【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜Season2】5話のネタバレと感想をまとめています。
恋人がいるのにも関わらずホテルへ見知らぬ男性と入ろうとする女性。恋人はそれを目撃して男を追いかけた挙句、突き飛ばしてしまい被害者はトラックにひかれて死亡する交通事故が発生する。彼女は【後悔】し彼は【苛立】っていた理由とは……?
【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】5話のあらすじ
証券会社勤務の渋谷健吾(水間ロン)が、走行中のトラックにひかれて死亡する交通事故が発生する。ドライブレコーダーには、若い男が被害者を突き飛ばす姿が映っていた。
事故前に渋谷と会っていた梅本寧々(中田青渚)は、恋人の蓮沼太一(福松凜)がいるにも関わらず、渋谷とホテルに行こうとしていた。不可解な状況に聴取を担当する滝沢美空(影山優佳)と心野朱梨(飯豊まりえ)は、その理由を聞き出そうとしていた。
寧々から見えた感情は【後悔】だった。そして蓮沼から見えた色は【苛立ち】だった。彼女は何に後悔し、彼は何に苛立っていたのか?
【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】5話のネタバレ要約
寧々と蓮沼は恋人同士ではなく、お金を手っ取り早く得るために、美人局で渋谷を脅していた。
寧々が【後悔】していたのは、騙していた相手の命を奪ってしまったからだった。
蓮沼が【苛立ち】だったのは、自分は手伝っただけなに罪を重ねることになったからだった。
【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】5話の詳細なネタバレ
狙いは姉?
心野朱梨(飯豊まりえ)と風早涼(浅香航大)は、クリット・ウォンラット(Sapol Assawamunkong(Great))の聴取に臨んでいた。朱梨は写真を見せ、冷静に尋ねる。「姉が警察に追われています。何かご存じでしたら教えてください」
しかし、クリットの目に浮かんだのは【喜び】の色だった。その瞬間、朱梨は怒りを抑えられず立ち上がり、「ふざけないでください!」と声を荒げた。
クリットは冷静に微笑む。「そんなに興奮されたら、話せるものも話せなくなる」
朱梨は深く息を吐き、仕方なく椅子に戻った。
クリットは言葉を選ぶように語り出した。「紫織さんに会いたくて、近づいただけです。どんな姉妹なのか、興味がありました。同じような力を持っているから」
「私たちのことをどうやって知ったんですか?」と朱梨が問い詰めると、クリットは薄く笑って答えた。「君たちは思っている以上に有名だ。仕事仲間の間で噂になっていた」
聴取が終わり、朱梨と風早は廊下を歩きながら話をしていた。朱梨は沈んだ表情で呟く。「もしかしたら、犯人の狙いは姉かもしれません…」
事件発生
梅本寧々(中田青渚)の聴取が始まった。昨夜の交通事故で、証券会社勤務の渋谷健吾(水間ロン)が走行中のトラックにひかれて死亡した。その事故のドラレコ映像には、渋谷が横断歩道で若い男に突き飛ばされる姿が映っていた。
「事故の直前、渋谷さんと一緒にホテル街にいたようですが?」と滝沢美空(影山優佳)が問いかけると、寧々は淡々と答えた。「クラブでナンパされただけです。会ったのは昨日が初めて」
映像には、蓮沼がホテルに入る直前で寧々に声をかけ、彼女を追う渋谷を突き飛ばす姿が記録されていた。
「自業自得でしょ、あんな男」と寧々は平然と言った。「帰りたいって言ってるのに、しつこく追いかけてきたんです」
「蓮沼さんを嫉妬させるためだったんですか?」と朱梨が尋ねると、寧々は視線を逸らしながら小さく頷いた。
