【相棒23】3話のネタバレと感想|楽園にバジリスクと亀出没注意

2024秋ドラマ
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【相棒シーズン23】3話「楽園」のネタバレと感想をまとめています。

亀山が休暇で温泉旅行に行っている間、右京はある事件を追っていた。そして右京の向かった先は、携帯の電波も一切届かないペンションだった。密室で起きる不可解な騒動、犯人は宿泊客の中にいるのか……?

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【相棒23】3話のあらすじ

休暇で温泉旅行を楽しんでいた亀山薫(寺脇康文)は、妻の美和子(鈴木砂羽)が見ていたSNSでバズっていた動画を一緒に見る。急に男がマンションから転落すると、そこには杉下右京(水谷豊)の姿が映り込んでいた。驚いた亀山は、休みを返上して戻った。

しかし部署には右京はいなかった。角田六郎(山西惇)の話では、先日右京に逮捕の協力してもらったという。その時、怪しい男が現場近くの廃ビルを見ていたという話を聞き、右京にその男を探ってもらうよう角田課長は頼んだ。

その男がマンションから転落して亡くなった。第一発見者は右京だった。亀山は右京が何を追っていたのか、右京の行動をなぞって突き止めようとする。

一方右京は宿泊するペンションで不審な事が続出し、宿泊者の中に犯人がいるのではないかと探り始め……。

←2話4話→

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【相棒23】3話のネタバレ要約

鮫島からのストーカー被害に悩んでいた綾乃を救うため、樫村は鮫島の口座から50億を奪った。その後、古瀬が転落死したのをきっかけに、鮫島の復活が疑われる。

ペンションの宿泊客の中に鮫島の手下が紛れ、綾乃を襲おうとしてきた。右京は亀山と協力して取り押さえた。

実は真の鮫島は既に死に、その母親が鮫島に成りすましていた。

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【相棒23】3話の詳細なネタバレ

右京はどこへ

亀山薫(寺脇康文)と美和子(鈴木砂羽)は久しぶりの休暇を楽しむため、温泉に訪れていた。温泉の湯気と静けさの中、リラックスしていた二人だったが、美和子の見ていたSNSで話題になっている動画に、なんと杉下右京(水谷豊)が映っているという。動画では、誰かが踊っている最中に大きな音が響き、その直後、人が下に落ちているシーンが映し出されていた。そこに右京の姿があったのだ。

亀山はすぐに右京に連絡を取ろうと携帯を手にしたが、「電波が届かない」とアナウンスがされるばかりだった

実は、右京が宿泊していた場所は、携帯の電波がほとんど届かない地域に位置しており、通信手段は固定電話のみ。そんな中、亀山は休暇を返上し、急遽東京へ戻る決断をする

亀山が戻ってきたころ、右京はすでに捜査を進めていた。前日、角田六郎(山西惇)が内偵捜査で浮上させた4名の容疑者を確保しており、その捜査を右京も手伝っていたのだ。

右京はその中で、巡査(原住達斗)からの報告に耳を傾けていた。「ビルを見張っている不審な男を見かけたので声をかけました」との情報が寄せられた。その男がヤクを買っていた客、もしくは売人の可能性があり、角田課長は右京に「もう少し探ってくれないか」と依頼していた。

ところが、その男が突然死亡するという事態が発生した。事件は予想を超えた展開を見せ、亀山と右京の捜査は新たな局面へと突入することとなった。

事件発生

右京は古瀬彰人(草野イニ)の転落死の現場に臨場した。死因は転落による脳挫傷であり、両腕には刃物による防御創が確認された。右京は現場を見回しながら、古瀬が部屋でナイフを持った犯人に襲われ、逃げ出したものの、追いつかれて揉み合いになり、最終的に転落したのではないかと推測する。

