第4話は、高校生へのいじめ事件を軸にしながら、天音と氷室貴羽の因縁がはっきりと語られる回でした。
天音が刑事時代に経験した同僚の死と、今回起きた登山事故――二つの出来事には、偶然とは言い切れない共通点がありました。
一方で描かれるのは、理由も分からないまま孤立し、暴力に晒されていく少女の姿です。
「忘れた側」と「忘れられなかった側」のすれ違いが、やがて新たな被害を生んでいきます。
本記事では、第4話の結末までをネタバレありで整理しながら、事件の真相と、この回がシリーズに残した意味を解説します。
※前回(第3話)では、天音が「踏み込まない選択」をした誘拐事件の結末が描かれました。
→ 【プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮】第3話 ネタバレ解説はこちら
第4話の事件ポイントまとめ
第4話では、次の二つの事件が並行して描かれました。
- 登山事故を装った保険金殺人の疑い(奥田修司の死)
- 高校生・磯山莉奈に対するいじめと暴行事件
前者は氷室貴羽という“悪意の設計者”の影が色濃く残る事件。
後者は、より身近で、誰にでも起こりうる「人間関係の暴力」です。
最終的に明らかになるのは、直接手を下した人物以上に、過去の無自覚な加害が現在を壊していく構図でした。
4話の結論
いじめ事件の犯人
河合倫(磯山恭代の中学時代の同級生)
動機
中学時代に受けた、磯山恭代からのいじめへの復讐
物語の核心
いじめは「終わった出来事」ではなく、記憶の非対称性によって何年経っても再燃する
天音の立ち位置
正しさを突きつけるのではなく、「次の被害者を生まないために踏みとどまらせる役割」
登場人物
レギュラー
- 天音蓮(玉木宏):保険調査員
- 栗田凛(岡崎紗絵):天音の助手
- 深山俊雄(小手伸也):深山リサーチ保険調査の所長
- 沢木孝雄(野間口徹):オリエント保険の部長
- 佐久間凌(渡部篤郎):刑事
- 氷室貴羽(長谷川京子):弁護士
ゲスト
- 磯山恭代(真飛聖):莉奈の母
- 磯山莉奈(糸瀬七葉):橙華女子高等学校の生徒
- 河合倫(中越典子):莉奈のクラス担任
- 松岡綾(牧野莉佳):奥田修司の婚約者
- 奥田遥(大原梓):奥田修司の姉
天音と氷室の因縁|第4話で明かされた“追い続ける理由”
天音と氷室の関係は、第3話までにも断片的に描かれていました。
→ 第3話ネタバレ解説|狂言誘拐が示した違和感
第4話では、これまで断片的に描かれてきた天音と氷室貴羽の関係性が、初めて明確に語られます。
天音がなぜ執拗に氷室を追っているのか、その原点は、刑事時代に起きた同僚の死にありました。
天音が刑事だった頃、同僚は登山中の転落事故として命を落とします。
遺体からは幻覚作用のある成分が検出され、現場には白い羽根が残されていました。
今回の奥田修司の事故もまた、同じ構図をなぞるかのように起きています。
いずれの事件も、実行したのは身近な人間でした。
だが背後には、事故に見せかける方法を助言し、罪を背負わせる存在がいます。
証拠を残さず、人を殺させる――氷室貴羽とは、そういう女です。
決定的証拠を掴めないまま事件は終わり、天音は刑事を辞めました。
それでも彼が氷室を追い続けるのは、この構造が今も繰り返されていると知っているから。
この因縁は、単なる宿敵関係ではありません。
氷室の影がちらつく事件に直面するたび、天音は「裁けない悪」と向き合うことになります。
そして第4話では、その“裁けない悪”が、いじめという別の形で現れていました。
氷室貴羽という存在については、今後も物語の鍵を握っていきます。
→ 【プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮】各話まとめ一覧
時系列解説
① 白い羽根の記憶と、終わっていない事件
墓地を訪れる天音は、かつて刑事時代に担当した同僚・永瀬の死を思い出す。
遺体から検出された幻覚作用のある成分、現場に残された白い羽根――
それは今回の登山事故死・奥田修司の状況と酷似していた。
背後には、保険金殺人を“助言”する弁護士・氷室貴羽の存在がちらつく。
② いじめ保険というもう一つの依頼
一方、栗田は「いじめ保険」の調査を担当することになる。
被害者は高校生の磯山莉奈。
