【相棒18】の5話目は冠城の元カノで覆面詩人の“スノウ”という人物が登場します。なぜ正体を明かさないのか?なぜ冠城と別れたのか?彼女には暗い過去がありました。
【相棒シーズン18】5話のネタバレ
石川真悠子・南侑希殺害犯
金子慎也
動機
侑希の過去もスノウであることも知っていた金子は、そのことで苦しむ侑希を自由にしてやりたいと思う。だが、侑希は過去を暴かれたくないため、口止め料を金子に持ってくる。
金子は侑希のためにしてあげたのにと言って、詩なんてをやめてしまえば過去に怯えなくていいのにと言う。侑希にとって詩は生きるために必要なことだったため、断って帰ろうとする。キレた金子はその背後から襲い侑希の首を絞めて殺害し、山の中に死体を遺棄した。
その後、侑希と真悠子が同居する家へ行き、コーヒーの中に青酸カリを入れて真悠子も殺害した。
事件解明の流れ
竹田ユキと付き合っていた冠城は殺された真悠子がスノウではないと言う。そしてユキに連絡を取るが返事がない。
侑希は真悠子殺害の前日に真悠子の口座から1000万円引き出していた。伊丹たちは侑希について情報を掴むが、右京たちには教えないため青木を頼る。すると、ユキの本名は南侑希であり、過去に父親を真悠子殺害と同じ手口で殺害していたことが分かった。
冠城は右京も侑希が犯人だと思っていると勘違いして、自分で調べると言い単独行動する。侑希の叔母に会って話を聞くと、前科がバレて迷惑をかけるかもしれないと言っていた。その後、口座から金を引き出していた日に侑希と電話で会話をしたと言う。その時、侑希は「もう大丈夫だから、心配しないで」と言っていた。1000万を引き出した後、侑希はどこへ向かったのか?考えた冠城は侑希の過去を知り、侑希がスノウであることを知る人物が浮かぶ。
右京はその頃、侑希についてSNS上で正体を暴露しようとしているアカウントがあることに気付く。さらに、鑑識の益子に現場の保全写真を見せてもらう。キッチンにあった茶色い粉の存在、SNS投稿者のIPアドレス、それらを総合して右京は犯人が誰か確信する。
冠城は金子の店に行き話をし始めた頃に右京がやってくる。右京はキッチンにあった茶色い粉はシルバースキンという、コーヒーの雑味の原因となるものだと言う。金子はいつものクセでそれを取り除いていた。さらに、スノウの秘密について投稿していたのも金子であると指摘する。
金子は侑希を自由にしてやろうと、侑希のためを思ってSNSに投稿していたという。それに気付いた侑希が口止め料を持って来た際、彼女のためにやったという気持ちを分かってくれないために逆上して殺害した。冠城が怒りに金子に向かおうとするのを右京が制し、全て彼女のためと言うが侑希を殺したのは誰のためにやったのか、答えてみろと声を荒げて怒った。
逮捕された金子の供述で侑希の遺体が掘り起こされる。右京と冠城もその場に立会い、スーツケースに膝を抱えて入る侑希の遺体を確認した。冠城はその後、何も言わずに一人歩いていき、右京も声をかけずにそっとしてあげた。
【相棒シーズン18】5話のあらすじ
青酸カリの中毒死で『スノウ』というペンネームを持つ人気覆面詩人の女性が殺害された。現場から亘(反町隆史)の写真が発見されたため、伊丹(川原和久)たち捜査一課が事情を聞くと、スノウの正体は、遺体で発見された女性ではなく、竹田ユキ(佐藤江梨子)という名の別人で、数年前に別れた元恋人だという。被害者と同居していたユキが姿を消していることから、捜査一課は容疑者として行方を追うことに。いっぽう、亘はユキと出会い、逢瀬を重ねたコーヒー店を数年ぶりに訪れる。顔馴染みの店主・金子(水橋研二)から、ユキの連絡先を教えてもらうためだった。事件に興味を持った右京(水谷豊)も、そこに合流。2人は、被害者がスノウを名乗っていた理由を探るため、詩集の発行元を訪れる。すると、出版の契約をめぐってトラブルが起きていたことが判明し!?
