ドラマ【絶叫】3話のネタバレと感想をまとめました。
次回で最終回となりますが、謎はどれぐらい解明されたかというと、あまり解明されていません。陽子がなぜ3人の男と結婚したのか？換金ビジネスとは？その恐ろしい内容が今回分かります。
ドラマ【絶叫】3話のあらすじ
陽子（尾野真千子）からの殺人依頼を請け負うことを承諾する神代（安田顕）は、礼二の元に行って仕事をして欲しいと依頼をする。礼二は事務所に行き、そこに陽子と共に住みこみで仕事をすることになる。
そして陽子は礼二が知らぬ間に、入籍をして生命保険に加入させる。その間も陽子と神代は礼二殺害の計画を立て、殺害方法は交通事故を装えばバレないと、陽子は弟が事故死をした時に学んでいたことを提案する。
決行の日、陽子は神代達に任せて、アリバイ作りのために仕事に出かけることにするが…。
ドラマ【絶叫】3話のネタバレ
ネタバレまとめ
礼二殺害計画
陽子から殺人依頼を受けた神代は、さっそく礼二のところに行って話をする。神代はまず礼二に仕事を与え、自宅兼事務所に連れて行くことにした。そして陽子と礼二の二人を事務所に住まわせる。
神代が言葉巧みに礼二の心を掌握する様を見ていた陽子は、神代の恐ろしさを実感する。陽子も次第に神代の持つ、得体の知らない魅力に囚われていくのだった。
礼二が仲間に加わった気になっている一方で、陽子は着々と準備をしていた。殺害の方法も既に考えてあり、それはかつて弟が交通事故死をした時に学んでいた方法だった。
弟が車にひかれた時、目撃者が誰もいなかった。警察は運転手の言い分を丸飲みし、運転手は無罪放免となった。被害者に非があれば、殺しても罪に問われない。だから、礼二を殺す方法は事故死を装う方法と決めた。
綾野の推理
陽子が礼二と一緒に住んでいた三鷹のアパートの近所の人は、誰も人の出入りを見ていなかった。偽装結婚の可能性があると綾乃（小西真奈美）は考えていた。
保険証一枚あれば偽装結婚はできる。婚姻届は勝手に書いて窓口に提出すればいい。妻であれば保険金は無税で受け取れる。殺害日が警察が手薄になる花火大会の日にやっているあたり、犯罪に手馴れている者が手を貸しているに違いない。恐らく陽子と神代の二人で計画したと綾乃は推理していた。
礼二の知らないうちに、入籍して保険金をかけた
実行の日
計画は怖いほど順調だった。礼二はすっかり神代に心酔し、泣きながら感謝するまでになっていた。これから殺害しようという相手に、優しい言葉をかける神代を見て陽子は驚いた。
神代は陽子の気持ちが変わっていないか、確認をするように「あいつは殺されても仕方ない男」だと念を押し、手を汚す仕事は全て自分が請け負うと安心させる。
そして子供をあやすように「いい子だ」と言いながら、陽子の肩を抱き寄せる神代に、いつしか陽子も身を寄せるのだった。
決行の日が近付き、礼二を除いたみんなで話し合いを始める。花火大会の0時に決行をするため、陽子にアリバイ作りで仕事に出るよう指示をする。実行犯は誰なのか陽子が神代にたずねると、この中にはいないという。
決行当日、礼二は自分の身にこれから起きることも知らず、上機嫌で酔っ払っていた。神代のためなら命を差し出すとも言っている礼二を、他のメンバーは引きつった顔をして見ていた。やがて陽子は仕事に出掛け、礼二は散々飲まされたせいで眠ってしまう。
決行時刻、神代たちは予め決めておいた道の路上に、泥酔した礼二を寝かせる。それから合図を送り走ってきた車が、横たわる礼二をひいて殺害する。神代たちは死体のそばに酒瓶を置いて撤収し、加害者である男は自ら警察へ電話をかけて事故を知らせるのだった。
陽子は仕事を終えると三鷹のアパートへ行き、警察からの電話を待っていた。やがてかかってきた電話を取り、霊安室へと身元確認をしに行く。遺体と対面した時、思い出すのは弟が死んだ際の母（麻生祐未）の姿だった。陽子は礼二の遺体を見て泣き叫ぶが、それは悲しかったからではなく、ただあの時の母の真似をしているだけだった。
一ヵ月後。疑われることなく、陽子に保険金が全額支払われた。喜ぶ神代は陽子に今後も一緒に住むことを持ちかける。陽子は誘いを承諾した。この先もずっとこのファミリーにいられることにホッとする反面、この先もこのファミリーにいなければならないことに絶望した。
礼二が死んで保険金が手に入る
清さんという男を陽子は紹介される。その人物が今回の実行役だった。清さんは路上生活をしていたところ、神代に拾われて世話になっていた。
神代は清さんを「自分の妻子を殺した礼二は証拠がなくて捕まらないので、自ら復讐するのに協力をして欲しい」とお願いしていた。清さんは保険金のことも知らずに、敵討ちをしたと思っているのだった。
