NHKのドラマ【わげもん~長崎通訳異聞~】2話「消えた漂流民」のネタバレと感想をまとめています。
漂流民のカイを無事逃がすことができた壮多だが、森山が漂流民が入れ替わっていることに気付く。壮多も神頭に問いただしに行くが、神頭は抜荷の罪で追われることになってしまい……。
2話のあらすじ
伊嶋壮多(永瀬廉)は漂流民のカイ(カリマ剛ケアリイオカラニ)を神頭有右生(髙嶋政宏)のつてにより逃がす事に成功した。しかし、通詞の森山栄之助(小池徹平)は見知らぬ男がいることに気付く。
壮多も出島に連れて行かれる漂流民たちの中に、カイが持っていた帽子を被った男を見て驚く。真相を確かめるため神頭に話を聞きに行くが、そこに同心の滝口修二郎(平山祐介)たちがやってきて抜荷の罪で神頭を捕らえようとする。
しかし、神頭は壮多を盾にして逃げてしまう。裏切られたショックに放心する壮多、神頭はいったい何者なのか?
【わげもん】2話の再放送と配信先
1話の再放送は1月19日(水)23時35分~24時24分に放送予定です。
見逃し配信先はNHK+で1月22日の21時49分まで無料配信されます。
それ以降の配信はNHKオンデマンドで配信されます。NHKオンデマンドは有料の動画配信サイトですが、U-NEXTで31日間お試し無料キャンペーンがあります。(2022年1月現在)
ただし、自動で継続になってしまうので、退会を希望する場合は無料期間終了前に退会手続きを忘れないようご注意ください。
【わげもん】2話のネタバレ
カイを無事に逃がしたと思ったら、神頭の策略で謎の男がアメリカ船に送り込まれます。それを知った森山の葛藤と友情、壮多らに英語を教えるまでの話です。
神頭の策略
アメリカ船から漂流民の引渡しを迫られていた長崎奉行所は、14人を揃えて返すことにこだわっていた。1人でも欠けてはならないと、逃げたカイのことを探し回っていた。
カイは牢には戻りたくなく、別の船に乗って世界を巡りたいと考えていた。そこで壮多が手助けをし、神頭が策をめぐらせて逃がす計画を実行する。
唐人屋敷に行き神頭の知り合いである劉という人物に話をつけ、唐人の船にカイを乗せて逃がそうと考える。芸妓たちに混じって唐人屋敷に向かうカイと壮多、しかし門番に怪しまれてしまう。
そこに、未章が現れて荷物を地面にわざとぶちまける。門番たちが気をとられた隙にカイを中に入れ、壮多はカイをその場で見送った。
神頭の文をもらった劉は神頭宛てに文を返す。それを読んだ神頭はカイが無事船に乗ったことを知って壮多にも教えた。その後、神頭はカイの帽子を謎の男に手渡す。壮多に話していたカイを死んだ事にする計画ではなかった。
森山の葛藤
森山はオランダ語よりも英語のほうが重要ではないかと考え始めていた。牢に拘留されている漂流民であるラナルドは英語を森山たちに教えていた。
アメリカの船が引渡しを要求している中に、ラナルドも含まれていた。森山はラナルドに牢を出たら何をしたいか?と問う。ラナルドは「どこにも行かない、ここにいる。森山に英語をずっと教える」と答えた。
森山はラナルドの言葉に嬉しく思う反面、本国から船の迎えが来ていることを伝える。そして床に手を付き「今までまことに……」と告げながら深々と頭を下げた。ラナルドはその姿を見て「よか」と優しく笑った。
引渡しのために牢から漂流民たちを出す日、森山は見たことのない男がいることに気付き、白井長崎奉行の船掛である白井に別人だと訴える。しかし、白井は取り合わずやがて家老の周田がやってきて「何の支障もない」と告げた。
森山は納得いかず大通詞の大田に訴え続ける。すると大田は「我らにただす力はなか。それはわしら通詞の分ではなか!」と一喝されてしまった。
納得がいかないまま森山は彼らを引き渡す場に立ち会う。長崎奉行が告げる「二度とこの国にくることを禁ず」という言葉を英訳すると、漂流民たちは呆れたように笑った。
オアフ島の漁師たちが解放されたことで、自分たちを鼓舞する歌を歌い始める。その中の歌詞に「イ・ムア・エ・ナー・ポーキッイ」という歌詞があった。
