【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】8話のネタバレと感想をまとめています。
警察官連続殺人事件の容疑者が取調べ中に服毒自殺をし、実行犯の正体が分からずにいた。しかし、執念とも言える鷲沢の捜査の甲斐があってある映像が見つかる。それを見た瞬間、千寿は犯人の正体が分かり……。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】8話のあらすじ
10年前に起きた爆破事件から続く、警察官連続殺人事件の容疑者と思われた元警察官の門真衛(山中聡)が、取調べ中に服毒自殺を図って亡くなってしまう。
手がかりを失ったオクラの面々は、改めて10年前に事件が起きた現場を、捜査しに行くことにした。
捜査をしていると10年前にも見かけた警察官を鷲沢泰造(宇梶剛士)が追いかける。警察官は実行犯ではなく、盗撮犯だった。
気落ちする鷲沢だが、盗撮犯が10年前に持っていた映像を調べていくと、そこに実行犯が映っていて……。
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【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】8話のネタバレ要約
10年前に久常が亡くなった現場付近で見かけた警察官を、鷲沢と不破が追いかけると、女性専用ジムを盗撮していた。
他の誰も映像を見ても分からなかったが、千寿は腕にあるタトゥーを見て実行犯が誰か判明した。
千寿はそこで犯人を捕まえるために、井伏に倫子が犯人だと告げて証拠を捏造してもらう。
それは千寿が仕掛けた罠で、証拠を回収しにきた実行犯である井伏をおびき出すためだった。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】8話の詳細なネタバレ
警察官が手引き
翌月、東京で大規模なテロが起きる――その情報はオクラのメンバーを重く沈黙させた。
「警察がこの件に絡んでいる可能性がある」飛鷹千寿(反町隆史)が深い溜息をつきながら告げる。「そして、10年前の事件の実行犯が、このテロにも関わっているかもしれない」不破利己(杉野遥亮)が続けた。
この予想外の展開に、結城倫子(白石麻衣)の表情は固まり、部屋の空気が一層張り詰めた。
その時、井伏愁(観月ありさ)がひょっこりと姿を現した。話を聞いた井伏は、軽く肩をすくめながら一言。「こうなったら、飲むしかないわね」
そして、一同は阿澄玄人(三浦獠太)を交え、久々に賑やかな飲み会を開くことになった。しかし、騒ぎもつかの間、千寿と不破は早々に酔いつぶれてしまった。
「そういえば、井伏さんは千寿さんとどうやって知り合ったんですか?」倫子が尋ねる。
井伏は少しだけ微笑みを浮かべ、過去を思い返すように口を開いた。「始まりはね、雨宿りだったのよ」
その時、千寿は傘を持っておらず、軒下で立っていた。千寿が井伏の虎のタトゥーを見て「俺も寅年だ」と笑って答えたという。
「こんな私を選んでくれた人だから…特別なのよ」井伏の言葉には、どこか温かい思いがこもっていた。
その時、不破の電話が鳴り響いた。「門真衛が自殺しました」その一報に、一同は酔いの余韻を吹き飛ばされる。
急いで警察に向かった千寿たち。門真衛(山中聡)の死因は服毒死で、取り調べ中に隠し持っていた毒薬を飲んだとされた。
「取り調べの映像を見せてもらえませんか?」千寿が依頼すると、映像が再生された。
門真は取り調べ前に身体検査を受けていた。映像を見ていた倫子が声を漏らした。「毒薬なんてどうやって持ち込んだんですか?」
「もしかして…警察官が渡したのか?」千寿が低く呟いた。疑惑はさらに深まり、一同の視線が重く交錯した。
再捜査
警察署の会議室に集まったオクラのメンバーは、事件の流れを整理し直していた。
最初に起きたのは10年前の事件だった。被害者は久常未来(渋谷謙人)巡査部長。コンビニ強盗の通報を受け、現場に駆けつけた久常は、フルフェイスのヘルメットを被った不審者を追跡。ビルに入った途端、仕掛けられていた爆弾が爆発し、命を落とした。
「その後、同じような状況に千寿さんと真一さんも巻き込まれたんですよね?」幾多学(橋本じゅん)が確認すると、千寿は頷いた。
「廃ビルに誘い込まれ、爆弾が仕掛けられていた。その時は何とか逃げられたが…」千寿の声には、あの瞬間の記憶がにじんでいた。
