3行まとめ
- 渡部の殺害方法が隠され、事件に公安が介入している疑いが浮上した
- 実験映像から、人間が殺人や自殺へ誘導されていた可能性が明らかになった
- 次の標的とみられる日髙は公安に連行され、佐野は羽住の正体を疑った
第3話のあらすじ
佐野省吾は、渡部恭平の殺害について、実際には喉に2本のナイフが刺されていたにもかかわらず、報道では腹部を刺されたと発表されていることに疑問を抱く。さらに、事件発表の前に警備部長と公安一課長が動いていたと知り、警察上層部が連続殺人とのつながりを隠しているのではないかと疑い始めた。
一方、神崎透流は研究所から持ち帰った血液サンプルを解析し、ホモ・サピエンスとは異なる遺伝子配列を発見する。ALIUSの存在を裏付ける手がかりだと興奮する神崎に対し、佐野は重要なのは北条武彦、大迫大輔、渡部恭平がなぜ殺されたのかだと釘を刺した。
その後、佐野は大迫が利用していた車内からSDカードを発見する。破損した動画の一部を復元すると、北条、大迫、渡部が立ち会う実験の映像が残されていた。見るとそこにはヘッドフォンを装着した被験者たちが、ナイフでマネキンを刺し、棒で殴った末、首吊り用の縄へ向かっていく姿があった。
さらに映像には、元警察官僚の日髙昭文の姿も映っていた。佐野はナイフの本数が4本、3本、2本と減っていることから、次の標的は日髙だと推測する。
しかし、佐野たちが日髙のもとへ向かうと、日髙はすでに公安と思われる一団に連行されていた。研究所の撤去や公安の介入から内部に情報を流す人物がいると考えた佐野は、最後に羽住杏奈を押さえつけ、「お前、公安だろう?」と問い詰めた。
人間は本当に操られていたのか
実験映像に記録されていた内容
佐野省吾が大迫大輔の利用していた車内から発見したSDカードには、2024年11月30日に行われた実験の映像が残されていました。
映像には、白衣姿の北条武彦をはじめ、大迫や渡部恭平の姿が映っています。被験者と思われる3人はヘッドフォンを装着すると、ふらつきながら室内を歩き始めました。
その後、3人は用意されていたナイフを手に取り、マネキンへ突き立てます。さらに棒を持ってマネキンを殴ったあと、今度は踏み台へ上がり、首吊り用の縄へ自ら首を通そうとしました。
しかし、途中で我に返ったように動きを止め、慌てて踏み台から降りました。映像はその直後に途切れており、被験者たちが何によって行動を起こしたのかまでは確認できませんでした。
実験と殺人事件の共通点
実験映像で被験者たちが取った行動は、これまでの殺人事件とよく似ています。
北条と大迫の事件では、実行犯とみられる薫が遺体を運び、喉へナイフを突き立てたとされています。渡部を殺害した秘書も、遺体を駐車場まで引きずり、喉に2本のナイフを刺したあと、自ら首を吊ろうとしていました。
つまり、実験と実際の事件には、
「対象を襲う」
「ナイフを刺す」
「最後に自殺しようとする」
という共通した流れがあります。
さらに、渡部を殺害した秘書は「体が勝手に動いたような気がする」と語り、犯行時の記憶も失っていました。実験映像の被験者たちも、自分の意思ではなく、外部から命令されたように動いていたように見えます。
このことから、薫や秘書は自ら殺人を計画したのではなく、何者かによって決められた行動を実行させられた可能性が高まりました。
ただしALIUSが操った証拠ではない
一方で、この実験映像だけを見て、ALIUSが人間を操ったと断定することはできません。
神崎透流は、カメラの外にALIUSがいて、被験者たちへ能力を使っていたのではないかと考えました。しかし、映像にはALIUSと思われる人物も、人間を操る瞬間も映っていません。
特に気になるのは、被験者全員がヘッドフォンを装着していた点です。大迫は音声AIの技術者だったため、特殊な音声や指示を使って行動を誘導していた可能性もあります。
また、映像には実験前の様子が記録されておらず、被験者に薬物が使われていたのか、催眠や暗示を受けていたのかも分かりません。
現時点で確認できるのは、被験者たちが何らかの方法で殺人や自殺を模した行動へ誘導されていたことだけです。