実は、この事件の第一発見者も右京自身であった。事件の発端は、右京が古瀬の自宅である4階の部屋を訪ねた際、応答がなかったことから始まる。そのため、5階に住む大家(久田幸宏)に話を聞いていたところ、突如として古瀬が転落してきたのだ。右京はすぐさま階段を駆け下り、犯人の姿を探したがすでに姿はなく、犯人は反対側の階段から逃げたのかもしれないと考えた。

現場で右京は、コンフィマートの袋が落ちているのを見つけ、「このあたりにありましたかね」と小さな違和感を覚える。古瀬の自宅に戻ると、PCは事件直後にはまだ起動していたが、今は消えていた。ダークウェブにアクセスするためのツールがあったことも、右京の記憶に残っていた。捜査員が被害者のスマホの携帯番号から位置を特定したところ、事件直後に六本木周辺に移動していたが、そこで電源が切られていたことも判明する。

その後、右京たちが滞在しているペンションで突如火事が発生する。燃えたのはペンションの看板だった。現場にはタバコの吸殻が落ちており、それを見つけた右京は「この中に犯人がいるということでしょうか?」と問いかける。

その時、同じ宿泊客の大塚伸也(前田恭明)という人物がタバコを吸って火を消したと証言するが、灰皿が倒れていたため、火事の原因となった可能性が浮上する。

謎の人物バジリスク

亀山は土師太(松嶋亮太)の元を訪れ、そこで重要な情報を得る。土師から右京に被害者のPCを解析してもらい、ダークウェブを使用している人物を暴いてほしいと頼まれたことを聞いた。被害者のPCの解析で浮かび上がったのは、「バジリスク」というハンドルネームを使っていた人物だった。バジリスクは、数々のシステムに侵入し、サイバー犯罪を繰り返してきた悪名高いハッカーだった

土師によると2年前にバジリスクは、ある人物を標的にハッキングを仕掛け、約50億円相当の仮想通貨を盗み出したという。それを最後に、バジリスクはネットから姿を消した。土師は「巨額の仮想通貨を使えばすぐに足がつくから、まだその資金は手をつけていないだろう」と推測していた。

その50億円を盗まれた人物こそ、半グレの鮫島という男だった。土師はまた、池袋のあるロッカーから荷物を取り出した人物がいたら、その身元を洗うようにも右京に言われていた。亀山は「50億を奪ったハッカーと、それを追う半グレの鮫島か…」と事件の全容が少しずつ見えてくることに思案した。

一方、右京は納屋で何かを探していた。ふと、物音を聞いて姿を隠すと、現れたのは大塚と児島亜紀(於保佐代子)だった。二人は何やら写真を撮っている様子だった。右京はそのまま姿を表し、「何かお探しですか?」と親子で宿泊する2人に声をかけた。

大塚は適当に言い訳をしてその場を切り抜けようとしたが、右京は冷静に指摘した。「ガソリン缶に新しい液垂れの跡が見られます。そして、燃えていた看板からも微かにガソリンの匂いがしました」右京の観察力によって、大塚親子の行動には何か裏があることが明らかになってきた。

仕掛けられた罠

亀山は部署で鮫島の資料を熱心に調べていた。すると、角田課長がやってきて、鮫島についての情報を話し始めた。「鮫島という男は、本名も年齢も人相すら謎。素性を一切隠して、詐欺や恐喝などあらゆる裏の仕事を仕切っていた大物だ。顔を知っているのは一部の側近と女たちくらいだろう。やつは女好きで、気に入った相手をしつこく追い詰めるクズだったらしい

角田は続けて、ここ1ヶ月ほど鮫島グループの残党が、不自然に羽振りが良くなっていることを指摘し、「姿を見せない間に、資金を増やしていたとしても不思議じゃないな」と話す。そして、亀山は手がかりを得た。古瀬の電話が六本木に運ばれていたことから、彼のフロント企業の中にあるIT会社を見つけ出した。その会社は「Cyberthm」。代表は村岡敏志(葉山昴)という男で、過去にフィッシング詐欺に関与した疑いがあった。そのため角田は、「六本木周辺を徹底的に調べた」と言う。

