【法廷のドラゴン】6話のネタバレと感想をまとめています。
旧家の遺産分割協議に立ち会うことになった虎太郎と竜美だが、開封した遺言書にあったのは詰将棋の問題だった。だが、姉弟たちはみな将棋を毛嫌いしていた。竜美は故人のメッセージを読み解くことができるか?
【法廷のドラゴン】6話のあらすじ
歩田虎太郎(高杉真宙)と一緒に遺産分割協議に立ち会うことになった天童竜美(上白石萌音)は、渡された遺言書を見て驚く。中に書かれていたのは、詰将棋の問題だった。
4人の子どもたちは他の姉弟よりも、多く遺産を得ようとけん制し合う。さらに将棋が大好きな父とは異なり、子どもたちはなぜか全員将棋を毛嫌いしていた。
故人の残したメッセージを、竜美は解き明かすことができるのか?
【法廷のドラゴン】6話のネタバレ要約
竜美は詰将棋を自分一人で解くのではなく、遺言書に名を連ねた子どもたちと、さらに執事や姪の娘やその子どもまで呼んで一緒に解こうと誘う。
元々将棋を父に厳しく教えられていた4人の子どもたちは、それが原因で将棋を嫌いになっていた。だが、竜美と一緒に一手ずつ指していくうちに、将棋の楽しさを思い出す。
そして最後の一手を指し終えると、庭にある蔵を指し示していたことがわかった。蔵に行った相続人たちは、そこにある父が買い集めていた将棋のお宝を目にする。
竜美は遺言書に名前が連ねられていた人たちが、誰一人欠けてもあの詰将棋は指せないと教える。桐枝は詰将棋を夢中で指していた、あの瞬間を遺したかったのだろうと気付く。
そして、みんなで一つになりこの家を守って欲しいというのが、父の遺したメッセージだと悟った。
【法廷のドラゴン】6話の詳細なネタバレ
横溝正史な遺産相続
歩田虎太郎(高杉真宙)は依頼者の家に行くと、横溝正史の世界のようだと話す。旧家の遺産分割協議に携わることになり、故人である宇津木忠義(飯田基祐)の遺言書を渡され、中を見ると驚くことに詰将棋だった。
四日前、虎太郎は天童竜美(上白石萌音)の家で次の案件について話しており、その内容は相続に関する手続きの依頼だった。
金庫の中には他に何もなく、遺言書は父が将棋マニアだったことから詰将棋だった。将棋の駒はそれぞれの名前が指定されていた。飛車は長女の桐枝(内山理名)、角は長男の松彦(笠原秀幸)、金は二女の椎子(佐々木史帆)、銀は二男の杉央(水間ロン)、桂馬は忠義の姪の娘である紫織(谷村美月)、香車は執事の岡山(佐戸井けん太)、歩兵は紫織の息子である悠真(木下瑛太)だった。
遺言書が有効か無効かという話になり、姉弟たちは遺産を四分の一ずつ分けるべきだと文句を言ったが、竜美は遺言書が無効と決まったわけではないと反論し、まずは詰将棋を解くべきだと説明した。
依頼が来た理由
虎太郎が桐枝に「なぜ依頼がうちに来たのか?」と尋ねると、桐枝は知り合いの弁護士から、様々な訴訟を将棋に関連付けて解決する弁護士がいるときいたからだと答えた。
みんなが将棋を嫌いなのは、すべて父親のせいだと桐枝は言う。亡くなった母・柊子(肘井ミカ)は病気がちで、父親が代わりに子どもの面倒をみた。幼かった子どもたちに趣味の将棋を、無理に教えようとしたという。ある日、桐枝が負けると、父親は「もっと先を読むように」と忠告したが、桐枝は怒り、将棋の駒を盤面に投げつけた。
桐枝は「勝てないからつまらない」と言うが、父親は「いつまでたっても強くなれないぞ」と言って厳しく教えた。子どもたちはその厳しさに耐えられず、みんな将棋が嫌いになってしまった。
その後、竜美たちは父親の書斎に案内された。
遺産を巡る争い
