【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】7話のネタバレと感想をまとめています。
加勢の死と10年前に倫子の父が亡くなった状況と同じだと感じた千寿は、倫子にその当時の詳細を語り始める。そしてようやく犯人を捕まえるが……。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】7話のあらすじ
加勢英雄(中村俊介)は10年前と同じ状況で亡くなっていた。飛鷹千寿(反町隆史)は結城倫子(白石麻衣)に10年前の事件について、詳しくきかれる。
あの日、犯人が警察無線を傍受していたのを逆手に取り、阿澄玄人(三浦獠太)が逆探知して居場所を突き止めていた。千寿は結城真一(平山祐介)と一緒に行くと、そこで爆弾が爆発し亡くなってしまう。
今回も同じように、逆探知をしたらどうかと犯人の居場所を探る千寿たち。そして犯人を捕まえるが……。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】7話のネタバレ要約
10年前に見た不審者を捕らえるが実行犯ではなく、爆弾の設置とターゲットを誘導するだけの人物だった。取調べをしている最中に服毒自殺してしまう。
千寿が真一を撃ったのは、真一の体内に埋め込まれていたチップを取り出すためだった。
パスワードを解除したフォルダの中を見ると、首都爆破テロ計画があった。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】7話の詳細なネタバレ
加勢の死
飛鷹千寿(反町隆史)は重い足取りで霊安室に向かった。そこには加勢英雄(中村俊介)の冷たくなった遺体が横たわっていた。そばには井伏愁(観月ありさ)が立っており、呆然とした表情でつぶやいた。「加勢君が、死んじゃった…」
千寿は何も言わずに加勢の顔を見つめ、静かに井伏を送り出した。霊安室に一人残された彼は、遺体に向かってぽつりと呟いた。「何やってんだよ…」
翌朝、幾多学(橋本じゅん)からの報告で、高見大地(高杉亘)を撃ったのは加勢だという事実が明らかにされた。幾多はチームが集まる中で話し始めた。「加勢警視正は仕掛けられた爆弾によって亡くなりました。携帯電話が遠隔起爆装置として使われていたそうです」
その説明を聞き、千寿は眉をひそめた。「10年前と同じだ。場所も状況も酷似している」
幾多の言葉に耳を傾けていた志熊亨(有澤樟太郎)は口を開いた。「今回も上からは『何もするな』と指示が下っています。でも、捜査一課の情報は俺が逐一報告します」
志熊は加勢の遺志を思い起こし、力強く言った。「加勢課長はオクラを評価していました。何としても犯人を捕まえたい。そのために、俺にできることは何でも言ってください!」
10年前のこと
結城倫子(白石麻衣)は千寿を個人的に呼び出し、静かに口を開いた。「10年前の事件について、詳しく教えてもらえない?」
その場に不破利己(杉野遥亮)も加わり、同席を申し出た。「俺も一緒に聞いていいですか?」千寿は少し考えた後、二人を前に話し始めた。
「2014年のことだ」
千寿の回想が始まる。当時、加勢が捜査一課強行犯係の係長に就任したばかりだった。挨拶を交わす加勢を前に、同期の門馬衛(山中聡)の反応は冷ややかだった。「ノンキャリアなのに係長?どんな手を使ったんだろうな」
その頃、千寿はすでにオクラに出入りしていた。結城真一(平山祐介)や久常未来(渋谷謙人)とともに、お蔵入り事件の調査を続けていたのだ。鷲沢泰造(宇梶剛士)も同じ強行犯係にいて、彼に頼んで久常を借り、捜査に加わってもらった。井伏は当時、鑑識係として働いており、結婚はおろか交際もまだしていなかった。