亀山はさっそく村岡に話を聞きに行った。どうやら右京がすでに村岡と話をしていたらしい。村岡は鮫島に直接会ったことはなく、連絡はいつもメールだったという。そして、1ヶ月ほど前に鮫島のPCが送られてきて、「バックドアが生きているか調べろ」という指示を受けたという。調査したところ、そのPCは2年前に調査した状態のままで、バジリスクがいつでも侵入できる危険な状態にあった。

さらに村岡は、PCに罠を仕掛けるよう指示されたと説明した。「侵入を検知したら、偽のメールが表示されるようにしてくれと言われました」メールは『バジリスクの正体が分かりました。明日10時、新宿の王進ビルで』という文章だった。その罠が2日前に発動し、古瀬はこの偽メールを見て、指定されたビルに行った

そこで鮫島に見つかり、古瀬は自宅が特定されたのかと亀山は推測する。さらに村岡は、「昨日の夕方、バイク便でスマホが届きました。鮫島からは、大至急データを解析して、連絡を取っている仲間がいないか調べろという指示がありました。通話履歴を見たら、あるペンションに何度も電話をかけていたんです」調べ終わると、池袋のコインロッカーにスマホを預けるように指示され、実際に預けに行ったという。

亀山は喜びながら、「右京さんが掴んでいたのはこれか!」と、重要な手がかりに気づく。そのペンションは、右京が滞在しているペンション「らくえん」だった。

亀山は急いでペンション「らくえん」に電話をかけ、右京を呼び出してもらおうとしたが、その瞬間、突然停電が起こり、電話が途切れてしまった。停電が解消されると、従業員の志田綾乃(水沢エレナ)がいなくなっていることに気づく。残されていたのは、彼女のエプロンだけだった。

潜入

右京はペンション内を調べている最中、ブレーカーや納屋を見回しながら、何かに気づいた様子だった。そこで彼はペンションの客である中田崇裕(富岡晃一郎)に問いかける。「氷をもらっていたようですが、何に使ったのですか?」と。右京は停電を起こすために、氷が使われたのではないかと考えていた。実際、ブレーカーには巧妙な仕掛けの痕跡があった。氷が溶けるとオモリが傾き、紐で繋がれたブレーカーが落ちるという仕組みだ。

また、右京は綾乃のエプロンに付着していた塗料にも注目した。それは納屋にあった蓄光塗料で、停電が起きたとき、暗闇の中で唯一光っていたのが綾乃のエプロンだったのだ。「あなたは、誰の仕業か分からないように仕組んだのですね」と、右京は中田に指摘した。

中田は激しく否定し、「誰がそんなことを!」と怒りを露わにするが、右京は冷静に中田の腕を取り、微量ながら同じ蓄光塗料が彼の袖に付着していることを教えた。その瞬間、観念したように中田の表情が変わり、右京はここで初めて警察手帳を取り出して、自身の正体を明かした。

観念した中田は、すべてを語り始めた。3年前、彼は若い女性に言い寄られ、出来心で手を出してしまった。しかし、それは美人局の罠で、彼は鮫島という半グレから脅されるようになったのだ。妻や会社にバラすと言われ、恐喝は続いたが、2年前からようやく脅迫は止んだ。やっと解放されたと感じていたが、昨日突然、鮫島から再びメールが届いた。それには「このペンションに行け」という指示が書かれていた。

中田は言い訳を続け、何も知らない岸みどり(ふせえり)をこのペンションに連れてきた。そして、メールにはただ一言「あの女を傷つけろ」という指示があったのだ。

右京はその話を聞き終わり、大塚親子が自分を尾行していたことに気づいた。彼らに「あんたが鮫島だろう?」と言われる右京、彼らは二人は六本木署の刑事だった。彼らは鮫島を追うためにこのペンションに来ていた。

黒幕・右京

リビングで右京と六本木署の刑事たちは情報交換を始めていた。綾乃が突然消えたことについて、大塚が「これは鮫島の仕業なのか?」と疑問を投げかけると、右京は冷静に答えた。「なぜそう思うのですか?」と。

