【相棒20】5話のネタバレと感想|8050問題と密室殺人の謎

2021秋ドラマ
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【相棒20】5話「光射す」のネタバレと感想をまとめています。

密室殺人と疑われる事件が発生し、右京さんがその謎に挑みます。8050問題を取り入れた社会派な回です。

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【相棒20】5話のあらすじ

行方不明の娘を探している刑事の水木洋輔(伊藤洋三郎)は、ネットで呼びかけて娘を探していたことから署内で問題になっていた。娘は音信不通になって2ヶ月が経ち、未だに見つからない状態だった。

アパートで首吊り遺体が発見され、捜査一課の面々に紛れ右京(水谷豊)冠城(反町隆史)も現場に臨場する。遺体は自殺のようにも見えるが、外傷が頭部にあったため事件性が疑われた。しかし、部屋は全て鍵がかかっている密室の状態だった。

右京はそこで飼われていたペットの亀に気付くと同時に、見守りカメラを発見する。他殺なら犯人が映っている可能性があると思い、映像を調べてみることにした。

隣人の物音が聞こえる壁の薄さだけに、右京は隣に住む三宅富士子(草村礼子)を訪ねて事情聴取する。同居人の男性がいるようだが、富士子はごまかしながら慌てて出て行ってしまう。他の住人に話を聞いたところ、富士子の家には引きこもりの息子がいることが分かった。

自殺に見せかけようとしたわりには、頭部に外傷があるという不可思議な遺体の謎。果たして真相は?

←4話6話→

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【相棒20】5話のネタバレ

密室殺人の謎を解くのがメインの回ではなく、親子の絆の話がメインの回です。

事件発生

部屋の住人の同僚の桂木雪乃が3日前から連絡が取れないという理由で、管理人と一緒に部屋を訪ねたところ、首吊り死体が発見されます。

遺体の身元はこの部屋の住人の紅林啓一郎という男で、おでこと後頭部に強く打ちつけた挫創がありました。死亡する前に殴打されたものではないかと考えられます。

現場には第三者の指紋や足跡はなく、明らかに拭き取られた痕跡がありました。ですが、窓も玄関も中から施錠されていました。もし、これが他殺なら密室殺人ということになります。

被害者の紅林は35歳独身で、警備会社に勤務し羽田空港で夜勤で働いてました。3日前に急に早退を申し出てから、そのまま音信不通になってしまったのです。そこで、同僚が安否を確認するためにやってきたところ、遺体で発見されます。

右京さんは部屋にいたペットの亀の水槽のそばに、見守りカメラがあることに気付きます。これが他殺だとしたら犯人が映っているかもしれないため、早速分析してもらうことにしました。さらに室内飼育の亀なのに、紫外線を当てるライトがないことが、右京さんは不思議に思いました。

隣室から聞こえてくる男性のせきの音に壁が薄いことが分かり、事件当日に何か聞いていないかを確かめるため、右京さんたちは隣人へ聞き込みです。

訪ねると現れたのは男性ではなく、高齢の三宅富士子という女性でした。隣は夜勤の人だから顔も見たことないというのに対し、同居している人も同じかと右京さんは聞きます。すると富士子は同居人は病気をしていて寝たきりだと言い、慌てた様子で出かけてしまいました。

別の住人に話を聞いたところ寝たきりではなく、50過ぎの息子が10年近く引きこもっているという証言を得ました。

見守りカメラの映像には犯人の姿どころか、残念ながら亀しか映っていませんでした。現場を密室に偽装するなら他殺を自殺に見せかけるためなのに、遺体には明らかに第三者に殴られた傷がありました。自殺に思わせるには説得力に欠けると右京さんは考えます。

監禁疑惑

事件現場近くに不審な男を発見し、右京さんと冠城で男を捕まえます。男は大田署の刑事で内川という人物でした。内川の話ではちょうど1週間前、紅林の部屋を家宅捜索したと言います。

そのきっかけはネット上の書き込みで、紅林の部屋に上司である水木の娘が監禁されているという情報を得たからでした。水木の娘は2ヶ月以上行方不明になっていて、警察で捜査しようにも事件性がないため動けずにいました。

そこで水木はネットで呼びかけて娘の行方を捜しますが、署内ではちょっとした問題になっていたのです。情報を知った水木は藁をも掴む思いで、紅林の部屋を非合法に家宅捜索します。しかし、娘どころか監禁の痕跡すら見つけられませんでした。結果、水木は責任を取って退職しました。