森山は壮多がその言葉の意味を聞いていたのを思い出し、壮多が逃げた男の行方を知っているのではないかと気付く。
一方、壮多も漂流民たちを見た時に、カイの帽子を被っている人物を見つけて驚く。神頭が自分に語った計画とは違かったからだった。
神頭の裏切り
壮多を見つけた森山は牢抜けした男の行方を問いただす。漂流民を1人始末して代わりの男を紛れ込ませたのかと。その言葉にカイが始末されたのかと驚く壮多は、神頭を見つけて話を聞く。
船は出航したと言う神頭、なぜ知らない男がカイの帽子をと問うと、頭数を揃える必要があったという。森山は誰に指図されたのかと聞くが、答える前に同心の滝口がやってくる。
滝口は死んだ男が持っていた壷の蓋を見せ、部屋にある花瓶に合わせてみるとピッタリはまった。死んだ男は抜荷一味の下っ端で抜け駆けしようとしていたところを殺された。つまり、神頭が何かしら抜荷に関わっているということだ。
神頭は滝口の刀を奪って抜くと壮多を盾にした。そして頃合を見計らって壮多を蹴飛ばし、その隙に逃げて行ってしまった。
壮多は信じていた神頭に裏切られたショックで、その場で放心状態になってしまった。
別れの時
出島のオランダ商館からアメリカ船に漂流民たちは無事引き渡された。艦長が森山の英語は素晴らしいと褒めて握手を交わし、森山にこれから日本はどうすべきだと思うかと意見を求める。
森山は漂流民が別人であることを訴えた時、通詞の言うことではないと一喝されたことを思い出して何も言えずにいた。
そんな森山を見て艦長は皮肉交じりに「ああ、そうだった。有能で『従順な』語学屋さんだろ?」と告げた。副官もまたそんな森山を見てからかった。
森山は甲板に出てラナルドと会う。暗そうにしている森山を見て何があったかを聞くが、森山は何でもないと答えた。
ラナルドは励ましながら「モリヤマ コトバ オシエル イングリッシュ」と告げた。自分が英語を教えるということに驚く森山、ラナルドはハグをして「マイディア、サヨナラ」と声を掛けた。森山はその時、涙を流した。
父の存在
壮多は1人、置屋に取り残されていた。夜、浜辺に向かうと神頭が舟を出そうとしていた。神頭は何者なのかと問う壮多、神頭は具体的には答えずに信じることは厄介なことだと告げる。
そして、壮多の父親は生きていると言い、20年前に通詞の仲間を売ったと言う。彼は己の言葉に滅ぼされたと意味深なことを告げた。壮多が問いただす間もなく追っ手が現れ、神頭は明かりを消して海に舟を漕ぎ出していった。
壮多は江戸には帰らず長崎に残ることにし、出島の荷役を未章と一緒にすることになった。出島の中には見たこともない珍しいものだらけだった。未章は荷物の砂糖をわざと落として持ち帰るのも抜荷だと言い、壮多に注意を促した。
昼食時、浜辺で一緒に食事をしている未章は、ここの匂いが懐かしくなると言う。なぜなら、自分の半分は出島だと、オランダ人の血が半分入っていたからだった。ふと舟を見ると荷役の1人が懐に何かを入れていたのを壮多は見た。
日本に迫る危機
長崎に到着したオランダ船がもたらすのは貿易品だけでなく、国際情勢を聞くという仕事が通詞にはあった。森山は彼らから聞いた話をまとめ、江戸に届けるための文書を作成していた。
それらを見て森山は感じていた、オランダの国力は思った以上に弱まっているのではないかということを。江戸にも伝えたほうがいいのではないかと言うが、他の通詞たちは取り合おうとはしなかった。
オランダの偏った情報を鵜呑みにしていたら、日本は取り返しのつかないことになってしまうのでは。さらに、もし他に異国の内情を握った者がいたら、いいように踊らされてしまうのではないかと考えた。
その瞬間、あのカイと入れ替えられていた男を思い出す。彼はそのために送り込まれた人物なのではないかと。
その頃、カイの帽子をかぶった男はアメリカ人艦長に、「私は日本人だ。日本の内情を話す用意がある」と告げていた。
抜荷の濡れ衣