六本木署は、鮫島の会社の防犯カメラ映像を確認しており、そこに映っていた清掃業者が偽物だったことを掴んでいた。大塚たちは、この清掃員こそがバジリスク本人ではないかと考えていた。清掃員を装い、ゴミ箱を漁って個人情報を盗む、いわゆる「トラッシング」と呼ばれるハッキング手法が使われたことが判明していたのだ。こうして得た情報を元に、パスワードを推察し、鮫島のPCに侵入。標的型攻撃を仕掛けていたという。

これまで無差別な愉快犯だったバジリスクが、鮫島の金を狙うようになったのは明らかな変化だった。彼らは「何者かに雇われた可能性を考えました」と言い、六本木署はその「何者か」が綾乃ではないかと疑っていた。彼女がバジリスクと共に50億を盗み出したのではないかと考えたのだ。大塚と児島亜紀(於保佐代子)たちは、これは鮫島の復讐であり、消えた綾乃も命の危険に晒されていると結論づけた。

大塚は右京を見ながら、「あんた、黒幕っぽい雰囲気があるよ」と冗談混じりに言うが、右京は「褒め言葉と受け取っておきます」と冷静なままだった。六本木署は鮫島の復活の噂を聞き、逮捕のチャンスだと思い、このペンションまで追ってきたという。彼らが追っていたのは、かつて鮫島の部下だった二人組で、宿泊客の若いカップルがその正体だったのだ

一方、その頃亀山は、ペンションに急いで向かっていた。彼もまた、鮫島の真相を追っていた。

出るのは亀

綾乃は納屋に隠れていた。彼女が無事でいられたのは、右京のお陰だという。右京はペンションに到着した日に、綾乃に古瀬を知っているかと尋ねた。その際、オーナーの樫村陽介(福士誠治)が警戒の色を見せたため、右京は警察手帳を見せ、「昨日、古瀬が亡くなった」と告げたのだった。

古瀬と綾乃は同じ時期に施設に入り、親のいない二人は本当の兄妹のように育った。樫村も古瀬を「恩人だ」と語っていた。東京での生活がうまくいかず、心を許せたのは古瀬だけだったという。かつて綾乃が働いていた喫茶店では、よく3人で顔を合わせていた。さらに鮫島と出会ったのもその喫茶店だった。

ある日、綾乃はサービスで手作りクッキーを鮫島に出した。それがきっかけで、鮫島は綾乃にしつこく高価なプレゼントを無理やり押し付けてくるようになった。断ると、次第に脅迫めいた態度を取り、喫茶店に放火するなど危険な行動に出た。危機を感じた綾乃は、樫村の助けで逃げることができたのだった

樫村は、綾乃を逃がすために、鮫島から資金を奪う必要があった。その背景もあり、綾乃を守るための行動が次々と重なった。昨夜、立て続けに3件の予約がペンションに入っており、右京は鮫島の手下が紛れ込んでいるのではないかと危惧した。綾乃は右京の指示に従い、停電した瞬間に逃げ出すことに成功した

その後、鮫島の手下である寺崎美晴(柳美稀)と斧を手に持った加藤大河(後藤大)の2人が、納屋に入ってきたが、綾乃たちはすでに姿を消していた。そこに現れたのは右京だった。彼らがペンションの看板に放火した犯人だと確信した右京は、ガソリンの匂いがする手袋を彼らが埋めようとしているのを見抜いていた。

手下たちが逃げ出そうとしたところで、六本木署の刑事たちが現れ、彼らを包囲する。加藤は斧を振り回しながら抵抗するが、右京は冷静にそれをかわす。そして、「そっちは危険ですよ」と加藤に警告すると、加藤が「熊でも出るのか?」と皮肉交じりに聞いた。右京は微笑みながら答えた。「いえ、出るのは亀です」

