ドラマ【歪んだ波紋】最終回のネタバレと感想|桐野の目的とは?

歪んだ波紋 2019秋ドラマ
記事内に広告が含まれています。

NHKBSプレミアムで12月22日に放送したドラマ【歪んだ波紋】の最終回「波紋の行方」のネタバレと感想などを詳しくまとめました。

桐野が持って来た記事はやっぱり誤報なのか?桐野の目的とは何だったのか?敦子と政彦は和解できたのか?それらの答えが今回分かります。

【歪んだ波紋】の見逃し配信はU-NEXTのNHKオンデマンドでも視聴できます。
現在31日間無料トライアルキャンペーン中です。
本ページの情報は2019年12月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

スポンサーリンク

ドラマ【歪んだ波紋】最終回のあらすじ

政彦(松田龍平)の制止を聞かず、三反園(松山ケンイチ)は韓国から桐野(筒井道隆)が送ってきたアンデソン単独取材の記事を掲載するが、虚報であることが発覚し…

政彦(松田龍平)や相賀(長塚京三)の制止を聞かず、三反園(松山ケンイチ)は韓国から桐野(筒井道隆)が送ってきたアンデソン単独取材の記事を掲載するが、それはアンデソンの取材もしていない虚報であることが発覚。ネットニュースサイトまでも、虚報事件に巻き込んだ桐野を見つけ問い詰めた政彦は、誤報騒ぎ以降、会ってもくれなかった敦子(小芝風花)から連絡を受け、地方新聞の記者を続けて欲しいと言われる。

公式HPより
スポンサーリンク

ドラマ【歪んだ波紋】最終回のネタバレ

  • 三反園の母がバイクにひかれて病院に運ばれる。現時点で命の危機はないが、予断を許さない状態だった
  • 桐野から連絡があり安大成とのインタビューのセッティングができたという。しかし、三反園は母のこともあって東京を離れられなかった。そこで信用できるカメラマンの徳田を同行させることにする
  • 病院で会った三反園に政彦は桐野と組むことの危険性を伝えるが、三反園は聞く耳を持たずに仲違いをする
  • ファイナルビットがなくなった今、次に危ないネットニュースサイトのランンキング1位はファクトジャーナルだった
  • 相賀が三反園に放火犯を警察が指名手配したので、数日中に逮捕されると思うと伝える。だが、三反園は安大成のことが気になって上の空だった。この記事で会社を立て直す、焦りでいっぱいだった
  • 放火犯と思われる男が海で遺体で発見される。また手がかりが途絶えてしまうが、これで闇金グループの関与が決定的だと相賀は考える
  • 政彦は相賀に桐野のネタを信じているのかと問うと、信じていないと答える。そこに息子がやってきて貯金を解約したことに怒るが、相賀は垣内が自分に託した調査をここでやめたら、死んでも死に切れないといって調査を続ける
  • 桐野から連絡があり、インタビューの写真と記事をメールで送ってもらう。三反園たちはさっそく記事にしてサイトに上げると、アクセスが集まりSNS上でも大反響だった
  • 美沙が政彦のところへ来てファクトジャーナルの記事についての疑問を指摘する。それは、7年前の週刊誌に載った写真と安大成の衣装も背景も一緒だという
  • それに気づいたネット界隈でも、記事のパクリや写真の流用についてSNS上で拡散が始まる
  • 吾妻が安田に会いに来るが不在だった。吾妻が見せた紙にはヴァーチャルエステイトという集団のメンバーの名前が書いてあり、その中には桐野、安田、徳田の名前があった
  • この集団は新聞やテレビ、雑誌などの信用を落とすために活動している集団だった
  • その頃、ファクトジャーナルは電話が鳴りまくっていた。政彦と美沙は三反園に会い、記事は桐野のねつ造記事だと教える
  • 三反園の母親がひかれたこと自体、この計画の一環だったのではないかと疑念が浮かぶ。さらに週刊誌から写真盗用の連絡が入り、安大成本人もあの記事は自分ではないと声明を出す
  • 三反園は騙されたことをようやく認め、訂正記事を出すよう指示する。そして、政彦に桐野を止めてくれと頼む
  • 政彦が桐野の母親の店に行くとちょうど桐野から電話がかかってくる。政彦は桐野と直接会って話をする
  • 桐野と会って話す政彦はねつ造の数々は何のためにやっているのかを問う。桐野はマスメディアやネットニュースメディア、個人が発する情報、それら全てを破壊するためにやっていると答える
  • 政彦は桐野の意見に真っ向反論し、毎日精一杯生きている市民のために報道はある。それを教えてくれたのは桐野ではないかと訴える
  • 桐野は政彦をヴァーチャルエステイトに誘いに来たが、政彦の考えを知り諦めて去っていく
  • 敦子が病院を退院するところに三反園がやってくる。政彦も騙されたのであって、許してやって欲しいと告げる
  • 相賀は桐野をあんな風にしてしまったのは、自分達のせいかもしれないという。あの時、ジャーナリズムの原理原則と向き合うべきだったと
  • 政彦はデスクに上がることを断り現場に残ることにこだわった。それを聞いた相賀は、きっと政彦の父親は喜んでいると思うという
  • 敦子から電話があり政彦はカフェに会いに行く。敦子は心の整理はまだついていないが、会って良かったと告げ、息子の彰へ渡して欲しいと色鉛筆を渡す
  • 彰は敦子から渡された色鉛筆で学級新聞を作り、政彦と早百合は学校に張り出された新聞を見に行った。その内容はあの交差点の危険性を訴える記事だった
スポンサーリンク

