WOWOWのオリジナルドラマ【災】の4話のネタバレと感想をまとめています。
旅館を継いだ兄と放蕩を続ける弟、兄弟仲は最悪だった。兄の妻は弟ともいい仲になった挙句、離婚をして家を出て行った。未だに元妻を思い続ける兄は、出入りの酒屋のあの男から薬物を入手し……。
【災】4話のあらすじ
❏❐『連続ドラマW 災』❏❐
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) April 20, 2025
第3話いかがでしたか?
次回の災は…
父が残した旅館の立て直しに奮闘する岸文也(#じろう(#シソンヌ))と
新たな事業を画策する弟・俊哉(#奥野瑛太)。
二人にはかつてより根深い因縁があり―
📍第4話 4/27(日)午後10:00放送https://t.co/J4QNGnlkun#WOWOW #ドラマ災 pic.twitter.com/jpRyObt2JI
父から継いだ旅館・泉芳園の支配人である岸文也(じろう)は、別れた妻・茜(早織)のことが忘れられずにいた。弟の俊哉(奥野瑛太)と茜がいい仲になっていたことを、文也は気付いていた。彼女は結局離婚をして家を出て行った。それをきっかけに元々悪かった兄弟仲は最悪となった。
文也は妻の喪失感を埋めるべく、大麻に手を出していた。それを出入りの酒屋である、橋岡(香川照之)から入手していて……。
【災】4話のネタバレ
常々大麻を橋岡から購入していた文也だが、今日で最後にするという。元妻の茜から連絡があり、話がしたいからこっちに来ると言われたからだった。茜に未練がある文也は、どこか嬉しげにそのことを橋岡に語る。
今まではずっと災いが降りかかっていたが、ようやく災難が終わった気がすると橋岡に話す文也。橋岡は「そうですか」と短く返し、たばこを差し出して2人で吸った。
翌朝、旅館の池に浮かぶ文也の遺体が発見される。警察は強い大麻を吸って、意識混濁状態で池に転落したと考えていた。そして兄弟仲が悪いことから、俊哉が容疑者になっていた。
堂本たちがやってきて遺体を調べたところ、一連の被害者同様、髪の一部が短く切り取られていることが判明する。堂本は連続殺人犯だと思っていたが、一緒に来た飯田は疑問視していた。
俊哉は取り調べで殺害を否認する。分かりやすい悪意を、警察は捜しているだけだと非難した。
だらしない兄弟
2023年、宮城。岸文也(じろう)は雑誌の取材を受けた。女将だった茜(早織)と離婚しバツイチとなった彼は、先代の父親から旅館を受け継いだ時点で、既に巨額の負債を抱えていた。取材に来た今野(小槙まこ)は、カメラマンの河内(オラキオ)語っていた。文也はその経営を見事に立て直していた。
弟の俊哉(奥野瑛太)は昼から酒に溺れていた。ある日、車内で茜となれなれしく腕を寄せ合いながら、密会していた。兄弟とは思えないほど顔立ちの異なる俊哉を誘う茜、2人は文也を差し置いていい仲になってしまう。
ある晩、旅館の庭で酔いつぶれて眠る俊哉を岸が見つけ、早々に立ち去るように追い出した。文也は自宅に戻ると大麻を巻いて吸い、ガラスに映る自分の姿を見つめながら「俺はあの弟みたく、だらしなくはない」と言い聞かせるように何度もつぶやいた。
災いがやってくる
文也は料理長(安藤彰則)から新しい料理の説明を受ける。その最中、出入りの酒屋に混じる橋岡(香川照之)を見かけた。岸は橋岡の肩を叩いて合図した。
スナックのママである若菜(川崎珠莉)と俊哉は、桜井(本田博太郎)という男を待っていた。桜井は俊哉だけを車に招き入れ、若菜には見送りを任せる。
俊哉が礼を述べると、桜井はさっと本題に入った。三竹から譲り受けた土地を使い、スーパー銭湯のような温泉事業を始めたい──それが俊哉の相談内容だった。
桜井は三竹の背後にいる悪い連中の噂を口にしつつ、「心配はいらない」と笑う。そして車を停めると、「降りてもらおうかな」と言ってドアを開けた。頭金や元本のことを問う俊哉に、桜井は「わかってる、よくわかってる」とだけ告げ、俊哉は静かに車を降りた。
