【イグナイト-法の無法者-】10話のネタバレと感想をまとめています。
宇崎は母を説得して、父の勤めていたバス会社を訴えるよう説得する。裁判は不利な形で終わるが、なぜか宇崎や轟たちは事務所で祝杯をあげていた。その理由とは……?
【イグナイト】10話のあらすじ
第10話6月20日金曜よる10時
— 《 イグナイト -法の無法者- 》4月期金曜ドラマ【公式】 (@ignite_tbs) June 13, 2025
#イグナイト-法の無法者-
第10話SPOT
案件10:
事故隠蔽に関わった"巨悪"に挑む…!
いよいよ最終決戦が始まる…#間宮祥太朗 #仲村トオル #上白石萌歌 #三山凌輝 #りょう #及川光博 pic.twitter.com/bEIylCdJmN
宇崎凌(間宮祥太郎)は母親の純子(藤田朋子)に頼み、父・裕生(宮川一朗太)が勤めていたバス会社を訴えてもらう。だが、所長の浜岡(おかやまはじめ)はあくまで運転手の責任だと主張し、過失を認めようとしない。
宇崎は伊野尾麻里(上白石萌歌)と一緒にバス会社に事前に行き、ようやく整備士の堀切(平埜生成)が証人になってくれた。定期点検の改ざんを指摘する堀切だが、浜岡は事故車両においては絶対整備不良はないと主張する。その理由とは……?
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【イグナイト】10話のネタバレ
宇崎は浜岡に対して、石倉に切り捨てられる危機感を煽り、GIテクノロジーズ社製の自動運転システムをバスに搭載していたことを証言させる。結果的に裁判は不利に終わるが、裁判で証言が残ったことを宇崎たちは喜んだ。最初から宇崎たちは、自動運転システムが搭載されていたという証言を、記録に残すために起こした裁判だった。
しかしまだ石倉を追い詰めるには証拠が足りず、浅見は裕生の司法解剖結果を書いた医師が闇カジノに出入りしているのを知り、チンピラを使って潜入捜査をさせる。
宇崎は母親から轟とずっと通じていたことを知らされ、宇崎が弁護士を目指すきっかけになった弁護士こそ轟だとようやく分かった。
そしてとうとう、GIテクノロジーズに訴状を送ると、石倉は千賀に電話して代理人に指名した。
バス会社を訴えろ
法廷で純子(藤田朋子)は証言に立ち、夫の裕生(宮川一朗太)が強い副作用のある薬を服用していたなら、自分が気づかないはずがないと主張した。そして事故は夫の過失ではなく、ずさんな捜査によって一方的に処理されたのだと訴える。
また、相手の代理人である磯川(窪塚俊介)に、その薬を飲んでいなかったという証拠はあるのかという問いに対しては、普段から酒でさえ休前日しか飲まない夫が、そんな薬を服用するはずがないと反論した。
裁判に至る以前、宇崎凌(間宮祥太郎)は母に対し、父の汚名を晴らすためにバス会社を訴えたいと打ち明け、原告になってほしいと頼んだ。そして、轟謙二郎(仲村トオル)がバス事故の被害者遺族であることも明かした。
純子は動じることなく難しいことはわからないが、やるならやってしまおうと、純子はその場で申し出を受け入れた。後日、事務所を訪れた純子に轟は挨拶し、「勝ちますよ、必ず」と力強く約束した。
再び法廷の場に戻り、磯川は司法解剖の結果を提示した。裕生の体内からは抗不安薬が検出されていたという。さらに、社員への聞き取りによって、裕生が過度な正義感ゆえに社内で孤立していたことも明らかにされた。
純子は薬をどのように手に入れたのかと問いただすが、磯川は正規のルートでなくても入手方法はあると返す。また、整備不良による事故という主張には無理があるのではないかと指摘される。
不自然な点検
轟はバス会社の所長である浜岡(おかやまはじめ)に対して尋問を行い、車両の定期点検や整備がどのように実施されていたのかを問いただす。浜岡は三ヶ月ごとの定期点検に加え、日常点検も毎日行っていると答えた。
事故を起こした車両についても、点検時には問題が見つからなかったと主張し、整備点検の記録簿が営業所に保管されていると説明した。
これを受けて、伊野尾麻里(上白石萌歌)が整備点検表を提示する。そこにはすべての項目に「問題なし」を示す◯印がつけられていた。しかし、古い車両が含まれているにもかかわらず、一切の異常がないというのは不自然だと轟が指摘する。さらに日常点検が、実際には行われていなかったのではないかと追及した。