ドラマ【歪んだ波紋】最終回の感想

今までの謎が全て解明されてスッキリする、という終わり方ではありませんでした。桐野と政彦が直接話し合いますが、桐野のやったことを告発したり報道したりはしません。

いくつか解決される部分は解決します。しかし、もやもやした気持ちが少々残る感じです。誰も桐野を罰することもなく野放し状態なため、今後も敦子のような被害者が増えるのかと思うとやるせないです。個人的に思うのはせめて峰子の件は解決して欲しかったです。

そして最後はなんとなくハッピーエンドな感じでエンディングを迎えます。

安大成の記事の結果、桐野の目的、垣内の事件、敦子と政彦の対話、政彦の最後の語りなどについて掘り下げます。

ネタバレの詳細となります、未見の方はご注意ください。

スポンサーリンク

安大成の記事の結果

桐野と組んで三反園が安大成の独占インタビュー記事を載せることにしましたが、その結果、どうなったのか?

  • 三反園の母が事故に遭い韓国に同行できず
  • 桐野がカメラマンの徳田と取材に行く
  • 送って来た記事と写真をファクトジャーナルに掲載

三反園は本来、桐野と同行して取材する予定でした。しかし、母親が事故に遭ってしまい、東京を離れられなくなります。そこで、ファクトジャーナル立ち上げ時からの付き合いがある、カメラマンの徳田を見張り役として同行させます。インタビューを終えた桐野から、記事をもらって写真と一緒にサイトに上げました。

アクセス数が低下していたファクトジャーナルは一気に盛り返し、社内はお祭りムードで喜び合います。ですが、政彦のところへ違和感を覚えた美沙がやってきて指摘します。

7年前の週刊新都に載った写真と、背景も衣装も一緒だと。さらに、SNS界隈でもおかしな点を指摘されます。

安大成のインタビューが過去の記事のコピペ!?
微妙に表現を変えて誤魔化そうとしてる!!

週刊新都の記事
「払えるのがプライドだし、出て行ってまた経営にかめばすぐ取り戻せる金額やから。僕にとってはたいした金額やなかったていうただそれだけ」

ファクトジャーナルの記事
「7億もの金額を払えるのがプライドだし、出ていってまた経営に関わればすぐに取り戻せる。大した金額ではなかった」

完全にアウトです。桐野は取材になんて行っていないし、カメラマンは写真を撮っていないことが分かります。政彦が桐野はねつ造したと言いますが、三反園は最初は信じません。ここで、週刊新都が写真盗用の件でファクトジャーナルに電話をしてきた上に、安大成本人が釜山から「あれは自分ではない」と声明を出します

三反園は桐野に騙されたのです。しかも騙すために三反園の母親をバイクでひいたのでは、という疑惑すら浮かび上がってきます。三反園は訂正記事を出すことに決め、政彦に桐野を止めてくれと頼みました。

スポンサーリンク

桐野の目的とは?

桐野はなぜこんなことを続けるのか?いまいちその目的がはっきりしませんでした。今回ようやく真相が分かります。

ヴァーチャルエステイトとは?