夜になり、文也は橋岡から大麻を手に入れた。薄暗い居間でホラー映画を流しながら巻いた大麻に火をつける。ふと、かつて妻と過ごした日々を思い返す。妻が弟の俊哉と親しげに笑い合っていた場面が、暗い画面の中で何度もよみがえった。
弟の忠告
文也が会合を終えて外へ出ると、山城(中村圭太)に声をかけられた。弟が三竹の土地に手を出そうとしていると聞かされる。三竹の旅館は間もなく閉鎖される見込みで、俊哉は桜井をバックにつけてさまざまに揺すっているらしい。こんな狭い町で同業者の土地を奪い取るようなことをしたら、どうなるか分かるはずだ──山城はそう言い捨てた。
その夜、俊哉は桜井に怒りをぶつけた。三竹の負債をすべてこちらが背負えというのかと詰め寄ると、「ただで土地がもらえると思っていたのか」と言う桜井。俊哉は怒りが収まらず、店を出て行った。
桜井は疲れ切った顔で「あいつは責任ある立場に就く器じゃない。せこくてみみっちくて、屈折している」と漏らした。その隣で聞いていた若菜は、薄く笑っていた。
翌日、岸は俊哉を呼び止め、「三竹に手を出すな」と告げる。俊哉は笑いながら、二つの忠告を残して去った。ひとつめは「やるのはいいけどほどほどにな。いつか歯止めがきかなくなる」というもの。ふたつめは「桜井のじいさんには気をつけたほうがいい。ここの資産を狙っている」という警告だった。
岸は事務所に戻り、雑誌のゲラを確認していた。そこへ茜から連絡が入る。「元気? 旅館のみんなは元気してるかな」というメッセージだった。
暴走する怒り
川岸に若菜と俊哉が並んで眠っていた。やがて俊哉は目を覚まし、若菜に問いかける。
「お前桜井と繋がってるんだろ。あのじいさん俺狙ってるんだろ。俺に借金背負わせて、うちの旅館の金を根こそぎかっぱらおうとしてんだろ?」
若菜は否定するが、俊哉はその言葉を信用せず、若菜の首に手をかけて締め上げ始めた。本当に違うのかと問い詰めるように締め続ける。その圧迫が途切れた瞬間、若菜は慌てて逃げ出した。取り残された俊哉は、川の中へ足を踏み入れ、静かに涙を流した。
どこからともなく叫び声のような響きを聞きつけた俊哉は、その声のするほうへ足を進めた。そこには、苔を集めている橋岡がいた。橋岡は苔の良さを語り、一緒に見に行かないかと俊哉を誘った。男とともに山中を歩き、視界が開けた場所から街を見下ろすと、俊哉は低く呟いた。
「しけた街で、ほんとにうんざりする……」
災いの前兆
橋岡から今日もまた文也は大麻を買った。しかし、今回で最後にしようと思っていると告げると、何かあったのかと橋岡は尋ねた。
文也は軽く息をつき、煙を吐き出すようにして話し始めた。妻が何の前触れもなく別の男と付き合い始めた。仲がいいと思っていたのに、結局ひとりで出ていった。
「まるでそれが最初から、運命づけられていたかのように」
語りは止まらず、ぽつりぽつりと続く。橋岡は口を挟まずに耳を傾けた。そこに理由があったとは思えず、突発的に心が揺れただけだと分析する文也。
「で、その時思ったんだよね。たとえ自分に非がなかったとしても、そんなの関係なく災いっていうのは、降り掛かってくる。いつどこで誰が災難に遭うかなんて、誰もわかんないんだよ」
ところが後日、妻から連絡があった。「話がある」と言われた瞬間、まるで災難が去っていったかのような気持ちになった。だからこれも、今日で終わりにしようと思っていると文也は締めくくった。
橋岡は黙ってポケットから煙草を取り出し、文也に差し出した。文也はそれを受け取り、2人で一服した。
降りかかる災い
翌朝、庭の池に浮かぶ遺体が発見された。引き揚げられたのは岸文也だった。遺体の傍らには、一本のタバコがあった。
宮城県警の刑事・溜(谷田歩)が回収したタバコは大麻だった。文也は強い大麻を吸引したまま意識を失い、池に転落したらしい。指紋も現場から確認できなかった。
旅館の従業員たちは、文也と弟・俊哉の仲が悪いことは、地元でも有名だったと証言する。跡継ぎの座や文也の元妻をめぐって二人は激しく対立していたという。