オクラはまだ牧原祈里(青木さやか)と幾多しかいない、簡素な部署だった。その部屋の片隅で加勢も交えて4人で事件の議論が交わされていた。少女誘拐殺人事件について、矢継周作が犯人である可能性が高いこと、不審死事件では橘東高校でいじめによる殺人が疑われていることが話題になった。
しかし、すべて証拠が不足しており、捜査は行き詰まっていた。
「こんなの、いつまで続けるんだよ」加勢の苛立ちが漏れる中、千寿は静かに答えた。「俺たちが調べているのは、どれも容疑者が固まっているのに、上が強引にふたをした事件ばかりだ。警察が都合の悪い事件を隠そうとしている。裏があるように思えてならないんだ」
千寿の言葉に部屋は静まり返ったが、その視線には確固たる信念が宿っていた。
新たな犠牲者
千寿、加勢、真一の3人は居酒屋で、加勢の就任祝いも含めたささやかな飲み会を開いていた。しかし、話の途中で鷲沢から千寿に電話が入る。その知らせは衝撃的なものだった。
「久常が殉職した。大蔵ビル爆破事件だ」
事件の概要が語られる。昨日の午後4時過ぎ、コンビニ強盗の通報を受けた久常は現場付近を巡回中、不審なフルフェイスヘルメットを被った男を発見した。職務質問を試みたところ、不審者はバイクで逃走。久常は単独で追跡を続けていたが、その最中に大蔵ビルの爆破事件に巻き込まれ、命を落としたという。不審者は別のバイクで逃げ去り、ナンバーは盗難車だった。
加勢は険しい表情で命令を下す。「不審者の特定を急げ!」
その最中、阿澄玄人(三浦獠太)が激昂しながら門馬とともに現れた。阿澄は千寿に向かい、手にしたメモを差し出した。「久常さんに関する情報だ、あんたにやるよ」門馬が「それを渡せ!」と怒鳴ると、加勢が間に入り、門馬をその場で謹慎処分にした。
千寿が受け取ったメモには、住所が書かれていた。「久常を殺した犯人がそこにいるのか?」と真一が尋ねる。阿澄によれば、犯人は警察の無線を傍受しており、逆探知によって居場所を特定したという。
その場にやってきた鷲沢は、久常が殉職する前に妙なことを話していたと語った。「未解決事件を洗い直すようになってから、誰かにつけられている気がする。警察のやばい連中に狙われてるんじゃないかって」
真一はその話に怯えた表情を浮かべ、千寿に詰め寄る。「未解決事件を追うの、もう辞めないか?俺は死にたくないんだ。倫子のためにも…死ぬわけにはいかない」その声には必死さと恐怖が滲んでいた。
だが、千寿はやめるつもりはさらさらなかった。
犯人逮捕
真一はかつて、未解決事件を解決し、被害者や遺族の心を少しでも軽くしてあげることが自分の使命だと信じていた。しかし、時間が経つにつれ、彼の優先順位は変わっていった。倫子の幸せを守ることが何よりも大切になったのだ。
久常が命を落としたことで、真一の心には恐怖が宿り、彼は怯えるようになっていた。その様子を見かねた千寿は、真一を無理やり引っ張り出し、容疑者が潜むアジトへ向かった。
アジトに到着すると、バイクが突然逃げ出した。千寿は近くにあった自転車で猛追し、赤城印刷の前に乗り捨てられていたバイクを発見。そのまま建物の中へ突入した。
中では「俺じゃねえ、俺じゃねえんだ!」という男の声が響いていた。しかし、その声の主よりも千寿の目を引いたのは、部屋の隅に仕掛けられていた爆弾だった。危険を察知した真一はとっさに千寿を突き飛ばし、自分が爆風を受ける形となった。
「真一が俺をかばったんだ…」千寿は呟きながら、後悔に苛まれていた。「俺が容疑者の誘いに乗らなければ…」その後、不審者は結局捕まらず、事件は混迷を深めた。
その日の夜、志熊が現場の捜査資料を持って千寿のもとを訪れた。「加勢警視正が廃墟に入る前、防犯カメラにフルフェイスの男が映っていました」だが、不破は疑問を抱く。「逆探知で場所を特定できるなんて、本当に可能なんですか?」
一方、犯人の居場所が新たに特定され、男は裏口から逃げ出そうとした。そこには倫子が待ち伏せしていた。格闘の末、倫子はついに犯人を捕まえた。
