当の動機は本人が死んでしまっているため、右京さんが言っていることが正しいのか、本人が言っていることが正しいのかは分かりません。もしかすると、それ以外の動機があった可能性もあります。

ただ、一之瀬の行動が結果的に氷室の評価を上げることになっていたのは事実です。

一之瀬は最初は本当に嫉妬から潰そうと思っていたし、家元の趣味に対して嫌悪感を覚えていたのかもしれません。

しかし潰そうと思ってしたことが、氷室の才能を開花させることになったのを知り、あえて苦境に追い込むようになったのかもしれません。

そして自分の死もまた、氷室の創作活動の糧にしてもらうことを望んで死んでいったのかもしれません。

何気に家元のインスピレーションを得るための性癖が、再放送大丈夫なのかと心配にもなる話です。もちろん、直接的な描写の映像は一切登場しませんが、モデルの年齢を想像するとヤバい話です。

所々のキザなセリフや「かもしれない」的なオチが、どうにもちょっとむず痒い話でした。

次回は2月9日21時から放送予定です。

【相棒20】14話のいいセリフ

より美しく咲かせるために痛めつける事さえある。

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