その後、蓮沼の聴取が行われた。彼は事件について話し始めると、ためらうことなく犯行を認めた。「渋谷が寧々に手を出そうとしていたのが許せなくて…」
美空が鋭く問いかける。「嫉妬心からの行動だったんですか?」
蓮沼は困惑した表情で、「嫉妬?僕がやったのは間違いありません。でも…殺すつもりはなかったんです」と小さく呟いた。
後悔と苛立ちの色
捜査チームが集まり、寧々と蓮沼に関する情報を整理していた。朱梨は寧々の聴取で感じ取った【後悔】の感情について触れると、今西湊人(岩瀬洋志)が眉をひそめた。「他に何か後ろめたいことがあるのかもな」
「渋谷と一緒に酒を飲んだことを後悔しているんじゃないか?恋人が犯罪者になってしまったから…」と坂東俊之介(浜野謙太)が推測する。
「トラックの運転手については、所轄が過失運転致死傷で処理する方針らしいです」と美空が補足し、坂東も続けて、「蓮沼はこのままだと傷害致死罪だな」と冷静に話を進める。
さらに、朱梨は蓮沼の感情が【苛立ち】だったことに注目した。「もしかしたら、心の奥では反省していないのかもしれない」
坂東も首をかしげ、「嫉妬心による行動なら、殺人罪に近い扱いになる。そうなると罪は重くなるぞ」と警戒を示すと、今西が静かに「本当の動機を見つける必要があるな」と締めくくった。
その後、寧々への2度目の聴取が行われた。美空は、蓮沼との交際が本当なのか問い詰める。なぜなら調べてもそれに関する話は一切見当たらなかった。「逆に、寧々さんがパワースポット巡りに相当凝っているって話は出てきたけど」
寧々は最近付き合い始めたと言ったが、大学の関係者は「もし付き合っていたならすぐに報告してくるだろう」と一様に口を揃えていた。
聴取を終え、朱梨は寧々に優しく言った。「もし話したいことがあれば、いつでも言ってくださいね」
そう見送る朱梨の背中には、まだ解けない謎が影を落としていた。
久しぶりの再会
風早がやってきて、クリットの事件について調べた内容を朱梨に報告した。組対部が捜査を進めている犯罪組織の構成メンバーに、一ノ瀬伸明(西中ひさあき)の名前があることが判明したという。どうやら一ノ瀬はただのエンジニアではなく、組織と深い関わりを持っていたらしい。
その後、県警の担当者と待ち合わせをしていた風早と朱梨のもとに現れたのは、雲川幸平(山中崇)と北村聡子(日比美思)だった。一ノ瀬の組織の捜査には県警の組対部と、雲川たちの刑事課が合同で取り組んでいたようだ。
会話の中で、北村が交通課の白バイ隊員と結婚している話題も出た。また、組織のアジトが東神奈川署の管轄にあるため、近々ガサ入れを実施する予定があることも明かされた。
「この組織は国内だけでなく、アジア各国で特殊詐欺や違法薬物の売買に関与している。特に活動が盛んなのはタイだ」と雲川が説明し、さらに、「クリットもその組織と何らかの関係があるのかもしれない」と推測した。
朱梨はガサ入れへの参加は難しいが、情報を共有してもらえるよう頼み、雲川と北村も承諾した。
その後、雲川は心野紫織(松井玲奈)の件についても知っていることを明かし、組織との関連性を疑っていた。「担当でもない事件に首を突っ込んで、出世に響くんじゃないのか?」と心配する雲川に、風早は笑って答えた。
「今更ですよ。でも、決めたんだ。最後まで心野の味方でいるって」
雲川も笑いながら「だからって、いきなり引き抜くのはやめてくれよ」と言い、風早も「すいません」と苦笑を浮かべた。
マニュアルの存在
朱梨と美空は「florist willow」のアカウントを眺めながら話し合っていた。寧々がこのアカウントを頻繁にチェックし、店主である常松万理華(田辺桃子)のファンであったことが明らかになっていた。美空が説明を続ける。「万理華は、一部のファンに『恋愛マニュアル』を販売しているって噂があるんです。でも、それが実は恋愛詐欺の指南書だという話もあるようで」