突破口
事務所で桐石拓磨(及川光博)を交えた事前会議が行われたが、現時点でGIテクノロジーズを直接攻めるための有効な手札はなかった。詮索していることが相手に知られれば、権力を使って潰されかねないと伊野尾が警告する中、轟はまずみなと中央バスを崩すべきだと語る。足元から揺さぶれば、いずれ敵将の首も射程に入るという。
その後、伊野尾と宇崎はみなと中央バスを訪れ、社員たちの様子を探る。宇崎が名乗り出て、5年前の出来事について話を聞こうとするが、社員からは拒絶される。さらに食い下がると、「あなたの父親のことを快く思っている者は、この会社には一人もいない」と突き放され、そのまま何も得られずに立ち去ることとなった。その後も、誰一人として協力してくれる者はいなかった。
落ち込んで車に戻っていたところ、整備士の堀切(平埜生成)が現れる。「お父さんには随分お世話になりました。私でよければ、何でも話します」と声をかけてくれた。
点検を改ざん
法廷で轟は堀切に対する尋問を行い、湊中央バスの整備体制が十分であったかを問うた。堀切は「いえ、間違いなく不十分だったと思います」と断言し、提出されている整備表は実際の車両の状態とはかけ離れており、改ざんされていると証言した。
故障は事故車両だけでなく、複数の車両に見られていたにもかかわらず、会社に報告しても取り合ってもらえなかったという。
ある日、堀切が所長に改善を訴えても、「ギリギリでやっているから無理だ」と一蹴された。その後、運転を終えて戻って来た裕生が、現場の状況を確認すると「やはり危ないな」と危機感を共有したという。
それでも裕生は「注意しながら運転するから」と堀切を気遣い、堀切も「宇崎さんは頑固なくらい安全運転なので安心です」と語った。裕生は堀切の支えに深く感謝していた。
唯一の恩人
法廷で、整備表に全項目◯が並んでいる理由について問われた堀切は、自分は正確な状況を記録していたが、翌日には内容が書き換えられ、すべて◯にされていたと証言した。改ざんされたのかと確認されると、「はい」と明確に答えた。
高井戸斗真(三山凌輝)は堀切が本来記録していた整備表を提示し、そこには実際に×も含まれていた。堀切は書き換えが行われていることに気づいてから、証拠として整備表を画像で残すようにしていたという。ただし、事故を起こした車両については、堀切自身が担当していなかった。
なぜ事故当時に声を上げなかったのかと問われると、「今となっては後悔しています」と語る。改ざんに抗議した際には、周囲から嘲笑され、自分の訴えは受け入れられなかったという。そんな中で唯一、一緒に声を上げてくれたのが裕生だった。
当時、裕生は堀切と共に所長のもとに直談判に向かったが、所長は耳を貸さなかった。堀切は「宇崎さんのために、自分はもっと早く行動すべきだった」と悔いを滲ませながら純子に深々と頭を下げる。
最後に堀切は、「あの宇崎さんが、規定違反にあたる薬を飲んだとは到底思えません。間違いなく、車両に問題があったと思います」と力強く証言した。
宇崎の脅し
再び所長への尋問が行われた。所長は、事故を起こしたバスに不具合はなかったと主張し、整備不良も組織的に行われていた事実はないと断言する。さらに、あの件を除けば事故は一件も発生していないと付け加えた。
その後、宇崎が静かに浜岡に近づき、「尻尾を切るのは、権力者の常套手段ですよ」と囁く。浜岡はその言葉に動揺し、事故当時の出来事を思い返す。
当時、音部卓郎(髙嶋政伸)が浜岡に「石倉さんが和解金を用立ててくれた」と伝えていた場面を思い出す。そこで浜岡は、自動運転システムに何らかの問題があったのではないかと察した。
「死者まで出して、許されるんでしょうか?」と浜岡が問いかけた際、音部は「石倉大臣がいるから大丈夫だ」と言い放っていた。
重要証言
法廷で宇崎は追及の手を緩めず、「いつまでも守ってもらえると思わないほうがいい。身近な人物がそれを証明した」と浜岡に迫る。これは音部が切り捨てられたことを暗に示す言葉だった。
追い詰められた浜岡はついに口を開き、「あのバスには自動運転システムが搭載されていた」と暴露する。GIテクノロジーズの自動運転システムが導入され、試験運行として走行データを取得していたことを明かした。