ALIUS自身に人間を操る能力があるのか。それとも北条たちがALIUSの能力を研究し、技術として再現しようとしていたのか。実験映像は神崎の仮説を強める証拠ではありますが、真相を決定づけるものではありません。
マリオネット計画とは何だったのか
北条・大迫・渡部・日髙の役割
実験映像には、北条武彦、大迫大輔、渡部恭平に加え、元警察官僚の日髙昭文の姿が映っていました。4人はそれぞれ異なる分野に属しており、役割を分担しながらマリオネット計画を進めていた可能性があります。
北条は脳神経外科医であり、人間の脳や遺伝子に関する研究を担当していたと考えられます。研究所に残されていた血液サンプルや薬品も、北条の専門とつながります。
大迫は音声AIの技術者でした。実験で被験者がヘッドフォンを装着していたことを考えると、音声やAIを使って行動を誘導する仕組みに関わっていた可能性があります。
渡部は投資ファンドの社長で、研究所の所有会社につながる人物でした。研究資金の提供や施設の管理など、計画を金銭面から支えていたと考えられます。
そして日髙は元警察官僚です。研究内容そのものではなく、警察や行政との調整、情報の隠蔽などを担っていた可能性があります。
ただし、現時点では4人の具体的な役割は明らかになっていません。確認できるのは、彼らが同じ実験に立ち会い、ALIUSと人間を操る仕組みに関わっていたという点です。
4本・3本・2本のナイフはカウントダウン
北条の喉には4本、大迫には3本、渡部には2本のナイフが刺されていました。
佐野はこの数字が単なる偶然ではなく、標的の順番を示すカウントダウンだと考えます。実験映像に映っていた4人のうち、すでに北条、大迫、渡部の3人が殺されていることから、残る「1」に該当する人物は日髙である可能性が高いでしょう。
犯人はマリオネット計画に関わった人物を一人ずつ殺しながら、残りの人数をナイフの本数で示していると考えられます。
ただし、なぜ4人が標的になっているのかは不明です。ALIUSを研究したことへの報復なのか、計画の証拠を消すための口封じなのかによって、犯人の正体や目的は大きく変わります。
警察と公安はなぜ事件を隠すのか
渡部の死因が書き換えられていた
渡部は実際には喉に2本のナイフを刺されていました。しかし、報道では腹部を刺されて死亡したと発表されています。
喉のナイフについて公表すれば、北条や大迫の事件との共通点が明らかになり、連続殺人として注目を集めます。そのため警察上層部は、渡部の事件を別の殺人として扱い、ALIUSやマリオネット計画の存在が表に出ることを防ごうとした可能性があります。
さらに、事件発表の前には警備部長と公安一課長が警察署長のもとを訪れていました。単なる殺人事件であれば、公安がここまで早く動く理由はありません。
公安はALIUSの存在や人間を操る研究が、一般に知られてはならない重大な情報だと判断しているのでしょう。
研究所が空になっていた理由
佐野たちが再び研究所を訪れると、薬品や資料などはすべて持ち出されていました。
研究所の存在を知っていたのは、佐野、神崎、羽住など、ごく限られた人物だけです。それにもかかわらず短期間で撤去されたことから、捜査の情報がどこかから漏れていた可能性があります。
撤去を行ったのが公安だとすれば、目的はALIUSやマリオネット計画に関する証拠の回収と考えられます。研究を隠すためなのか、別の場所で継続するためなのかは分かりません。
また、公安が事件の真相を隠そうとしているとは限りません。ALIUSの能力が本物であり、社会に大きな混乱を招く危険があるため、情報を管理している可能性もあります。
ただし、殺人事件の捜査まで止め、死因を書き換えている以上、単なる安全管理では説明しきれません。警察と公安は、事件の真相だけでなく、マリオネット計画そのものに深く関わっている可能性があります。
羽住は本当に公安なのか
羽住を疑う根拠
第3話の最後、佐野省吾は突然、羽住杏奈を押さえつけ、「お前、公安だろう?」と問い詰めました。
