【警視庁ゼロ係シーズン4】第3話は凝ったトリックの話でした。一度埋まった男が二度埋まる?全員にアリバイがある容疑者をどうやって犯人特定したのか?今回の記事はネタバレ前提で、事件の詳細を掘り下げていきます。まだ視聴していない方はご注意ください。
【警視庁ゼロ係シーズン4】3話のあらすじ
厄介払いされたメンバーが集まる杉並中央署「なんでも相談室」、通称ゼロ係に芸人・永野(本人)がスキャンダル記事の掲載を阻止してほしいと相談に来た。冬彦(小泉孝太郎)らが記者の福永(村本明久)に会うため、女優・千晶(杉本彩)のパーティーへ。あっさり掲載を否定した福永は、翌日、遺体となって発見される。捜査すると、襲われてから死亡するまで4時間もの空白の時間がある上、容疑者たちにはアリバイがあり…。
公式HPより
【警視庁ゼロ係シーズン4】3話のネタバレ
一度目埋めた犯人
青島千晶、中谷恭一、梶原健介
動機
福永の記事のせいで、せっかく積み上げた実績や信用を失ったと恨んでいた三人。福永を千晶が控え室に呼び出したところ、梶原と中谷も部屋に来た。そこでスキャンダルを記事にするという、福永の「何度も同じあやまち繰り返すなよ、クズども」という言葉にカッとなった梶原が置時計で頭を殴打してしまう。千晶がそれを見て殺害を指示、中谷が隠蔽を指示して、梶原が実行した。そして三人で福永を生き埋めにした。
逮捕の道筋
一人の犯人が全てやるにはアリバイがあって無理だったが、冬彦はそれぞれが役割分担したことに気づく。梶原が殴った後、千晶が衣装変えの時間にボイラー室へ福永を運ぶ。梶原はタクシーで自宅に戻り、近所のホームセンターでスコップを購入し先回りして穴を掘った。中谷は編集部との打ち合わせの後、ボイラー室から福永を運び出して車に乗せて現場に運ぶ。そして三人は合流して福永を埋める。
犯行に使われたバスローブと清掃員の制服があった、清掃用具室に千晶がつけていたピアスが落ちていた。梶原がホームセンターで購入したスコップのレシートの控えもある。中谷の自宅の庭に埋めるために使用されたスコップも出てきた。その証拠を突きつけると、まずは中谷が元はと言えば梶原が殴ったせいだと言い出し、梶原も殺害の指示をしたのは千晶だと言い出して仲間割れが始まる。
二度目埋めた犯人
根元宏
動機
自分と政治家の密会が映っている、SDカードを回収しようと福永を見張っていたら、三人が事件を起こして埋めるとこを見つける。三人が去った後、掘り返してカメラからSDカードを抜く。その時まだ福永は生きていたが、根元は再び埋めてしまう。これにより福永は死亡する。
逮捕の道筋
福永が発見された時、カメラバッグの中に土が入り誰かが漁っていた痕跡が見つかる。SDカードが抜かれていたが、三人は控え室で回収しているので漁るはずはなかった。そこにさらに“東藝社”のボールペンが落ちていた。このボールペンは一週間前に配られたもので、二週間以上会社に来ていない福永が持っているはずがなかった。
三人から回収したSDカードには芸人の路チュー写真が入っていなかった。もう一枚SDカードがあることに気づいた冬彦は、福永が通っていたメイド喫茶に行く。そこにあったボトルのタグに、SDカードのバックアップを発見し、中を見ると根元と政治家の金の受け渡し現場が映っていた。それを隠蔽するために、根元が福永を埋めたという決定的な証拠となった。
【警視庁ゼロ係シーズン4】3話の感想
一度目埋めた話で完結するわけでなく、実は二度埋められていたという面白い回でした。生き埋めというだけで苦しそうな話な上に、理由は自分勝手なもので埋めてなかったことにしようします。そもそも建設予定地に埋めたらダメだろうと突っ込みたくはなりますが、トリックがちゃんと考えられている回なので楽しかったです。1時間という時間の中でテンポよく、2時間ドラマ1本分をぎゅっと凝縮したような構成でした。