公式HPより引用
元恋人はなぜ亘の写真を大事に持っていたのか?
覆面作家であることをひた隠しにしていた理由とは!?
亘が、事件と繋がるほろ苦い恋の名残を追う!
【相棒シーズン18】5話の感想
今回の話はタイトルが「さらば愛しき人よ」というタイトルなので、元カノが殺害or逮捕の二択であるだろうと想像ついた人も多かったと思います。どちらに転んでも冠城にとっては悲しい回となりそうでした。案の定、悲しい終わり方をします。
右京さんと冠城の距離感が良かったです。行き違いから一人で行動する冠城とは別に事件の真相を追う右京さんや、怒る冠城を制して自分が怒る右京さん、一人で思いに浸る冠城にあえて声をかけない右京さんなど、二人の信頼関係の深さが分かる回でもあります。
恋人役の佐藤江梨子さんは、相棒シーズン4で亀山を監禁したあの強烈な役以来の登場です。冠城を監禁していたわけではなく、ちょっと別の意味で大丈夫かと思う感じの女性でした。冠城のストライクゾーンの広さには感服します。
今回はスノウについてと、侑希の過去に起こした事件、冠城と侑希の関係などを掘り下げます。
ネタバレの詳細となります。未見の方はご注意ください。
スノウとは?
殺された石川真悠子がスノウという人物だと芹沢が伊丹はしゃいでに話していましたが、どうやら有名な人物という設定で登場します。どんな人なのか?
- 人気覆面詩人の女性
- プロフィールを一切公開していない
- “闇”シリーズの詩集を出している
ネットでもその正体について騒がれていると言います。誰だか分からないから余計に気になるということなのでしょう。スノウの作品の内容は右京さんいわく「何か深い闇がある」と言い、「憤りや悲しみだけではなく、どこか自分で自分を痛めつけている気がした」そうです。ちょっと分かりにくいです。詩の一遍なのか、冒頭でこんな詩が出てきます。
目を背けたくなるほどの
まぶしい光の中で感じた
ぬくもりなんて
すぐに跡形もなく消えてしまう
まるで香りのようなもの
ちょっとネガティブな感じの作風なのか?出している詩集で確認できたのは、こんなタイトルでした。
- 「その先の闇」
- 「闇を往く」
- 「闇に蹴る」
- 「闇の果て」
とにかく“闇”です。ネガティブな感情を詩にしているものが多そうです。冠城と侑希が出会ったきっかけとなる際、落としたノートにはこんな言葉の羅列が書かれていました。
空虚、冬の朝から闇へ、絶望、静かな死、孤独という闇、あふれる悲しみ、見えてくるものは全て悲しみ、夢はいつも悪夢、夜 視に向かう、永遠という死
何があったんだこの人?と思いたくなるようなフレーズが、ノートにびっしり書かれています。こんなようなフレーズを主に使用している詩集なのだと思われます。
侑希の過去
竹田ユキとして冠城とは知り合いますが、実際は偽名でした。なぜ偽名を名乗る必要があったのか?それは、侑希が過去に起こした事件のことを隠すためでした。
- 本名:南侑希
- 生年月日:昭和57年7月6日生まれ
- 血液型:AB型
竹田は母方の姓だというこが分かります。どういう事件を起こしたのか?それは父親殺人事件です。
- 発生日:平成9年9月20日
- 被疑者:南侑希(当時15歳)
- 被害者:南郷平(39歳)
- 死因:青酸カリによる中毒死
- 刑:懲役4年以上7年以下の不定期刑
父親は地元の名家生まれで34歳で市議会議員に当選しますが、家庭ではDVな男でした。このままだと侑希も母も殺されると思い、侑希は父親の食事に青酸カリを混ぜて殺害します。
しかし、裁判で母親はDVはなかったと証言します。そのせいで、侑希は故意に殺害に及んだとなり、不定期刑を言い渡されます。
なぜ母親は味方をしなかったのか?その理由は旦那の実家にありました。名家なため不名誉な死は許さんとなり、母にDVはなかったと証言してくれれば、その後の面倒をみるからと言われたのが後で分かります。
この時、今回殺害された石川真悠子が同級生でDVの証言しますが、なぜか採用されません。真悠子はこのことがあって侑希を気の毒に思い、一緒に生活をしていたということも分かります。
母親と侑希、お互い恨みあっていたのかと思いきや、母が余命宣告をされたことがきっかけで侑希が病室を訪ねます。侑希は母から父を奪ったことに罪悪感を覚え、母は侑希を裏切ったことに罪悪感を覚えてました。お互いに謝り合い和解をします。
要するにこのDVな父親のせいで、侑希の人生はおかしくなってしまったわけです。それが詩を書く原動力にもなります。
冠城と侑希の関係
れいのノートを拾ったことで、冠城と侑希の関係が始まります。冠城は侑希に“フラれた”と言っていましたが、実際どんな関係だったのか?