友人関係が突然断絶し、SNS上での孤立と暴力に晒されていた。
母・恭代は「転校すればいい」と考えるが、莉奈自身は理由が分からず苦しんでいた。
③ 理由なき無視と、見えない加害
莉奈の話から浮かび上がるのは、「何もしていないのに切り捨てられた」という感覚。
しかし友人・亜紀は「とぼけるのがうまい」とだけ言い残し、真意を語らない。
ここで描かれるのは、いじめの加害者すら自覚していない状態だった。
④ 暴行事件と“誰でもよかった”依頼
莉奈は下校途中、SNSで雇われた暴漢に襲われる。
犯行は20万円で請け負われた単純なものだった。
動機は受験でも恋愛でもない。
「誰かを傷つけたい」という感情だけが、外注されていた。
⑤ 裏サイトと、なりすましの正体
調査の結果、学校の裏サイトに書き込まれていた誹謗中傷は、莉奈本人のものではないことが判明する。
発信元を辿ると、ある教師の生活圏に行き着いた。
⑥ 犯人は“守る側”の人間だった
犯人は、担任教師・河合倫。
河合は、莉奈の母・恭代と中学時代の同級生だった。
恭代は河合を覚えていなかった。
だが河合は、いじめられた記憶を一瞬たりとも忘れていなかった。
⑦ 復讐の告白と、踏みとどまる言葉
河合は語る。
いじめは突然始まり、理由も分からず、笑われながら人生を壊されたこと。
教師として立ち直った後も、過去の加害者と再会した瞬間、心が壊れたこと。
栗田は河合に問いかける。
「もし莉奈さんが、あなたと同じ道を歩んだら、それでもいいんですか」
河合は何も答えず、その場を去った。
Q&A|第4話を整理
Q1. なぜ磯山莉奈が狙われたの?
A.直接の理由はありません。
母・恭代への復讐の一環として、「最も苦しませる方法」が選ばれただけでした。
Q2. 河合は本当に悪人だったの?
A.法的には加害者です。
しかし物語は「なぜそこまで追い込まれたのか」を丁寧に描いています。
Q3. いじめは解決したの?
A.完全には解決していません。
ただ、連鎖を断ち切る一歩は踏み出されました。
まとめ|第4話が描いたもの
第4話は、高校生へのいじめ事件を描きながら、天音と氷室貴羽の因縁が物語の中核に置かれた回でした。
刑事時代に起きた同僚の死と、今回の登山事故――二つの出来事は、「事故に見せかけ、人に罪を背負わせる」という同じ構造を持っています。
一方で、いじめ事件が突きつけたのは、過去を「終わったもの」として忘れた人間と、忘れられなかった人間の断絶でした。
直接手を下さずとも、人は他人の人生を壊せてしまう。その点で、氷室のやり口と河合の行動は、決して無関係ではありません。
天音が向き合っているのは、裁けない悪そのものです。
そしてその悪は、特別な事件の中だけでなく、日常のすぐそばにも潜んでいる。
第4話は、物語が本格的に「因縁を回収するフェーズ」に入ったことを示す、静かだが重要な一話といえるでしょう。
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この回が刺さる人/刺さらない人
第4話は「答えが出る回」ではなく、物語の軸が定まる回です。
その点を楽しめるかどうかで、評価が分かれる回と言えるでしょう。
刺さる人
- 事件の派手さよりも、人間の感情や記憶の歪みを丁寧に描くドラマが好きな人
- いじめを「加害者・被害者」だけで単純化しない物語に惹かれる人
- 天音と氷室の関係性など、シリーズを通した因縁や伏線が明かされる回を重視する人
- 「直接手を下さない悪」というテーマに興味がある人
刺さらない人
- 明確な犯人逮捕やカタルシスを毎話求める人
- 氷室のように証拠を残さず逃げ続ける存在にストレスを感じやすい人
- いじめ描写や過去の傷を扱う、重たいテーマが苦手な人
- 一話完結型のスッキリした事件解決を期待している人
この回が刺さった人へ
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第4話で描かれた「忘れた側」と「忘れられなかった側」の断絶は、湊かなえ『告白』が描いた世界とも強く重なります。
第4話のいじめ描写は、感情論だけでなく、現実の「いじめの構造」とも重なっています。
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