そのため、事故の2週間前から当日まで、バスに整備不良がなかったことは走行データにより証明可能であると説明する。そして、「整備不良の可能性はゼロだ。あの事故は運転手の過失で間違いない」と断言した。
一方その頃、北村(飛永翼)は石倉庄司(杉本哲太)に裁判の経過を報告していた。「裁判は圧倒的に有利な状況で閉廷しました」と伝えるが、石倉はその報告を気にも留める様子はなかった。
負けるが勝ち
事務所では祝杯が挙げられていた。宇崎は「狙いどおりだ。試合に負けて勝負に勝つってことだよ」と喜びをあらわにする。今回の裁判で、自動運転導入の証拠を手に入れたこと、そしてGIテクノロジーズの名が法廷で出たことは大きな成果だった。裁判記録として正式に残るため、今後本丸である裁判において有効な証言として活用できる。
轟は「裕生さんの汚名を完全に晴らすところまでは至らなかった」と純子に詫びるが、純子は「まだ途中なのはわかっています」と静かに答える。轟は「石倉を倒すためなら、手段は選ばない」と語り、事前に宇崎には所長を相手取った、安全配慮義務違反による訴訟を起こすと伝えていた。
石倉を法廷に引きずり出すには、大きく2つの段階を突破しなければならない。1つは、事故を起こしたバスにGIテクノロジーズの自動運転システムが搭載されていたことの証明。もう1つは、そのシステムが暴走し、事故の原因となったことの証明である。
この2段階のうち、1つ目を確定できなければ、石倉と対決する土俵にすら上がれない。今回の安全配慮義務違反の訴訟は、所長の失言を引き出すための仕掛けでもあった。うまくいけば、石倉は自分たちを軽く見て、油断してくるはずだ。
アキレス腱
轟の自宅に桐石と浅見涼子(りょう)が集まり、浅見がこれまでの捜査結果を報告する。今回の鍵を握るのは、裕生の法医解剖を担当した医師・久野宣幸(山崎潤)である。轟は「こいつから攻めれば、石倉と警察のつながりを暴けるのではないか」と推測する。
なぜあれほど無理のある揉み消しが実行できたのかと轟が問いかけると、浅見は久野の出身大学の同門会「鵬翔会」の会合写真を提示する。その中で、石倉の隣に写っていたのは、現警視庁副総監・青柳弘路(小林やすひろ)だった。
青柳はかつて警視総監の座を目指していたが、出世競争に敗れ道を絶たれていた。そんな中で事故が発生し、石倉は「協力すれば後ろ盾になる」と政治家への転身を持ちかけ、青柳はその提案に乗った。
計画の実行は、副総監の立場にあった青柳が交通部長に指示を出し、現場の管理官がその命令に従って記録の改ざんを行うという流れだった。
では、なぜ法医解剖医の久野が協力したのか。実は久野は医師としての腕は確かだったが、素行に問題があり、石倉側はその弱みに付け込んだのだった。
潜入捜査
浅見はチンピラの男に命じ、不定期に開かれる闇カジノの開催日時を突き止めるよう指示した。店の常連として潜り込み、久野と親しくなり、確実に久野がカジノに来る日と時間を把握することが目的だった。
命令を受けた男は「なんでそんなことしなきゃなんねえんだ」と反発するが、そこへ高井戸が現れ、男の過去の罪状を静かに告げる。
高井戸のクラブに出入りしていた者たちを、逮捕せずに浅見が情報提供者として使うことにしたのだった。情報を提供すれば見逃すと約束し、まだ若いんだし、可能性追ったほうがよくない?」と声をかけ、男たちを潜入させた。
一方、浅見は萩原(羽谷勝太)とともに生活安全課から持ち出した資料を手に歩いていたところ、刑事部の一課長(山本修夢)に呼び止められる。闇カジノの摘発について話を持ちかけると、一課長は「余計なことはするな」と釘を刺す。
「お前は何にそんなに執着しているんだ?」という問いに対し、浅見は迷わず「決まってるでしょ。善良な市民の声を守ることです」と答え、その場を去った。
母の覚悟
家に戻り、轟と食事を囲む純子は上機嫌だった。宇崎は今の事務所に入ったのも偶然ではなく、運命のように感じていた。
これまで普通なら消化しきれない気持ちを、無理やり押し殺して生きてきた。しかし、どれだけごまかしても心の中のモヤモヤは消えず、ようやく今、その感情と正面から向き合えるところまで来たのだと宇崎は語る。