そして10年後、加勢英雄(中村俊介)警視正が同じく爆弾で命を奪われた。使用された爆弾は10年前の警察官連続殺人事件で使われたものと酷似していた。
捜査を進める中で、フルフェイスの男のアジトを突き止めたオクラは、元警察官の門馬衛を逮捕。門真は事件への関与を認めたものの、実行犯が別にいることを示唆していた。
しかし、その門真も昨夜、志熊亨(有澤樟太郎)巡査部長の前で毒薬を服用し、自殺を図った。謎はさらに深まるばかりだった。
「取り調べ映像を確認したところ、門真が『ヒントをやる』と言っていた」倫子が資料を見ながら説明する。「実行犯は、遠隔操作で爆弾を起動できるのに、わざわざ現場近くに足を運ぶという」
「つまり、実行犯は爆破現場に訪れている可能性が高いってことか」千寿が低い声で確認する。
「加勢警視正が殺害された現場周辺の目撃情報を集める必要がありますね」幾多が提案する。
「いや、それは既に強行犯係が担当している」と現れた志熊が告げた。
千寿は静かに考え込んだ後、決断を下す。「ならば、俺たちは10年前の2つの現場を改めて調べる。そこに何か見落としているものがあるかもしれない」
その言葉に、一同は緊張感を新たにして席を立ち、それぞれの役割を胸に現場へ向かう準備を始めた。
オクラに飛ばされた理由
鷲沢泰造(宇梶剛士)と不破は10年前に久常が命を落としたビル周辺を再び調査していた。
「コンビニ強盗に入った男、金は取っていなかったんだよな。久常を殺すのが初めから目的だったんだ」鷲沢の声には悔しさが滲んでいた。
「久常さんとはどういう関係だったんですか?」と不破が問うと、鷲沢は一瞬間を置いて答えた。「ただの教育係だよ」
それでも、爆発後に現場に駆けつけた鷲沢の目の前で、久常は息を引き取った。その情景が、彼の心に深い傷を残していたのは明らかだった。
一方、千寿は倫子とともに「ハイド・アンド・シーク」のデータベースを調べていた。
「門真の名前を入力して事件の詳細を見てみる」千寿がキーボードを叩くと、画面に事件の概要が表示された。しかし、実行犯の名前は伏せられており、詳細は明らかにされていなかった。ただ一つ、「起爆装置に使った携帯がオクラの棚に隠されている」との記述が目を引いた。
その頃、鷲沢と不破は、10年前の事件で既に聞き込みをしたという建物の周辺を歩いていた。不破の視線が女性専用ジムの入り口に向けられる。すると、制服姿の警察官がジムから出てくるのが見えた。「おい、あいつ10年前も見たことがあるぞ」鷲沢の目が鋭くなる。
「上からの指示で動いているというのだから、それ相応の立場の人物ではないですか?」と不破が推測を述べると、鷲沢は納得しない様子で言った。「怪しい。話を聞くぞ」
鷲沢が警察官の外山登一(矢作マサル)に声をかけ、「そのバッグの中身を見せろ」と要求すると、外山は突然逃げ出した。追いついた不破がバッグを開けると、中から盗撮映像の入った機器が見つかった。
「こんなところで何やってるんだか…」鷲沢は過去の話を思い出した。
かつて鷲沢は見込み捜査の暴走で誤認逮捕をしてしまい、その責任を取る形で捜査から外され、「オクラ」への異動を命じられた経緯があった。その挫折が、彼の今の行動にも影を落としているようだった。
突然、鷲沢がその場で膝をつき、倒れ込んだ。不破が慌てて駆け寄り、「鷲沢さん、大丈夫ですか!」と声をかけるも、鷲沢の顔は青ざめていた。
昭和のやり方
鷲沢が突然倒れ、病院に運ばれた。駆けつけた不破たちは医師から「命に別状はないが、しばらく安静が必要だ」と告げられ、ひとまず胸をなでおろした。鷲沢の妻・志保(橘ゆかり)が急いで駆けつけた。不破は鷲沢が甲状腺機能低下症を患っていると聞き、普段からよく眠るのもその兆候の一つだと知った。
病院を後にした不破は、現場で気づいたことを皆に話した。「誘導役に門真が選ばれたということは、実行犯は門真と対照的な女性だった可能性もあったのかもしれません」と推測を述べる。不破はさらに、現場近くに女性専用のフィットネスジムがあったことを挙げた。
千寿が静かに頷きながら、「最初から分かっていたから、倫子さんをバディに選んだ」と、不破が指摘をする。その後、倫子が戻り、当時の捜査対象から外されていた女性専用美容室に会員リストを借りてきたと報告。しかし、10年前の顧客データは残っておらず、調査を進めた500件の中から該当者はゼロだったという。