美空によれば、万理華のファンたちが過去に男性に訴えられるトラブルが、相次いで発生したこともあるらしい。マニュアルの存在について万理華は一度も認めなかったが、結局、訴訟は示談で片付けられている。「もし噂が本当なら、万理華も詐欺幇助にあたるかもしれない」と美空が静かに付け加えた。
後日、朱梨と美空は常松万理華の元を訪れた。朱梨は話しながら、スケッチブックを取り出し、慎重に色のスケッチを描き始めた。まずは寧々の写真を見せ、「相談に来ていたのは事実ですか?」と尋ねると、万理華は冷静に頷いた。
「でも、ネットで噂されているような『恋愛マニュアル』なんて存在しませんよ」と万理華は否定し、少し語り始めた。「最初は花のことだけで相談を受けていたんです。でも、いつの間にか恋愛の相談をされることも増えていって…」
続けて、万理華は一瞬考え込み、「そういえば、寧々さんも『マニュアルを売ってほしい』って頼んできたことがありましたね。お金に困っている様子で、私に詐欺のテクニックを教えてくれってまで言ってきて…」とDMを見せてくれた。
「渋谷さんが外資系の証券会社に勤めていることを知って、金銭目的で近づいたのかもしれない」と美空が呟くと、朱梨は不意にスケッチブックを並べ始める。「見えました…梅本さんの色」
事件の真相
寧々の再聴取で、彼女はようやく真実を語り始めた。蓮沼と付き合っていることも、渋谷と飲んだこともすべて嘘だった。蓮沼はただの友人で、話の流れで「お金が欲しいよね」という言葉を漏らしたところ、「簡単な方法がある」と彼が提案してきたのだ。
「マニュアルが手に入れば楽に稼げると思ったんです」と、寧々は後悔の色を浮かべながら静かに言った。
一方で、蓮沼の聴取が続く中、彼も本音を明かし始めた。「寧々がマニュアルが欲しいって言うから、常松万理華に頼もうとした。でも結局、渋谷を脅すのが手っ取り早いと考えたんだ。美人局で金を払わせようとしたけど、あいつは逃げ出して…そのままトラックにひかれて死んだ」
蓮沼は冷たく言い放ち、事件当時の記録を語り続けた。事故後、渋谷のスマホを拾い、「このまま俺がお前を助けたことにして、付き合っていたことにしよう」と寧々に持ちかけたのだ。
「脅していたことがバレたらマズいからだよ。お前も共犯だってこと、忘れるな。お前のせいだからな」と、彼は寧々を威圧していた。寧々が抱いていた後悔は、渋谷の命を奪い、彼の人格を否定する行為に加担してしまったことへの罪悪感だったと朱梨は感じ取った。
朱梨は彼女が真実を話し始めたのも、後悔の中で正直に向き合おうとしたからだと気づいていた。
「あなたも脅迫の罪に問われることになる」と、美空が冷ややかに告げると、蓮沼は憤った表情で反論した。「金が欲しいって言うから手伝っただけだ。なのに巻き込まれた挙句、罪を背負うなんて…」朱梨には、その苛立ちが彼の【苛立ち】という感情として見えていた。
「なんで俺だけ責められるんだ?女は女の味方するからか?女はいいよな、何かあれば守られて、金稼ぐのも楽なんだからよ」と、蓮沼はひねくれた言い方で美空に八つ当たりした。
「何を言ってるんですか!」美空が怒りを抑えきれずに声を荒げると、蓮沼はさらに反抗的な態度を取った。「常松万理華だってそうだ。男を騙す方法ばかり広めて、女どもが儲けてる。損するのは男ばかりだろうが」
「ネット上のデマに過ぎません!」と美空が強く否定したが、蓮沼は無視し、挑発的に続けた。「あんたら警察も、先にあの女を捕まえればいいじゃないか」