そしてそのモヤモヤをぶっ倒すために戦う。傷を本気で癒すために、今の道を進んでいる。仲間たちは最高で、このやり方も間違っていないと心から信じている。純子は「凌、大丈夫。母さんも同じ気持ちだから」と優しく言葉をかけた。
そして、実は轟とは以前から知り合いであったことを明かす。轟は過去に自分たちを許し、救いの手を差し伸べてくれた存在だった。彼こそが、宇崎が弁護士を目指すきっかけを与え、戦う方法を教えてくれた人だと息子に伝える。
「ずーっと悔しいまんま。母さん、お父さんの無念を晴らしたい。誇りと覚悟、持ってんでしょ?」と純子がきくと、宇崎はどんな手を使ってでも石倉を倒すと誓った。純子は静かに「母さんは、とっくに覚悟決まってます」と答え、宇崎はその言葉に涙をこぼした。
正義とは
宇崎は自室のベッドで横になりながら、子供の頃の記憶を思い返していた。
当時、部屋に入ってきた裕生が「母さんを悲しませるようなことを、言ってはだめだ」と優しく注意した。宇崎は、夕食が揚げ物ばかりで嫌だとこぼすが、裕生は「そこは無理してでも、食わなきゃダメだろ」と諭す。
なぜ?と問い返す宇崎に、裕生はこう答えた。「母さんが大切にしているものだからだ。それが、母さんの誇りなんだよ」と。そして続けて、「家族とか仲間とかって、どういう人のことだと思う? 父さんはな、大切なものが同じ人のことを言うと思うんだ」と語る。
母親の揚げ物は、祖母から大切に受け継がれてきたものだ。それを大切にするのが家族の役目であり、凌も家族の一員として、それを受け止めるべきだと裕生は教える。そして最後に、「大切な人を悲しませない。それが正義なんだよ、分かるか?」と静かに問いかけた。
翌朝、宇崎は母親が揚げた唐揚げを一口食べ、「うまいな、やっぱ」と呟き、満足そうに出かけていった。
【イグナイト】10話の結末
宇崎が事務所に到着すると、すでに来ていた轟の姿を見つけ、自然と笑みがこぼれる。そして「今日まで本当にありがとうございました」と深く頭を下げ、感謝の気持ちを伝えた。
改めて、自分が本当に戦力になれているのかと尋ねる宇崎に対し、轟は「GIテクノロジーズに損害賠償請求を叩きつける」と告げる。そして、宇崎の働きが十分に役立っていることをはっきりと伝えた。次のステップとして、まずはGIテクノロジーズを辞めた元社員たちに話を聞く予定であることも明かす。
一方、GIテクノロジーズの社長・宝田(田中幸太朗)のもとには訴状が届いた。原告は宇崎純子、代理人は轟という名前が記されていた。これを受け、宝田は石倉の元を訪れ、事態を報告する。情報が多く漏れている可能性があり、事故当時のバスに自動運転システムが搭載されていたことも、所長の証言から判明していると話す。
しかし宝田は「イノベーションには犠牲が必要だ。あれは極めて低確率の事故で、単に運が悪かった」と冷淡に言い放ち、彼らのような「理解のない連中」は何もわかっていないと突き放す。
宝田が「どうすればいいですか?」と尋ねると、石倉は「同じレベルの執着を持つ人に弁護を頼みましょう」と静かに答える。
そしてその後、石倉は千賀光一(田中直樹)に電話をかけると、「全身全霊で臨むつもりです」と千賀は答えて静かに電話を切った。
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【イグナイト】10話のまとめと感想
自動運転システムが搭載されていたことが明かされ、ついにGIテクノロジーズを訴えることにした、という話でした。
今回は冒頭から法廷のシーンで始まります。証拠がつかめないなら、裁判で直接尋問して聞き出せばいい。といった調子で、宇崎は所長を半ば脅し、自動運転システムが搭載されていたことを言わせます。
これにより、整備不良での過失ではないことが証明されますが、公の裁判記録にGIテクノロジーズ社製の自動運転システムが、搭載されていたことが記されました。
つまり、宇崎たちの狙いはここにあり、裁判は負けても構わなかったのです。
次週で最終回になりますが、どういった終わり方になるのか?石倉を罪に問う事はできずとも、宇崎たちの勝利で終わって欲しいとは思います。
大切な人を悲しませない。それが正義なんだよ、分かるか?
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