写真、動画、録音と一般の人でも手軽にできる時代、有名人のプライバシーがなくなりつつあります。それに文句を言う三人ですが、これこそまさに“自業自得”です。誰かにハメられたスキャンダルでもないのに、自分のことを棚に上げて文句言うのはどうかと思います。ましてや人を殺すなんて、そんなんだからスキャンダルを起こすのでしょう。
今回の事件内容
ゴシップ記者の福永文明が、大型商業施設の建設予定地で発見されることから始まります。どういった事件の内容なのか、番組内での説明を元に順を追って説明します。
被害者状況
- 生年月日:昭和51年6月9日(43歳)
- 職業:記者(週刊ゴシップ・フリーライター)
事件状況
- 発生日時:令和元年7月28日午前8時10分頃
- 死因:窒息死
- 死亡推定時刻:7月28日深夜0時~2時の間
現場状況
遺体はGRAND RITZ HOTELのバスローブに覆われ、手足もバスローブの紐で縛られ埋められていた。
被害者状態
- パーティー…午後7時から午後9時30分
- 控え室で襲われる…午後7時46分
- スタッフ控え室を確認…午後9時30分
- 7時46分から9時30分の間に連れ去られた
- 0時に埋められていた
パーティーとは女優の青島千晶の芸能生活20周年パーティーのことです。ここに来た福永が会場のホテルで何者かに襲われ、そして発見場所に埋められたということまではわかっています。容疑者に上がる人物は3人です。それぞれの人物はどういう人物なのか?次で説明します。
容疑者の3人について
福永が死亡したことで、浅からぬ因縁のある3人が容疑者となります。どんな因縁があったのでしょうか?それは、福永がゴシップ記者であることに関係していました。
- 青島千晶:女優の千晶は、TV局のプロデューサーと不倫
- 中谷恭一:ベストセラー作家の中谷は、デビュー受賞作に盗作疑惑
- 梶原健介:プロゴルファーの梶原は、ドーピング使用疑惑
これが過去にあったスキャンダル問題です。しかし今回新たなスキャンダルが、それぞれからまた出て来ます。
- 青島千晶:ドラマの共演者との不倫疑惑
- 中谷恭一:闇カジノに出入りしている疑惑
- 梶原健介:八百長疑惑
新たにこの問題について、福永が記事にする予定だったようです。千晶は懲りずにまた不倫をし、中谷は作家活動とは関係のない問題、梶原はゴルフでまた不正といった感じです。千晶と福永が揉めているのを、会場の人はみんな見ていました。動機がありまくりな三人ですが、アリバイがあります。次で時系列を追って説明します。
事件のタイムライン
被害者の福永、容疑者の三人それぞれの行動を時系列にしてみました。
- 19:00パーティー開始
- 19:46控え室で福永襲われる
- 20:50中谷は編集者と打ち合わせ
- 20:56梶原帰宅
- 21:00ボイラー室点検終了
この間に何者かが福永を移動させる
- 21:30ボイラー室をスタッフが確認
青島この時間までパーティー出席し二次会へ
- 23:00中谷打ち合わせ終了
- 23:30中谷夜食を買いに出庫
青島この時間まで二次会に参加
- 24:00~26:00福永殺害現場で窒息死
生き埋めで死亡
これで見てわかるように、福永を襲うのは誰でもできますが、ボイラー室への移動は梶原と中谷は無理です。また、福永を運ぶのは千晶と梶原は無理です。一人の人で全てを成し遂げるのは無理だとなり、冬彦は頭を悩ませます。
それを打開するのはいつもの春吉が出した“奇跡の三食丼”なるものです。これには天ぷら、麻婆豆腐、ハンバーグが入った微妙な味の食べ物でした。一人ではできないことを、それぞれが役割分担したということがわかります。