犯人のメットを外すと、その正体は門真だった。阿澄が監視カメラをハッキングしていたため、捕まえることができた。
父の死の真相
千寿は冷たい目で門真を見据え、取り調べを開始した。「10年前の事件もお前の仕業だろ?」
証拠は揃っていた。現場に残されていたヘルメットには門真の指紋がついていた。加勢により自宅謹慎処分を受けていたはずの門真は、捜査に参加していない。だから指紋があれば現場にいたことになる。
「現場にいた確かな証拠があるんだ」千寿の声には静かな怒りが込められていた。
門真は笑みを浮かべながら答えた。「俺はお膳立てしただけだ。10年前も今回も、用意された爆弾を仕掛けて、ターゲットを誘い込んだにすぎない。実際に爆弾を作って起爆させた実行犯は、俺じゃない」
「じゃあ、誰の指示を受けて動いた?」千寿の質問に、門真は挑発するような目つきで返した。「お前に人のことをとやかく言えるのか?俺は全部見ていたぞ。結城真一が死んだのは、爆弾のせいじゃない。お前が殺したんだ」
その言葉に、別室で話を聞いていた倫子は息を呑んだ。
門真は続けた。「誘い込んだ後、俺は見ていたんだ。爆発で吹き飛ばされた後も、結城はまだ生きていた。なのにお前は、結城を撃って息の根を止めたんだろ。全部バラしてやりたかったが、上から止められていたんだよ」
千寿の表情は硬く、何も語らない。門真はさらに挑発する。「お前こそ、何を隠してる?答えろよ」取り調べを中断せざるを得なかった。
取り調べ室を出た千寿は、待ち構えていた倫子に問い詰められる。「私のこと、ずっと騙してたの?」
千寿は無言だった。その沈黙が、倫子の胸に深い失望を刻み込んだ。
倫子はその後、一人で部署に戻っていた。そこに不破がやってきた。「撃ったのは事実です。でも、真実は違うんです」と静かに語り始めた。
不破は千寿から聞いたという、真一との最後の会話を語り出した。「あの時、真一さんはこう言ったんです。『身内の犯行だ。お前は真相に近づきすぎた。この場所を撃て。心配するな、俺はどうせ死ぬ。ここにチップが埋め込まれている。お前が探している真相の全てが入っている。それを解読してオクラに潜り込め。時間がない、早く撃て。お前に託したいんだよ。奴らに奪われる前に』」
真一の最後の言葉に、「ハイド・アンド・シーク…」が含まれていたという。その言葉を聞いた千寿は、真一の指示に従い、涙をこらえながら彼を撃ったのだった。
「千寿さんは自分が許されないことをしたと思っています」不破は倫子に優しい声で語りかけた。「それでもあなたのそばにいたのは、あなたを幸せにする責任が、自分にあると思ったからじゃないですか?」
倫子はその言葉を胸に抱え、千寿の真意を深く考え始めた。千寿が背負うもの、その裏にある思いの重さが、彼女の心に静かに響いていた。
人に正しく
不破はアジトに倫子を連れてきた。千寿は彼女を見つめながら、黙って何も言わない。
「なんで黙ってたの?」倫子は声を震わせながら問い詰めた。「お父さんを撃ったことも、お父さんが何かに巻き込まれていたことも、証拠を捏造して未解決事件を解決していたことも…なんで教えてくれなかったの?」
千寿は言葉を探すように俯いたが、倫子の声は止まらない。「何も知らないことが私の幸せなの?伏せられた真実を見過ごすことが、私の幸せだっていうの?そんなの納得できない!」
千寿は深く息をつき、重い口を開いた。「俺も真一も、戻れない道をただひたすら進んできた。自分たちが正しいと信じて、それでも傷つく人がいる。犠牲になる人がいる。そんな世界にお前を巻き込みたくなかったんだ」
「ハイド・アンド・シークって何?お父さんは何をしたの?」倫子の声には怒りと悲しみが混ざっていた。
「全貌はまだ分からない」千寿は苦々しい表情で続けた。「ただ一つ言えるのは、真一が警察のある陰謀に関わっていたかもしれないってことだ」
千寿は10年前の記憶を語り始めた。あの日、関係を断ち切ろうとしていた真一と、真実を暴こうとしていた自分が標的になった。そして現場に向かう途中、車に乗ろうとした千寿に真一が話した。