その瞬間、現れた亀山が斧を巧みに奪い、加藤を取り押さえたのだった。

バジリスクの正体

リビングで、右京たちによる尋問が始まった。取り押さえられた加藤と寺崎に対し、大塚は鋭い目で問い詰める。「鮫島について話してもらうぞ」しかし、加藤は余裕の笑みを浮かべながら答えた。「鮫島さんは完全復活した。あんたたちはずーっと怯えて暮らすんだよ」その挑発的な態度に、場の空気が一層張り詰める。

その頃、どこかに電話をかけようとする樫村の前に、右京たちが現れた。右京は淡々と、「電話をかけようとしているようですね。しかし、念のために封じておきました」と電話線を持って語りかける。樫村は動揺しつつも黙り込んだが、右京は続ける。「その電話は、口座から金を盗み出すプログラムを起動するトリガーとなっているのでしょう。バジリスクはあなた、樫村さんだったのですね

右京はさらに樫村を追及する。防犯カメラに映っていた清掃員の腕には、特徴的なあざがあったことを指摘する。そして、その同じ位置に樫村にも同じあざがあると右京は断言した。「最初に気になったのは、袋の結び目でした。古瀬さんの部屋に捨てられていたコンビニの袋、それは特徴的な結び目がありました。恐らく樫村さんの癖なのでしょう」続いて亀山が「つまり最近、古瀬さんの家に行ったということだ」

さらに右京は、古瀬が鮫島の復活の噂を掴み、それを樫村に連絡していたことを明らかにした。そして2日前、噂を確かめるために、樫村は古瀬の部屋を訪れたのだった。「ペンションにはネット環境がありません。しかし、古瀬さんの部屋にあったノートPC、それは樫村さんのものでしたね。そこでバックドアがまだ生きていることを確認し、口座の残高が増えていることを見て、噂は本当だったと確信したのでしょう」

その後、古瀬のPCに届いたメールが作動し、樫村が行こうとすると、古瀬は綾乃のそばにいてやってくれと樫村に頼んで自分が確認しに行った。すべては綾乃を守り、鮫島の復活を防ぐためだったと右京は推測した。

樫村は強い決意を込めて右京に訴えかけた。「杉下さん、綾乃を守りたいんです。どうかやらせてください」その声には必死さが滲んでいた。しかし、右京は静かに首を振り、「あなたにはもうこれ以上、罪を重ねてほしくありません」と拒絶した。そして続けて、「もはやその必要はありません。鮫島の居場所は分かっています」と言い、事件の全体像を改めて整理し始めた。

「中田は鮫島から脅され、綾乃を傷つけるよう命じられました。手下の二人も、50億を報酬に綾乃を狙うよう指示を受けていたのです」右京は冷静に状況を分析し続けた。「2組の目的はどちらも、綾乃さんに危害を加えることでした。そして、もし綾乃さんに再び危機が迫ったら、犯人は2年前と同じ方法で鮫島の力を奪おうとするはずです。それこそが犯人の狙いです」

右京は一瞬の間を置き、結論を導き出した。「犯人の真の目的は、バジリスクをあぶり出すことだったのです。樫村さんがバジリスクであることを確証し、確実に自らの手で葬り去るために、見張っていたのでしょう」

その時、亀山がそっと動き、岸の手に握られたナイフを押さえつけ、凶器を奪い取った。右京は岸に向かって問いかけた。「みどりさん、あなたが鮫島ですね?」その言葉に、岸の表情が凍りついた。

そして右京はさらに続けた。「そしてもうひとり、鮫島はいました」その場に静寂が訪れ、緊張が高まる中、右京は次なる展開を見据えていた。

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事件の真相

池袋のコインロッカーで荷物を取り出した人物を、防犯カメラで追跡した土師は、その人物の自宅を特定していた。その人物こそ、岸だった。岸は2年前、一人息子の行方不明届けを出していたが、その息子、田村一郎(檜尾健太)こそが鮫島だった。

