【鉄の骨】最終回前の第4話は、調整が二転三転します。談合を受け入れるのか受け入れないのか、平太の心も揺れ動きます。談合は果たして悪なのか?
【鉄の骨】4話のあらすじ
萌(土屋太鳳)から検察が動いていることを知らされた平太(神木隆之介)は、会社でもそのことについて話す。尾形(内野聖陽)はそろそろ検察が本腰を入れるかもしれないと、どこかで考えていた。
平太は三橋(柴田恭兵)に呼ばれ調整を受け入れる代わりに与えられた案件について、さらに条件を提示される。その内容は猪田組に配慮したものであり、池松組が損をする内容だった。理不尽な要求に憤る平太、尾形に話を持って行くと“無視”しろという。
一方検察は城山(西岡德馬)の金の流れをつかみ始めていた。流れていった金の最終的な場所が、競走馬を購入することではないかと推理する。そこで資金洗浄をして裏金を表に出していたに違いないと考える。
三橋の要求を無視し続けていた尾形だったが、取引先に連れられて三橋と会うことになってしまう。そこで返答を求められた尾形は、談合に応じるという答えを返さざるおえなくなってしまった。
再び談合に応じることになってしまった社内は、今までやったことがまた無駄になることで失望と怒りが満ちる。平太も尾形に失望し永山(皆川猿時)に愚痴をこぼす。永山は尾形のことをわかっていないと、平太を諭した。
尾形の真意とはなんなのか?
【鉄の骨】4話のネタバレ
【鉄の骨】4話は主に調整のごたごたと、検察が金の流れをつかむという内容でした。
1:萌との別れ
園田のニューヨークへの異動が決定し、萌は一緒に来て欲しいと誘われます。萌の心は決まっていましたが、その前に平太と話をしなければと思い、平太に連絡しました。
そこで萌は別れを切り出す前に話をします。それは、検察が動いているという話でした。
- トキタ土建の入札を検察が調べている
- 今やっている仕事も、検察に目をつけられているかもしれない
平太は城山の関係で動いているのかもと推理しますが、もうやめてという萌の忠告は無視します。サラリーマンなのだから、上に言われるまま動くしかないと。そんな平太に対して愛想を尽かしたのか、「好きな人ができた」と別れを切り出します。
萌なりにニューヨークへ園田と一緒に行ったら、平太と会えなくなるので最後にこれだけは伝えておこうと思ったのです。
1-1:社内に報告
平太は萌から聞いた検察の動きについて、社内でも不安そうに語ります。他のみんなは捕まったとしても、自分たちのような雑魚に検察は興味ない。常務に言われたとおりにやったと言えばいいと告げます。
部長が常務に平太が検察が動くのではないかと気にしていると報告します。すると、尾形は自分の思うことを告げました。
- 検察が談合を挙げられないのは証明が難しいからだ
- でもどこかで綻びが生じるはず
- 城山のやり方が目に余る
- そろそろ検察も本腰を入れるかも
遅かれ早かれ談合摘発に検察は動く。なぜなら城山は“やりすぎた”からだと考えていました。今回の調整は摘発されないのかどうなのか?危険な香りがしてきました。
平太と萌は別れる
2:調整の問題発生
やっぱり調整がうまくいかず、猪田組がゴネているといいます。猪田組には東北の橋梁工事を代わりに与えましたが、それでは足りないというのです。そこで三橋が新たに提示した条件はこうです。
- 猪田組を瀬戸内橋梁の工事にジョイントさせる
- 東北の工事はそのまま猪田組が請け負う
要するに池松組の利益が減るわけです。これには平太も強気な姿勢で主張し、その場にいた猪田組の岸田と真延建設の長岡に一歩も引きません。その態度に2人が怒ると、逆に三橋が「平太に謝れ。お前たちのわがままのために業界全体が手を汚すんだ。反省の気持ちすらないのか」と怒ります。
三橋に怒られて詫びる2人の態度も適当な感じですが、平太は会社に持ち帰って検討することになりました。
2-1:社内の反応
当然この話に対して西田は激怒し、なぜ三橋は猪田組に配慮するのか?と疑問が生じます。兼松が言うにはかつて猪田組が落札できるものも、調整し他に回したことがあるから、貸し借りの問題だということです。さっそく常務に報告します。
尾形に報告をすると「無視しろ」と相手にしません。しかし、平太は回答をしなければならない立場なので困惑します。すると、いつまでに回答するとはいっていないのだから、放っておけばいいと調整に応じる気がありません。
なぜなら、恐らく真延建設は城山に大量の金を渡しているはずで、その一部が三橋の懐に入ってると予想していました。城山も三橋も真延に金で雇われているだけ。だったら向こうが焦って条件を変更してくるまで、放っておけばいいと考えてました。
尾形は社長にこの条件変更について報告します。社長も得がないのだから調整に応じる必要はないと考えます。しかし、今後この業界でやっていくのに、三橋の顔をつぶすのはまずいのではと危惧します。そこで、尾形が先代の社長の話を聞かせます。
池松組を大手ゼネコンと渡り合える会社にしたい。その実力はある。しかし、社員たちには自信がない。君の力で社員たちの闘志に火をつけて欲しい。
これは先代の遺言だと思っている。尾形はそう告げてこの件を一任して欲しいと願いました。