部署では、不破が一人残り、10年前の事件を洗い直していた。その最中、病院から抜け出した鷲沢が姿を現した。心配する不破に「ここで意地張らねえで、いつ張るんだよ」と軽口を叩く鷲沢だが、その表情には疲労の色が濃かった。
ふと、鷲沢は遠い目をして語り始めた。「久常はな、父親になるはずだったんだよ。子どもが来月生まれる予定だった」
当時それを知った鷲沢は、懐から安産祈願のお守りを取り出し、久住に渡した。「死の間際、久常は俺にお守りを託してこう言ったんだ。『ありがとう…ございました…』って。何もしてやれなかった俺に、礼なんか言いやがってさ。代わりに俺が死ねば良かったんだ…」
感情があふれる鷲沢の言葉に、不破は静かに返した。「その言葉こそ、久常さんを悲しませるんじゃないですか?」
そのやり取りの中、不破はある仮説を思いついた。「10年前も盗撮をしていたとしたら?実行犯が映っている可能性がある」そう言って、押収品を確認することを提案した。
一方で井伏が調べていた警察関係者のデータベースでは、10年前の事件現場から捜査員以外の指紋は検出されなかった。「警察関係者でない可能性はないか?」と井伏が尋ねるが、千寿は首を振る。「それはない。恐らく、真一が関与していたセクション、公安に関係しているはずだ」
その後、不破は千寿に電話をかけたが、彼は応答しなかった。やむを得ず、不破と鷲沢の二人で押収したデータの膨大な量を確認することになった。薄暗い部屋で映像を一つずつ確認する二人の姿は、10年前の事件の真実に迫る執念そのものだった。
10年後の初対面
鷲沢と不破は、膨大な映像データを徹夜で確認していた。無数の映像を根気強く見続ける中、ふと鷲沢の脳裏に10年前の記憶が蘇る。久常と一緒に事件を調べていたときのことだった。
「あんな膨大な資料から類似の事件を探すなんて、無駄じゃないですか?」と久常がぼやいた。それに対し、鷲沢はいつもの調子で返した。「捜査に無駄も無理もねえ。地道に探していれば、必ず真実にたどり着くんだ」
「もっと効率よくやればいいのに」と久常が呆れ顔をしながらも微笑むと、鷲沢は肩をすくめて答えた。「俺にはこのやり方しかねえんだよ」久常はクスッと笑いながら、「だから天然記念物って言われるんですよ、鷲さん」と冗談を言った。そのやり取りが、鷲沢の胸を熱くする。
「ほんと、そのとおりだな」と現在の鷲沢は小さく呟いた。
そして、ついに映像の中に真実の片鱗を見つけた。爆発当日のジムの映像。爆音の後、逃げ惑う女性たちの姿が映っていたのだ。「あった、あったぞ!」と鷲沢は声を上げ、不破もその声に目を覚まして映像を確認する。二人は歓喜に包まれた。
「やったよ、久常…」そう呟く鷲沢は、その場で力尽きるように倒れてしまった。
病院に運ばれた鷲沢のもとに、久常の妻・香耶(相原未来)が息子の未来人(山田暖絆)を連れて現れた。鷲沢は未来人の姿を見て、まるで孫を見る祖父のように顔をほころばせた。
「夫の名前『未来』に『人』をつけて、未来人(みきと)にしたんです」と香耶が説明すると、鷲沢はしみじみと名前を噛みしめるように呟いた。
「これのおかげで元気に育ったんですよ」と香耶が取り出したのは、血に汚れた安産祈願のお守りだった。それを見た鷲沢の心に、久常の言葉が蘇る。「鷲さんのやり方、嫌いじゃないっすよ。俺、鷲さんみたいな刑事になりたいっす。子供に武勇伝をたくさん話したいですから」と、満面の笑みで語った久常の姿が脳裏をよぎる。
鷲沢はお守りを握りしめ、涙を流しながら未来人に語りかけた。「君のお父さんはな、不器用で頑固で…俺に似ちゃったのかな。でも、最高の刑事だったんだよ。お父さんの武勇伝、たくさん話してやらなきゃな」
病室の外からその様子を見ていた不破は、静かにドアを閉じて病院を後にした。涙ぐむことなく、彼の顔にはどこか満足した表情が浮かんでいた。
罠
部署で鷲沢が見つけた映像を不破は皆に見せた。久常の事件に関する手がかりが映っている動画だ。しかし、画質が悪く、容疑者の顔が特定できない。「これじゃ誰だかわからないよ…」と皆が肩をすくめる中、千寿が立ち上がった。「もう一度見せてくれ」と頼む。画面を凝視する千寿。その眼差しが次第に鋭さを増していく。そして何かに気付いたように、無言でその場を立ち去った。
不破は千寿を追いかけて屋上に行く。「犯人が分かったんですか?」と問いかける不破に、千寿は低く重い声で答えた。「分かったよ」
「誰なんですか?」と不破がさらに問う。「何かの間違いじゃないんですか?」と不破は慎重に尋ねるが、千寿は短く首を振った。「俺もそう思いたかった。だが、間違いない」
