【ソロモンの偽証】3話のネタバレと感想|カササギの意味は?

WOWOW
記事内に広告が含まれています。

宮部みゆきさん原作【ソロモンの偽証】のWOWOWドラマ版3話のネタバレと感想です。

裁判を開こうとする涼子に立ちはだかる大きな壁、クラスメイトの協力を得るために奔走する。そして更なる事件が……。

スポンサーリンク

【ソロモンの偽証】3話のあらすじ

裁判を開こうと教室でみんなに藤野涼子(上白石萌歌)は呼びかけるが、あまり関心を引くことができずにいた。さらに担任教師が止めに入り、食い下がる涼子に思わず手を上げてしまう。クラスは大騒ぎになり、話を聞くどころではなくなってしまう。

なぜ柏木の死にこだわるのか父の剛(髙嶋政宏)に問われると、涼子は正直に過去にカンニングしたことも含めて話した。すると父は最悪退学になる覚悟もあるなら、裁判をやったらいいと背中を押した。

裁判を開くため涼子は担任の暴力行為を表沙汰にしない代わりに、裁判を開廷させて欲しいと校長の津崎正男(小林薫)に交渉する。津崎はいくつか条件を提示し、それがクリアできるならと開催を許可した。

早速、条件の一つである柏木の両親の承諾を得ようと、涼子は神原和彦(宮沢氷魚)野田健一(浮所飛貴)を伴い柏木の家に行く。しかし、両親の代わりに兄が応対し、裁判の許可をもらった。

大出の家の壁には誹謗中傷を書いた紙が貼られまくっていた。校長が訪問して勝(田中哲司)に裁判は開廷させる旨を話すが、勝は校長も既に共犯者だといって脅してきた。

涼子はなかなかクラスメイトたちから、裁判開廷の承諾を得ることができずにいた。神原に話をすると、彼は大出の弁護人として出廷したいと言い始める。健一は神原の態度を疑問視していた。

裁判を開廷させたくない力が動いていると感じた涼子は、直接大出の父・勝と話をしに自宅に行く。そこで、涼子が目にしたものとは……。

スポンサーリンク

【ソロモンの偽証】3話のネタバレ

今回は主に裁判を開廷するために奔走する涼子の話となります。同時に神原という人物に対して、健一は疑問を感じ始めました。

担任の暴力

裁判を開廷しようとクラスメイトたちに呼びかける涼子ですが、中々みんな賛同してくれません。何の目的で裁判を開くのか、涼子は柏木がどんな思いで死んでいかなきゃならなかったのか、それが知りたいと言います。

そして、誰かの都合のいい真実を押し付けられて、それを信じていいのか。今を逃したらもう二度と調べることはえきないと必死にみんなに語りかけます。ところが騒ぎを聞きつけた他の先生たちも教室に現れ、担任の森内は何とか涼子を止めようとします。

涼子は「どっちが大事なんですか?学校の評判と生徒の」と言って食い下がりました。するとあろうことか担任は「黙りなさい!」と言って、思いっきり涼子の頬をビンタしてしまいます。衝撃で口の中が切れた涼子は、口の端から血が流れてきました。生徒たちは教師の横暴な態度に怒り騒ぎ立てます。これにより、涼子の話を聞くどころではなくなってしまいました。

自宅に戻った涼子に父は聞きます。なぜそこまで柏木の死にこだわるのかを。すると涼子は自分が親の期待を勝手にプレッシャーに感じていたこと、カンニングをしたこと、それを柏木に見つかったことを話します。そして柏木が死んだ時にほっとしたことも告白しました。

父は涼子にプレッシャーを感じさせてしまったことを謝罪し、退学になる可能性も分かった上で覚悟があるなら、やってみなさいと背中を押してくれました。

裁判の条件

涼子は校長も交えた教師たちの前で、裁判の計画書を持って話します。担任の暴力を表沙汰にしない代わりに、裁判の開廷を認めて欲しいと交渉しました。他の教師が反対する中、校長はある条件を提示します。

  • 柏木の両親と大出本人の許可を取ること
  • 2年A組全員の承諾を得ること
  • 学期末までに準備を整え、春休み中に終わらせること

と、3つの条件を出しました。さらに裁判に関係なく、担任の処分はすると言います。命の尊さを学ぶいい機会になるかも知れないと、校長は裁判を条件さえクリアすれば許可する方針です。