実は謎の集団であるヴァーチャルエステイトに、桐野や新神奈川日報の安田、カメラマンの徳田は所属していました。この集団の目的とは何なのか?

新聞、テレビ、雑誌などの信用を落とすために活動をしている

マスメディアに所属している人を誘い、マスメディアの信頼を落とす。ちょっと意味が分かりません。だが、これこそが桐野の目的に繋がります。

桐野のやったこと

桐野がやったのかやってないのか、ちゃんと答えてくれていなかった件が、今回本人の口から語られました。

  • 安田をヴァーチャルエステイトに誘った
  • メイクニュースを作った
  • 安大成の独占記事を作った

これらに関して桐野は自分がやったと認めます。と、いうことは恐らくこれらの件にも関与していると思われます。

  • メイクニュースプレスを作った
  • 三反園を糾弾する記事を書いていたのも桐野だった
  • 特徴が似ているメールを送っていたのは桐野だった

ただ、三反園の母親をひいたのは誰なのかは分かりません。桐野の指示で誰かがやったのか?謎です。ヴァーチャルエステイトにもいつから所属したのか?大日新聞を辞めた後なのか、以前から所属していたのかは不明です。

ではなぜこんなことを?桐野の目的はこうです。

桐野のやりたかったこと

  • 第四権力(マスメディア)の消滅
  • ネットメディアの消滅
  • マスコミを正しい道に導きたい
  • 階級社会になった世界の破壊
  • 一度落ちた人間が上がれない日本社会の破壊

最終的な目標としては壊した後に、新世界創設に自分が関わることでしょう。そのために今あるマスコミやネットメディアを破壊します。わざと誤報を流して信用を失墜させ、経営が成り立たないようにしているということです。

桐野の根底には父親が誤報騒動に負け、家庭を破壊してしまったことに対する復讐があります。ただ復讐で終わりにするのではなく、既存のものを壊し新しいものを作る、というとこまでが桐野の動機となります。

スポンサーリンク

垣内の事件のその後

垣内が追っていた事件である峰子が放火で焼死した事件は結局どうなったのか?残念ながらドラマ内で犯人逮捕や、事件の全貌が明らかになることはありませんでした。今までを振り返り、分かった部分までをまとめました。

  1. 垣内が誤報を出す
  2. 峰子が教職を追われる
  3. 峰子の兄が北海道の海で遺体で発見
  4. 峰子が文書偽造で逮捕
  5. 垣内が峰子に接触してメッセージでやり取り
  6. 垣内が峰子を好きになってしまう
  7. 峰子が垣内から金を借りる
  8. 峰子がアパートに放火されて焼死
  9. 峰子が借金していた会社に安大成が関わっている
  10. 垣内も殺されたのではないか?

ここまでが分かっていた部分で、今回新たに分かった部分はこうなります。

  • 放火容疑者を指名手配する
  • 容疑者が海で遺体で発見される

この放火容疑の男は峰子が借金をしていた会社の社員です。この社員が死んでしまったことで、また事件は振り出しに戻ってしまいます。しかし、闇金業者の黒幕の存在を証明することになったと、政彦と相賀は言います。ここからまた何か展開があるのか?そう思って見ていましたが、相賀が今後も調査取材を続けるというところで終わります。

結局、垣内は殺害されたのか自殺なのかは分かりません。また、安大成が指示を出しているのかどうかも分かりません。この件に関しては、謎だけ残して終わってしまいました

スポンサーリンク

政彦と敦子の和解

敦子は政彦と会うことを拒んでいましたが、ようやく周りの人の言葉に押されて会うことにします。奇しくも最初に会ったカフェで話をします。

敦子の気持ち

  • 完全に心の整理がついたわけじゃない
  • 沢村の気持ちは十分伝わった
  • 地方紙を読んだことがなかったが新鮮だった
  • 沢村の記事は当たり前の気づかないことを気づかせてくれた
  • 事件を知る努力を始めた
  • 今後もこの町で生きていく
  • 安藤のクリーニング屋で働いていく
  • 会うの迷ったが会って良かった

敦子は完全に吹っ切れたわけではありませんが、政彦の記事を読むことで気持ちが懐柔されたと言います。さらに、仕事の斡旋をしてくれたことにも感謝し、町に住みながら続けていこうと考えてます。