水木は刑事という職業柄か、子供の面倒は全て妻に任せていました。その妻が昨年亡くなったことで、娘との関係はまるでうまくいっていませんでした。ある日、反発する娘に水木は手を上げてしまい、それ以来音信不通になってしまったのです。

娘は空港でバイトをしていて紅林とも接点もあったため、書き込みを見た時に紅林が監禁しているに違いないと水木は確信します。しかし、娘の姿はどこにもありませんでした。

自分のせいで紅林が自殺したのではないか、そう思った水木は取り返しのつかない事をしたと悔やみます。

密室のトリック

右京さんたちは第一発見者の桂木雪乃の所へ聞き込みに行きます。遺体を発見する3日前、現場近くの公園の防犯カメラに雪乃の姿が映っていたのです。2人は恋愛関係にありましたが、2ヶ月以上前に別れていました。

しかし、合鍵を返し忘れていたことに気付き、雪乃は鍵を返しにアパートへ行きます。しかし不在だったため新聞受けに入れようとしますが、ガムテープで塞がれていました。仕方なく雪乃は合鍵を外の窓の桟のところに置いて帰りました。

これを聞いた右京さんは、合鍵があったのなら密室でも何でもないと考えます。ただ、鍵はまだ見つかってなく、恐らく犯人が持ち去ったに違いないと推理します。

8050問題

遺体が発見される以前に家宅捜索なども行われていたのを、隣人はどう思っていたのだろう。引きこもりの息子に話を聞くべきではないかと冠城は言います。

富士子は80を過ぎた今も工場で働いていました。年齢からか仕事でミスも多いが息子さんのことを思うと、と社長は解雇するわけにもいかない事情を語ります。

事情を知った右京さんたちは息子に事情聴取ができないか、富士子に頼みます。しかし富士子は自分が言ったところで応じるような息子でないと言い、それどころか刑事なんだから息子を逮捕すればいいと返しました。

仕方なく直接息子に聴取しようと、ドアの外から話しかけてみます。しかし息子は何の反応もしません。そこで右京さんは「もし何か話したい気持ちになったら、いつでも連絡ください。僕でよければいつでも話相手になります。いつの日か、お目にかかれる日を楽しみにしています」と優しく声を掛けて立ち去りました。

手がかりを発見

紅林の部屋を再び見に行ってみると、足元の床がカーペットであることが分かりました。元々板の間のところにわざわざ木目の敷物をしている理由は、床下収納を隠すためだったのです。開けてみるとそこには血痕がありました

血痕が水木の娘のものだとしたら、家宅捜索した時にはここにまだ閉じ込められていた可能性があります。ネットの書き込みを信じて捜索した水木は正しかったのです。あの見守りカメラは亀を見張るものではなく、監禁していた娘を見張るためのものだったのです。

しかし娘の沙也加は未だに行方不明のままです。きっと彼女は既に救出されていて、紅林を自殺のように殺害したのではないか。となると、父親の水木が怪しいのではないか、捜査一課の面々が水木を直接問い詰めます。

そこに他殺の線が消えたと報告が入ります。司法解剖の結果、死因は頸部圧迫による窒息死で、縄の角度から第三者による偽装の痕跡はなかったと判断されます。また、おでこと後頭部にあった傷は、死因との因果関係が認められていないとなります。

さらに水木には事件当夜のアリバイがあり、防犯カメラに映った女性を背負う人物は水木以外の人であると推理します。彼女を連れ去ることができた人物、それは雪乃が鍵を返しに来た事に気付いた人物に限られると導き出しました。

事件の真相

青木からの連絡でネットの書き込みをした人物が、富士子の息子だったことが判明します。右京さんたちは昼食に帰宅した富士子を待ち伏せして、紅林の部屋で話をします。

水木沙也加の監禁にいち早く気付いたのは、恐らく三宅卓司で間違いないと、右京さんは事件の真相を語り始めます。卓司はそれを警察に通報せず、匿名掲示板に書き込んだ。その理由は10年もの間、社会と断絶していたため、下手に通報して面倒に巻き込まれたくなかったのだろうと。

ただ、書き込みを見て家宅捜索に来た水木は、床下収納に気付く事ができません。しかし、紅林の元彼女が合鍵を置いていったことで、娘の沙也加が救われる手立てができたのです。救ったのは卓司ではないと右京さんは言います。なぜなら、彼は世間との接触を拒んできた人間なので、危険を冒してまで誰かを救おうとは思わないはずです。