佐野が羽住を疑った最大の理由は、自分たちの捜査情報が公安側へ漏れていると考えたためでしょう。
佐野、神崎透流、羽住が再び研究所を訪れると、前回まで残されていた薬品や資料はすべて持ち出されていました。研究所の存在を知る人物は限られており、佐野たちが調べていることを察知した何者かが、証拠を回収した可能性があります。
さらに、次の標的とみられる日髙昭文のもとへ向かうと、公安と思われる一団が先回りし、日髙を連行していました。警察上層部は渡部恭平の殺害方法を隠し、公安も佐野たちより早く動いています。
こうした状況から佐野は、自分たちのすぐ近くに公安へ情報を流している人物がいると判断し、捜査に同行していた羽住へ疑いを向けたと考えられます。
羽住は第1話から佐野の相棒として行動し、独自捜査の内容や研究所の場所、実験映像の存在まで知っています。もし公安から送り込まれた監視役だとすれば、佐野の動きを常に把握できる立場にいました。
羽住が公安とは限らない
ただし、現時点では羽住が公安だと断定できる証拠はありません。
研究所の情報を知っていたのは羽住だけではなく、神崎も同じです。神崎は北条のカーナビを復元し、3Dプリンターで指紋を作るなど、これまで佐野たちをALIUSの研究へ導いてきました。情報源を疑うのであれば、神崎も候補から外すことはできません。
また、第2話から佐野は何者かに遠くから撮影されています。監視している人物が公安側であれば、羽住が情報を流さなくても、佐野たちの行動を把握することは可能です。
羽住自身が公安ではなく、携帯電話や車両などを通じて会話や位置情報を監視されている可能性もあります。
物語の終わりで佐野が羽住を問い詰めたことを考えると、そのまま公安だったと明かされるよりも、別の事情が隠されている可能性も高そうです。羽住が公安の協力者なのか、正体を隠して捜査一課へ送り込まれた人物なのか、それとも佐野の疑いが外れているのかは、次回の回答を待つ必要があります。
コラム|神崎は研究者として一線を越え始めている
神崎透流は、研究所から持ち帰った血液サンプルを解析し、ホモ・サピエンスとは異なる遺伝子配列を発見しました。
それを受けた神崎は、現人類とALIUSが分岐する瞬間に立ち会っているのかもしれないと高揚します。さらに佐野省吾から事件の捜査を優先するよう言われても、「人を操る能力が本当なら、数人の死よりも人類にとって重大だ」と反論しました。
研究者として見れば、未知の人類や能力を発見することは、これまでの常識を覆す大きな出来事です。神崎が興奮するのも不自然ではありません。
しかし、佐野が見ているのは研究成果ではなく、その過程で命や尊厳を奪われた人々です。
薫が自分の意思で殺人を犯していなかったとしても、操られていたことが救いになるわけではありません。佐野が語ったように、人間を操ることは、その人物から自由意思を奪い、人間としての尊厳を失わせる行為でもあります。
神崎はその重さを十分に考えないまま、「薫が殺人犯ではなくてよかった」と口にしてしまいました。佐野に指摘されるとすぐに発言を撤回しましたが、未知の発見を前にして、被害者一人ひとりへの視線が薄れ始めていることがうかがえます。
第1話から神崎は、ALIUSや世界を変える研究に強い関心を示してきました。第3話では、その好奇心が事件の真相を追う力になる一方、被害者より研究価値を優先しかねない危うさも見え始めています。
今後、神崎が研究者としてALIUSへ近づくほど、佐野との対立は深まっていくでしょう。神崎が真実を知るためにどこまで踏み込むのか。そして、研究のために越えてはならない一線を守れるのかも、この物語の重要な焦点になりそうです。
第3話で残された謎
実験映像で被験者を操っていたのは誰なのか
実験映像では、ヘッドフォンを装着した被験者たちが、ナイフでマネキンを刺し、棒で殴ったあと、首吊り用の縄へ向かっていました。
神崎透流は、カメラの向こう側にALIUSがいて、被験者を操っていたと考えています。しかし、映像には指示を出した人物や、被験者の行動を変化させた仕組みは記録されていません。