事件にも向き合い始め、政彦の息子である彰が学級新聞を作っているのを知って、色鉛筆をプレゼントしてくれました。「新聞を読むのは人間だし、記事を書いているのも人間」敦子はそう言います。人間は過ちもあるが、言葉に励まされることもある。そう言っているように感じました。

2人が今後、どういった関わりかたをしてくるか分かりませんが、あの事故を起こした交差点の改善を、政彦は今後も定期的に記事にしていきそうな気がします。

地方紙は確かに大手の新聞よりも、地域の細かい情報が載っています。地方紙ならではの良さは、悪いニュースばかりを載せるのではなく、小さな良いニュースも載せることでしょう。

この話を聞いて思い出した本があります。ベストセラーになった“ファクトフルネス”という本です。世の中悪くなっているばかりと思いがちですが、どんどん良くなっていることもあります。それを“当たり前”だと思っていると、気づかないことがある。そういったことを教えてくれる本です。

スポンサーリンク

ドラマが伝えたかったこと

物語最後のほうになって政彦が記事を書きます。その内容がナレーションとして入ってきて、このドラマが伝えたかったことを教えてくれます。内容を引用します。

報道は既に、ジャーナリストが社会的使命を持って、市民に情報を伝えるという道筋ではなくなってしまったのだろう。情報の広がり方がきちんとした波紋を描いていた時代は完全に終わったのだ。今のメディアはまるで戦場そのものだ。しかも本当の敵が見えない。誰が誰を撃っているのか分からない戦場。
インターネットが土台となった世界では、市民の振る舞いが時にはジャーナリスト以上に社会に大きな影響を与える場合がある。そこでは嘘が真実となり時には誤報が生まれ、また無邪気な欲望がフェイクニュースを生み出す。その勢いは止まらないだろう。
しかし、そんな誤報にも負けない人がいる。寛容な心で隣人に歩み寄り、日々の生活を愛し、よりよいものにしていこうとする人々だ。彼らは自分のことよりも、まず他人のことを考え、罰するよりも許すことを選択する。
ジャーナリズムは本来、彼らのような市民のためにあるはずなのだ。誤報は人間の弱さが生み出すものだ。だからといって伝えることから逃げてはいけない。人が人に思いを伝える時、そこには言葉がある。そして真実は強く、恐れない人の心の中にあるのだから。

内容を簡単にまとめますと

  • 既存の報道は死んだ
  • 今のメディアはどこで誰かを傷つけるか分からない
  • 一般人の発言がメディア以上の力を持つこともある
  • フェイクニュースは欲望から生まれる
  • 誤報に負けずに生きる優しい人たちもいる
  • そんな人たちのために報道は本来あるべき
  • 誤報は人間の弱さから生まれる
  • 伝えることを恐れずに真実を語ろう

といった感じの内容です。

ドラマのタイトルになっている“波紋”というのは、情報の広がり方ということがここで分かります。“歪んだ”の部分は誤報だったりメイクニュースだったり、桐野が父を許したいのに許せない感情だったり、色々な部分にかかっていると思いました。

スポンサーリンク

ドラマ【歪んだ波紋】最終回のまとめ

誤報が及ぼす影響がどれだけのものか、人の人生を狂わせるだけでなく、最悪死にまで繋がるということが分かります。メディアはもちろんのこと、個人の発言すらネットで拡散され同等の影響力があります。

気軽につぶやいた一言で、どこかの誰かの人生を狂わせるかもしれない。しかし、恐れずに“真実”を語ることが大切だと、政彦は最後に気づきます。逆に言うと世の中に溢れるフェイクニュースは、誰が何のためにやっているのか?注目を集めたい、金儲けをしたい、足を引っ張りたい…様々な欲望が理由です。

残念ながら全ての謎は解決しませんが、見ていて色々考えさせられるドラマでした。全体的に静かに淡々と抑え目な演技で話が進んでいきます。それを退屈といえばそうかもしれませんが、逆に深く物事を考える余韻を残してくれます。

個人的には長塚京三さん演じる相賀がいい味を出していて良かったです。また、ずっと悲劇の女性を演じていた小芝風花さんの敦子が、最後に満面の笑みを浮かべてくれたのが印象的でした。見ごたえのある良いドラマでした。

今回のいいセリフ

記者は自分を信じるんじゃない。自分を疑うことから始まるんだ。

タイトルとURLをコピーしました