卓司はせいぜいネットに書き込みをしただけで、不法侵入をしてでも娘を救いたいと思う人物は、アリバイのある水木以外では富士子しかいません。ネットに書き込みをした人物を水木も特定し、卓司へ事情聴取を願い出ました。右京さんたちを拒んだように、水木に果たして同じ事ができたかと、右京さんは疑問に思います。

狭い部屋に監禁されているかもしれないわが子を救いたい、そう思う水木の親心を富士子は見過ごすことができなったのです。それは自分もこの10年、卓司を救い出そうと必死に闘ってきたからです。ですが、卓司に協力を要請するのは難しい、そこで富士子は自分で調べることにします。

隣と同じ構造の部屋に住む富士子は、見つからなかった場所は恐らく床下収納に違いないと考えました。そして、合鍵を返すタイミングと一致したため、富士子は合鍵を手にして紅林の部屋へ侵入します。しかし、紅林は部屋にあった見守りカメラからの通知で気付いてしまいました。

戻ってきた紅林と鉢合わせになった富士子は、亀に紫外線を当てるライトを手にして殴打します。紅林が気を失ったその隙に、床下に監禁されていた沙也加を連れ出して部屋を出ました。

近所の公園の防犯カメラに映っていた、女性を背負う人物を詳しく調べたところ、身長が155センチだったため卓司とは合致しません。沙也加を背負って運び出した人物、それは富士子でした。

富士子は自分が勤める工場に沙也加を連れていき、紅林は監禁が露見することを恐れて自殺しました。

ドラマの結末

80過ぎの自分が1キロも離れた工場へ背負って連れて行けるわけがない、富士子はそう言いますが、右京さんは自分も想像つかないがあなたは成し遂げたんですと驚きます。

やがて沙也加は医療支援をしている、非公認の団体の治療施設で発見されました。この事件は富士子だけでは完結しないと右京さんは言います。水木が現場の指紋や足跡を拭き取り、紅林を殴打した凶器の処分などを手伝ったのです。

水木は沙也加を助けたと富士子から連絡を受けすぐに工場へ行きました。しかし、沙也加はもう自分が知っている娘とは別人でした。紅林はすでに自殺をしていたし、富士子さえ協力してくれれば監禁事件自体をなかったことにできる、そう考えた水木は沙也加を助けたことを隠していたのです。

水木は富士子に巻き込んでしまって申し訳ないと謝罪します。富士子は親ならみんな同じように思ってる。当たり前の事、間違ってないと水木を励まし肯定しました。

富士子は住居侵入及び傷害の容疑で逮捕され、水木は犯人隠避と証拠隠滅の疑いで連行されました。富士子が車に乗せられると、隣の部屋でずっと聞いていた卓司は部屋を飛び出してきます。富士子は振り返らずに「出してください」と言いました。

走り去る車を見つめる卓司に右京さんは、ようやく挨拶ができたと言い、そして「よかったですね、外に出られて。穏やかでいい天気ですよ」と告げました。

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【相棒20】5話のまとめと感想

引きこもりの息子を持つ母親が、失踪した娘を探す父に同情して、罪を犯してしまうという話でした。いわゆる“8050問題”を取り入れた社会派な回です。

シリアスな展開の話なのですが、80歳を過ぎた高齢女性が2ヶ月監禁されていたとはいえ、19歳の女性を背負って1キロ歩くという驚きの展開です。しかも右京さんも「なぜか成し遂げたんです」で理由もなくまとめてしまいます。

火事場の馬鹿力的なものなのかもしれませんが、もうちょっとどうにかできなかったのかと。そもそも娘が床下にいるのではと思った時に、なぜか富士子は誰かに連絡するのではなく単独で突入します。せめて水木や右京さんに連絡しようとは思わなかったのかと、中々のつわものです。

親子の話がメインになっているので、なぜ沙也加が監禁されたのかなど、それらの事件部分については触れられません。また、卓司が引きこもりになった理由についてもよく分からず、基本的に親目線での話でした。

自分の息子を救うことができなかった富士子が、せめて他人の子供を救おうと思ったのか、何とも空しさが残る誰も救われない回でした。

右京さんが亀を飼っていたのかと聞かれ「はい。それはそれは手の焼ける亀でしてねぇ」と答えるのがせめてもの救いです。

次回は11月17日21時から放送予定です。

【相棒20】5話のいいセリフ

あんたは間違ってない。私はもう一度頼まれたって、また同じ事をするよ。

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