竜美は盤面を借りて詰将棋を解き始めると、邪魔になると思った虎太郎は外に出た。すると、二女の椎子が植木ばさみで庭の木の剪定をしていた。椎子は遺産をもっと多くもらいたいと迫り、その後、長男の松彦も現れて自分が遺産を多くもらいたいと主張した。虎太郎は困惑し、竜美が心配になってその様子を見に行く。
案の定、杉央が竜美に迫ってきており、慌てて虎太郎が遮り事なきを得た。すると、悠真が「ヒントを見せてあげる」と言い、虎太郎たちを蔵に案内した。蔵にはたくさんの将棋盤や珍しいものが置かれており、悠真は虎太郎を誘って将棋をやろうとした。
竜美は蔵の中でアルバムを見つける。そこには亡き母親と4人の子どもたちが、楽しそうに将棋を指している写真があった。
友達を失う一手
竜美が心配になった父・辰夫(田辺誠一)が母・香澄(和久井映見)と一緒に旅館にやってきた。ここは数多くのタイトル戦で使用された旅館だったため、竜美は大興奮だった。将棋に関係するものが多数置かれている中、虎太郎は竜美が奨励会にいたころの記録に目を通していた。旅館の番頭の葛城久雄(福津健創)の話では、竜美は成績も良かったのになぜか自主退会したという。
その後、辰夫がやってきて、虎太郎は辞めた理由を教えてもらうことに。辰夫は駒木兎羽(白石麻衣)との最後の対局で、竜美は友達をなくす手を指したと語り、その対局以来、竜美は誰とも将棋を指さなくなったことを明かした。
遺産がない?
翌朝、竜美は詰将棋を解いたが、故人からのメッセージはまだはっきりしないと言った。そこに紫織から連絡があり、会いに行くと、紫織は会長の遺産は残っていないと伝えた。紫織は宇津木建材で財務の仕事をしていたため、その事情をよく知っていた。
10年前、経営が行き詰まり倒産寸前だったが、会長は社員のために私財を全て注ぎ込み、会社を救った。その結果、会長には資産がほとんど残っていなく、家屋や土地も抵当に入っていた。姉弟は遺産が残っていないことを知らなかった。
紫織は遺産が残っていないのに、どうしてあんな遺言書が作られたのか分からないと言った。また、故人が姉弟が争うことを望んでいたとは思えないとも語った。
竜美は故人はもっと別の何かを期待して、詰将棋の遺言にメッセージを残したはずだと考え、桐枝に会いに行くことに決めた。
部屋を出たところで偶然会った桐枝は、紫織の話を聞いてしまったと語った。竜美が蔵の中で見つけた昔の写真を見せると、桐枝は「まさか」とつぶやいた。竜美は改めて考えることで、ようやく故人の残したメッセージを読み解くことができた。
詰将棋が示した場所
桐枝は姉弟に遺産がないことを伝えると、みんな文句を言い出した。そこで竜美は袴姿に着替え、将棋盤を持って現れ、みんなで一緒に詰将棋を解いてもらいたいと提案した。悠真は「やりたい」と言って一緒に指し始める。次第にみんなが興味を持って集まり、交互に打っていった。自然と将棋盤の周りに人が集まり、和気あいあいとした雰囲気が生まれた。
しかし、桐枝だけは離れていた。竜美は最後の一手を桐枝に託す。彼女は盤面をじっくりと見ながら考えた。そして一手を指した後、「父さん、参りました」と言って盤面に頭を下げた。
盤上には先手の駒が8枚残っており、最後に王手をかけた竜以外の駒をつなげると、屋敷の形に似ていることに気づいた。この形を含めたすべての詰め上がり図で、共通の位置に存在する駒を見つけた。その駒が2一の桂馬と1一の香車であり、この2つの駒は屋敷の位置関係から見ると、庭にある蔵を示していることが分かった。
竜美はこの詰将棋を使ってあの蔵を指し示すのが、故人の1つ目のメッセージだったと解釈した。
決着
みんなで蔵に向かうと、そこには父親が全国で買い集めた品々が、丁寧に保管されていた。例えば、将棋の駒は高名な作家のもので、時価数百万を超えるものもあった。実際に棋戦で使われた駒には、棋士のサインが入ったものもあり、古い棋戦の封じ手なども高値がついていた。虎太郎はおそらく会長はタイトル戦で全国を回りながら、各地でこれらの品々を集めていたのだろうと推測した。