調整の条件が変更されるが、無視することに。
3:資金洗浄のカラクリ
検察の内藤は総一コンサルタントが十勝ランドファームに、4000万の金を支払っていたことが気になっていました。そこで所有する競走馬を検索してみます。
するとどの馬も3~4000万円のセリ価格にも関わらず、獲得賞金はほとんどないに等しい馬ばかりでした。十勝ランドファームが城山の集金システムの終点ではないか?そう考え始めます。
- トキタ土建から三島クリエイトに振込
- 三島クリエイトから取引先の総一コンサルタントが分かった
- 総一コンサルタントは、十勝ランドファームに競走馬の代金として支払い
ここまでが現在分かっている状況です。
セリでは300万円ぐらいの価格の馬を、3000万円で買っているのではないか?浮いた2700万円が裏金になっているのではと考えます。
そこで、総一コンサルタントから十勝ランドファームに、3年の間に支払われた金を調べます。すると、およそ3年間で3億6千万円振り込まれていたことが分かりました。
総一コンサルタントの売り上げは70億円、利益は約6億円。年間平均1億円馬に使われているのはおかしい。馬は裏金を表に出すための手段にすぎないと結論づけます。
さらに十勝ランドファームから八村産業という会社に振込がされています。この会社は城山の甥がやっているファミリー企業で、不動産の会社でした。
こうして城山の金の流れをつかむことができました。しかし、談合のほうは未だに状況証拠だけで立件は難しい状況です。内部告発でもないと無理そうだといいます。
城山の金の流れが判明
4:調整を受け入れるのか?
三橋に返事をせずのらりくらりとかわしていた尾形ですが、とうとう三橋に捕まってしまいます。それは取引先との付き合いで店へ行ったとき、三橋がそこに偶然現れます。三橋は尾形に会えずにいたため、取引先の人に頼み呼び出してもらったのです。
尾形はしかたなく話をすることになりました。条件はこう変わっていました。
- 猪田組を説得して瀬戸内橋梁の話からは手を引かせた
- 社長にも承諾しているので、調整を受け入れて欲しい
既に松田社長とは話をつけていました。尾形は調整を受け入れるしかありません。
翌日、平太を呼び出し三橋のところへ行って欲しいと尾形は命じます。平太は納得がいきませんが、いわれたとおりに三橋のところへ行きました。そこで聞かされた話は、池松組の入札価格のことでした。
1850億円で入札して欲しいといわれ、真延建設は1680億円で入札するということです。平太はその金額を聞いて公正入札だったら、うちは1570億円で入札する予定だったと告げます。
談合などしなければ取れたのに、平太は悔しさでいっぱいです。
5:4話の結末
納得がいかない平太は、永山のところへ顔を出してグチを零します。
- 談合は必要悪ではない
- 小さな会社を守るためでもない
- 政治家とつるんだ大手ゼネコンばかり得をする
- 尾形にもガッカリだ
と、永山にもやもやした感情を吐き出します。すると永山は「お前はまだ、尾形のことわかっていないようだな」と意味深な言葉を残します。
平太は尾形に金額を伝え、やはり納得のいかない思いを直接ぶつけます。永山から聞いた話では、昔の尾形は談合に反対していたのに、おかしいと訴え続けます。しかし、尾形はもう決まったことだからと聞き入れません。
検察の内藤の元に一本の電話が入り、今から会えないかと誰かと交渉して会うことになります。ホテルで待っている内藤のもとに現れた人物、それは尾形でした。
6:【鉄の骨】4話のネタバレ要約
【鉄の骨】4話の感想
調整が案の定うまくいかず、二転三転しました。それに振り回されるのは池松組で、なんだか談合するのも大変だなという感じです。これは誰がハッピーになるのか?みんながみんな我慢しているだけで、誰もハッピーではない気がします。
役所が出す予算がありえない金額というのも問題で、談合しようがしなかろうが、遅かれ早かれみんな倒れてしまいそうです。また本来、工法の技術開発費や、材料の開発費などに回して、もっといいものを安く早く作れるように研究開発すればいいお金を、余計な政治家への口利き代に回してしまいます。
平太が何度となくドラマ内で、企業努力を怠って安易な談合に流れていると他社を批判します。技術開発してもしなくても仕事が取れるなら、誰も新技術なんて開発しません。それを小さな会社ではなく、大手ゼネコンがやっているのだから呆れます。
談合が悪かどうかというよりも、談合をしなければやっていけない業界は、未来がないと感じさせる内容でした。
【鉄の骨】4話のまとめ
平太はそのサラリーマン根性を嫌がられて萌にフラれ、談合に対する不安が徐々に大きくなってきます。調整がうまくいかなかったことで池松組にしわ寄せがきそうになりますが、牛歩戦術でなんとかそれは回避します。
しかし、水面下では検察が着々と金の流れを解明し、あとは談合だけ立証できればというところまで迫ってきています。
尾形は三橋に捕まって談合を承諾させられてしまいます。しかし、尾形は動きます。自分の身を生贄にすることで、業界全体の談合を阻止するのか?池松組は果たして落札できるのか?怒涛の最終回へと繋がって終わりました。
次回最終回は5月16日22時からです。