その様子に美空がさらに怒る中、朱梨が冷静に、しかし強い口調で言葉を放った。「確かに、梅本さんがしたことは許されることではありません。彼女が楽してお金を稼ぎたいと考え、同じように常松さんを頼る女性がいるかもしれません。でも、それでもあなたが梅本さんを利用していい理由にはなりません」
朱梨の声は静かだが、その中に揺るぎない怒りが込められていた。「渋谷さんが亡くなり、彼女はそのことで深く傷つき、後悔しています。あなたは、お金の損得ばかりで彼女の感情を無視している。そうした彼女の気持ちを無かったことにしようとするのなら…私はあなたを決して許しません」
その言葉に蓮沼は言葉を失い、部屋には朱梨の冷静な決意だけが響き渡った。
【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】5話の結末
その後、蓮沼は全てを自供した。しかし、朱梨は引き続き万理華の感情が気になっていた。彼女と店で会った時、朱梨には万理華の中に【怒り】の色が見えていた。「彼女は何に対して怒っていたのでしょうか…」と朱梨は思案した。
翌日、横浜にある組織のアジトへのガサ入れが予定されていた。
一方で、風早は事件の担当刑事(小西貴大)と対話を続けていた。クリットが飲食業に関わっているとの情報は日本では確認できなかったが、タイ本国での事業実績はあるということだった。「本当にビジネスのために日本に来たのだろうか…?」と担当刑事は疑念を抱いた。
ちょうどその時、風早たちの脇を、万理華が通り過ぎていった。近くのビルで起きた転落事故の参考人として呼ばれたらしい。転落が起きた時刻に、万理華は被害者の元に花を配達していたため、事情聴取を受けることになったようだ。
そして、ガサ入れの時間が訪れたが、横浜のアジトに突入した捜査チームが目にしたのは、もぬけの殻となった現場だった。内部の捜査情報が漏れていた可能性が疑われ、朱梨たちは誰がその情報を流したのか、新たな疑念と共に捜査の行方を見守っていた。
港区の公園で、会社経営者の馬場竜之介(南川航輝)が殺害される事件が発生した。現場を見た朱梨の視線は、置かれていた向日葵の花に注がれていた。この向日葵は、以前、万理華が参考人として呼ばれた転落事故の現場や交通事故の際にも見かけられたものだった。
「ただの偶然じゃないか?」と風早は慎重だったが、朱梨は「確かめたいことがある」と、さらなる調査を決意する。
その後、朱梨はクリットに聴取を行い、向日葵に触れるように頼んだ。クリットが向日葵に手を伸ばすと、【怒り】の感情が感じ取れた。それは朱梨が万理華からも感じ取ったものと同じであり、彼女の背後に深い怒りと意図があることを示唆していた。
そして、万理華は自宅でメモに書かれた「Ⅲ」に線を引く、残るのは4件目――新たな事件が迫っている可能性が高まる中、朱梨たちは次なる行動を急ぐのだった。
【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】5話のまとめと感想
手っ取り早く金を稼ぐために美人局し、死なせてしまったことに【後悔】した女性と、巻き込まれたことに【苛立ち】を感じていた男性の話でした。
今回は話がいくつも同時進行するので、メインの事件が薄く感じます。シーズン通してのクリットの事件の他、恐らく美空のキーホルダーでガザ入れ情報を知った組織の話、それ以外にも万理華が関わる連続事件の話とあります。
つまり、4つの話が同時に進行していました。さすがに盛り込みすぎで、その結果メインの話が薄っぺらく感じました。せっかく雲川たちが再登場してくれたのに、なんだかぼんやりした印象の回です。
姉の失踪、クリットの事件、美空の弟の件、その全てが最終的に1つに繋がるのだとは思いますが、メインの話を蔑ろにされても困ります。来週はもう少しメインの話を丁寧に描いてもらいたいものです。