「これからどうするんですか?」と不破が続けると、千寿は目を伏せたまま答えた。「罪を犯した者がいれば、法の下に引きずり出す。それだけだ」
「でも…」不破の言葉を遮るように、千寿は強い口調で断ち切った。「でもじゃねぇ!やるしか…ないんだよ」そして不破を残し、千寿は静かに去っていった。
その夜、千寿はアジトで井伏と二人きりで話し始めた。「警察官連続殺人事件の犯人が分かった」その言葉に、井伏は息を飲む。「誰…なの?」
「犯人は、倫子だ」千寿の答えに、井伏は目を見開いた。「そんなの、あり得ない!あの子が父親を殺すわけないでしょ!」
「俺だって信じたくないさ」と千寿は俯きながら続けた。「だが、ファイルにもヒットしている。現段階では決定的な証拠はないが、ファイルによれば、実行犯が起爆装置に使った携帯をオクラの押収棚に隠したと記されている」
「その携帯はまだ棚にあるの?」と井伏が問うと、千寿は首を振った。「もう、ない」代わりに同じ種類のスマホを取り出し、それを見せながら言った。「これを棚に戻す。そして倫子が触ったマグカップを使って証拠を仕込むんだ」
「まさか…彼女をおびき寄せるつもり?」と井伏が疑問を口にするが、千寿は毅然とした口調で答える。「そうだ。スマホがまだ回収されていないと伝えれば、必ず取りに来るはずだ」
井伏は渋々その提案を受け入れ、千寿は用意したスマホを押収棚に戻した。彼の手は震えていたが、千寿の決意に従うしかなかった。準備が整うと、井伏は静かにため息をつき、千寿の背中を見送った。千寿の目には、深い迷いと苦悩が浮かんでいた。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】7話の結末
翌朝、倫子がオクラに現れた。千寿は静かに彼女に声をかけ、穏やかに話を始める。彼の言葉にはどこか含みがあり、倫子も妙な違和感を覚えたが、そのまま業務を続けた。一日が過ぎ、業務を終えたメンバーが帰路につく中、千寿はスマホに目を凝らしていた。
深夜、オクラの静寂を破り、何者かが建物内に忍び込む。その影は棚に近づき、押収物の中から起爆装置を回収しようとする。その瞬間、突然部屋中の明かりが点灯し、目の前には千寿が立っていた。
「来ると思ってたよ」千寿は冷静な声で話し始めた。「今の君なら罪を着せるような真似はできないと思ったから」
侵入者は動きを止め、息を呑む。その様子を見つめながら、千寿は静かに続けた。「10年前、爆破が起きた時のフィットネスジムの映像を鷲さんが入手してくれたんだ。その中に君の姿が映っていた」
千寿はさらに言葉を続ける。「顔は見えなかったけど、すぐに分かったよ。君の腕にあるトラのタトゥーで」
その言葉に侵入者の表情が変わる。千寿は一歩近づき、さらに言葉を重ねた。「10年前、警察官連続殺人事件の実行犯は、君だったんだな。愁。君が、久常と真一を殺した」その言葉は重く、冷たく響いた。
千寿の脳裏には過去の記憶がよぎった。あの日、雨宿りをしていた井伏との出会い。井伏の腕に見えた虎のタトゥーに、千寿は何気なく話しかけた。「あ、俺も寅年なんだ」その一言に井伏は屈託のない笑顔を見せた。今ではその笑顔の裏に潜む秘密が、千寿の胸を苦しめるだけだった。
現在に戻り、千寿は目の前の井伏をじっと見据えた。その視線には、怒りと哀しみ、そしてわずかな希望が交錯していた。
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【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】8話のまとめと感想
10年前の警察官連続殺人事件の実行犯は、井伏だったという話でした。
彼女がなぜ事件に関与したのかなどは、次週以降の話になります。本当に井伏なのか、これも千寿が誰かを炙り出すために井伏に協力してもらっているのか?まだ分かりません。
千寿と井伏は別れても仲が良い2人だったので、なぜ別れたのかの理由も同時に判明しそうな気がします。
今回は主に鷲沢と久常の話がメインとなり、鷲沢の執念が実行犯特定につながりました。久常の子供として出てくる子が、どことなく久常の子供っぽさがある配役でした。
毎回オクラのメンバー1人1人を掘り下げてるので、残すは幾多のみとなります。次週描かれるのか、それともラスボス的ポジションなのか?目が離せません。
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