さらに調べによって、二人が異母兄弟であることが明らかになる。先代支配人は無精子症だったが、跡取りを望んでドナーの精子提供を受け、最初に誕生したのが岸文也だった。その十年後、先代は自然妊娠で俊哉をもうける。血のつながりがない兄に対する嫉妬と劣等感は、弟の鬱屈を深め、やがて殺意へと変わったのではないか。警察は俊哉には文也を殺害する動機があると考えていた。
その矢先、堂本翠(中村アン)と飯田剛(竹原ピストル)が署を訪ねてきた。
遺体の特徴
堂本は遺体を見下ろし、真っ先に髪の毛の切り口を確認した。これまでに亡くなった被害者たちの写真を並べ、同じように一部の髪が不自然に切り取られている点を指摘する。しかし警察はすべて自死か事故死として処理していた。
溜が「これはバラバラの事件じゃないのか?」と問いかけると、飯田も「今回は男性だから、どんな共通項があるっていうんだ」と疑問を重ねた。被害者同士に接点はなく、居住地もまったく異なる。だが堂本は「一見無関係に見えても、必ず共通項はある」と断言する。これまでの事件ではすべて「女性」「自殺に見せかける」「髪の毛を切り取る」という要素が共通していたのだ。
飯田はその指摘に反発し、堂本と言い争いを始めた。飯田は堂本の父親が犯罪心理学者であることを持ち出してからかい、別々の事件だと思っていたと吐露する。そこへ溜が「容疑者がいる」と告げ、捜査の焦点が一気に絞られた。
探す悪意
俊哉は警察署で取り調べを受けたが、「俺はやっていない」と否認した。殺人には何らかの悪意が必要だと、捜査官が考えていることを指摘する。
「殺人って悪意みたいなのがなきゃだめなんすか?あんたたちは、兄貴に向けられそうな悪意を血眼になって探している。だから俺を犯人だと思いたがる」
確かに兄に対して憎しみはあったが、自分はやっていないとあくまで否定する俊哉。
すると相田(名村辰)が鑑定結果を示し、「遺体は後ろから押された可能性がある」と告げた。俊哉は「だからといって、兄貴が自殺したとは思っていない」とさらに否定する。そこへ溜が苛立ちを抑えきれずキレる。
「知らねえけど、あんたたちは分かりやすい悪意があったほうが都合がいいから、そればっかり探してるように見えるという」
溜は「端から順番に疑えっていうのか」と反発し、取り調べ室の空気は一気に張り詰めた。
【災】4話の結末
堂本たちが署を出ると、飯田は「岸は連続殺人犯じゃねえぞ」と堂本に告げる。
「悪意のない殺人なんてものは存在しない。私は…何の理由もなく人が死ぬことはないと思ってますから」
堂本は頑なに意見を崩さなかった。そこで飯田は淡々と、自分の母親がバイクにひかれて死んだ話をする。
「あの日、母親が事故にあわなきゃいけなかった理由なんてあんのかよ。散歩に行かなきゃよかったってか?何度思い返したって、なんで母親が死ななきゃいけなかったのか、わかんねえんだわ」
堂本には、反論の言葉が見つからなかった。
橋岡はバイクでカーブを曲がる瞬間、荷台に乗せていたいた酒瓶が入ったケースを落とす。バイクは一度止まるが、そのまま走り去った。
【災】4話のまとめと感想
前妻に未練があった男が、妻に再び会えると思って大麻をやめようとしていたが、翌日遺体で発見されたという話でした。
今回は話が結構進展します。まず、遺体の髪にあった特徴が何だったのか判明しました。そして、今回の被害者は「背中を押された可能性がある」ということで、あの男が殺人に関与していそうな証拠が出ます。
文也は妻が出て行った理由が分からず災いのせいにしますが、そんな調子だから出て行かれるのだと。“災い”そのものな人の前で語るよりも、自省したほうが良かった気がします。
前回、苔が趣味だった女性が出てきて、今回あの男は苔を採取に向かいます。次回は文也にまつわるものが何か出てくるのか?注目です。
悪意のない殺人が存在しないと否定する堂本と、母親が死ななきゃいけない理由が見つからないという飯田。二人の意見は平行線を辿ります。といっても、飯田の母親が亡くなったのは、事故であって殺人ではない気がしますが。
この話の展開から行くと、あの男は悪意のない殺人を犯している可能性が高いわけです。そこに山があるから登るように、そこに人がいたから殺した。みたいな理由かもしれません。
次回は堂本が主人公の話なのか?最終回まであと2話、どう終わるのか楽しみです。