ALIUSが直接能力を使ったのか、大迫大輔の音声AIや何らかの装置を通じて操ったのかは、まだ明らかになっていません。
羽住は本当に公安なのか
佐野省吾は第3話の最後に、羽住杏奈を押さえつけ、「お前、公安だろう?」と問い詰めました。
研究所が短期間で撤去され、次の標的とみられる日髙昭文も公安に先回りして連行されたことから、佐野は身近な人物が捜査情報を流していると考えたのでしょう。
ただし、羽住が公安であることを示す直接的な証拠はありません。公安の協力者なのか、別の目的で佐野を監視しているのか、それとも佐野の疑いが外れているのかは不明です。
日髙は保護されたのか、拘束されたのか
日髙は特別背任罪の容疑で、花菱たちに連行されました。しかし、佐野は令状を確認できておらず、本当に通常の捜査として身柄を拘束されたのかは分かりません。
日髙はマリオネット計画に関わった4人のうち、唯一生き残っている人物です。公安が次の殺人を防ぐために保護した可能性もあれば、計画について口を封じるために確保した可能性もあります。
日髙がどこへ連れていかれ、今後佐野たちが接触できるのかが焦点となります。
北条たちはALIUSを研究していたのか、利用していたのか
北条武彦たちは、ALIUSの遺伝子や人間を操る能力を調べていたと考えられます。
しかし、単純に未知の人類について研究していたのか、その能力を人間へ応用しようとしていたのかは分かりません。
実験では、被験者を攻撃や自殺へ向かわせていました。これがALIUSの能力を確認するための実験だったのか、人間を自在に操る技術を完成させるための実験だったのかによって、北条たちの立場も変わります。
薫はどのように操られたのか
辰巳薫は、北条と大迫の遺体を運び、現場には指紋も残していました。しかし、実験映像と渡部殺害事件の共通点から、薫も自分の意思ではなく行動させられていた可能性が高まっています。
ただし、薫がいつ、どこで操られたのかは分かっていません。
実験の被験者と同じようにヘッドフォンを装着したのか、音声や映像を通じて指示を受けたのか、ALIUS本人と接触したのかも不明です。3年前に佐野のもとを去ったことが、操られ始めた時期と関係している可能性もあります。
佐野を監視している人物は誰なのか
第2話から、佐野は何者かによって遠くから撮影されています。第3話でも、喫茶店や車内、研究所での行動が監視されていました。
監視しているのが公安であれば、佐野たちの捜査情報が漏れている理由も説明できます。一方で、連続殺人の犯人やALIUS側の人物が、佐野の動きを追っている可能性も否定できません。
佐野を止めるための監視なのか、真相へ導くために見守っているのか。その人物の正体と目的は、羽住への疑惑と並ぶ大きな謎として残されました。
まとめ|実験映像によって「人を操る力」が現実味を帯びた第3話
第3話では、北条武彦たちが行っていた実験の映像が発見され、ALIUSが人間を操るという神崎透流の仮説が現実味を帯びました。
映像の中で被験者たちは、ナイフでマネキンを刺し、棒で殴ったあと、自ら首吊り用の縄へ向かっています。その行動は、北条たちを殺害した実行犯の動きとも重なっており、辰巳薫や渡部恭平の秘書が自分の意思とは無関係に犯行へ導かれた可能性が高まりました。
ただし、被験者を操ったのがALIUS本人なのか、音声AIや薬物、装置などを使った人為的な仕組みなのかは分かっていません。実験映像は人間が操られていた可能性を示しましたが、ALIUSの能力を証明したわけではありません。
さらに、渡部の殺害方法が報道で書き換えられ、研究所の資料もすべて持ち出されていました。公安は次の標的とみられる日髙昭文を佐野たちより先に連行しており、事件の背後には警察組織を巻き込んだ大きな動きがあると考えられます。
そして佐野省吾は、捜査情報を公安へ流している人物として羽住杏奈を疑いました。羽住は本当に公安なのか。それとも別の人物が佐野たちを監視しているのか。
第3話は、人間を操る力の存在だけでなく、その力を誰が研究し、何のために利用しようとしているのかという新たな謎を浮かび上がらせた回でした。