「俺は公安にいた頃、あるセクションに所属していた。そこで自分を見失った。大義のために、一度は人の道を外れたんだ。でもお前と倫子が引き戻してくれた。ありがとな」そう言いながら、真一は何かを千寿に手渡した。
「何かあったら、これを倫子に渡してやってくれ」それは倫子への誕生日プレゼントだった。散々どれにするか悩んだ結果、店員のオススメにしたという。
「この世界はさ、人が人に正しくなきゃいけないんだよ。そんな当たり前だけど、大切なことを倫子が気づかせてくれた。あいつには幸せになってもらいたい」真一の言葉は今も鮮明に千寿の心に刻まれていた。
そのブレスレットは、今も倫子の腕にはまっている。涙をこらえきれずに、倫子は小さく笑った。「なんだ、自分で決めたんじゃないのか。どうりでセンスいいと思った」その一言に、千寿も胸が熱くなった。
倫子は顔を上げ、真っ直ぐに千寿を見据えた。「私は、お父さんも千寿も間違ってると思ってる。警察官が意図的に事件を解決しないとか、証拠を捏造して犯人を捕まえるとか…そんなのあり得ない。でも…」
倫子は続ける。「でも、その根幹が歪んでいるのだとしたら、誰かが正さなきゃいけないってことだよね。私も背負うよ。お父さんが何に関わって、なぜ殺されなきゃいけなかったのか。真実を知りたいから。お父さんのやったことは、娘の責任でもあるから」
千寿はその言葉にしばらく目を閉じ、重々しく頷いた。「あの世で、真一に謝るしかねえな」
倫子は涙を浮かべながら笑い、「そうして」と静かに返した。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】7話の結末
門真の聴取は志熊が担当した。取り調べ室の中、門真は諦めたような目をして椅子に座っていた。
「俺んちは借金まみれでさ…金でずっと苦労してきた」門真の声はやけに冷静だった。「悔いはない。しょうがねえな…バイバイ」そう言うと、隠し持っていた薬を手にし、あっという間に飲み込んでしまった。
「おい!」志熊は立ち上がり、慌てて駆け寄ったが、門真は苦笑いを浮かべながらその場で崩れ落ちた。
一方、千寿はパソコンの画面を睨みつけていた。問題のフォルダが開かない。何度試しても、必要な8桁のパスワードは見つからないままだった。
その時、倫子が静かに近づき、腕に付けたブレスレットを外した。「これ…お父さんのプレゼントなんだけど」倫子が裏側を指差す。そこには、小さく彫られた数字と文字が並んでいた。
「これが…?」千寿は画面に視線を戻し、彫られた文字列をゆっくりと入力していった。
パスワードを入力し終えると、フォルダが一瞬の間をおいて開いた。画面に表示されたファイル名を見た瞬間、千寿も倫子も息を飲む。
「首都爆破テロ事件 2024年12月」
室内に重苦しい沈黙が流れた。この事件が何を意味するのか、彼らにはまだ分からない。しかし、そこに待ち受けているものは、決して小さなものではないことを全員が直感していた。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】7話のまとめと感想
犯人が捕まるが実行犯ではなく、新たに首都爆破テロ計画が見つかったという話でした。
今回は主に10年前の出来事の真相が分かります。千寿が真一を撃ったのは、チップを取り出すためだったということでした。そして爆弾を置いた人物が逮捕されますが、主犯ではありませんでした。
オクラの中に潜入するよう真一は言いますが、当時のオクラには見たところ、幾多と祈里しかいません。となると、オクラの中で上と繋がっているのは、この2人のうちのどちらなのかもしれません。順当にいけば幾多な気がします。
テロ事件を防ぐのと同時に、犯人を捕まえるのだろうと思います。誰が本当の悪なのか?そして千寿たちも罪に問われるのかなど、気になるところです。