柏木の自宅へ

涼子は神原を健一に紹介します。健一は神原を見て柏木の葬儀に来ていた人物だと思い出しました。条件の一つである柏木の両親の承諾を得るため、柏木の家に健一と神原を連れて一緒に向かうことにします。神原は自分も裁判に参加したいと希望しました。

柏木の家に行くと出て来たのは兄でした。両親は涼子たちを見ると亡くなった息子を思い出すからという理由で、兄が対応することになったのです。彼は裁判に協力すると言ってくれて、条件の1つが早速クリアできました。

その後、生前のまま何もいじっていない柏木の部屋に通されます。壁にかけられたある絵が目に留まった涼子に、神原が『絞首台のカササギ』というオランダのブリューゲルという、画家が描いたものだと教えました。

柏木は生前絵が好きだった、大出のようなタイプは軽蔑していた、イジメが怖くて自殺するなんてありえない。と兄は語ります。柏木が亡くなった日の行動を教えて欲しいと涼子が願うと、兄は両親にも聞いて後で伝えると約束しました。

健一が参考に部屋の写真を撮って後にすると、柏木の父が丁度戻ってきました。そして神原を見て「久しぶりだね、何年ぶりかな」と挨拶を交わしました。

一方茂木は樹理の家を訪ね、取材の協力を要請します。母が断っているのを覗き見ていた樹理は茂木に見つかり、告発状を送ったことを執拗に聞かれます。話してくれれば僕が君を守ると、茂木は樹理から情報を引き出そうと必死です。

カササギの意味

神原はふと、あの絵を柏木と一緒に見ていた時を思い出していました。

  • この絵のカササギは、のんきに祭りを楽しんでいる農民を監視している
  • カササギはヨーロッパでは、嘘つきとか密告者になぞらえられる
  • この絵は根拠のない嘘や密告で、多くの無実の人が処刑された、当時の世相が反映されている

絵の説明をする柏木は、さらにこう言います。「同じだよ、今僕たちがいる世界と。自分が迫害されるのが怖いから、他人を犠牲にする。嘘や密告で陥れて、罪のない人間を抹殺する」と、現代も当時と変わらない状況であることを教えます。

そして最後に「僕もいつか、そうやって殺される気がする」と言い、神原がどういう意味かと問うと、ただ笑って何も答えませんでした。柏木は誰かに陥れられたのか?そんな推察をしたくなるシーンです。

校長の葛藤

ネットで告発状に書かれていた人物が大出だと特定された後、大出の家の壁には誹謗中傷の貼り紙が大量に貼られていました。そこに動画配信者っぽい人物がやってきて、インターフォンを鳴らして突撃します。大出の母・佐知子がやめてくれと言いに出てくると、余計に煽ってはしゃぐ始末です。

そこに校長の津崎がやってきて、撮影を止めさせました。津崎は大出の父・勝と話をしにきたのです。自宅でゲームをしている大出に津崎は、学校で裁判をやることになったと告げます。すると大出は「助けてくれるんでしょ?校長先生が」と言い、柏木が死んだ日は自宅にいたと言います。

戻った勝と津崎は話をします。裁判は納得いくまでやらせるつもりだと。勝は息子に愛情はないといい、校長を脅し始めます。「あなたはもう共犯者なんですよ?」と言い、裁判を開廷させないように圧力をかけます。裁判をやらせてあげようと思っていた校長の雲行きが、徐々に怪しくなり始めます。

一方、涼子の父・剛は、警視庁で娘が大出を被告人にして裁判をすると捜査員たちに伝えます。今はマルタイを引っ張るだけの情報は不足しているが、これで動きがあれば突破口になると言います。捜査対象者は大出勝だったのです。

神原の疑惑

裁判開廷の条件の1つとして、クラス全員の承諾を得なければならない涼子は、クラスメイトに承諾をしてもらおうと声を掛けます。しかし、良い返事はもらえず、今のところ5人程度しか集まっていませんでした。裁判官・検事・弁護士・陪審員12人の合計15人が必要で、あと10人足りない状況です。