故人はただ将棋三昧の生活を、送っていたのではなかった。遺産はみんなが期待したより少ないかもしれないが、間違いなく存在していたと竜美は教える。そして竜美は故人が大事なメッセージを残していたと語る。詰将棋の遺言書には、全員の名前が記されており、先手の持ち駒は歩から飛車まで7種類あり、これらをすべて使わなければならないルールだと説明する。つまり、4人の子どもたちに加え、紫織、悠真、岡山、誰一人欠けても指せなかった。
その瞬間こそが、父親が遺したかったものだと桐枝は気づき、「私達が一つになって、この家を守って欲しい。それが父が本当に遺したかったメッセージだ」と話す。文句を言う姉弟に対して、桐枝は父親の意図を誤解していたのだと語り、父親は家族を将棋で繋ごうとしてくれたと説明する。
さらにアルバムを見て、母親が結婚前から将棋を好きだったことを思い出す。他の姉弟は母親との将棋の記憶がないというが、桐枝はみんなが小さかったためだと指摘し、さらにこの後すぐに母親が入院してしまったからだと説明する。桐枝は今思えば、母親の余命がそんなにないことを、父親は知っていたのだろうと言う。
父は母と自分たち4人を、将棋を通して繋げようとしていた。早くうまくなって欲しいと願うがあまり、厳しく接していたのだろうと桐枝は気づき、「ほんと、不器用なんだから」とつぶやいた。
「将棋には人と人をつなぐ力がある。それを誰よりも信じていたのは、亡くなった忠義さんだったんですね」と語る竜美。「そう思えば、父らしい遺言書だったわ」と桐枝も同意した。
最終的に虎太郎は桐枝に相続人代表として遺産を管理してもらうよう頼み、桐枝は簡単にお金に変えるようなことはしないと答えた。姉弟たちも渋々納得した。
ドラマの結末
虎太郎と将棋を指してみたいという竜美、二人で盤面を挟んで指し始める。竜美は「将棋は相手がいないと指せません。私は将棋を通して誰かとつながり、そして、わかり合えるそんな瞬間が好きなんだって…あの家の人たちを見てたらそう思えてならなくて、だから無性に指したくなりました」と話した。
兎羽との勝負以来、ずっと人と指さずにいた竜美だが、今回の案件で改めて将棋の良さを知った。
14手で早々と詰んだ虎太郎は「もう一回」と頼む。竜美は楽しげに笑いながら再度対局を始めた。やがて事務所に来客があり、通されたのはなんと兎羽だった。驚く竜美に兎羽は「久しぶり、ドラ」と告げた。
【法廷のドラゴン】6話のまとめと感想
遺産は将棋にまつわるお宝で、将棋を指すことで一つになったみんなで、今後も守っていくことにしたという話でした。
将棋や囲碁の棋士の人たちは、どうしてあんなに同じ歳の人よりも、礼儀正しく見えるのか?不思議に思ったことがあります。そこで至った考えが、将棋や囲碁は対人ゲームだからというものです。
将棋は対戦してもらわないことには始まりません。対戦するなら、勝っても負けても罵ったり喚いたりする相手とはしたくありません。つまり、態度が悪い人は自然と対戦相手がいなくなり、結果として切磋琢磨できず強くなれないのではないか?
今はネットがあるので対人でなくてもできますが、それでも奨励会を目指すような人は、最終的には対人勝負です。もしかしたら、相手に敬意を払えないような人は、自然淘汰されるのかもしれません。
将棋は人と人を繋ぐものだと、改めて将棋の良さに竜美が気付いたというのも良いオチでした。そして犬神家オマージュなBGMも面白かったです。
そして次回からようやく兎羽が出てきます。ドラゴンから取っているのか、まさかのドラ呼びにびっくりしました。