- 自殺するのかと思って「力になれると思う」と冠城が声をかける
- 金子の店で頻繁に会うようになる
- 詩を書き始めたきっかけなども話す
- ユキだから“スノウ”であることを教えてもらう
- 冠城の自宅に来る関係になる
- 侑希は詩が書けずに苦しむ
自宅に招く程度には関係は進んでいたようです。冠城は侑希のどんなところに惹かれたのか?
どこか脆くて儚げな感じがするのに、強さというか芯があって真っすぐで…。そんな彼女に惹かれていったのは認めます。
と、ドラマ内で冠城は言います。
具体的に冠城が侑希にフラれるシーンはありません。ただ、右京さんはこう想像します。侑希が詩を書けないのを知り、冠城自ら身を引いたのではないかと。なぜなら、侑希と冠城が交際していた期間中、スノウは詩集を発表していなかったからです。
これを裏付ける事実として、侑希は金子と会って話をする際、こう言います。「大切な人だって…私は書く事を選んだの」詩を書くために大切な人と別れた、そう匂わせるセリフを言います。どちらから別れを切り出したかは分かりませんが、お互い好きだったのに詩を書くために離れたという感じになります。
侑希にとって詩とは何だったのか?彼女はこう言います。
私には必要だったんです。
気づいたら言葉を吐き出すようになっていて…。
それが私を支えて…。
だからまた書いて…。
今はそれが私の生きる力になってる。
詩を書く事で私は生きていられる。
詩=侑希そのものだと彼女は言います。書かなければ死んでしまうわけです。なので、冠城も身を引いたのだと思われます。
【相棒シーズン18】5話のロケ地
コーヒーハウスるぽ
金子の店
【相棒シーズン18】5話のその他気になったこと
- スノウを知らない伊丹に突っ込む芹沢
- 冠城がフラれたと聞いて笑いを堪える伊丹
- 「根拠のない自信」と冠城を評する右京さん
- コーヒーショップでも紅茶を頼む右京さん
- 少々モテるからっていい気になるなと言う青木
- そんな青木の話を聞かずに出て行く右京さんと冠城
- いちいちトレーに乗せてカップを持って行く金子
- 随分と綺麗な遺体
- 死後硬直しているはずなのに担架では真っ直ぐで運ばれる遺体
- 遺体を見てニヤニヤしている金子
【相棒シーズン18】5話のまとめ
冠城の元カノが出てくるという回は悲しい結果に終わります。前ありの女性なので花の里の女将になるのか?と途中まで思ったりもしましたが、やはりタイトルがそれを否定します。
彼女の自由を願って別れた冠城、彼女の自由を願って暴露する金子、対照的な2人の男に愛された侑希だったと最後に分かります。好きな相手のためを本当に思うなら、冠城の選択が本当に相手を好いている証明となります。金子の選択は独りよがりなもので、彼女は自分が喜ぶための存在です。
次回は一週お休みで11月20日放送予定です。予告の時点で結構面白い画面で、視力を奪われた右京さんが事件を捜査するようです。