涼子はなぜ柏木はあの日、大出たちに絡んでいたのかと疑問に思います。大出と行動を共にする勝木恵子が、大出が犯人だという証拠でもあるのかと聞くので、それを明確にするために裁判をするんだと涼子は答えます。

柏木と大出が揉めていた理由を聞きますが、恵子は知らないと言います。ではその時の事が原因だと思うかと聞くと恵子は「あいつのせいじゃない。あいつが柏木を殺したのなら、親父に復讐するため」だと言います。大出は父親への当てつけで柏木を殺したのか?涼子たちは疑問に思いました。

神原に会って裁判の話をすると、自分は弁護人として出廷したいと志願します。友人を殺した疑惑がある男の弁護をするなんてと健一は言いますが、神原は友人だからこそ公平な裁判がしたいんだと言います。

涼子と別れた後、健一と神原は2人で一緒に帰宅します。その途中で健一は神原に疑問をぶつけました。柏木の父に会った時、「ご無沙汰してます」と言っていたが葬儀で挨拶しなかったのか?と。なんて声を掛けていいか分からず、挨拶できなかったと神原は言います。

では、柏木の死は誰から聞いたのかと聞くと、共通の知り合いだと言うので、名前は?と健一は問い詰めます。神原は何ムキになってんのと言って答えないため、裁判に参加したり弁護人したがったり、何かあるのでは?とさらに問います。しかし、神原は何も答えず無言のままです。「何で涼ちゃんに近づくの?」健一が一番聞きたかったのは恐らくこの質問で、神原は「偶然だよ」と言って去りました。健一は神原に対して涼子への思いがあるせいか、より疑いを深めます。

ドラマの結末

裁判開催のチラシを作って涼子はクラスで配ります。相変わらずみんな興味がなさそうな様子でいたところ、なぜか校長が教室に入ってきました。そして、柏木の死について第三者委員会を立ち上げることにしたと報告です。それは涼子の裁判を妨害するための計画で、校長は大出の父に屈したのです。突然の校長の心変わりに驚いた涼子が問い詰めると、そろそろ学校に任せて勉強に集中してくださいと突き放しました。

下校する涼子に待ち伏せしていた茂木が絡んできます。第三者委員会はインチキで、メンバー全員大出の父親の友達だと教えます。裁判を潰そうとしているんだよと、吹き込んできました。

涼子は大出の父に会ってみようと思うと神原に電話で告げると、一緒に行ってくれることになりました。大出の自宅に向かう神原と涼子、彼らが目にしたのは激しく燃える大出の家でした。ふらふらとした足取りで歩む大出の母が、燃える家の中に入って行こうとするのを、大出が必死に止めています。

一方、樹理は火事を中継する動画を見て、楽しげに笑っていました。

スポンサーリンク

【ソロモンの偽証】3話のまとめと感想

裁判を開こうと奔走する涼子は妨害され、大出の家が火事になってしまいました。

松子の死に次いで、今度は大出の家が火事です。そしてそれを笑って見ている樹理の存在が非常に不気味です。彼女がすべてに関わっているのか、それとも単に見て楽しんでいるだけなのか?現時点では確たる証拠は何もありません。

裁判を開廷できるような雰囲気になったかと思えば、やっぱり妨害されてしまいました。思春期特有の“大人は汚い”という感情が原動力となり、自分たちで真相を究明しようとクラスメイトに呼びかけますが、残念ながら興味を持ってもらえません。涼子には解明したい動機がありますが、他のみんなには動機がないので当然の反応でしょう。

涼子はどうやってみんなの心を動かすのか?妨害されてこのまま引き下がるとも思えません。真相究明に向けて、立ちはだかる壁を乗り越えてくれることに期待です。

健一の嫉妬がきっかけで神原の怪しさも炙り出されました。彼は柏木の死について思い当たる節があるのに、それを認めたくないのか本当に知らないのか、奇妙な存在として関わってきます。時々回想で入る柏木はどこか達観していて、これもまた思春期特有のものなのか、儚く脆い存在に映ります。

樹理がどれだけ酷い目に遭ったのかが、今のところ少ししか分からないため、彼女がかなり酷い女性に見えます。それ以上に酷いのが大出の父で、毎回妻を殴る蹴るの暴行を加えるので、何とか早く逮捕してもらいたいものです。

タイトルとURLをコピーしました