次回で最終回となるスパイラルですが、マジテックが買収の危機から逃れる糸口が全く見つかりません。しかし芝野たちは諦めずに精一杯できることをやり続けます。そんな中、過労か心労か桶本が倒れてしまいます。会社どころか人まで失いそうなマジテック、果たして最終回はどうなるのか?
スパイラル 町工場の軌跡 概要
テレビ東京系列で毎週月曜日22時から放送しています。中小企業の再生をテーマにした、様々な困難を諦めずに乗り越えていく話となっています。
キャスト
- 芝野健夫(玉木宏)
- 藤村浅子(貫地谷しほり)
- 藤村望(戸塚純貴)
- 久万田五郎(福士誠治)
- 正木奈津美(野波麻帆)
- 田丸学(前原滉)
- 隈田穣治(渡辺邦斗)
- 岩崎あけみ(水沢エレナ)
- 小笠原純(島丈明)
- 桑島孝幸(遠山俊也)
- 原口慎太郎(長谷川純)
- 正木希実(宝辺花帆美)
- 堀保徳(小野武彦)
- 藤村登喜男(平泉成)
- 村尾浩一(眞島秀和)
- ナオミ・トミナガ(真矢ミキ)
- 桶本修(國村隼)
スタッフ
- 脚本:羽原大介
- 監督:井坂聡・松田礼人・棚澤孝義
- 音楽:遠藤浩二
- 主題歌:SING LIKE TALKING「Spiral」(Universal Connect)
- 原作:真山仁 『ハゲタカ4.5/スパイラル』(講談社文庫)
前回はこちら
あらすじ
マジテックの債権を手に入れたナオミ・トミナガ(真矢ミキ)!マジテックは3億円の債務が返済できない限り、ホライズンに買収される危機的状況に。さらに英興技巧の社長に就任したテイラー氏(グレッグ・デール)は、マジテックを特許侵害で提訴する準備に入ったと会見で発表。追い詰められていくマジテック…。
芝野(玉木宏)は買収の裏にある真の狙いを探るが、そこにはハゲタカの恐ろしい計画が待ち受けていた!
公式HPより
感想
ホライズンの買収される危機だけでなく、特許権の侵害で英興技巧から警告書が来たりします。芝野も知恵や過去の人脈を使って何とかしようと奔走しますが、打つ手全てが潰されていってしまいます。社内のムードも下がり気味ですし、口論のようなことも起きます。このまま強者にただ食い尽くされてしまうのか?残念ながら今回は打開策が見つからない回です。
特許侵害権の警告書
英興技巧が買収されたため、マジテックと英興技巧の先代同士が交わした口約束は反故となります。そしてホライズンの弁護士入江が警告書を持ってマジテックにやってきます。いったいどんな内容なのでしょうか?
- 対象特許はマジテックガードに使われている、波動歯車装置の原理を応用したパワーアシスト装置
- 英興技巧が保有している特許を、マジテックが無断使用している
- マジテックガードの製造を速やかに停止と謝罪
- 特許使用料相当額の損害
- その他不法行為に基づく損害賠償として3億円の支払い請求
元々は博士が発明した特許でしたが、資金繰りに困った時に英興技巧に特許を買ってもらってました。そして博士と英興技巧の先代社長同士で口約束ですが、特許を無料で使っていいという約束をします。
しかし、外資に買収されてしまったため、早速特許侵害の請求に来ます。その額は3億円となります。
村尾のリベンジ
11年前、芝野に銀行を追われた村尾は、いつか芝野に復讐してやろうと狙っていました。そもそもこの解雇自体、村尾に問題があって起きたことです。要するに逆恨みです。しかし、村尾はこの解雇をきっかけに転落します。そんな村尾はナオミに芝野を一言で言うとときかれ、“偽善者”と言います。
金策に走っていた芝野を待ち伏せしていたのか、暗闇から村尾が出てきます。そして因果応報という言葉を知っているか?といい、芝野が今こんなことになっているのは、自分自身のせいだとといいます。妙に顔を近づけて語る村尾、今度はあんたが屈辱にまみれる番だと言います。むしろ銀行を自業自得でクビになったのは村尾です。
村尾のドヤり芝居はさらに熱が篭ります。BGMにモーツァルトのレクイエムが流れる壮大な展開です。片手を天に向けながら「金は全てを変える、金は人生を狂わせる」など決めゼリフを言ったかと思えば、「あんたは本当に金に困ったことがないから、そんな綺麗事が言えるんだよ!」と芝野に八つ当たります。今の芝野は何よりも村尾に絡まれていることを困っているはずです。