事件の真相
それぞれがどう担当したのか?冬彦の推理と実際の自供を合わせて書いていきます。
- 福永の発言にキレて、梶原が左手でそこにあった置時計で福永の頭を殴打
- 千晶が殺害を指示し、中谷が隠蔽を画策する
- 千晶が衣装変えの時間を利用して、清掃員の制服に着替え、カートに入れて福永をボイラー室へ運ぶ。その後、急いでパーティー会場へ戻る。
- 梶原が21時前に会場を出る。タクシーに乗って自宅へ向かい、自宅近くのホームセンターでスコップを購入
- 梶原はそのまま現場に向かい、先回りして穴を掘り、生き埋めにする時間の短縮をする
- 編集者との打ち合わせを終えた中谷が、ボイラー室から駐車場に停めてあった車に乗せ現場へ運ぶ
- 千晶は二次会の後、三次会へ向かう前に一度家に帰ると言って現場へ
- 三人が合流して埋める
梶原が福永を殴ったのがそもそもの始まりとなります。そこで警察なり救急車を呼ぶでもなく、千晶が“殺そう”と言い出します。そして、中谷が小説の舞台にするため、このホテルを過去に取材したことがあるため、隠蔽を画策するという役割をします。
要するに青島が殺害を指示し、中谷が隠蔽計画を立て、梶原が実行します。三人で共謀して福永を葬るということです。ただ、この話はこれだけでは終わりませんでした。福永は“二度”埋まります。
なぜ二度埋めた?
てっきり三人が殺人をしたのかと思いましたが、実は福永は一度掘り返されます。その時はまだ生きていました。二度目の生き埋めで福永は絶命することになります。では誰が?なんのために?冬彦がその真相を暴きます。
- 週刊ゴシップの編集長根元は、SDカードを奪うために福永をつけていた
- 三人が福永を運んで生き埋めにするのを見ている
- 三人がいなくなった後、SDカードを探すために掘り返す
- SDカードを奪った後、再び埋めてしまう
これにより、福永は窒息死します。掘り返してまで奪いたかったSDカードに何が写っていたのか?それは、政治家との密会の場でした。根元は政治家のスキャンダルをもみ消す代わりに、金を受け取っていたのです。その受け渡しをしているシーンが、バッチリ写っている写真を福永は撮影していたのです。
根元は撮られたことを知っていたのか?というか、金を受け渡す時に、料亭の障子を閉めておかないのか?色々突っ込みどころはありますが、とにかくそのシーンそのものが写っています。この結果、政治家と出版社の癒着が明るみになりました。
【警視庁ゼロ係シーズン4】3話のその他気になったこと
- 路チューという単語に照れる冬彦
- 寅三がメイドカフェに勤めたら、“猛獣カフェ”になる
- 寅三が着れるトラ柄の服はないか聞く冬彦
- 大して役に立たない人間のクズが集まる、といわれる弥生に言われるゼロ係
- 加藤一二三の真似を伝授する横山
- 冥途の土産に寅三が見せる「萌え萌えキュン」
【警視庁ゼロ係シーズン4】3話のまとめ
今回のゼロ係は意外と考えられた話でした。結局のところみんながみんな、自分勝手に人を殺すという話で、福永も褒められたような仕事ではありませんが、だからといって殺人はマズいです。有名人は清廉潔白でいろとは言いませんが、寅三の言うように「めちゃくちゃにされたら、またやり直せばいいでしょ。でも、殺された人は生き返らない」が全てです。死んでしまったら何もできません。
今週の神沼は新たな人を襲いはしませんでしたが、冬彦のところに現れて「俺にとって君は危険な存在だな」と言い、首をナイフで切りつけて去っていきます。冬彦が今後狙われる話になるのか?それともまた新たな犠牲者を出すのか?次回は漫才殺人事件のようです。