未章がオランダ商館勝手方のヤンセンに殴られていた。積荷の砂糖の袋を破いてしまったからだった。ヤンセンは荷役の日本人がワザと落として砂糖を盗んでいると責め立てた。
それを見た内通詞の忠弥が日本人を殴るのはまずいと止めに入る。しかしヤンセンは日本人が砂糖を持って逃げるのを見たと言って譲らなかった。
その言葉に壮多は昼飯を食べている時に怪しい男を見たのを思い出す。その人物が野次馬の中にいるのを発見し、「そいつ」と言うと男は逃げ出した。
壮多は積荷の銅塊を手に取り、男に向かって投げる。すると足に当たって男が倒れ、そこに大通詞大田の息子である清十郎が現れて取り押さえた。懐から盗んだ砂糖が入った袋が出て来た。
「誤解だった」と言って立ち去ろうとするヤンセン、清十郎は「それだけか」と言って引き止める。そして拙いオランダ語で言うとヤンセンは日本語で「もう一度」と言ってバカにした。
すると壮多が流暢なオランダ語で割って入り、自分の大切な友人に対して謝って欲しいと謝罪を要求する。騒ぎを聞きつけたオランダ商館長のレフィスゾーンが現れ、ヤンセンのことは自分たちが注意するから、砂糖を盗んだ男のことは長崎奉行所で罰して欲しいと提案した。
これによりヤンセンは未章に謝ることなく去ってしまった。恥をかかされた形になった清十郎は憤り、壮多に「いつかくらす」と啖呵を切った。
内通詞の忠弥は壮多の名前に聞き覚えがあるようだった。自分の名前に覚えがあるのか壮多が問うが、壮多は追い返されてしまい何も聞けなかった。
2話の結末
壮多は荷役の仕事を解雇されてしまい、置屋の雑用をしていた。女性たちが次々と買ってきて欲しいものを告げる中、壮多はメモも取らずに記憶していく。
店の前を掃いている時、森山がやってきて壮多に今日は出島に行かなかったのかと聞く。先の一件以来、壮多は出島を出入り禁止になってしまっていた。
江戸には戻らないのかとたずねる森山、壮多はまだここでやることがあると言った。森山は英語を学んでみないかと壮多に問う。なぜなら壮多には優れた耳とよく動く口があるからだった。
思いもがけない誘いに壮多は即答はしなかった。森山は待っていると言って去ろうとした。壮多は自分の父親を知らないかと問いかけるが、以前も言ったように知らないと答えた。
だが、森山には過去に「己の言葉を捨てよ」と言われながら、語学を幼少期に習っていた記憶が蘇っていた。
後日、壮多は森山の家を訪ねた。そこには英語を学ぶため、大通詞の杉原尚三の息子である敬生も来ていた。敬生は壮多に英語で話しかけて戸惑わせる。そこへ清十郎がやってきて話に割って入り、ライバル視する壮多のことを結果的に助けた。
やがて森山が現れ、壮多はみんなと一緒に英語を学び始めた。
【わげもん】2話のまとめと感想
神頭に裏切られた壮多は長崎に残り、森山に誘われて英語を学び始めるという話でした。
相変わらず壮多の父はどこにいるかは分かりませんが、神頭いわく生きているそうです。神頭と父の間には何かしらの因縁があり、森山との間にも父は因縁がありそうです。
壮多の父親がやらかしたことが何なのか、神頭が言うには仲間の通詞を売ったそうです。そして己の言葉に滅ぼされたと言います。己の言葉とは日本語を意味してるのか、それとも自分の考えということなのか、まだ謎です。
森山は通詞という仕事に限界を感じ、オランダ語よりも英語に可能性を感じます。今回の一番の見せ場はラナルドとの別れのシーンで、森山は彼に英語を教えるよう言われてその可能性に賭けます。
森山は英語を学ぼうとする若き通詞たちと、新たな時代を切り開こうとします。これからの日本がどうあるべきかを問われた時、何も答えられなかった森山は、育成することで変化を生もうと考えているようです。
上に言われたことをただ厳守するのは、本当に国のことを思っているのか?“忠義”を“従順”と履き違えているような人たちに森山は減滅します。
自分の頭で考え自分の口で語る。それすら許されない社会とは一体何なのか?時代を問わずただ従うだけで思考停止すると、やがて滅びることを教えてくれるような話でした。
次回は1月22日21時から放送予定です。