神代はさらに清さんを換金するという。「一円も稼げない男を一億円に変える、換金ビジネス」だと。カインドヘルプには在庫になりそうなやつが沢山いるとも。その話に「初めからこの計画を考えていたのではないか？」と陽子は疑うのだった。
綾野の推理
綾乃はこの三人の死を並べてみてわかったことがある。礼二を殺した清さんと陽子は再婚し、清さんを殺した沼尻と今度は再婚する。保険金目当ての殺人に間違いないと。
しかし、なぜ今までこんな事件が、明るみになっていなかったのか。それは、それぞれ管轄外で起きた事故で、単なる交通事故として処理されていたからだった。
さらに保険会社の目を欺くため、陽子は姓や本籍地を結婚するたびに変えていたので、表向きは別人に見えていたに違いない。次に狙われたのは沼尻を殺した八木徳夫（片桐仁）だったはず、実行犯で唯一逃れた男。鍵は彼が握っているはずだと結論づけた。
実行犯で唯一生き残った八木徳夫が、事件の鍵を握っている
陽子の変化
陽子は泥酔し、その後路上に寝かされてひき殺される夢を見る。いつか自分も同じように殺されるに違いない、そんな不安を表すような夢だった。
早朝、荷物を持って家を出た陽子を、神代は背後から声をかけて呼び止める。驚く陽子は母親のところへ行ってくると取り繕う。この男から逃れることはできない、陽子は改めて感じながら母親の家へ向かった。
室内にいた母は痴呆が進行しているのか、声をかけても反応が薄かった。陽子はそんな母親を見て、自分がいかに大変だったかを語る。しかし母は何も答えず、陽子は泣きながら逃げたら神代に殺されると訴える。だが、口を開いた母から出た言葉は、弟の「純に会いたい」だった。
陽子はようやく気づいた。母親に縛られていたのではなく、自分が母にしがみついていたことに。海に沈む夕日に向かい、浜辺で陽子は絶叫した。
神代と住む家に戻った陽子は、八木と二人きりになる。そして陽子は神代が「換金」と称して八木を殺す可能性があることを教え、二人で協力してここから抜け出そうと誘った。
陽子は八木と結託して逃げ出そうとする
ドラマ【絶叫】3話の感想
今回の見どころは、母親と陽子のやり取りです。
娘の思いと親の思いが一切交わることのない虚しさが、二人の演技でいっそう重くのしかかってきます。必死に泣きながら母に訴える尾野さんと、全く視線も合わせず虚空を見つめているだけの麻生さん。やっと口を開いた時に出る言葉が、陽子の心を決別へと導きます。
どんなに願っても、受け入れられることのない思い。それを絶叫という形で尾野さんが海辺で叫ぶシーンは、張り詰めた糸が切れた瞬間を表しているようでした。
今回は主にどうやって神代と陽子が犯罪に手を染めたのか、ということがわかります。それぞれ一つずつの事件は「単なる交通事故」として扱われ、起きる場所が違う県なので疑われません。
まさに点が線になった瞬間の話となります。
換金ビジネスとは？
- 陽子が勝手に籍を入れる
- 保険金をかける
- しばらく一緒に暮らして心を掴む
- 酒を飲ませて路上に放置
- 神代のNPOにいる人を使って殺害
- 1に戻って実行犯と籍を入れる
このやり方のすごいところが、実行犯を夫にしてまた別の男に殺させる、ということです。神代はそれを「換金」と呼びます。「一円にもならない男を一億に換金する」という意味です。
神代という男
棄民といわれる人たちを、さも慈善事業のふりをして囲い、恩を売った後に殺人依頼して殺害。彼らは何の疑いもなく、神代に感謝します。しかも、強要されているのではなく、進んで自らやっているのです。
陽子はそんな神代を「沼」だといいます。
神代は人の弱みを見つけるのが上手く、その心に寄り添います。その例を2つ挙げます。
- 例その1：礼二はかつて父親に暴力を受けていたため、家族に飢えていました。「温かい家族」を演じることで心を掴みます。
- 例その2：陽子は人に必要とされない人生を送っていたため、愛情に飢えていました。「恋人」を演じることで心を掴もうとします。
弱っている人の心につけこみ、まるで味方のようなふりをする。「洗脳」することで、自分の意のまま操る。神代はそういう男です。近付いてはいけないとわかっていても、得体の知れない魅力に抗えない、陽子はそう神代を評します。
ドラマ【絶叫】3話のまとめ
神代という男がどういう男か、その悪魔的な恐ろしさが今回初めて分かります。相手の望むものを与え、心を掌握した上で利用する。本人も利用されたとは思わず、むしろ感謝するぐらいです。
陽子が当初提案した礼二を殺害するための方法を、今度は別の人物に対して使用します。人の命を“換金”する、さらっと恐ろしいことを口にします。
次回で最終回となります。鍵となる八木を捕らえて、全貌をぜひ明らかにして欲しいです。
そして遺体は誰なのか？陽子でないなら、陽子は今どうなっているのか？どう結末をつけるのか、楽しみにしています。
誰かに必要とされるために、もう自分をねじ曲げたりしない。