田村は一ヶ月前に富士の樹海で遺体となって発見され、死後すでに2年ほど経過していた。恐らく、資産という力を失ったことで絶望し、自ら命を絶ったのだろう。この出来事が一連の事件のきっかけとなっていた。

息子の死を知った岸は、残されたPCを使い、息子の部下たちに連絡を取り、鮫島の「復活」を偽装した。そして、バジリスクをおびき出すために罠を仕掛けたのだ。

罠にかかったのは古瀬だった。岸は古瀬の自宅に押し入り、彼を脅した。その時、右京が古瀬の家を訪れた時点で、ちょうど岸に脅されていた。岸は「本物のバジリスクはどこだ?」と問い詰めると、古瀬は「自分がバジリスクだ」と嘘をついていた。すると、岸は古瀬を切りつけ、彼が逃げ出した矢先に転落してしまったのだ

その話を聞いた亀山は、親子の異常さに呆れ「親子でどうかしているな…」とため息をついた。ずっと綾乃は終わりの見えない恐怖に怯え続けていた。

右京は、岸に向かって静かに語りかけた。「暴力で人を支配することが、いかに罪深いことか、息子さんの分までよく考えてくださいね」と淡々と告げるが、岸には届いていないようだった。右京は「……いいですか!」と声を荒げた。しかし、岸はまったく反省する様子を見せず、にやにやと笑いながら、置いてあったクッキーを口に運んでいた。その姿は、まさに悪意そのものであった。

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【相棒23】3話の結末

伊丹憲一(川原和久)たちが到着し、関係者全員が逮捕された。事件の解決に向けて動き出した中、樫村は右京にデータを手渡し、「これは鮫島から奪った50億のデータです」と告げた。右京はそれを確認しながら、「ハッキングの心配のないこの場所は、隠し場所としてはうってつけでしたねぇ」と冷静に話す。

右京が「なぜ鮫島から金を奪ったのか?」と問い詰めると、樫村は目を伏せながら答えた。「古瀬と綾乃を守りたかったんです。2人は僕にとって恩人だから。この土地が嫌いで、都会に逃げました。でも、そこでも馴染めず、ネットの世界に逃げ込みました。この世に楽園なんてない、そう思った」

樫村は一瞬黙った後、続けた。「でも、2人に出会って……2人を守りたかったんです」

綾乃は涙をこらえながら、「私、ここで待ってるから」と優しく樫村に伝えた。亀山は彼に肩を叩きながら、「ちゃんと罪を償って、戻ってきなよ、彼女の元に」と励ました。

その後、右京、亀山、そして美和子たちはこてまりで一息つくことに。右京は穏やかに話す。「当たり前になると、ありがたみは忘れてしまうもの。たまには離れてみるのも、いいかもしれませんね」

その言葉を聞いた亀山は、ふと自分に置き換えて考える。「離れてみるとありがたみが分かるって、これってもしかして俺のことか?」と、右京に軽く冗談を交えながら話しかけ、笑いがこぼれた。

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【相棒23】3話のまとめと感想

ハッキングで金を奪われた男が自殺し、母親がその復讐にやってきたという話でした。

鮫島から綾乃を守るため、樫村はハッキングで50億の金を奪います。鮫島は金がなくなった途端、絶望して自殺しました。恐怖で人を支配していたような人物に限って、大体打たれ弱いです。自分がされるとすぐに音を上げます。

古瀬はどこか自分が囮になろうと思っていたのかもしれないと、思うぐらいなぜか自分で見に行きます。そして案の定ヤサバレしました。それでも古瀬は自分がバジリスクだと言い続け、2人を何とか守ろうとしました。

綾乃を守るのに他に方法はなかったのか?と思う反面、様々な人を困らせていた鮫島を結果的に成敗できたのは良かったのかもしれません。

初回と同様に今回も相棒の絆を感じさせる話でした。

【相棒23】3話のいいセリフ

当たり前になると、ありがたみは忘れてしまうもの。たまには離れてみるのも、いいかもしれませんね。

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