「お金に振り回される人間は、本物のバンカーじゃない」と芝野の言葉を遮り、だから辞めて来たとドヤる村尾。そして「やっと11年前の借りを返した。今度は俺の勝ち、完全勝利だ!」といって、村尾の大げさな笑い声が響きます。何度も言いますが逆恨みです。マウントを取って勝ち誇る村尾の背をぼんやり見てる芝野、映像のカットはビール瓶が海に沈むというカットです。
ナオミ襲来
とうとうナオミ・トミナガがマジテックにやってきます。それはマジテックの2億5千万分の債権の代わりに、浅子が持っている株を譲渡しろという交渉をしに来ます。当然芝野は断りますが、それなら3日以内に2億5千万耳を揃えて返せと迫られます。そこで芝野はみんなに金を集める指示をします。
- 浅子:工業組合や金融公庫、都の産業労働局に行って融資の交渉
- 望:取引先を回って、既に納品済みの代金を前倒しで支払ってもらえるよう交渉
- 桶本・田丸:久万田の改良した新しいマジテックガードの開発を進める
- 芝野:特許を担保に銀行に融資の交渉と、古巣の三葉に行ってホライズンの狙いを探る
この結果、こうなります。
- 浅子:材料やと問屋は支払いを待ってくれるが、組合からの融資は難しい
- 望:回収できたお金は100万ぐらい
- 桶本・田丸:桶本はできるまで残って作るといい、田丸を帰します
- 芝野:銀行から融資は駄目
2億5千万には全く足りません。このまま3日を迎えてしまうのか?残る日にちでまだまだ芝野は頑張ります。そして、とうとうホライズンの狙いを知ることになります。
ホライズンの本当の目的
特許が狙いだということはわかっていましたが、なぜその特許が必要なのか?金だけが目的なのか?それがわからない芝野でしたが、古巣である三葉の国際戦略部にいる大瀬良に頼み調べてもらいます。そしてとうとう狙いがわかります。その結果は、物作りを大切にしていた博士の特許を冒涜するような、あまりに残酷な結果となります。
マジテックの特許を軍事利用する
ということでした。ナオミはアメリカにあるプラザグループという会社に、マジテックや英興技巧などの特許を売り渡そうとしていました。下町プラットホーム計画というのは、工場を買収して特許を横流しするというものだったのです。
「ハゲタカ」を見たり読んだりしたことがある人なら知っていると思いますが、このプラザグループというのは軍需産業ファンドを主にやっている会社です。自分たちが作ったものを、ここだけには売り渡したくないと、ハゲタカでも必死に抗っていました。
その他気になったこと
- 相撲は両国、もんじゃは月島と突っ込むナオミ
- 村尾役眞島さんのノリノリな演技
- 中国語できないと思って嫌味いったら、芝野が喋れて恥かく隅田
- 味噌とか醤油の心配するあけみ
- 肉の代わりにちくわを入れたちくわカレー
- さらにちくわきゅうりも大量にある
- ちくわだらけな食卓
ドラマの補足
クリエイティブコモンズとは?
ドラマで特許権の侵害で賠償請求をされてしまったマジテックですが、久万田がこのクリエイティブコモンズについて触れます。どんなものか調べてみました。
クリエイティブ・コモンズは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を提供している国際的非営利組織とそのプロジェクトの総称です。
引用元:クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは | クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
CCライセンスとはインターネット時代のための新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツールです。
CCライセンスを利用することで、作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができます。
特許とは正反対の方針となっています。しかし、様々な種類があって著作権の表記が必要とか、非営利目的の使用に限るとかありますので、ライセンス表記をよく確認した上での利用が必要です。
まとめ
今回でホライズンの狙いがようやくわかりました。そして桶本は「博士の発明を絶対に人殺しの道具になどさせん」と怒った矢先に倒れてしまいます。全く打開策が見つからないまま、いよいよ来週最終回を迎えます。一体どのようにして終わるのか?散々みんなが反対した、名を捨てるヤドカリ作戦でいくのか?最後も楽しみに見ていきたいと思います。